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kobore 、1st EP『音楽の行方』を引っ提げた全国ツアー『ダイヤモンドTOUR2019』

kobore | 2019.12.13

 10月18日・千葉LOOK公演を皮切りにスタートした『koboreダイヤモンド TOUR 2019』も、いよいよ佳境。東京・渋谷WWWX公演でkoboreと共演したのは、The Cheserasera。ドリス・デイの歌う「ケ・セラ・セラ」が鳴り響く中、ステージに登場した宍戸翼(Vo・G)、西田裕作(B)、美代一貴(Dr)を観客の力強い拍手が出迎えた。そして、「11月29日。kobore、呼んでくれてありがとう! この1曲から始めさせていただきます」、宍戸の挨拶と共に「最後の恋」がスタート。躍動するビート、各楽器のフレーズ同士が密接に絡み合いながら構築されたアンサンブルが抜群に心地よい。「たわけ」「幻」「賛美歌」「I Hate Love Song」なども全力で演奏した彼らの姿は、後輩バンドの晴れ舞台を祝福する気持ちで溢れていた。リズム隊の西田と美代は、koboreの地元である府中出身。一緒にバーベキューをするなど、両バンドの親交はとても深いのだという。「だんだん『ONE PIECE』を読んでるような気持ちになる。後輩だけどヒーローだなと思ってます」と、途中のMCで語った宍戸は、koboreが日増しに成長しながら、たくさんの人々に愛されるようになっていることを、心から喜んでいた。

 メンバー自らが行っていた入念なサウンドチェックを経て、そのままスタートしたkoboreのライブ。《あぁ今日も音楽に救われてしまったな》――佐藤 赳(G・Vo)がギターを弾きながら「音楽の行方」を歌い始めた後、安藤太一(G・Cho)、田中そら(B)、伊藤克起(Dr)の演奏も一気に合流。4人の音が重なり合った瞬間、渋谷WWWXは凄まじい熱気で満たされた。続いて「ティーンエイジグラフィティー」と「グッバイシーユー」も届けられたが、全力で盛り上がる観客を嬉しそうに眺めながら、歌声の熱量をどんどん高めていた佐藤。彼の顔がキラキラと輝いて見えたのは、“早くも、かなり汗ばんでいたから”というだけではないと思う。音楽をたくさんの人々と共有できる喜びが、ステージからまざまざと伝わってくるオープニングの3曲であった。

 「俺の好きなバンドを呼びました。The Cheserasera、ありがとうございます! いっぱい歌って帰ります。久しぶりに東京に帰ってきたら寒いけど、夏の終わりの曲を」――瑞々しいメロディで観客を優しく包み込んだ「ミッドナイトブルー」。爽やかなタテノリを誘っていた「夜を抜け出して」。東京の郊外の街、府中を拠点として活動しているバンドとしての心意気に満ちた「ローカルから革命を」……歌詞に込められたメッセージを、観客がじっくりと噛み締めながら歓声を上げている様が、実に心地よいムードを醸し出していた。「12回。何の回数かわかります? 俺たちがツアー中にゲーセンに行った回数です(笑)。UFOキャッチャーが昔からすごく好きで」――中盤のMCで唐突な話をして観客を和ませていた佐藤。「この話とか、超どうでもいいじゃん? でも、その12回、ほんとあって良かったと思うの。そういう時間ほど、しんどい時に戻りたくなってしまう。東京に戻ってきてから3日間雨で、今日の晴れが嬉しく感じて……。その、なんでもない時間とか、どうでもいい話とかを大事にしようと、このツアーを回って思いました」と語ってから「ミディオーカー」を歌い始めたのも印象的な場面であった。そして、「悪い思い出は忘れたいけど、良い思い出も必然的に消えていってしまうんだなと。今日の夜は、いつ思い出になって、いつ自分の中から消えてしまうんだろう? でも、“今日”を歌うので。“今日の夜を歌うので”」という言葉を添えた「ヨルノカタスミ」も、観客をうっとりとさせていた。

 ステージに立ち、音楽を届けられる喜びを、4人の全力の演奏を通して精一杯に表現しているのを感じた「どうしようもないな」「テレキャスター」「幸せ」を経て、再び迎えた小休止。2リットルのペットボトルからゴクゴクと水を一気に喉に流し込んでから、佐藤は観客に語りかけた。「ずっと好きな曲を、ずっとイヤホンで流し続けてください。好きだったら絶対に会いに行くので。全部、“好き”から始まってると思うので。このツアー、総移動距離は9731キロでした。俺らの“好き”のためだけに、9731キロ走りました。全公演、全部、良かったです。全部答えが返ってきました。ありがとうございました!」――そして、歌った「ヨルヲムカエニ」は、ステージから迫ってくる音、言葉のひとつひとつを、観客が一心に耳を傾けながら受け止めていた。

 前のめりに疾走するサウンドに合わせて、観客が掲げた拳が一斉に揺れる様が壮観だった「君にとって」。曲の途中でフロア内に突入した佐藤を筆頭に、メンバー全員が爆発的なパフォーマンスを繰り広げた「ダイヤモンド」……強力な2曲で締め括られた本編。メンバーたちは一旦ステージを後にしたが、アンコールを求める手拍子に応えて、すぐに戻ってきた。「アンコールで出てくる最速のバンドだと思う」と佐藤が呟いて、観客は大爆笑。両親が観に来ていて、父親から手紙を貰ったという旨も語った彼が、「“身体とファンだけは大事にしろよ”って書いてありました。サンキュー!」と言ってから歌い始めたアンコール1曲目は「拝啓」。周囲の様々な人への感謝を描いている曲だが、《拝啓 母親 産んでくれてどうもありがとう》《拝啓 父親 僕に音楽をくれてありがとう》というフレーズが、いつにも増して力強く響き渡っていた。そして、ラストは「爆音の鳴る場所で」が華麗に飾った。怒涛の勢いでエンディングへと雪崩れ込んだ瞬間、フロア全体から激しく湧き起こった拍手と歓声。手を振ったメンバーたちは、とても満ち足りた表情を浮かべていた。会場内に漂っていた爽やかな余韻は、観客のひとりひとりが抱いているkoboreへの愛情を自ずと深めたのではないだろうか。奏でられたあらゆる曲を通じて、バンドと観客の間で温かいコミュニケーションが交わされているのを感じたライブであった。

【取材・文:田中 大】
【撮影:TERU Twitter @ttetteteru】

tag一覧 J-POP ライブ 男性ボーカル kobore

リリース情報

音楽の行方

音楽の行方

2019年08月21日

Paddy field

01.音楽の行方
02.ダイヤモンド
03.ミディオーカー
04.ミッドナイトブルー
05.拝啓

セットリスト

ダイヤモンドTOUR2019
2019.11.29@SHIBUYA WWW X

  1. 01.音楽の行方
  2. 02.ティーンエイジグラフィティー
  3. 03.グッバイシーユー
  4. 04.ミッドナイトブルー
  5. 05.夜を抜け出して
  6. 06.ローカルから革命を
  7. 07.ミディオーカー
  8. 08.ヨルノカタスミ
  9. 09.どうしようもないな
  10. 10.テレキャスター
  11. 11.幸せ
  12. 12.ヨルヲムカエニ
  13. 13.君にとって
  14. 14.ダイヤモンド
【ENCORE】
  1. 01.拝啓
  2. 02.爆音の鳴る場所で

お知らせ

■ライブ情報

kobore “ダイヤモンドTOUR2019 EXTRA”
12/13(金) 府中Flight



Negative Campaign
“Traveling Nowhere TOUR 2019”

12/15(日) 岩手 盛岡the five
w) Negative Campaign/Dear Chambers/Halujio/チェスト
12/17(火) 宮城 仙台enn 3rd
w) Negative Campaign/OCEANS/mabuta
12/19(木) 東京 下北沢SHELTER
w) Negative Campaign(ツーマン・ライヴ)

FM802 30PARTY FM802 ROCK FESTIVAL
RADIO CRAZY 2019

12/27(金) インテックス大阪

LIVE DI:GA JUDGEMENT 2019
12/31(火) 渋谷CLUB QUATTRO/TAKE OFF 7

イキルチカラ2019 FINAL
12/31(火) 府中Flight

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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