2月に「エンドロールEP」をリリースした秦 基博。それから3ヶ月という短いスパンで、早くもニューシングル「アルタイル」が到着した。本作は現在放送中のアニメ「坂道のアポロン」のエンディング曲に起用されており、「秦 基博 meets 坂道のアポロン」というプロジェクト名義でのリリースとなる。

　彼にとって本作が初のコラボレーション作品になるのだが、その相手役をつとめたのは菅野よう子。超絶キャッチーなポップソングから、雄大かつ流麗なシンフォニーまで、幅広い作風を持つ作曲・編曲家＆プロデューサーだ。一度、彼女が手がけた作品を検索してみてほしい。アニメだけでなく、CMや映画など“えっ、この曲もそうなの!?”と驚くはずだ。

　そんな彼女が作り上げた、ピアノやストリングスが織りなす美しい音世界を、秦の言葉が彩る。青春時代の儚くも美しい思い出を振り返りながらも、今を生きていこうと夜空を見上げたら「アルタイル＝ひこ星」が優しく輝いていた──そんな、ちょっぴりセンチメンタルで力強い歌詞を、彼の優しくて芯のある歌声がドラマチックに盛り上げる。この経験が今後の彼にどうフィードバックされていくか、実に楽しみな作品となった。

　秦 基博は、6月30日に恒例のアコースティックライヴ「GREEN MIND」を、岩手県・平泉にて毎年行なわれている「世界遺産劇場」の特別公演として開催する。彼のギターと歌声が世界遺産の中で響き渡って行く光景は、間違いなく感動的なものになるだろう。また、所属プロダクション「オフィスオーガスタ」の恒例イベント「Augusta Camp 2012」にも出演。今年は設立20周年というアニバーサリーイヤーということもあり、かなりスペシャルなものになりそう。どちらも楽しみだ。

【文：山口哲生】