2013年6月に新しいメンバーで9人組アイドルグループ“東京パフォーマンスドール”の高嶋菜七、上西星来、櫻井紗季、脇あかりが新ユニットを“どるせん from TPD”を結成、Huluオリジナルドラマ「でぶせん」の主題歌「センセイのお気に入り」をリリースする。ユニットにはドラマの主人公・満子先生（福島満）も参加。楽曲のプロデュースを小西康陽が手がけることも大きな注目を集めている。

　人生に絶望したデブのキモメン・森田甘路（福島満）が自殺しようと踏み込んだ樹海で女教師・福島満子の死体と遭遇。森田は福島に成りすまし、女教師として生きようとするが、その高校は不良の巣窟だった――という破天荒なストーリーを持つドラマ「でぶせん」の主題歌として制作された「センセイのお気に入り」は、1970年代のグラマラスなロックミュージック（T-REX、クイーンなど）を想起させる、色彩豊かなポップナンバー。さらにミュージカル的なテイストを加えながら、「楽しいことばかり」「このままずっとなかよし」「大人になりきれない」「楽し過ぎて／ブルーになる」といったフレーズが飛び交うオリジナリティあふれる“学園ソング”に仕上がっている。高嶋、上西、櫻井、脇の元気いっぱいにハジけた可愛らしいボーカル／コーラスも印象的。パステルカラーのノスタルジックな衣装、“ゴーゴーダンス”の動きを取り入れた振り付けも楽しいミュージックビデオを含め、「普段の東京パフォーマンスドールとは全く違うイメージの楽曲や衣装なので、思いっきり楽しんでこの企画が成功するように森田さんと共に頑張りたいです！」（高嶋）というコメント通り、4人の新鮮な表情とパフォーマンスが体感できる作品と言えるだろう。（ちなみに満子先生役の福島満はピチカート・ファイブのファンで、この楽曲に対して「小西調みたいなオルタナティヴな感じがちゃんと出ていて楽しい曲」と鋭いコメントを寄せています）
　クールなダンスミュージックの印象が強い東京パフォーマンスドールとは一味違う、カラフルな魅力に溢れた「センセイのお気に入り」。“どるせん from TPD”は、東京パフォーマンスドールのメンバーのポテンシャルの高さを示すとともに、新しいエンターテインメントの可能性を示すユニットと言えそうだ。

【文：森朋之】