1stフルアルバム『the ERA』に注ぎ込んだ、音楽への熱量と愛情のすべて。

ravenknee | 2019.10.30

 デビューEP「PHASES」から11ヵ月、ravenkneeが初のフルアルバム『the ERA』をドロップした。松本祥(Vo/Gt)が数年前に書いた曲から、4人のアイディアが詰め込まれた最新曲まで、カラフルな11曲がravenkneeの今をリアルに表している。バンドの新たな一歩となるこの新作について、メンバー4人が揃って語ってくれた。

1st Full Album『the ERA』(All Songs Teaser)

EMTG:初のフルアルバム、完成おめでとうございます。皆さんの意気込みも大きかったと思いますが。
松本祥:ravenkneeとしても初めてですけど、僕個人としても、人生初のフルアルバム。それに、今までの配信曲とか EPとかは、僕ひとりで9割ぐらいトラックを作り込んじゃったりしてたんですけど、このアルバムに関してはみんなで、トラック作りとかアレンジをやって作ったアルバムでもあって、思い入れは強いです。ravenkneeの第一歩になっていると思います。
EMTG:全員での制作になったのは、どうしてですか。
祥:バンドなんで(笑)。僕はバンドをやりたくて、メンバーを集めてravenkneeを始めて、今までは外に向けて楽曲を発表してるけど、同時にメンバーに向けてのプレゼンでもあったような曲作りだったんですよ。それを、バンドとして形にしたいなと思ったので、力を合わせて作りました。
EMTG:作曲方法が変わったと?
祥:5曲目の「I wanna stay」はカズキさん主導で作った曲だし、「秒針の鼓動」はテルくんが主導で作った曲。でもravenkneeのスタンスというか、シューゲイザーやEDMもJ-POPに昇華していく音楽性は崩れてないです。
EMTG:誰かが中心になって曲を完成させていく、プロデュース分担制みたいな感じでしょうか。
祥:そうですね。アルバムの顔である「ubugoe」とか「Pick you up」とかのベースになったのは僕の曲で、それをカズキさんが洗練させて、そのデータを僕に送り返してもらって、みたいな作り方ですね。たとえば「ubugoe」は、10時間ぐらいみんなでスタジオに入って構成を考えて。

ubugoe(Official Music Video)
松本一輝(Gt/Mani):ジョーくんはひとりでも作りきれるんですけど、やっぱり複数人で作ると煮詰まることがなくなるっていうか。スピード感が速くなったので、それがよかったかな。やっぱりみんなで作ったほうが、自分ごとになるんで、やる気が出る(笑)。自分もやる気がさらに出て、よかったと思います。
東克幸(Dr):「PHASES」に入ってる「OCEAN」とかは、ジョーが作ってきたデモを、そのまま叩くって感じだった。そのほうがいいんだろうって思ってたんですけど、「ubugoe」あたりから、みんなでスタジオで作っていこうって集まった時に、「こうしたほうがいいんじゃないの」とか自分も意見を言って、スタジオで実際にやってみて、というのが結構ハマりだした。だからこのアルバムのほかの曲も、EDMとか打ち込みが似合う曲たちの中に、僕のドラムが交じるような感じで、自分の色を入れられたかなと思ってます。自分の解釈を入れてやっていいんだって、このバンドを1年ぐらいやって、やっとわかった感じです(笑)。
安田照嘉(Ba):「秒針の鼓動」で初めてメインで作曲に関わったんですけど、トラックメイク自体は以前からこそこそやっていて(笑)。やっとメンバーに聞かせてもいいかなって言うものができた。それをメンバーも気に入ってくれて、1曲に完成させられたのは、かなり自信になりましたね。しかもこの曲、ベースを弾いてるのは8小節しかなくて。いい意味でベースから離れて、俯瞰して自分の楽器と向き合えるようになりました。
EMTG:みなさん、意欲的にレコーディングに向かった感じですね。
祥:「Turn Around」は、「PHASES」を出す前、去年の夏ぐらいに録ってたんです。この曲の時点で、カズキさんとふたりで作業してて、それが境目になりました。
EMTG:意見がぶつかって紛糾、なんてことはないんですか。
祥:みんな柔軟なんで。すっげえ言われすぎると落ち込んじゃうんですけど、それも僕だけかな(笑)。
一輝:音楽で難しいのが、理屈だけじゃないってことで。わりと理屈で責めがちなんですけど、耳で聴いて、どう考えてもこっちのほうがいいでしょう、みたいな感覚を大事にしたいと思ってます。
EMTG:曲の準備は1年ぐらい前から始まってた感じですか。
祥:まず、「透明な街」「AJISAI」「Turn Around」は、去年8月に出した「OVERDOSE」を録ってた頃にはレコーディングが終わってましたね。「透明な街」は、めっちゃ昔に僕がひとりで弾き語りをやってた時に、バンド組みたいなと思いながら作ってた曲で。だから初めてのアルバムに入れないと成仏しないと思って(笑)。
照嘉:僕はジョーくんと同郷で、前の前のバンドから一緒にやってたんですけど、その頃からあった曲ですね。
EMTG:その頃の祥さんは、どんな様子だったんですか?
照嘉:地元から同じぐらいのタイミングで、別々のバンドで出てきたんですけど、自分のやりたいことがうまくできないみたいな時期だったんですよね。それで、自分のバンドがやりたいって言って、「透明な街」をやってた。
EMTG:これもメンバーへのプレゼン曲だったんですか?
祥:最初にみんなに聴かせた曲のひとつです。録音もしてたんですけど、「1st EP」にはなんとなく入れなかった。
一輝:「1st EP」はほかの曲が全部英詞だったんで、それで外したんだと思う。
祥:そうだ、ちょっと異色すぎるって外したんだ。歌詞がちょっと憂鬱な曲で、こっそりSoundcloudにあげてたら親が聴いたらしくて、心配したのか連絡がきました(笑)。6曲目の「青の魔法」は、「透明な街」を作ってた頃の自分に歌ってるみたいな感じです。
EMTG:祥さん、以前のインタビューで歌詞に苦労しないとおっしゃってたけど、今回はどうでしたか。
祥:歌詞を書くのは楽しいというか、どうやって作ろうかなって、ちょっとワクワクしますね。今日はどこへ行こうかって、いろんなところに行って歌詞を考えるんですよ。深夜に公園まで歩いたり、マンガ喫茶で『NARUTO』読みながら書いたり。「I wanna stay」は、カズキさんちでテルくんとカズキさんがデータ整理してるあいだに、近所を1時間半ぐらい徘徊して書きました(笑)。
照嘉:あの時はベースも録ってたんだよ。こっちは帰ってくるまでに録り終えなきゃって、必死でやってた(笑)。
EMTG:そういう共同作業をやるうえで、このアルバムのテーマとかコンセプトみたいなものを、みなさんで共有していたんでしょうか。
祥:みんなで話したりとかはなかったですけど、黙っててもなんとなく、被ってるところが大きいんで。僕の作ったりするものを信頼してくれてるのかなと思う。僕がシューゲイザーとかEDMとか壮大なものが好きで、そういうアルバムにしたいと思ってて。アルバムのイントロもつけたいと思って1曲目を作ったり。さっき話した「透明な街」と「青の魔法」、「ubugoe」と「Earth」が僕の中では繋がっていたりするので、全体のストーリーみたいなものは考えていました。で、最後に何入れる?ってなった時に、自分たちの始まりの「1st EP」から1曲いいんじゃないかって。それで、「daydreaming」のアレンジを変えて。

daydreaming(short ver.)
一輝:これ、「1st EP」でいちばん好きな曲だったんで。これを聴いて、バンドに入ろうと思ったんですよ。今でも覚えてるんですけど、ライブハウスで、僕その日2本ライブがあって、出番が終わったらすぐに出なくちゃいけなかったんですけど、ジョーくんが「新しくバンド始めたんですよ」って、これを聴かせてくれて。「俺めっちゃ急いでるんだけどなあ」って思いながら(笑)、1コーラスで終わるつもりだったのに、フルで聴いちゃって。それぐらい久々に衝撃くらった。
祥:そういうバンドと僕のストーリーを織り交ぜつつ(笑)、新曲の「ubugoe」「Pick you up」みたいな新時代感のある曲も作って、ravenkneeのキャラを出せたらいいな、というのがアルバムのコンセプトですね。今後は、もっとカズキさんやテルくんに曲を作ってほしいなと思ってるんです。テルくんは、遅めのテンポでおしゃれで奥行きのある曲が得意で、カズキさんはめっちゃストイックでちょっとビートがスウィングしてるエレクトロな曲が得意。僕は「ドカン!バーン!」みたいな壮大な曲が得意なんで(笑)。

Pick you up(Official Music Video)
一輝:俺とかテルくんの曲も、ジョーくんに渡すと「ドカン!バーン!」が入るんで、めっちゃ面白い(笑)。ravenkneeは、それで成立してますね。
照嘉:その「ドカン!バーン!」は作曲的なパワーがないと出ないものなんで。自分には絶対に、腕力的にないなっていうパワーです(笑)。
EMTG:最後に、『the ERA』というタイトルにしたのは?
祥:ravenkneeが、今の時代に存在を残すというのもあるんですけど、自分の中で、この時代のタームに突入したかなと思って。
照嘉:元号が変わるタイミングで、自分たちがこういう作品を作ったっていうことに運命を感じますよね。

【取材・文:今井智子】

tag一覧 J-POP アルバム インタビュー 男性ボーカル ravenknee

リリース情報

the ERA

the ERA

2019年10月23日

ラストラム・ミュージックエンタテインメント

01.The era of turmoil
02.ubugoe
03.Pick you up
04.Earth
05.I wanna stay
06.青の魔法
07.AJISAI
08.Turn Around
09.透明な街
10.秒針の鼓動
11.daydreaming -rearranged-

お知らせ

■マイ検索ワード

松本祥(Vo/Gt)
防音素材
最近引っ越したんですけど、家で歌を練習したいなと思って。防音の素材について、めちゃくちゃ調べてましたね、一晩中ずっと。探してみると、「防音室」が売ってて。ヤマハとかだと140万円くらいするんですけど、それの簡易版みたいなのが8万円くらいで売ってて、それを買うのか、それとも自分でホームセンターで板を買ってきて、そこに遮音材と吸音材を貼り付けて作ろうか考えてて。素材は何が必要なんだろうって調べてましたね。

松本一輝(Gt/Mani)
表現の不自由展
物議を醸しているので(笑)。おれはやっていいと思ってますけど。

安田照嘉(Ba)
スプライス
サブスク系のサイトでサンプル音源を入手できるんですよ。

東克幸(Dr)
ジンジャー・ベイカー
Creamのドラマーです。最近亡くなっちゃったんですよね。



■ライブ情報

ravenknee presents
「The era of turmoil at OSAKA Shinsaibashi Pangea」

11/28(木) 大阪・心斎橋Pangea

ravenknee ONE MAN LIVE
「The era of turmoil at TOKYO shibuya WWW」

12/05(木) 東京・渋谷WWW

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Ginza Sony Park [Park Live]
11/01(金) Ginza Sony Park PARK B4/地下4階

kycoh presents “邂逅 vol1”
11/15(金) 下北沢ERA

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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