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Saucy Dog、自主企画ツアー“カントリーロード Encore TOUR「もっと ~東名阪対バンツアー~」”ファイナルを渋谷クアトロで開催!

Saucy Dog | 2018.01.17

 Saucy Dogが年明けから開催してきた自主企画ツアー“カントリーロード Encore TOUR「もっと ~東名阪対バンツアー~」”のファイナルを渋谷クアトロで開催した。このツアーは昨年5月にリリースした初の全国流通盤『カントリーロード』を携えて、同じく東名阪で開催した対バンツアー「ずっと~東名阪対バンツアー~」がソールドアウトしたことによるアンコール公演。名古屋と大阪では、昨年とは異なる対バン相手(=Age Factory、シナリオアート)を迎えた今回のツアーだったが、東京はメンバーの熱い想いで昨年のツアーでも共演したHalo at 四畳半をブッキング。“お兄ちゃん的存在”であるという先輩バンドの胸を借りるかたちで、この1年間のバンドの成長を渋谷クアトロに刻みつけた。

 ソールドアウトとなった満員の会場に、まず登場したのはHalo at 四畳半だった。「準備はいいかー!?」という渡井翔汰(Vo・G)の力強い叫び声とともに、「ステラ・ノヴァ」からライブはスタート。片山僚(Dr)、白井將人(B)、齋木孝平(G)が激情をぶちまけるように繰り出すエッジの効いたバンドサウンドにのせて、ボーカルの渡井が物語を紡ぐようにメロディと言葉をのせていく。MCでは昨年に続き、バンドの大事な場所にハロを選んでくれたサウシーに対して、「僕がライブハウスのドリンクで働いてたときから知ってたから、こんな場所でライブをできるようになったことは自分のことのように嬉しい」と喜びを伝えた白井。さらに「(サウシーは)自分のことが正しいのかわからずに、ずっと葛藤してるバンドだと思う。この先、迷ったときはこのステージを思い出して、自信にしてほしい」と熱い言葉を口にして、1個下の“かわいい後輩”へエールを送った。

 そして、ハロの永遠のテーマでもある“心の在り処”について問いかけた最新ミニアルバム『Animaplot』から「ユーフォリア」、さらに生命力溢れるライブアンセム「リバース・デイ」など、アグレッシヴなパフォーマンスで会場を温めた後半。渡井が「とっておきのラブソングを」と紹介した「モールス」は、ハロらしい誠実さが溢れたハイライトだった。バンドとリスナーのかけがえのない出会いを祝福する明日への讃歌は、その場所では、ライブハウスで繋がったサウシーとハロとの出会いに感謝する歌として響き渡っていた。

 マルーン5の「Losing My Mind」のSEでステージに登場したSaucy Dogは、石原慎也(Vo・G)が「最低だった自分に……」と前置きをして、不甲斐ない自分に別れを告げる「グッバイ」から幕を開けた。石原のギターと歌のみで始まり、そこに秋澤和貴(B)とせとゆいか(Dr)の演奏がドラマチックに加わる。バンドとして最小限の単位であるスリーピースが繰り出すシンプルなバンドサウンドに剥き出しの感情を体当たりでぶつけていく。会場から湧き上がるハンドクラップにのせて、センチメンタルなメロディが疾走する「ナイトクルージング」や、石原とせとによる男女のハーモニーが懐かしい景色を描く「マザーロード」など、『カントリーロード』からの楽曲を中心にしながら、この日は全10曲のうち4曲が新曲という挑戦的なセットリストでもあった。MASH A&Rのオーディションでグランプリ獲得から1年。この日、披露された新曲はバンドの新たな一面を覗かせる楽曲もあり、多くの経験によって成長したSaucy Dogのいまがはっきりと刻まれていた。

 MCでは、再び対バン相手にハロを迎えたことについて、「何かきっかけがあったわけじゃないけれど、気がついたら寄り添ってくれていた」と、その存在の大きさを明かしたせと。「ハロが間違いないライブを見せてくれたから、私たちは一生懸命やるだけです」と、飾らない言葉でツアーファイナルへの意気込みを語り、会場は温かい拍手で包まれた。
この日、披露された新曲のなかで、特に異彩を放った印象的なナンバーがあった。演奏を終えて、「新曲かっこよかったでしょ?」とはにかんだ石原だったが、上手くいかない毎日にもがきながらも、強い前進の意志を込めたこの曲は、おそらくこの先のバンドにとって大きな意味を持つ楽曲になると思う。

 ラスト1曲を残して、今度は石原が「ハロはお兄ちゃん的存在です。慕わせてもらってます。好き!」と、せとと同じように素朴な言葉で親愛の気持ちを表すと、「いつか」でライブを締めくくったSaucy Dog。お客さんが固唾を呑んで見守るなか、MASH A&Rのオーディションでグランプリの決め手となった後悔のラブバラードで、渾身のボーカルを聴かせると、最後に「またいつか!またいつか、会えますように」と別れの言葉を伝えた。

 この日のステージでSaucy Dogは5月から初のワンマンツアー「Saucy Dog 全国ワンマンツアー 『one-one tour 2018』」を全国9会場で開催することを発表。いまだ底知れない大きな可能性を秘めたスリーピースは2018年も果てなきチャレンジを続けていく。

【Text by 秦 理絵】
【photo by 白石達也】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル Saucy Dog Halo at 四畳半

リリース情報

カントリーロード

カントリーロード

2017年04月21日

HIP LAND MUSIC

1.煙
2.ナイトクロージング
3.いつか
4.ジオラマ
5.マザーロード
6.Wake
7.グッバイ

お知らせ

■ライブ情報

Saucy Dog 全国ワンマンツアー
「one-one tour 2018」

05/25(金)[東京] 渋谷TSUTAYA O-Crest
05/27(日)[宮城] 仙台LIVE HOUSE enn 3rd
06/15(金)[香川] 高松TOONICE
06/16(土)[広島] 広島BACK BEAT
06/17(日)[福岡] 福岡Queblick
06/24(日)[北海道] 札幌SOUND CRUE
06/29(金)[愛知] 名古屋ell.FITS ALL
06/30(土)[新潟] 新潟RIVERST
07/05(木)[大阪] 心斎橋JANUS

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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