「ミニスカート」のあの衝撃の“ジッパーダンス”で日本デビューしたセクシーすぎるミニスカ・エンジェルたち“AOA”が、２ndシングル「Like a Cat」では妖しいキャットウーマンに大変身。彼女たちが夜に怪盗となってダイヤを盗みにいくというストーリー仕立てのMV、さらには、ジッパーダンスに続いてメンバーがにゃんにゃんポーズで猫の足音を表現する“サプンサプン（＝ふわりふわり）ダンス”など、作品全体を通して前作よりも一層成熟した妖しい大人の女性のセクシーさをアピールした本作。

　彼女たちが韓国の若手セクシーガールズグループのなかでもいい感じで頭一つ抜けているのは、こう見えてメンバーがバンド出身者で、じつは楽曲そのものもセクシー一辺倒の表現に染まっていないからだ。「Like a Cat」を手がけたのは「ミニスカート」以来、彼女たちとの相性もバツグンのヒットメーカー・勇敢な兄弟。ホーンの合図の後、絶妙なハネ感で体をくすぐるバウンシーなリズム。そのしっぽりムードをまっ先にかっさらっていくのがセクシー路線とは真逆にあるAOAが誇るラッパー、ジミンの甲高い声。冒頭のこの一小節だけで、アタシ達は単なるセクシーガールズじゃないのよというAOAのグループ構造をアピールする。エレガントなR&B路線の曲調のなか、セクシーさが匂いたつメロディーを艶かしさを抑制したハスキーなチョアの声とソフトな猫撫で声のユナのヴォーカルが中心となって牽引していく歌のバランスもじつにいい。勇敢な兄弟お得意のラテンフレーバーのピアノバッキングやホーンで華やかなクールさを演出したサウンドに包まれながら、聞き終えた後はセクシーさよりも“LALALA?”というコーラスにジミンのラップからむパートを自然と口ずさみたくなる。そんなフックソングに仕上がっている。

　C/Wには、ダンスVer.以外にバンドVer.でもパフォーマンスできるAOAの独自性を最大限に引き出す「ELVIS」も収録されている。

【文：東條祥恵】