MISIAのニューシングルはテレビドラマ『はつ恋』の主題歌

MISIA | 2012.06.15

 ニューシングル「恋は終わらないずっと」は、テレビドラマ『はつ恋』の主題歌。脚本は『やまとなでしこ』(主題歌「Everything」)の中園ミホで、12年ぶりのタッグとなる。
 MISIAは“はつ恋”という永遠のテーマに真正面から取り組み、最近にないストレートさで恋の切なさを描く。そのボーカリゼーションは柔らかく、この切なさと柔らかさの絶妙なマッチングが、彼女の今の心境を感じさせてくれる。
 一大ツアー“SOUL QUEST”を成功裡に終わらせて、アーティストとして新たな次元に飛び立とうとしているMISIAに、「恋は終わらないずっと」について聞いてみた。


MISIA:このところ、“恋の歌”を書きたいとプロデューサーと話していたところ、ドラマ主題歌のお話しをいただいたので、とても、いいタイミングでした。最近の自分のラブソングは、“愛”を含んだ恋の歌が多かったので。
EMTG:“広い意味でのラブソング”みたいな。
MISIA:そうです。しかも、いただいたドラマのテーマが“はつ恋”だったので、脚本に引き込まれました。
EMTG:どんなところに?
MISIA:まだドラマが続いているので全部は話せませんけど、“今の時代にはつ恋”というテーマに望んでいるところにもひかれました。この物語は中園さんがずっと温めていたものだそうです。脚本を読んで、友達に「自分の恋で、どれがはつ恋?」っていろいろ聞いてみたんです。そうしたら、小さな頃の隣のお兄ちゃんだったり、初めて告白した人だったり、初めて付き合った人だったり。“はつ恋”というものの捉え方が人それぞれだった。たんに初めて好きになった人というわけではないんです。で、私が友達の話を聞いていてパッと思い浮かんだのが、“恋しいと思って泣いてしまっている自分”だったんです。初めて、「恋して泣きたくなる気持ちってあるんだな」って気付いた恋っていうか。どんなにうまくいっていても、胸の内で泣くことってある。そういう“知らなかった気持ち”に、初めて気付くっていうのがはつ恋かなって。たとえば子供の頃に、彼氏のできた友達が大人っぽく見えたのは、そういうことにその子が気付いていたからかなって思いました。
EMTG:それをドラマの主題歌とどうつなげていったの?
MISIA:ドラマと同じように、はつ恋の人にばったり出会ったらどうするのかって考えてみると、お互いに声を掛け合いたい人もいれば、会いたくなくて避ける人もいるし、普通に挨拶する人もいるし、人それぞれに違う。“終わらない恋”とは引きずってしまっているとも言えますが、なぜ引きずるのかというと伝えきれなかった想いがあるからなんじゃないかと。なので、ラマを意識してリリックを書いているとき、自分でも温めていたキーワード“終わらない恋”に加えて“伝え切れなかった恋”を書こうと思った。それがドラマとリンクして「恋は終わらないずっと」になったんだと思います。
EMTG:やっぱりはつ恋って、相手に伝え切れなかったりするものだからね。
MISIA:はい。今は情報があり過ぎて、「こうなったら、こうでしょ」みたいにみんな頭の中に恋のイメージはある。でも百聞は一見にしかずじゃないですけど、世の中の人がもっと恋すればいいなと思う。私も子供の頃にラブソングを聴いて「苦しそうだけど、大人になったら恋してみたいな」って思いました。もっとラブソングを歌いたいなって思ったときに、このドラマの話をいただいた。今は恋愛に“余白”が少ないと思う。このドラマは、その余白に挑戦していると思います。“愛”が含まれるラブソングには人類愛的な“答”があると思うんですけど、“恋”だけのラブソングには答がない。その人自身が書く余白があると思うんです。だから「恋は終わらないずっと」は、聴いてくれる人それぞれの想像力に働きかけて、その人の余白に何を書かせるのかっていう気持ちで歌ってます。
EMTG:そういう意味で、力を抜いて歌っているのかな? このシングルを聴いて、歌い方が少し変わったと感じた。
MISIA:ボトム(低音)が出る歌い方に変わってきていて、柔らかく歌いたいなと思うようになってきました。声高に歌うのとは違うものが伝わると思って。キーも、今回、最初に3段階で歌ってみて、いちばん低いキーを選びました。
EMTG:「恋は終わらないずっと」は、曲調もゆったりしているね。
MISIA:はい。でも、いわゆる“バラード”じゃなくて、ミディアムテンポで温かさのあるものっていうことで、“オーガニック・ソウル”。ストリングスもちょっと懐かしい感じになっています。大人の恋っていうか、一歩引いた、冷静の中に情熱を感じさせるような歌にしたかったんです。
EMTG:歌の中間あたりで♪輝くまま♪って歌ってるけど、あの部分が印象的だった。
MISIA:あの後から、リリックが“過去の世界”に行くんです。なので、歌を少し長く伸ばすように変えて。ストリングスも、リリックの世界に合わせて直してもらいました。
EMTG:それだけこの歌で表わしたかった世界観が、はっきりしてたんだね。
MISIA:そうですね。カラオケは滅多に行かないんですけど、最近、スタッフにカラオケに連れて行ってもらったら、女の子のスタッフが歌いながら泣いてたことがあった。それを見て、「恋は終わらないずっと」はそういう気持ちになったときに歌ってほしいなと思いました。失恋してお酒をいっぱい飲んで、泣きたいときに歌ってもらえたらいいな。きれいじゃないところも含めて、恋する気持ちをこの歌で伝えたいと思ってます。

【取材・文 平山雄一】

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恋は終わらないずっと(初回生産限定盤)

恋は終わらないずっと(初回生産限定盤)

2012年06月20日

アリオラジャパン

1. 恋は終わらないずっと
2. 百年愛
3. 恋は終わらないずっと (Piano Version)
4. Ribbon In The Sky (Gomi’s Lair Club Remix)

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その場にいない人を思うことって書いてあった。“愛しい”とは違うんですよ。愛しいは、その場にいてもいなくても使う。だから「恋は終わらないずっと」では、♪愛しい♪という言葉をリリックに使いませんでした。

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