ナカコー+フルカワミキ+田淵ひさ子+牛尾憲輔=LAMA。アルバム完成。動画コメントも!

LAMA | 2011.12.02

ナカコー(iLL)、フルカワミキ、田淵ひさ子(bloodthirsty butchers/toddle)、牛尾憲輔(agraph)という、個性際立つ4人が結成したバンドLAMAが、遂にファーストアルバム『New!』を完成させた。データのやりとりで楽曲の原型を制作し、それを4人がスタジオで仕上げていく手法も新鮮。ギターロック、テクノ、シューゲイザーなど、様々な要素を見事に昇華したポップさのあるサウンドもかなりフレッシュだ。一見、異種格闘技戦のような4人という印象も受けるが、実は呼吸もぴったり。それは絶妙なバランスの音楽から感じ取ることができるはず。そんな面白みに溢れたアルバムについて、メンバーを代表して、フルカワミキと牛尾憲輔に話を聞いていこう。

EMTG:LAMAの曲作りはどういう形で行うんですか。
フルカワ:1個のサーバーがあって、そこにみんなで素材を入れてみんなで音加えてって、転がすように作っていったんです。誰かが主導になる曲もあったけど、曲ごとに決まった作り方は無かったんです。牛尾くんも打ち込みだけじゃなく鍵盤弾くし、私もナカコーもひさ子ちゃんもできるし。ベース、ギターとか分かりやすい楽器配分はあるけど、必ずしもそれに限るってことじゃなく、それを中心に広げてくみたいな感じでした。
EMTG:音の方向性は決まってたんですか?
フルカワ:なんとなくはあったけど、それよりも、まず牛尾くんとひさ子ちゃんが接点を持つことが初めてだし、ナカコーとひさ子ちゃんも持ち味の違うプレイヤーだし、自分が女の人の声と重なることも初めてだし新鮮だらけで。その上で何ができるんだろうって、本人たちが楽しめる場所を作ること自体がテーマでしたね。
牛尾:デモを元にスタジオ入るんですけど、最初の2?3時間はお茶してるんです。
EMTG:ティータイムバンドだと(笑)。
牛尾:アニメ『けいおん』のバンド名が放課後ティータイムなんですけど、まさにそうだなって(笑)。みんなで冗談を言える関係が大事で、その場が一番大事だったのかなって。
フルカワ:この4人が揃った段階で、“シューゲイザー?”“打ち込み強め?”とかリスナーの方からいわれることもバラバラで。それくらい振り幅も楽しみだったし、その中で4人の持ち味が表現されればいいのかなって。
EMTG:確かにそれは音に出てますね。では、アルバム『New!』の曲に触れつつ話を進めましょう。鋭いギターリフとシンセのビートがパワフルな「Warning」は、どんなイメージでできたんですか。
牛尾:ドイツのマッチョなゲイがメタルパーカッション叩いてるってイメージだったんです(笑)。
EMTG:いきなりそうきましたか(笑)。
牛尾:元々のビートの感じから、メタルパーカッション入れようってゴミ箱叩いてるうちに、ナカコーさんとDAFとかノイエ・ドイチェ・ヴェレ(ジャーマンニューウェイヴ)みたいなキーワードが出始めて、こういう曲になったんですよ。
フルカワ:仮タイトルでも…まあドイツのゲイとはつけてないけど(笑)、“LAMAポップ”とかそういう付け方してたんで、ある程度仮タイトルに引っ張られて曲の着地に向かったとこはありますね。
牛尾:この曲に限らず、着地点は、誰かが強権振るってってよりか、4人が笑ったらオッケーみたいな(笑)。
フルカワ:そこからあぶれるのは、どこかバランス悪かったりしたんだと思います。だから感覚的なものですね。もちろんみんな経験もあるので。
EMTG:あと歌詞は、アルバムを通じて、言葉遊びやビートから発生したもの、ストーリー的なものもありますが、どのように書いていったんですか。
フルカワ:その曲の主導権を握る人が書いたものもあれば、書きたい人の挙手制もありましたね。「Blind Mind」では、牛尾くんは歌詞初挑戦で英語で書いてくれたんです。「Cupid」は、ナカコーから途中で投げられたり(笑)。ただ、“自分を分かって”みたいな具体的なことよりも、音自体が面白いからそれと言葉が組み合わさったものから聴き手が想像してくれればとは思いましたね。
EMTG:抜けのいい「Cupid」や、ロックンロールの「Tune On,Tune In,Surf Out」など、アルバムは全体的に明るいメロディが多いですよね。
フルカワ:メロディはナカコーと2人で作ったんです。コードが明るいものが多かったからそうなったっていうのもあるけど、それだけじゃないと思うんですよね。
牛尾:いくらでもダークにマニアックにできるメンツだけどそうじゃなかったのは、やっぱり、お茶飲んでるときにキャッキャ楽しかったからかな(笑)。
フルカワ:そうかも。こっちに行った方が面白いなって思えたんですよね。
EMTG:4人の関係性が音に反映されたんですね。そしてラストの「Dreamin’」浮遊感と淡々とした世界から広がりを見せる、希望を叶えたい気持ちが入ったナンバーです。
フルカワ:ナカコーの書いた歌詞ですごく好きなんです。ただ、歌ってると息継ぎが大変なんですよ(笑)。
牛尾:夢うつつ感で、ちょっとビートもストレンジな感じを出しつつ、ノイズ合戦をやりましたね。しかもアルバムの最後に入ることで、この曲の持つ意味合いも強まったんじゃないかなって思います。
EMTG:4人の個性が見事に混ざった『New!』を作り終えて、 どんな感想がありますか。
フルカワ:作り方も形態もバンドの成り立ちも自由だったし、こういうやり方でもアルバムが作れるんだって発見がありましたね。あと私の中で、冗談が通じる人たちともの作ればいいものができるって思い込みがあって(笑)、そこでワクワクして楽しく作れた。それが音にできたと思います。
牛尾:楽しかったですね。終わっちゃって寂しいくらいです(笑)。LAMAの中には、個々のバンドが4つ以上あるけど、そのどれにもなってないのが面白いなって。あと14曲あってどれも“LAMAっぽい曲”が無いのが面白い。それは、お茶してる時間とか共有してる場に本質があって、そこで生まれてるものだからだと思います。そういうバンドってなかなか無いと思うんですよね。

【 取材・文:土屋恵介 】

tag一覧 アルバム 女性ボーカル LAMA

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リリース情報

New!

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2011年11月30日

KRE

1. Warning
2. Night Telepathy
3. Rockin’ Your Eyes
4. Spell (Alternative ver)
5. Tune On,Tune In,Surf Out
6. Cupid (So Far...ver)
7. Blind Mind
8. doudou
9. Soul Diving
10. Silver Spring
11. Fantasy (The Room ver)
12. Don’t Go Back
13. Ane Mone
14. Dreamin’

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お知らせ

■マイ検索ワード

●牛尾
アインシュタイン・ポドルスキー・ローゼンのパラドックス

元々、趣味で物理が好きなんです。最近“ニュートリノが光速を越えた”ってニュースがあったので、量子論を自分の中で再検討してみようかなと思って。まあ、よく分からなかったですけど(笑)。僕もナカコーさんも物理好きで、雑誌『ニュートン』の話をよくするんです。そういう言葉だけでグッとなるんですよね。物理ウォッチは楽しいですね。
●フルカワミキ
かわいいタイツ

寒い季節になって、タイツを探してるんです。いろんなタイツが出ててどこで売ってるのかなって探してました。私、タイツ好きなんです(笑)。いろんな種類があって面白いんですよ。柄もそうだし、素材、ちゃんと織り込んであるのとかあるし、服一着買える値段のもあったり。展示会行くと結構買っちゃいますね。寒がりなんでヘタにデニム履くより温かいし。タイツ好きな女の子多いので、プレゼントすると喜ばれますね。

■ライブ情報

みやこ音楽祭’11
2011/12/03 京都府 KBSホール
「REPUBLIC vol.8」
2011/12/17 渋谷WOMB
COUNTDOWN JAPAN 11/12
千葉県・幕張メッセ国際展示場1?8ホール、イベントホール

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください

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