柴咲コウ、androp・内澤崇仁と3度目のタッグとなる新作リリース!

柴咲コウ | 2014.04.12

 音楽に対する美意識という部分できちんと自分の物差しを持ち、独自のスタンスで活動している柴咲コウ。ニュー・シングル「ラブサーチライト」は、劇場版『名探偵コナン 異次元の狙撃手』の主題歌だ。「EUPHORIA」、「My Perfect Blue」と、素晴らしい融合を果たしてきているandropの内澤崇仁が、今回はカップリング「誓い」も含めまるごと1枚プロデュース。柴咲コウの2014年、軽やかにスタートです。

EMTG:andropの内澤さんとはこれが三度目の顔合わせ。いい関係性のなかでモノづくりができているようですね。
柴咲:内澤クンはいわゆる作家さんではなく、フロントに出て活動されてる方なので、最初からちゃんと顔を合わせて、“書いてくださってありがとうございます”というところから始まりました。そうすることで私自身に責任感が芽生える。愛をこめてつくってくださったものに対して、私もちゃんと愛をこめて歌詞を書こうという意識が強まったと思います。
EMTG:「ラブサーチライト」は、どんなプロセスで制作されたのですか?
柴咲:曲をつくったときのテンションとか状況を書いた内澤クンのメールを、間に入ってくれる制作スタッフが転送してくれたんですね。テーマや背景がすごく明確に感じられたので、それを手がかりにして詞を書いたというところがありました。
EMTG:劇場版『名探偵コナン 異次元の狙撃手』の主題歌ですが、制作はお題ありきというわけでもなかったんですか?
柴咲:そうですね。この曲にかぎらず、今後歌いたいなぁと思う曲は日常的に集めているので、最初は主題歌のためというわけではなかったです。作業を進めるうちに、いい巡り合わせでピタッと合うものが見つかったという感じです。
EMTG:内澤さんから発せられたテーマと、『コナン』とを、どう歌詞としてすりあわせていきましたか?
柴咲:いつも『コナン』を見て思うのが、永遠に解決しない問題があるなということ。つまり、工藤新一に戻れないという不幸な部分の存在です。一方で、観る者にとって癒しになるラブも常にある。若いのに絆が深いなぁなんて思ったり(笑)。そこにまた、犯人を追いつめていくときの危機感も加わってきますよね。そのドキッとする感覚って恋愛とシンクロするところもあったりする。それらを全部ひっくるめて、”サーチライト”というものを軸に表現しようと思いました。
EMTG:なるほど。
柴咲:犯人を見つけるぞという緊張感と、誰かを照らしてあげたいという思い。どちらも含まった歌詞にしたいと思ったんです。主題歌は物語をきっちり締めるための大きな役割を担うので、ストーリーや絵の雰囲気と内澤クンのテンションをつなぐもの、というところは、すごく考えました。
EMTG:「遠く遠く・・・」とディレイのようになる部分は、サウンドと歌詞の融合が気持ちいいですね。音に合わせた言葉選びを意識してましたか?
柴咲:あそこは、ディレイのような感じになるように実際歌ってるんですね。実は最初繰り返しじゃない言葉を入れてたんですが、どうにも歌いづらかった。やっぱり繰り返しワードの方が、あのアレンジには合ってるなと思い、“遠く”と“ずっと”という言葉を選びました。
EMTG:質感としてはエレクトロではあるのに、生のチョッパー・ベースがガンガンに入っている。このテンポでチョッパーやっちゃう? ってところが面白いです。
柴咲:そうなんですよ。(山口)寛雄クンがギャーッ! と頑張ってくれました(笑)。
EMTG:カップリングの「誓い」も含めて、内澤さんとタッグを組むというのは、当初からの予定だったんですか?
柴咲:いや、最初は流動的だったんです。デモとして聴かせていただいてたのは何曲かあったんですけど、まだいわゆる不完全な状態だったから、曲として育っていくかなぁと思ったりしてて。それが、どんどんムクムクと育っていって、わー、これも歌わせてもらいたい、あれも、といういうふうになっていきました。andropとして歌ってもいいような曲調だったりもしたので、いいのかな? なんて多少遠慮もしつつ(笑)。
EMTG:「誓い」はそんななかの1曲だったわけですね。
柴咲:はい。<ラブサーチライト>とはまったく違う質感なので、対比になっていいなと。で、こっちはのんびりつくれました。
EMTG:とても清々しいバラードですね。
柴咲:清々しいもの、ゆったりしたものに私自身の気持ちがいってたときだったので、自分が聴いてたい曲を選んだんだと思うんです。すごく春を恋しがっている冬に書いた詞、という感じですね。温かさがほしい! 安心がほしい! みたいな(笑)。
EMTG:育んでいって生まれる人との関係、といったものが歌われているなと感じました。それは最近の心境でもありますか?
柴咲:昔は、私生活でも割りと自分の世界に閉じこもるのが好きだったけど、ここ1年くらいで開けてきた感があるんです。無理矢理じゃなくて、自然と開いていったという感覚。出会うもの、出会う人、みんなが面白くて、得るものがあって、教えてくれる人もいて、それがまた新たな出会いを呼んでるんですね。なんか環境的にすごく豊かになっていってるなと。
EMTG:素敵ですね。
柴咲:去年は特に、思いっきり成果が出た年というのではなく、水面下で種蒔きをする時期だったと思うんですね。それはいまだ続行中なんですが、そこに栄養分をたくさんもらえてるなと実感してた。そういうのが<誓い>の詞には出たのかもしれない。
EMTG:心地よく音楽がやれている感じが伝わってきます。
柴咲:自分の扱いにもちょっと慣れてきたんですよね(笑)。
EMTG:自分の扱い?
柴咲:そう。以前は、柴咲コウの名前を出して音楽をやるってことに、どこか負い目を感じているようなところがあって、思ったことを溜めちゃうクセみたいなのがあったんです。でも今は、言わなきゃ始まらないよね、という感覚。音楽活動以外でもそうですね。自分がどうしたいのか、何を表現したいのかを、もっと出してもいいなと思い始めてます。
EMTG:andropの作品も、どんどんハッピーなオーラをまとうようになっているので、内澤さんともどこかシンクロするようなところがあるのかもしれませんね。今年はこのあと、音楽活動が増えていきそうですか?
柴咲:いや、そんなこともない感じですね。ゆったり様子見ながら、浮き上がっていこうかなと(笑)。
EMTG:ご自分で曲を溜めたりは?
柴咲:あ、それは忘れてた(笑)。
EMTG:心地よく音楽ができているとお見受けでき、なんか安心しました。
柴咲:でも、溜めるの、忘れてたんですよ。大丈夫かな?
EMTG:忘れるくらい音楽と自然なおつきあいになってるんですよ、きっと(笑)。
だといいですね。無理しないが最近のテーマなんで(笑)。

【取材・文:藤井美保】

tag一覧 シングル 女性ボーカル 柴咲コウ

リリース情報

_N9A3895_280

_N9A3895_280

発売日: 2015年07月27日

価格: ¥ 1(本体)+税

レーベル: 1

収録曲

1

リリース情報

ラブサーチライト(初回盤)

ラブサーチライト(初回盤)

2014年04月16日

ユニバーサル ミュージック

ディスク:1
1. ラブサーチライト
2. 誓い
3. ラブサーチライト -Instrumental-
4. 誓い -Instrumental-

ディスク:2
1. ラブサーチライト -Music Video-

このアルバムを購入

トップに戻る