バレンタイン・デーが間近に迫った2011年2月12日。

「Winternet'11 バレンタイン・スペシャルライブ supported by Ghana」の会場となった東京・SHIBUYA-AXには、ティーンを中心とした多くのオーディエンスが集結。ソニーミュージック所属のブレイク必至アーティストたちがこれから観られるとあって、フロアは開演前から熱気に包まれている。

　トップバッターで登場したのは、「今月メジャーデビューを飾ったばかりです！」というシンガーソングライターのダイスケ。爽やかなビジュアルと優しい歌声はあらゆる観客を魅了。デビュー曲「ボク☆ロケット」など全3曲を、独特でファンタジックな歌詞とポップなメロディーで会場を盛り上げた。

　2番手は、女性3人組のボーカルグループ・DOMINO。しなやかでキレのあるダンスで、テレビ東京系アニメーション「NARUTO-ナルト- 疾風伝」エンディングテーマ「U can do it !」など全3曲を披露。3人のハーモニーと力強いメッセージも印象的で、自身たちが"とにかく楽しんでいる！"といったステージには思わず笑顔になった人も多かったはずだ。

　次は今回の出演アーティストで唯一のバンドとなるSPYAIRが登場。割れんばかりの歓声が彼らを迎え、DJのENZEL☆がアッパーに客席をアオるとフロアも手拍子。オープニングの「LIAR」では冒頭からエネルギッシュなパフォーマンスが胸を打ち、すさまじい破壊力と5人のグルーヴが圧巻！　高いライブ力と、フロアを瞬時にして飲み込んでいくパフォーマンスで、会場の大きなインパクトを与えた。彼らはこの日披露した新曲「ジャパニケーション」を含むラストの「SINGING」まで常にアグレッシブなステージを続行。フロアの温度を一気に熱く上昇させていた。

　イベント後半戦は、昨年の「歌のあるガムプロジェクトCM・メジャーデビューコンテストNEXT」でグランプリを獲得した18歳の新人アーティスト・津川ゆりあからスタート。彼女は「昨日、（地元の）広島から出てきたばかり」だそうで、歌う前は少し緊張気味。だが、ひとたびマイクを持つと抜群の歌唱力とソウルフルなボーカルが会場を圧倒！表現力豊かで大人びた歌声に、5月のロッテ「母の日ガーナ」CMソング「FOREVER」での本格メジャーデビューがますます楽しみになった。

　次はいよいよ、この日のスペシャルゲスト・栗山千明。自身初となるバンドスタイルでのパフォーマンスだ。1曲目の浅井健一プロデュースで話題を呼んだ「コールドフィンガーガール」では、少し妖艶な表情と激しいロックンロールが、冒頭から観客の度肝を抜く。2曲目は椎名林檎が楽曲提供・プロデュースした「決定的三分間」をマイクではなく拡声器を持って熱唱。レトロフレイバーのメロディーと彼女の色気ある歌声は好相性で、誰もが彼女の新しい一面に目を奪われた。2曲という短い時間だったが、"シンガー"栗山千明の存在感をこの日は大いに見せつけたのではないだろうか。

　そして今イベントのトリを飾ったのは、昨年3月にデビューした女性シンガーソングライター・miwa。彼女の149cmという小さな体がステージに現れると、大勢の観客が「miwa?！」と声援を送り、会場はとても温かい雰囲気に。そこから「don't cry anymore」と新曲のポップチューン「春になったら」を披露し、後半はバラードの「オトシモノ」、アッパーにタオルを振り回した「chAngE」まで、カラフルな楽曲で会場を湧かせた。ライブ中は彼女自身が常に楽しそうな様子で、それを見たオーディエンスも自然とハンズアップ！　パワフルなステージングや凛とした歌声など、彼女が秘めた可能性を肌で感じることができた。

　全5組のアーティストが全力のパフォーマンスを披露した今回のイベント。転換中にはそれぞれがMC・茂木淳一とバレンタインにまつわるトークを展開し、音楽はもちろん、アーティストたちの素顔が垣間見える楽しい内容となっていた。彼らが2011年をどんな活動で楽しませてくれるのか、期待に胸が躍る一夜だった。

【 取材・文：川倉由起子 】