噂のさめざめが入門書的ベスト盤『さめざめ問題集』をリリース!

さめざめ | 2013.05.15

 昨年12月にメジャーデビューしたさめざめが、アルバムをリリースする。
 タイトルは『さめざめ問題集』。
 視覚(字面、見た目)と聴覚(語感、リズム感)の両方から同時に、一発で脳に刻まれるキャッチーさとインパクトはさすが。
 思わず深読みしてしまいそうな言葉の組み合わせも、さめざめらしさ、どんぴしゃだ。 センスというよりも、普段から読書(漫画を含む)を重ねる笛田の語感スキルが発揮されたタイトルを言えるのではなかろうか。

「さめざめの入門編的なアルバムを作ろうと思った時、今のさめざめがわかるベスト盤的な内容がいいかなと思ったんですね。でも、他のアーティストさんのベストアルバムと、さめざめでは、意味合いが違う。たくさんリリースをした中から選ぶのが、誰もが思うベストだけど、さめざめは違う。入門編になるためのベストな曲を入れた作品。それが、さめざめにとってのベストアルバムって意味だな、と。そこでどういうタイトルがいいのかすごく悩んだあげく、さめざめの曲って、すごくこう……例えば、デビューシングルもオンエアが一部で自粛されたりとか、すごく問題的にひっかかるというか(笑)。そこと、学問の問題集って意味も含めて、このタイトルをつけました」(笛田さおり)

 入門ベストアルバム『さめざめ問題集』は、女性目線で恋愛や人生の“痛み”や“痛さ”を一貫して捉えながらも、じつにバラエティーに富んだ作品となった。笛田さおりの言葉を借り“学問の問題集”という視点を借りるならば、入試直前、五教科過去問題、全網羅といった具合か。
 得意な問題もあれば、苦手な問題もあるだろう。でも両方あって当然。なぜなら、人は100人いたら、100人が違う基準を持っているのだから。
 さめざめ問題集、さあ、キーパーソンの笛田さおりと一緒に解いていこう。
 でも、たぶん、正解はひとつ、じゃないんだな、これがまた。

EMTG:いきなり私事の報告ですが、デビュー曲「愛とか夢とか恋とかSEXとか」が街中で流れてきてて、結構、そこに馴染んでいたのに驚きました。
笛田:私もじつは、そういう場面に2回ほど遭遇しまして。1回目は、ラーメンを食べていたら流れてきまして(笑)。その時、サポートメンバーと一緒にいたので“ラーメンとSEX、意外に合うかもね”なんて思ったんですけど(笑)。
EMTG:ははははははは(笑)。
笛田:でも後から“ファミリーレストランでお母さんと一緒にいる時に流れてきて、ヒヤヒヤした”とか“思わず近くにいる子供を見てしまった”とか、結構ドキドキ感を味わっている人も多いのを知って。さめざめの曲を聞くことで、場の状況を確認する人が、多いんだなぁって思いましたね。私にとっては、すごく嬉しいことだったんですけど。
EMTG:アルバムタイトルの中の“問題集”って言葉は、さめざめにぴったりですね。
笛田:この言葉が出てきた時、自分の中でも、ぴったり来たなぁって思って。そこから、あぁ、ここもさめざめとリンクする、こういう意味でもリンクするなって。どんどん意味が増えていった感じなんですよね。
EMTG:今作を“さめざめの入門編”にしたいというのがあった中で、楽曲セレクトとの基準となったのは?
笛田:まず、さめざめを知らない方でも、聴いて“あ、この歌好きだな”って曲が1曲でもあるように、バラエティーに富んだものにしたいなと。例えば「コンドームをつけないこの勇気を愛してよ[二〇一三版]」曲は、タイトルからしてさめざめらしいと思うし、みんなが知ってくれてる曲だなと思ったから選んだ。他に「ぐるぐる禁断ラブ[二〇一三版]」などは、さめざめの中でもこんなポップな曲がありますよって伝えたくて選びました。
EMTG:なるほど。言葉のインパクトと、曲調が基準だった。
笛田:そうですね。あとは、ライヴでやっている曲を入れたいなと思っていたので、ライヴではやってるけど、未発表曲(「みんなおバカさん」「ぶりっこぶりっこ」)を入れましたね。収録曲の中で、タイトルに[二〇一三年版]ってついている曲は、『スカートの中は宇宙』(メジャーデビュー前のアルバム。2012年1月発売)に入っている曲なんですけど、今回、ボーカルを録り直したんですよね。
EMTG:その理由は?
笛田:やっぱり『スカートの中は宇宙』の時は、その時しか歌えないものがあったんですよね。だからあの時にしか出せなかった良さもある。でもその後、ライヴを積み重ねてきて、いろんな経験をした上で、歌い方がすごく変わって来てて。だから歌い直したんですけど、その変化もわかっていただけるんじゃないか、と。今までのものを集めたってよりも、新しいアルバムって認識してもらえたらいいなって思ってるんですよね。
EMTG:笛田さんの中で、楽曲や歌詞に関する解釈も変わってきたり?
笛田:そうですね。さっきと重なるんですけど、自分がこの1年の中でいろんな経験をして来たこともあって、自分が書いた歌詞なんですけど、歌詞の意味がすごく変わってきていて。“今だとこう思うな”とか“この曲は、今は、こういう気持ちで歌いたいな”とかっていう変化が、歌を録り直したことによって、自分でもすごく良くわかったんです。同じ人間が同じ歌い方でやってるつもりではあるんだけど、声の出し方も違えば、ニュアンスも違ったりするので。細かいんですけど(笑)。聴き比べてもらって、楽しんでもらえたらいいなって思ってます。
EMTG:ボーカルの違いという意味では、聴いてて驚いたのが「あの女?地獄の扉はすごそこに。ピアノ編?」(特典音源)でした。シャウトが、ソウルかブルースか、と(笑)。
笛田:はははは(笑)。ありがとうございます。
EMTG:この曲は、アレンジも大きく違ってますよね。
笛田:さめざめは、不定期にアコースティックでライヴをしてるんです。で、去年の秋のアコースティック・ライヴで、初めて「あの女」のピアノバージョンをやったんですよ。その時“この曲のピアノバージョンは、恐ろしい!”と思いまして(笑)。それで今年2月にやったアコースティック・ライヴでの音源をそのまま入れたんです。今回のバージョンには、通常のバンドバージョンとは、また違った感じの……怨念みたなものが、込められてまして……。
EMTG:はははははは(笑)。怨念って……バンドバージョンよりも、負の感情がすごく露わに出てきてるなとは思いましたけど。
笛田:そう。だからこのピアノバージョンは、別の曲としても捉えられるんじゃないかと思ったんですよね。
EMTG:自分の中でも別曲って感覚? セルフカバーとかじゃなく?
笛田:んー(思考中)……うん、そうですね、別曲です、自分の中でも。歌い方も全然違うし、その……怨念の具合が……さっきから怨念って言葉、続いててやばいですよね、もう(笑)。怨念の具合が、強烈にこう……ははははは(一同爆笑)。
EMTG:確かに、字面にすると強烈だけど、そこも話しててイメージできてるからの反応だったりもして?
笛田:あ、はい、そうですね(笑)。
EMTG:じゃあ、大丈夫だと思います。念とか情は、月日によって化けるものだと私も思いますし。というか、身に染みてわかるというか。
笛田:あはははは(笑)。この曲には“地獄の扉はすぐそこに。”ってサブタイトルがついていて。“修羅場までカウントダウンだよっ”みたいな。……今、すっごい軽い口調で修羅場って言いましたけど(一同爆笑)。でも本当に“そこの扉の向こうには、あの女とあの男がいて”みたいな、ピリピリした感じを表現してる。だからセルフプロデュースと言っても、過言ではないくらい、自分の中では別曲になってますね。
EMTG:そうやって、自分の曲がまったく別曲に変化していくと、むしろ大変だったりしないんですか?
笛田:いや、すごく楽しいです。同じ曲でも顔が変わるってとこがすごく楽しい。バンドでも、アコースティックでピアノ1本でも、こういう楽器を使ったら、この曲はこういうアレンジ、こういう歌い方になって、こういう顔になりますよっていう。それがわりと気軽にできるのが、さめざめの良さでもあるんじゃないかな、と。
EMTG:未発表曲の中の1曲「みんなおバカさん」にちなんで。笛田さんにとって“おバカさん”って、どういう人?
笛田:まずは対象が、出会った事もない人も含めて……になりますね。この曲を作った時には、具体的な対象もいたんですけど、今だと例えば、インターネット上で無記名で罵声を飛ばしている人もそうだし、居酒屋で大声をあげて暴れている人もそう。そういう出会った事のない人にも“おバカ”って言えちゃうくらい、世界、みんなおバカさんですって言ってる。ただ、そうやって他人のことを言っているようで、そこには自分も含まれているというか。他人から見たら、きっと私がおバカさんだろうし。自分でも、昨日やったことに対しておバカさんだなって思うこともある。本当、自分を含めての世界=おバカさん、みたいな意味ですね。
EMTG:なるほど。そういう“自分を含めての世界、おバカさん”みたいなことは、いつも考えてます? それとも曲に至るに、何かきっかけがありました?
笛田:タイミング良く、いろんなことが重なったんですよね。去年の春に“あぁ、おバカさんだな”って思うことが10件くらい貯まっちゃったんです(笑)。“もう、バカバカ、バカだーっ!”って思って。よし、ここでバカをテーマに作ろうって作った曲なんですよ。それは恋愛も仕事も関係なく、あぁこの人バカだな、自分バカだなって思った時に共感できるような曲を作りたいと思って。元々“バカ”って言葉が好きで、他の曲にも使ってるんですけど、“バカをテーマにした曲を作ってみたい”って時期が、去年の4月くらいに訪れたというか。
EMTG:自分のことを“おバカさん”って思う時って、例えばどんな時?
笛田:他人がしていると許せないことが、自分が同じことをしてても許しちゃうところとか。頭のいいフリをしている自分がおバカさんだと思うし、後でその化けの皮がはがれちゃうことも、バカだなと思う(笑)。でも、歌詞の最後で“当たって砕けろ、おバカさん”って言ってるんですけど、つまり、みんなおバカさんだけど、バカでいいじゃんっていう。バカなりに頑張ろうみたいな感じで(笑)。
EMTG:わかりました。ところで突然ですが、笛田さんは、恋をしたらどうなるの?
笛田:恋をすると……その時はすぐ曲にはならないんです。でも、どこかで……曲のネタっていうわけじゃないんですけど……ふふふふ(笑)。
EMTG:ネタじゃないって言って、笑ってますね(笑)。
笛田:(笑)。自分ではそんなつもりはないけど“あ、このシチュエーション歌詞にできる。Aメロに出来る”とか分析しちゃう傾向がすごく強くて。もう、職業病だと思うんですけど! 相手からのメールの返信みて“あー、新しい材料が、いっぱいできるー!”みたいな(笑)
女性一同:はははははは(大爆笑)
男性一同:…………。
笛田:恋愛そのものは、もちろん、すごく楽しんでいるんですよ?(笑) 新しい人に出会って、新しい発見があった、それはすごく嬉しいし楽しい。でも、その新しい発見を(ヒソヒソ声で)“やった、曲に出来るかも”って思ってしまう。自分でも悲しくなるくらい自分の身を削りながら作品にすることが多いので、だから新しい恋愛をすると“やった、新しい曲がいっぱいできるかも”って気持ちになるんですよね。もちろん、実際に曲にする時には、そこから妄想をしたり、脚色して肉付けしていくんですけど、きっかけは、自分の実体験から出てくるので、そういう意味では、自分にとって恋愛は大切だなと思いますね。
EMTG:ではさらにつっこみ……曲を作ることで、罪悪感を感じることはありますか?
笛田:あー、罪悪感とまではいかないですけど……うー……うわ、うーん……。
EMTG:これからの人生に差し支えない範囲で。パスしていただいても……。
笛田:いや、全然大丈夫です! やっぱり、歌が歌だから、私と色恋沙汰があった人とかに、勘違いされたりしたことがありますね。違う人のことを書いた曲なのに“俺のことだろ、すごい嫌だった”とか。そういう勘違いがあった。私の曲を聞いて、恐ろしくなっている男の人もいたんだなって。そう思うと、男の人ってやっぱり面白いな、と(笑)。
EMTG:5月には大阪・東京でのワンマンライヴも決まってますね。
笛田:はい。このライヴは、今までの単独公演とは、ちょっと一味違った感じなんで、そこを期待していただければな、と。あと、未発表曲も演る予定なので、今までのファンの方も、新しいファンの方も“さめざめ、これからこういう曲やっていくんだ”ってわかっていただけるか、と。すごく面白くなると思うし、楽しんでいただけるんじゃないかなって。私もすごく楽しみです。

【取材・文:伊藤亜希】

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リリース情報

さめざめ問題集

さめざめ問題集

2013年05月15日

ビクターエンタテインメント

1.みんなおバカさん
2.コンドームをつけないこの勇気を愛してよ [二〇一三年版]
3.ぶりっこぶりっこ
4.愛とか夢とか恋とかSEXとか〜シングルバージョン〜
5.ぐるぐる禁断ラブ [二〇一三年版]
6.ズボンのチャック
7.あたしがいなくなれば [二〇一三年版]

特典音源
8.あの女〜地獄の扉はすぐそこに。ピアノ編〜

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火種
ちょっと携帯見ていいですか? 昨日、携帯で、すごいのを検索していた記憶が。(画面を凝視中)! あぁ……どっちにいこうかな……火種(一同大爆笑)。新曲を昨日、作っていて“火種”って言葉が出てきて。私、歌詞を作る時、しょっちゅう言葉の意味を調べるんですけど、昨日“火種”を調べて、やっぱり“火種”って良くない言葉だなと思いました。

■ライブ情報

さめざめpresents“13年5月、恋は五月病” 大阪編
2013/05/19(日)梅田Shangri-La
さめざめpresents“13年5月、恋は五月病” 東京編
2013/05/31(金)渋谷CLUB QUATTRO

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2013/06/04(火)宮城県・仙台enn 2nd

SAKAE SP-RING 2013
2013/06/09(日)愛知県・名古屋 栄エリアライブハウスサーキット

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2013.06.22(土)東京都・渋谷ライブハウスサーキット

さめざめ独演会〜アコースティック・福岡編〜
2013.07.08(月)福岡県・清川cafe&bar gigi

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