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雨のパレード ワンマンツアー2017「Untraveled」東京・新木場STUDIO COASTの模様をレポート

雨のパレード | 2017.11.06

 2016年1stフルアルバム『New generation』でメジャーデビュー。2017年3月からは2ndアルバムと同タイトルの全国ツアー『Change your pops』が大盛況に終了するなど好調な活動を続ける雨のパレード。8月23日にリリースしたメジャー3rdシングル「Shoes」はテレビ東京系ドラマ24「下北沢ダイハード」エンディングテーマとなるなど、さらなる躍進が期待される中、『ワンマンツアー2017「Untraveled」』が行われた。その東京公演となった9月24日(日)新木場STUDIO COASTの模様をレポートする。

 日曜夜のSTUDIO COASTは、チケットソールドアウトの超満員。歌メロはJ-POPを意識しているとはいうが、ポストダブステップやインディーR&B、トラップといったリアルタイムの海外音楽をリファレンスとしているバンドとしては、異例とも言える支持を得ていると言えるのではないだろうか。そんなことを考えていると、照明が暗転。スクリーンにはバンド名通り、雨の映像が投影され始めた。

 そしてシンセリフが響き渡り、オープニングトラック「new place」がスタート。半透明のスクリーンを使ったプロジェクションにより、メンバーの前面の空中に映像が浮遊しているかのようだ。近未来的な演出とエレクトロニックなサウンドのシンクロに、フロアは心地よさそうに揺れ始める。しかしそんな様子は楽曲の後半で一転。スクリーンが落ち、演奏の熱量が一気に高まる。まるでVRからリアルへ。歌われるリリックは≪僕に気付いて≫だ。冒頭のスクリーンを使ったパフォーマンスから、クールなスタイルのライブになるのかと思いきや予想外。なんとも粋な演出だ。

 演奏終了と同時に会場に響き渡ったのは、ヴォーカル福永浩平の第一声「ありがとう!」。「雨のパレードです。どうぞよろしく」という挨拶に続いて演奏されたのは2ndシングル『stage』のカップリングである「1969」。どこか倦怠混じりの、それでも包み込むようなやさしい歌声と、強い決意を表現するようにパワフルに叩かれる大澤実音穂のドラムのコントラストが美しい楽曲である。そして続くのは、エレクトロニックなダンスチューン。「この曲は?」と思っていると、聞き覚えのあるイントロが。「encore」だ。この日のライブはこうしたインタールードが適宜挿入されていたのだが、音源で聴き慣れた楽曲の解釈をより深める演出として実に効果的だった印象だ。続く「Focus」においては、スタジオ音源の「チルとダンスが共存するトラック」という印象を一変させるようなアレンジメントが。真っ赤な照明に切り替わると同時に激しく歪んだベースが爆音で鳴らされたかと思いきや、一転、青い照明に切り替わり平熱のダンストラックに戻るという、極端なまでのコンラストが描かれ、楽曲の新たな魅力をオーディエンスに提示していた。

「こんばんは、雨のパレードです。これだけの人が集まってくれて嬉しいです。(今回のツアータイトルである)「Untraveled」というのは“旅の経験がない”という意味。ライブで新しい旅に連れて行くイメージです。今日はいろんな俺らを見せられると思うので最後まで楽しんで」とのMCが挟まれ、「新しいシングルのツアーということで……」と演奏されたのは最新シングル曲「Shoes」。太いシンセサウンドとノスタルジックなフィーリング、そして乾いた生ドラムが甘い世界観を表現しているこの曲は、決して派手な楽曲ではないものの、フロアの反応も上々。ドラマのエンディングテーマということも含め、すでにオーディエンスに浸透していることが伺えた。

 ここから「Thunderbird」「Voice」と最新シングル収録曲が続けて演奏され、最新の雨のパレードのモードを表現。一音一音の粒立ち、残響、隙間を強く意識した、儚くも力強いサウンドは、大音量のライブでさらにその魅力を感じることができた。「Thunderbird」ではピアノのサウンドがより強調され、「Voice」ではベースがさらに歌っている“ライブ版”的演出も見逃せないポイントだ。

 そしてライブは中盤へ。語りかけるように福永が歌うバラード「寝顔」では、ベース是永亮祐も座ってメロウにベースを奏でる姿が印象的。続く「Take my hand」ではアコースティックギターが登場し、ここまでのエレクトロニック&ロックな世界観は一変。雨のパレードの持つ別の表情が新たに顔を見せた。

 ここでステージは、ヴォーカルの福永とギターの山崎康介の二人に。「今日はせっかくアコギがあるんで、ギター一本で歌おうと思います」と弾き語りセットに突入。

「スッゲー苦労して書いた大切な曲」と紹介したのは、メジャーファーストシングルである「You」。その言葉の通り、一つ一つのフレーズを大切そうに歌うのが印象的。そして「レコーディングで初めて康介さんがピアノを弾いた曲。初めてテーマをもらって作った曲。ただただ幸せな曲というのはそれまで書いたことなかったから、壁を超えられた曲だと思ってます」と「morning」を続けて披露。スタジオ音源版とは違い、ひたすらにギターのアルペジオが美しく鳴るアレンジが新鮮に響いていた。

 続いてステージはベースの是永とドラムの大澤の2人に。ドラムソロからのリズム隊セッションになだれ込み、是永はハイポジション高音部を駆使したプレイからスラップへとフリーキーなベーススタイルを発揮。高速のスラップ奏法にはこの日一番とも言える歓声が上がっていた。ここでステージに福永と山崎が登場。山崎のギターカッティングから「Hey boy,」のイントロが鳴り響き、大きな盛り上がりを見せていた。

 そしてライブもクライマックス。ディスコビートのアッパーチューンである「Change your mind」とディープなグルーヴが奏でられる「Count me out」とダンスモードに。そのまま「これで最後の曲です」とセカンドシングル「stage」が披露され、天井から降りてきたミラーボールが放つ光と楽曲の祝祭感にフロアが包まれ本編は終了。興奮した様子のフロアは、歓声からそのままアンコールを求める手拍子へ。その熱い期待に応え、バンドが再びステージに登場し、それぞれがバンドの現状認識と感謝をファンに伝えたのちに演奏したのは「Tokyo」「Petrichor」の2曲。アッパーチューンを最後に持って来ない。そんな余裕に新世代バンドとしての矜持と挑戦的な姿勢を感じたフィナーレだった。スタジオ音源とは違うライブならではのインタールードや、アレンジに見られた閃きは、きっと今後の彼らのスタジオ音源にもフィードバックされる要素だったのではないだろうか。さらに大胆な変化を期待したい。そう思わされるライブだった。

【取材・文:照沼健太】
【撮影:後藤壮太郎】




tag一覧 ライブ 雨のパレード 男性ボーカル

リリース情報

Shoes

Shoes

2017年08月23日

ビクターエンタテインメント

1.Shoes
2.Thunderbird
3.Voice
4.Hollow

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お知らせ

■ライブ情報

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2017/11/23(木・祝) 大阪 umeda TRAD

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2017/12/28(木)- 29(金) インテックス大阪

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