レビュー

木村カエラ | 2012.05.14

不思議な存在感のサウンドが、耳の中を痛快に駆け抜けて行くーー“不思議”という意味では、木村カエラの本領発揮とも言えそうな新曲ではあるまいか。

 木村カエラからニューシングル「マミレル」が届いた。タイトル曲は、打ち込みのリズムが印象的ではあるが、どこか、ファンキーなビックバンドのような雰囲気も。80年代っぽくもあり、2000年代以降の耳触りもあり、エレクトロでもあり、ビックバンド風のディスコでもあり、そして、ロック・チューンの趣きもある。しかし聴いた後に強く残るのは、ハウスのメロディアスなアンセム・ソングのような疾走感と、サビでのボーカルのファルセットの広がりだ。なんとも不思議なアップ・ナンバーである。これをシングルとして響かせる、木村カエラのチョイスセンス、そして表現力と存在感には、まったく脱帽である。相変わらず面白い。

 カップリングの「BMX」は、バウワウワウやアダム&ジ・アンツを思わせる(私なんてイントロからニヤニヤ)ポストパンク&ニューウェイヴ調。演奏のアプローチは一貫してニューウェイヴながら、サビの広がりとゴージャス感がナイス。エンディングも、キッチュ&シャレがきいてて楽しい。

 初夏に聴きたい、カエラの風、到着。

【文:伊藤亜希】

tag一覧 木村カエラ 女性ボーカル シングル

リリース情報

マミレル

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マミレル

発売日: 2012年05月16日

価格: ¥ 1,800(本体)+税

レーベル: 日本コロムビア

収録曲

1. マミレル
2. BMX
3. マミレル(instrumental)
4. BMX(instrumental)

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