BUMP OF CHICKEN、「FINAL FANTASY 零式」テーマソング「ゼロ」を発売!!

BUMP OF CHICKEN | 2011.10.21

EMTG:『映画ドラえもん新・のび太と鉄人兵団?はばたけ 天使たち?』に書き下ろした「友達の唄」に続き、みなさんが少年時代から親しみを覚えてきた作品との特別なコラボレーションが続いていますね。
藤原:そうなんですよね。それも『ドラえもん』と今回の『零式』のオファーをいただいたのって、わりと近い時期だったんですよ。だから最初は正直テンパってましたね(笑)。とりあえず曲を作るということを頭のなかで考えないようにして。
EMTG:資料によると、「ゼロ」の楽曲制作に入る前に、藤原さんと『零式』制作チームとのミーティングがあったということで。そこではどんな会話を交わしたんですか?
藤原:えーっと、どんな話をしたかな……まず資料を見せていただいて、開発中の『零式』の画面も見せていただきましたね。資料も5、6ページくらいのもので。文章よりもイラストが大きく載っているようなものでした。キャラクターだったり、イメージカットが。先方から“こういう曲にしてほしい”とか“テンポはこのくらいで”とか具体的な要望は特になかったんですよね。ああ、任せていただけるんだと思って。
EMTG:先方からの具体的な要望がないなかで、どういうイメージをもって作曲をスタートさせたんですか?
藤原:まず、ミーティングのときに見せていただいたイラストのイメージがとても大きかったと思います。それは『零式』のキャラクターが一同に介しているものなんですけど。そのイラストについてはみんなにも話したよね?
直井:うん。
藤原:あとはもう、作曲用に録ってもらったスタジオのブースに入って、イラストのイメージと自分がミュージシャンとして、BUMP OF CHICKENとして表現したいことを曲にしていくといういつもと同じ流れでしたね。
EMTG:『零式』のストーリーを思い浮かべたりすることは?
藤原:いや、特になかったと思います。強いていえばキャラクターのイラストと戦争の歴史を追っていくようなストーリーであること、というくらいかな。ブースに入ってギターを持つと、自然と意識がニュートラルになるんです。だから、そこで特にあらたまるようなことはなくて。気づいたら曲が書けているような感覚でした。ギターをバンバン弾いて、バンバン唄って、言葉をちょっとずつ書いていく。こういう曲にしようという明確なイメージを心に抱くということはなかったですね。
EMTG:壮大で、陰影豊かなメロディですよね。
藤原:メロディーはコードが呼び寄せたものですね。メロディーが先にあってそこにコードがついていくパターンもあるし、メロディーとコードが同時というパターンもあるんですけど。今回はコード先行型だったと思います。最初から自分のなかでマイナー調からはじまり、サビでメジャー展開になると感じていて。ギターを持ったときからそうなっていたというか。メロディーも僕の意識のあずかり知らないところで決まっていったような感覚がありますね。Aマイナーの、流れのなかでDコードが出てきて。で、サビはCで歌うことが最初から決まっていたような……。おかしなことを言ってるようですけど、そういうものなんですよね(苦笑)。
EMTG:アレンジに関してはどうですか?
藤原:再生したら最初に出てくるイントロのメロトロンやチリチリしてる音とかは、プロデューサーのアイデアがそのまま採用されたものです。で、ボイン、ポコポコ鳴ってる打楽器の音があるじゃないですか。
EMTG:トラバル調なリズム音ですね。
藤原:そう、トライバル調な。プロデューサーに“そういう音が鳴る楽器って何かないかな?”って言われて。で、俺の家にウドゥという楽器があったことを思い出して、それを鳴らしてみようということになって。アルペジオの弾き語りからはじまって、その弾き語りにそういうトライバル調の音が入ってくるというアイデアは、プロデューサーの意見が大きいですね。
EMTG:ウドゥは藤原さんが叩いてるんですか?
藤原:そうなんですよ。これは10年くらい前の誕生日に姉がくれたもので。まさかこうして日の目を見るとはという感じですね。話を戻すと、冒頭のアレンジのイメージは、誰よりも先にプロデューサーが意見を出してくれて。あの人別に『FF』をプレイしたこともないのに何でこんなにしっくりくるイメージが浮かぶんだろう?って不思議だったんですけど。あとは、2番からバンド・インするんですけど、それは最初からイメージとしてありましたね。
EMTG:バンド・インのタイミングも楽曲の重要な要素になっていて。それはカップリングの「Smile」のバンド・アレンジにもいえることなんですけど。
藤原:それは、僕らがちゃんと曲の表情をつかみながらプレイできているということだと思います。ドラムとベースがいいプレイをしているから、バンド・イン前後の対比が効果的に表れているんじゃないかなと思いますね。
EMTG:ちなみに『零式』のストーリー上で「ゼロ」がどのようなシーンで流れるかという確認はしたんですか?
直井:はい、そのシーンだけ確認させていただきました。いやあ……感動しました。僕らはストーリーの前後関係はわかってないんですよ。あくまでミュージシャンとして音をチェックさせていただいたという感じだから。でも、涙が出てきた(笑)。すごく美しいムービーシーンと重なって「ゼロ」が流れるんですけど……早く全部プレイしたいと思いましたね。
増川:ストーリーの前後関係はわからないけど、物語の象徴的なシーンで「ゼロ」が流れてるというのはすぐわかったんですよね。その時点で曲をすごく大事にしていだだけていることが伝わってきました。
藤原:感動したね。
増川:すごかったよね。例えば映画のワンシーンだけ観てもなかなか感動できないと思うんですけど。勝手にストーリーの前後関係を予想しただけで泣けてくるというか。
升:ゲームの世界観と曲が必然的に融合していることを強く感じることができました。それがすごく感動的でしたね。
直井:僕らとしては、実際に『零式』の完全版をプレイして、「ゼロ」のシーンに辿り着いたときにようやく自分たちが主題歌を担ったんだって実感できると思うんですよ。
EMTG:そして、いよいよ12月5日から約3年半ぶりの全国ツアーがスタートします。いまはどんな心境ですか?
増川:3年半ぶりの全国ツアーって感慨深いものがありますね。僕らもすごく楽しみにしています。
直井:この前、メンバー4人とプロデューサーで集まりまして。曲を決めたりとか、どういうライブにしようかという話し合いをしました。練習はまだこれからなんですけど。
EMTG:え、なんで?
直井:なぜかというと、いまレコーディングをやっていまして。
EMTG:では、さらなる新曲も生まれていると。
藤原:うん、ちょいちょいあるんですよ。
直井:そのレコーディングが終わったら、一気にライブモードに変わると思います。早くライブを観たいという人たちの声も聞かせていただいているので。みなさんに会えることに僕らも感謝してます。セットリストのアイデアもみんなのなかからいっぱい出すぎて「結局全部じゃん」ってなってるんですよ(笑)。
藤原:すごく久しぶりのツアーになるんですけど、そのあいだに僕らが何をやっていたかというと、曲を作っていたわけで。そのすべての曲を作っているときにお客さんに聴いてもらうことを前提にしていたんですよね。僕らには曲を聴いてくれる人がいるんだという事実に助けられてきたから。お客さんに会えること、みなさんの前で演奏できることをすごく楽しみにしています。

【 取材・文:三宅正一 】

関連記事

リリース情報

ゼロ

ゼロ

2011年10月19日

トイズファクトリー

ディスク1
M1. ゼロ
M2. Smile
M3. ゼロ “FINAL FANTASY 零式”オープニングver.
ディスク2
ゼロ “FINAL FANTASY 零式”特別編集MV
ゼロ “FINAL FANTASY 零式”オープニングver. ダイジェストMV

このアルバムを購入

お知らせ

■ライブ情報

BUMP OF CHICKEN 2011-12 TOUR「GOOD GLIDER TOUR」
12/5(月) 東京 SHIBUYA-AX
12/6(火) 東京 SHIBUYA-AX
12/9(金) 新潟 LOTS
12/12(月) 仙台 Zepp Sendai
12/15(木) 札幌 Zepp Sapporo
12/17(土) 盛岡 CLUB CHANGE WAVE
12/18(日) 郡山 HIPSHOT JAPAN
2012
1/7(土) 高知 BAY5 SQUARE
1/9(月) 広島 BLUE LIVE
1/11(水) 名古屋 Zepp Nagoya
1/12(木) 名古屋 Zepp Nagoya
1/14(土) 長崎 ncc &スタジオ
1/15(日) 熊本 DRUM Be-9 V1
1/18(水) 福岡 Zepp Fukuoka
1/21(土) 沖縄 ミュージックタウン音市場
1/25(水) 大阪 Zepp Osaka
1/26(木) 大阪 Zepp Osaka
1/30(月) 東京 Zepp Tokyo
1/31(火) 東京 Zepp Tokyo

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください

トップに戻る