Czecho No Republic、大きく進化を遂げた2ndアルバム『MANTLE』

Czecho No Republic | 2014.07.15

 インディーズ時代の代表曲の再録を含む1stアルバム『NEVERLAND』によって、一気に知名度をアップさせたCzecho No Republic(チェコ・ノー・リパブリック)。すべて新曲+セルフプロデュースによる2ndアルバム『MANTLE』は、海外のインディーロックとナチュラルにリンクしながら、独創的でポップな楽曲を提示する彼らのセンスがしっかりと反映された作品となった。メジャーデビュー後の葛藤を経て、さらなる進化を果たした本作について、武井優心(V&B)、砂川一黄(G)に聞いた。

EMTG:ニューアルバム『MANTLE』、素晴らしいと思います! Czecho No Republic特有のポップセンスが生き生きと表現されているし、セルフプロデュースは大正解じゃないかな、と。
武井:あ、ありがとうございます。
EMTG:アルバムの制作前はどんなプランがあったんですか?
武井:アルバムを見越してというより、とりあえず曲をドンドン作ってたんですよ。それをメンバーに聴かせてたんですけど、気が付いたらメッチャ曲がたまっていて、そこから選曲したっていう感じですね。1stアルバムよりも前に作ってた曲もあったんですけど、時間が経つとピュアに向き合えなくなるというか、「どんな気持ちで作ったか覚えてない」みたいになっちゃうんですよ。だから、出来るだけ新しい曲を入れたいと思って。
砂川:選曲の段階で30曲くらいあったんです。他のバンドさんのことは分からないですけど、武井さんの曲を作るペースって…。
武井:あんまりホメるのやめてね。ヘンな空気になるから。
砂川:(笑)まあ、かなり速いので。1回スイッチが入ると、どんどん出来るんじゃないですかね。
武井:ちょっと悶々としてたんですよね。前回のアルバムのレコーディングで、インディーズのときの曲を9曲録り直したんですね。それが自分的にシックリこなかった気持ちもあったし、「新しいことをドンドンやりたい」というのもあって。で、曲を書きまくったっていう。
砂川:前回は右も左もわからないところもありましたからね。メジャーのレーベルでレコーディングして、アルバムを出すということに対して。もちろん、その経験も活かされてるとは思うんだけど。
武井:あと「メンバー5人のなかで呼吸を整えたい」という気持ちもあったんですよね。この5人でこういうものを作れるって提示したかったというか。
砂川:うん。僕とタカハシさん(タカハシマイ/Cho、Syn、G、Per)は新メンバー(‘13年に正式加入)なんですけど、1stアルバムで再録した曲は、まだ2人が関わってないときに出来た曲なので。この5人で作った新曲を聴いてほしい、という気持ちはあったかも。
武井:実際、5人でやるために作った曲が多いですからね、今回のアルバムは。
EMTG:いまのメンバーで演奏しているところをイメージしながら作った、と。
武井:たとえば「ここからどうやって展開させようかな?」と思ったときに、「砂川さんにこういうギターが弾いてもらおう」とか「Bメロ(のボーカル)はタカハシに振ろう」とか。そういう選択肢があると、曲作りもやりやすいんですよ。
EMTG:サウンドの方向性については?
武井:ドラムとベースがしっかりしていて、打ち込みっぽい音もやりたいって思ってましたね。僕、宅録が趣味なんですけど、レコーディングしてるときに、ぶっちゃけ「デモ音源のほうが良かったな」って思うこともあったんですよ、いままで。それはどうしてだろう?と考えてみると、(デモの音源は)リズム隊がクッキリ、スッキリしてたからじゃないかなって。そこは意識してましたね、今回。
砂川:電子ドラムをたくさん使ってるんですよね。“すべて打ち込み”という曲はなくて、リズムは全部ドラム(山崎正太郎/Dr)が叩いてるので。
EMTG:なるほど。リズムのアレンジもそうですけど、全体的なトーンはいわゆるJ-ROCKとはかなり離れていて。むしろ海外のインディーロックとの親和性が高いですよね。
武井:もともと好きですからね、そういうほうが。特定のバンドを聴いてるというより、新人をチェックするのが好きなんですよ。たとえば「Kitsune(フランスのインディ系レーベル)からデビュー」みたいなバンドを見つけると、「お、聴いてみようかな」って思うし。ストロークス以降は大体そういう感じですね。時代の流れというか、「最近はこれがカッコいいな」っていう。
砂川:僕はチェコに入るまで、USインディーとかはあんまり聴いてなかったんです。オルタナ、シューゲイザーが好きで――マイブラとかソニックユースとかスマパンとか――爆音でギターを鳴らして。でも、このバンドに入ってからは、武井さんが好きなアーティストも聴くようになったし、そのなかには「すごくいいな」と思うものもけっこうあって。
EMTG:海外のバンドって実験的なサウンドを志向している人たちも多いですけど、チェコの音はポップに振り切ってますよね。実際、『MANTLE』もめちゃくちゃポップだし。
武井:今回は1曲1曲、カチッと作りたかったんですよね。なるべく3分台、2分台くらいで、タイトな感じにしたくて。そのなかでいかに(いろいろな音楽の要素を)詰め込むかっていう…。そういうモードだったんでしょうね、たぶん。
EMTG:歌詞に関しては?
武井:そこはぜんぜん変わってないですね。前のアルバムでいしわたり淳治さんといっしょにやった曲もあるんですけど、それを活かせてるかどうかも分からない(笑)。
砂川:曲によって歌ってることはぜんぜん違うんだけど、言葉のチョイスだったり、リズムの乗せ方は武井さんらしいなって思いますけどね。
武井:僕、精神状態にすごくムラがあるんですよ。だから、そのときの気分がそのまま出てるんじゃないですか、歌詞に。
EMTG:そんなにムラがあるんですか?
武井:うん。めっちゃありますよ。
砂川:どうなんですかね? 最近はそうでもないと思うけど。
武井:いや、アルバムのリリースが近づくにつれて、精神的にはヤバい感じになってる。
砂川:露骨にカミングアウトしましたね(笑)。
武井:崖っぷちに立ってるような感じなんですよ。楽しさと怖さ、どっちにもすぐに転びそうというか。エモくなりがちだし、ドキドキするし…。
砂川:まあ、作品っていうのはお客さんの手に渡って、実際に聴いてもらったときに初めて完成するという気もしますからね。ホントにリリースするまでは実感がないというか。もちろん、自信はあるんだけど。
EMTG:すごく良いアルバムですけどね。こういうポップセンスを持ったバンドは、日本にはいないと思うし。
武井:そういうふうに言ってもらうほど、どんどん足場が小さくなっていくような…。
砂川:追い詰められるんだ?
EMTG:じゃ、ホメるのやめます(笑)。タイトルの「MANTLE」は、地球に内側にあるマントルのことですか?
武井:そうです。自分の音楽ライフに地球に例えたときに、中心のコアの部分に何があるのかはさっぱり分からないですけど、今回のアルバムを作ったことで、内部に近づけたんじゃないかなっていう感覚があって。前作の『NEVERLAND』はもっとフワフワした感じだったんですけど、『MANTLE』では地に足が付いた気もするし。
砂川:「この5人の初のアルバム」くらいの気持ちもありますからね。八木君(八木類/G、Cho、Syn)が作った曲もあるし、タカハシさんが歌ってる曲もあって。ひとりひとりのパーソナルな部分も出てますからね。いま武井さんが言ったみたいに、本質に入っていけた感じもあるので。あとは(『MANTLE』の収録曲を)早くライブでやりたいですね。
EMTG:『MANTLE』の曲がセットリストに加わると、ライブの雰囲気もかなり変わってきそうですね。現在のCzecho No Republicのモードがはっきり伝わるだろし。
武井:そうですね。まあ、あんまり期待しすぎて、ガッカリするのもイヤなんですけど(笑)。
EMTG:(笑)でも、自信はあるでしょ?
武井:アルバムを録り終ったときは、ビールかけしたいような気持だったんですよ。こんなに「早く出したい」と思える音源が出来たのも初めてだったし、このアルバムでもっと輪が広がるといいなって。
EMTG:そうなると思いますよ、絶対。
武井:じゃあ、CDが出たあと、もう1回ホメてくださいよ。そこで「ほら、やっぱり大丈夫だったでしょ?」って言われたら、「ういっす!」って答えられると思うんで(笑)。

【取材・文:森 朋之】

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ビデオコメント

リリース情報

MANTLE(初回限定盤) [CD+DVD]

MANTLE(初回限定盤) [CD+DVD]

2014年07月16日

日本コロムビア

1. Amazing Parade
2. No Way
3. Clap Your Hands
4. Crazy Crazy Love
5. Field Poppy
6. JOB!
7. Summer Love
8. Arabia
9. Hello, My Friend Sophie
10. Melody
11. Changing My Life
12. Maridabu
13. 2014年宇宙の旅

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お知らせ

■ライブ情報

MANTLE TOUR ~2014年宇宙の旅~
2014/08/19(火) 北浦和KYARA
2014/08/21(木) 千葉LOOK
2014/08/22(金) F.A.D YOKOHAMA
2014/09/19(金) 札幌KRAPS HALL
2014/09/22(月) 仙台CLUB JUNK BOX
2014/09/23(祝火)新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
2014/09/27(土) 広島ナミキジャンクション
2014/09/28(日) 福岡DRUM Be-1
2014/10/03(金) 大阪心斎橋BIGCAT
2014/10/04(土) 名古屋CLUB QUATTRO
2014/10/10(金) 赤坂BLITZ

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014
2014/08/02(土)国営ひたち海浜公園

RISING SUN ROCK FESTIVAL 2014 in EZO
2014/08/15(金)石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ

RUSH BALL 2014
2014/08/31(日)泉大津フェニックス

BAYCAMP 2014
2014/09/06(土)川崎市東扇島東公園

※詳細、その他のライブ情報はオフィシャルサイトをご覧ください。

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