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THE BEAT GARDEN 初の主催イベント“KOKOROZASHI ALIVE”をレポート!

THE BEAT GARDEN | 2018.05.29

 音楽に常に真摯であること。自身の音楽を信じ、さらなる高みを目指すこと。夢や希望を単なる耳触りのいい語句、口に出して心地好いだけの絵空事では終わらせないこと。そうして日々を研鑽して生きる彼らだからこそこの言葉に辿り着き、かけがえのないこのステージに衒いなく名として冠せたのだと思う。この言葉とは“志”、そしてかけがえのないこのステージというのがTHE BEAT GARDEN初の主催イベントとなる、この“KOKOROZASHI ALIVE”だ。“Vol.1”と銘打った記念すべき第一回は、ゲストにこれまで数々のイベントで共演、プライベートでも親交の深い8人組ボーカルグループ、SOLIDEMOを迎え、ゴールデンウィーク最終日の5月6日、東京・代官山UNITにて開催。彼らの真っ直ぐな想いが会場の隅々にまで行き渡った、この上なく温かな夜となった。

 ステージ上に掲げられたバックドロップにはイベントタイトルの頭文字“K”と“A”、さらにTHE BEAT GARDENのアイコンである正六角形をモチーフにしたロゴマークが燦然と輝き、誇らしげに観客を出迎える。ソールドアウトとなった場内は立錐の余地もなく、“もう一歩、前に詰めてください”という会場スタッフの声もひっきりなしの大盛況状態。THE BEAT GARDENファンもSOLIDEMOファンも、ここに集った誰もがこの“初めての夜”を一瞬たりとも見逃すまいとワクワクしながら時を待っているのがわかる。

 先攻はSOLIDEMO。けっして広いとは言えないUNITのステージだが、まるでそれを感じさせない8人の群舞は圧巻だ。なめらかなボーカルリレー、ひとり一人の個性を際立たせながらもぴったりと息の合ったパフォーマンスで瞬く間にオーディエンスを彼らの豊潤な世界へと引き込んでゆく。MCでは「THE BEAT GARDENとは一緒にお仕事をさせていただいても波長が合う、仕事っていう感じがしないんです。そういうアーティストになかなか巡り会えない中、THE BEAT GARDENに出会えて、“KOKOROZASHI ALIVE”の一回目のゲストに呼んでいただけたことが本当に光栄」と佐々木和也が代表して感謝を告げ、さらには「MASATOと大の仲良し」(向山毅)、「U君と10回以上は抱き合ってるかな」(木全寛幸)、「SATORU君と同じ髪型にしました」(山口智也)、「REI君と3回もご飯に行きました。うらやましいだろ~!」(佐脇慧一)など、各自THE BEAT GARDENメンバーとの親密エピソードも交えた自己紹介を披露。両者のファンを大いに沸かせたあとは、小田和正の「ラブストーリーは突然に」を筆頭に名曲をカバーしたアカペラメドレーや6月20日リリースの新曲「もう会えないけど、平気ですか~Our days~」と立て続けにグループの魅力をたっぷりと響かせて、次へとバトンを渡した。

 盟友の熱いステージにいっそう士気を奮い立たされたのだろう、続いて現われたTHE BEAT GARDENは1曲目の「WELCOME TO THE NEW WORLD」からアクセル全開。スケールの大きいトラック、軽快なリズムに乗って自由かつダイナミックに肉体を躍動させ、歌声を伸びやかにオーディエンスに届ける。フロアにザンザンと鳴り渡るクラップもすっかり彼らの音楽の一部だ。そのままなだれ込んだ「answer」で「みなさん、一緒に一体感を作りませんか!」とREIが呼びかけ、“♪ウォーオーオー”のスキャットに合わせて左右交互に手のひらをリズミカルに上げ下げすると、UとMASATO、フロント3人の背中を守るDJ SATORUも一緒にアクションし、熱狂の渦をますます大きくうねらせていく。曲中、喜びを抑え切れないといわんばかりにUが「KOKOROZASHI! いいじゃん!」と叫ぶや、負けじとデカい歓声で応える客席。随所に差し挟まれるそうした交歓の光景がとても美しい。エッジの効いたギターリフも挑発的なダンスロックナンバー「B.E.T」、それまでの興奮をやさしく冷ましてじっくりと聴かせるバラードの新境地「君は知らない」という音楽性では対極の2曲を、ここにきて格段に幅を広げた表現力で魅せていく4人の姿は頼もしいのひと言に尽きた。

「“KOKOROZASHI ALIVE Vol.1”へお越しのみなさん、ホントに今日は来てくれてありがとう。CollarsのみんなもBeemerのみんなも仲良く、僕らとSOLIDEMOが仲良すぎるように、ひとつになって楽しんでいけたらなと思っております」

 ライヴの折り返し地点で改めてUが挨拶、歌っているときの鋭く端正な佇まいから一転した無邪気な笑顔と実直な口ぶりがフロアの嬌声を誘う。ちなみに“Collars”はSOLIDEMOファン、“Beemer”はTHE BEAT GARDENファンの呼称だ。SOLIDEMOとの付き合いに触れ、「音楽の仲間でもあるし、プライベートでもむちゃくちゃ仲がいいんですよ。どのくらい仲がいいかって言ったらね、小3から小6まで同じクラスぐらい」と独特の言い回しで語るU(「それは仲いいね! 運命を感じちゃうレベル」と応じるMASATOの素直さがまたじわじわと可笑しい)。そこからSOLIDEMOの自己紹介に乗っかる形で4人も自己紹介、SOLIDEMOリーダーのシュネルをオチにして笑いを取るなど、両グループの仲の良さ、絆の強さがここでも窺い知れる。

 それにしてもなんと生身の際立ったステージなのだろう。EDR、すなわちエレクトリック・ダンス・ロックを標榜するTHE BEAT GARDENだが、“E”を“エモーショナル”と置き換えてもいいのではと思えるくらい彼らの音楽は生々しくその体温を観る者に伝える。揃えるところは揃え、締めるところはきっちりと締めながらも、U、REI、MASATOのフロントマン3人によるパフォーマンスはいつにも増して自由度が高く、各自がその瞬間に感じたものを全力で放出しようとしているかのように熱い。もちろんSATORUも然り。DJという一見、クールな立ち位置にはいるものの、彼の一挙手一投足はむしろアクティヴに楽曲の世界を反映して、ダイレクトにオーディエンスを煽るのだ。しかも4人4様のようでいてグループとしての塊感も絶妙に保たれているのだから、観ていてこれほど気持ちいいものもない。加えていっそう磨きのかかったボーカルワーク、三声のハーモニーにも生々しいまでの説得力が宿った。特に、歌に重きを置いて制作されたという最新シングル曲「僕がいる未来」のリアルで力強い希望感はライヴで聴けばより心揺さぶられる。メジャーデビューからまだ2年足らずの彼らだが、ステージから届けられるその急成長ぶりに目をみはらずにはいられなかった。

「ホントいい空間だよね。泣けるよ。今日に向けてみんなもこのイベントを楽しみにして盛り上げようとしてくれてるのがものすごく伝わってきて、ホントに今日が楽しみで。実際ここに立って、それが嘘じゃなかった。みんなの笑顔が本当に嬉しくてしょうがないです」

 ラスト2曲を残して万感の想いを口にするU。先日、SOLIDEMOのワンマンに訪れたこと、そこでメンバーとファンが一緒になって夢を追っているんだと感じられたこと、「そういう景色を見せられたSOLODEMOがすごくカッコいいし、俺らも負けないように頑張ろうと思っているから」と語り、今日を志が新たに生まれる1日にしたいと意気込む。ラストは「Never End」。彼らのデビュー曲にして普遍の決意を改めて噛み締めた。

 しかしこれで終わる“KOKOROZASHI ALIVE”ではなかった。SOLIDEMO、THE BEAT GARDENのメンバー総勢12名が壇上に揃い、ハイスペックチームとポンコツチームの二組に分かれ、クイズや縄跳びジェスチャーなどで爆笑とともに勝敗を競ったゲーム対決コーナーでは最後の罰ゲームでMASATOがシュネルに××されるという萌え展開も。その後に控えたスペシャルコラボレーションタイムではUと手島章斗による清水翔太の「アイシテル」カバーから、MASATO &佐々木和也&向山毅という3人でのFUNKY MONKEY BABYSメドレーを披露。さらにSOLIDEMOが8人総出でTHE BEAT GARDENの「Don’t think, feel.」をカバーしたかと思えば、THE BEAT GARDENもSOLIDEMOの「ギミギミLOVE」を衣装まで完コピしてカバー返しするなどもりだくさんの演出でオーディエンスを大喜びさせる。エンディングは全員でTHE BEAT GARDENの「Sky Drive」を熱唱して大団円。「これからも離れない関係ということで」と恋人繋ぎで手を繋ぎ、深々と一礼する12人に喝采が注ぐ。

 終わってみればただひたすらに楽しかった。混じりけのないこの楽しさこそがTHE BEAT GARDENの求める本当の志なのかもしれない。自分たちの音楽でたくさんの人を楽しませたい、笑顔にしたい。つまりはそういうことなのではないか。そして、この楽しさを共有し合った者同士を“同志”と呼ぶのだろう。同志の輪はきっともっと広がっていく。次回の開催にも俄然、期待が募るというものだ。また、この日にはニューシングル「花火」が7月18日にリリースされることも発表された。果敢に前進する4人をこれからも追いかけていきたい。

【取材・文:本間夕子】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル THE BEAT GARDEN

リリース情報

花火

花火

2018年07月18日

ユニバーサルシグマ

1.花火
2.あのね
3.Satisfaction
4.花火(instrumental)
5.あのね(instrumental)
6.Satisfaction(instrumental)

セットリスト

KOKOROZASHI ALIVE
2018.05.06@代官山UNIT

  1. WELCOME TO THE NEW WORLD
  2. answer
  3. B.E.T
  4. 君は知らない
  5. サイドディッシュ
  6. 僕がいる未来
  7. Alive
  8. Never End

お知らせ

■ライブ情報

「花火」リリース記念イベント
06/03(日)[大阪]あべのキューズモール 3F スカイコート
06/16(土)[石川]金沢フォーラス 6F KUUGOスクウェア
06/23(日)[静岡]プレ葉ウォーク浜北 1Fプレ葉コート

VUENOS SWISH〜summer edition〜
06/09(土)[東京]Shibuya VUENOS

TAKASAKI SWISH〜summer edition〜
06/10(日)[群馬]群馬 club FLEEZ

UTSUNOMIYA SWISH〜summer edition〜
06/17(日)[栃木]HEAVEN’S ROCK UTSUNOMIYA VJ-2

OTODAMA SEA STUDIO 2018 supported by POCARI SWEAT 〜やっと夏が来た!- OTODAMA SEA STUDIO 2018 2日目-〜
07/01(日)[神奈川]OTODAMA SEA STUDIO

w-inds. Fes ADSR 2018 -Attitude Dance Sing Rhythm-
07/07(土)[東京]w-inds. Fes特設会場 (お台場J地区)

OTODAMA SEA STUDIO 2018 supported by POCARI SWEAT 〜BOYS ON THE BEACH 2018〜
07/29(日)[神奈川]OTODAMA SEA STUDIO

宗像フェス?FUKUTSU KOINOURA?
09/08(土)[福岡]恋の浦 夕日の丘 野外ステージ

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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