歌に対する新たな欲求を実現した意欲作。JAMOSAニューアルバムでの新境地を語る

JAMOSA | 2011.05.17

JAMOSA。着うた(R)ランキング1位を獲得した「何かひとつ feat. JAY’ED & 若旦那」やTVCM曲「もしも願いが叶うなら」で、その歌声を知る人も多いのではないだろうか。
彼女は、小学校6年生の時から、人前で歌ってきた。
「歌うことですっきりしたり、いろんな事を忘れられた。音楽にたくさん助けられたし、元気ももらったんですよね」
 出身地である福岡でスタートした、彼女のステージ。その歌声は、米国、都内のクラブと場所を変えながらも、たくさんの人の心に響いた。そして、いろんな人とのつながりができた。それが結果的に、今の彼女のポジションにつながっている。
 自らの経験から痛感してきた、音楽のエネルギー。そしてこのエネルギーを信じ、歌い続けるという本人のバイタリティー。この音楽に対する姿勢が、JAMOSAの魅力&説得力ではあるまいか。
 楽曲のテイスト、スピッツのカバー曲など、彼女の新たなエネルギーが詰まったアルバム『SKY』、完成。


EMTG:まずは、アルバム『SKY』が出来上がった率直な感想を。
JAMOSA:やっとできたかって思いました(笑)。今回は、いろんな意味で、自分にチャレンジした曲も多かったので、レコーディングも時間がかかったから、やっとできた。新しいJAMOSAの引き出しをいっばい出したアルバムなんです。今回の11曲、いろんなJAMOSAを表現できたかなと思います。
EMTG:確かに。びっくりするほど、曲のふり幅のある作品になりましたよね。でも、元々のルーツはR&Bや、ヒップホップなど、ブラックミュージック?
JAMOSA:そうですね。これまで、自分なりにブラックミュージックをやってきて、インディーズの頃から含めると、今回で7枚目になるんですよね(笑)」
EMTG:なんと! それはすごい。
JAMOSA:出してますよね?(一同笑)。だから、これまでのJAMOSAを知ってる人だったら、7枚目、こんなアルバムが出来るだろうってわかってるんじゃないかって。で、自分自身もわかってて、それを自分も含めて裏切りたいなっていうのもあったんですよね。聴いた人が「えぇ、こうくるのかい?」っていう驚きもあるような。もちろん、それだけじゃなくて。今回のアルバム、オリジナルアルバムとしては、約2年ぶりなんですよね。以前は、目の前にある事やらなくちゃってだけで精いっぱいだったんだけど、2年あいた事で、心に余裕が出てきて。ふとした時に「あれ? チェリーって、すごくいい曲だよなぁ。そういえばポップスってやった事なかったなぁ」とか。「あげあげの曲とか、私歌ったらどうなるんだろう」とか、すごく音楽に対しても、自分の歌に対しても、イマジネーションする時間があったんですね。そしたら「ジャンル関係なく、いい歌を歌いたいな」って欲が出てきて。イマジネーションしちゃったら、やりたい事が増えちゃいました(笑)。自分の中に出てきた、やりたい事をひとつひとつ実現してみよう、と。それで挑戦していったのが、今回の作品なんです。
EMTG:なるほど。歌に対する新たな欲求が、アルバムのサウンド性に直結したんですね。
JAMOSA:そうなんです。じつは、そういう心の変化が、今回のアルバムの『SKY』ってタイトルにもつながっていて。普段、人は、目の前の事をこなすのに一生懸命で、空を見上げる事を忘れたりする。私も実際、忘れたりしてたんですよ。空に雲があった事すら忘れてたような状態で。それが、「この時間、空はこんな色してたんだ」とか「ここから見ると、こういう建物があるから、こういう感じなんだ」とか。空を見上げて、いろいろ気がつく事があったんです。それで、人間も目の前にある事だけじゃなくて、ふと上を見た時、前を向いた時に、いろんな可能性がある事に気がつくんじゃないかって思ったんですね。あと、もうひとつ、タイトルの『SKY』には、上を向こう、ポジティヴにいこうっていう意味もあって。楽曲もポジティヴな曲ばかりにしようって思って、背中を押したいっていう願いをこめた曲を並べる事ができたんです。いろんな意味を込めて『SKY』ってタイトルを決めました。
EMTG:新たなチャレンジがたくさん込められた作品だという事は、初めて経験する事もたくさんあったのでは?
JAMOSA:ありましたね。アルバムの1曲目に入っている「何かひとつ feat. JAY’’ED & 若旦那」は、若旦那さんがニューヨークにいたので、Skypeでやりとりしながら、ワンテイク録っては向こうに送って、聴いてもらう。Skypeで曲作りをするのが初めてだったし、この方法をとりながら、曲に対してもっと良くするにはって、模索するのに、すごく時間がかかった曲なんですね。やりとりする中で、1回1回「これだ!」って自信のあるものを送らないといけない。お互い最高と思えるテイクを送り合わないといけない。そういう部分で、パーフェクトに対するモチベーションが、すごく高かったというか。お互いやりとりする中で「メイビー?」っていうのがない。スタジオに3人がいたら「こんな感じ?」みたいな会話ができるんですけど、それが無かったんですよ。この曲、完成するまで4か月かかってるんですけど、その間、クオリティに対して、ずっと高いモチベーションをキープしながらっていうのも、初めての事で大変だったけど、でもすごくやりがいを感じて。結果、この方法がクオリティにつながって、完成度の高いものができたんだって思ってます。
EMTG:今作は、feat.=フィーチャリング曲も目をひきますね。1人じゃなく、2人をゲストに迎えてる曲もある。
JAMOSA:今回、トリプルコラボにこだわったんですけど、すごく難しいんですよ、3人って!(笑)自分のポジションが難しい。男と女でもいれないし。だから、いろいろ考えされられたっていうか。3人で表現できる事って考えた時、みんなでって事になるのかな、と。みんなで何か見つけよう、みたいな。例えば「BEAUTIFUL WORLD feat.KG&AILI」だと、3人一緒にビューティフルワールドを観ようって立場になれる。だから、聴いている人も、2人で歌っていたら、いつもはJAMOSAの世界の中の2人って感じかもしれないけど、仲間が私を呼んでくれてるっていう気持ちになれるんじゃないかと思ったんですよね。
EMTG:聴く人の中で、歌の主語が「She」とか「He」、「They」じゃなくて「We」になるような?
JAMOSA:そうです、まさにそんな感じですね。みんなでポジティヴにいこう、みたいなイメージ。それに、フィーチャリング作品だけに限らず、今回のアルバムは、いろんな意味でポジティヴな曲を並べたんですよね。元気づけたりとか勇気づけたりとか、そういう曲が多い。でもそれは、勝手に他人が“前向きだ”って言ってるんじゃなくて、みんなで一緒に、周りを巻き込もうぜって意味のポジティヴさで。そこを考えて、曲の書き方、曲の選び方も含んで、発信していこう、と。なんかね……JAMOSAのアルバムって言うより「あ、これ、私のアルバムやね」って、みんなが言えたらいいなって思って作ったんです。
EMTG:今、フィーチャリングのくだりで「みんな」というキーワードが出てきたので、お伺いします。JAMOSAさんの中で、皆で歌う、複数で歌う、フィーチャリングの楽しさって?
JAMOSA:1人でやる楽曲って、1人のエネルギーが楽曲に入るけど、例えば、2人でやるんなら、2人のエネルギーが入ると思うんですね。それが、50と50じゃなくて、100と100で200、それ以上にもなる事だと思っているんです。楽曲によりパワーが出てくるっていうか。曲の中で、自分と違う声とハモれたり、自分が思っている事を書いた歌詞に、歌詞で返してくれたりとか。歌詞でもボーカルのニュアンスでも、曲の中で会話ができるっていうのが、フィーチャリングの楽しさかな。そういう意味では、私にとって、フィーチャリングっていうのは、ひとつの楽曲の作り方、ひとつの表現方法だと思っているんですよね」
EMTG:なるほど。では例えば、1人で歌う時と、フィーチャリングでゲストが入った時と、自分の歌に臨む姿勢も違ってくる?
JAMOSA:そうですね、やっぱり、相手の事をすごい考えたりしますね。例えば、デートに行く時とか、相手の事をすごく考えたりとか、場所の事を考えて洋服着るじゃないですか。それと一緒のように、やっぱお迎えするから、こんな感じかなって思ったりして。そうするとやっぱり、いつもの自分とは違いますよね。でも、そうやっていろいろ考えるのって楽しいじゃないですか?(笑)
EMTG:確かに。相手のためにあれこれ考えるのは楽しい(笑)。
JAMOSA:そうそう(笑)。そういう中で、違うJAMOSAが生まれていく。それで聴いた人が「あぁ、こんなJAMOSAもあるんだ、面白いな、いいじゃん」って思ってもらえたら、すごく嬉しいです。
EMTG:では最後に。アルバムタイトル『SKY』にちなんで、ひとつお伺いします。米国で暮らした事もあるそうですが、日本と海外の空では、見上げた時に感じる事が違ったりします?
JAMOSA:んー、そうですねぇ……まず向こうの方が、空の色、ブルーが濃い気がします(笑)。
EMTG:確かに(笑)。青さが全然違う。特に西海岸。
JAMOSA:そうですよね?でも、どこに居ても、やっぱり空は空なんじゃないかな。いつも見上げたら、いてくれる。必ずある。例えば、人とか物とかって、時間が経てば、目の前からいなくなったりするけど、空は、見上げれば、いつも目の前にいてくれる。自分が悪い事してようが、いい事してようが、気分が悪い時も、そうじゃない日も、絶対にいてくれる。山とか川とか、海とかは、見えない場所もあるじゃないですか。それを考えると、もう本当に、SKYって、絶対的な存在だと思いますね。

【取材・文:伊藤亜希】

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SKY【CD+DVD】

発売日: 2011年05月11日

価格: ¥ 3,300(本体)+税

レーベル: rhythm zone

収録曲

【CD】
1.何かひとつ feat. JAY’ED & 若旦那
2.もしも願いが叶うなら
3.BEAUTIFUL WORLD feat.KG & AILI
4.これ以上やさしくしないで
5.いつまでも
6.SKY IS THE LIMIT
7.ありがとう MY FRIEND
8.チェリー
9.小さな幸せ
10.ありがとう
11.BOND?キズナ? feat. 若旦那

【DVD】
1.何かひとつ feat. JAY’ED & 若旦那 MUSIC VIDEO
2.もしも願いが叶うなら MUSIC VIDEO

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SKY【CD】

発売日: 2011年05月11日

価格: ¥ 2,500(本体)+税

レーベル: rhythm zone

収録曲

1.何かひとつ feat. JAY’ED & 若旦那
2.もしも願いが叶うなら
3.BEAUTIFUL WORLD feat.KG & AILI
4.これ以上やさしくしないで
5.いつまでも
6.SKY IS THE LIMIT
7.ありがとう MY FRIEND
8.チェリー
9.小さな幸せ
10.ありがとう
11.BOND?キズナ? feat. 若旦那

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こんな言葉でいいんでしょうか?(一同大爆笑)唐揚げを作ろうと思って、いろんな人の美味しい唐揚げの作り方を調べていたんですよ。私、結構、料理するんですけど、揚げ物だけが得意じゃなくて。それで、唐揚げのお肉の漬け方を、いろんな人のレシピを見て研究してたんですよ。で、結局、いろんな人の唐揚げ豆知識みたいなのをあわせて、作りました。ばっちり! 大成功でしたよ。料理のレシピは、よく検索して調べますね。

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