“主演男優”ニューロティカあっちゃんの将来の夢は「紅白歌合戦に出ること」―。

ニューロティカ | 2015.04.18

 2014年に結成30周年を迎え、「俺達いつでもロックバカ!」を合い言葉に今なお日本のパンクロック・シーンの先頭を走り続けるニューロティカ。唯一のオリジナルメンバーであるイノウエアツシ(Vo./以下あっちゃん)は、一度見たら忘れられないピエロのメイクでみんなを笑顔にしてしまうエンターテイナーであると同時に、八王子にある実家のお菓子屋「ふじや」の若旦那という2つの顔を持つ男だ。4月18日から公開される映画「あっちゃん」は、そんな彼の生々しすぎるほどの日常と本音を通して、歌うこと、そしてバンドを続けていくことの意味に迫った究極のドキュメンタリー作品。クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で当初の目標金額375万円を大幅に越える940万3669円が集められ、パンクロックのMVなどを多数手がけてきたナリオ氏が監督を務めている。“主演男優”が語る見どころ、そして今後の夢とは――。

EMTG:この映画の話は、もともとニューロティカのメンバーであるナボさんが企画されたそうですね。
あっちゃん:そうです。2014年は僕が50歳になるし、バンドも結成30周年だから何かやろうっていう話はしてたんですが、その中で、ナボちゃんが映画を作ろうと。仕事をしながらバンドやってる人は多いと思うけど、その中でも自分(=アツシ)はちょっと違う男だと思ったんじゃないですかね。最初は「いいよ、恥ずかしいよ」って断ってたけど、ニューロティカはそんなにメディアに出て行くような力もないバンドだから、これも何かのいいきっかけになればと思って、みんなで話し合ってやることにしたんです。
EMTG:制作資金はクラウドファンディングサイトの「CAMPFIRE」で全額集められたんですよね。
あっちゃん:はい。後輩のmilktubというバンドがクラウドファンディングを使い色々と成功しているので相談したらまさに持ってこいだと。僕は人からお金を借りることが出来ないタイプなので「やめようよ」とか言ってたんだけど(笑)、貰うのではなく支援であって、見返りもあるんだからと聞いて納得したんです。
EMTG:日本のクラウドファンディング史上、自主制作映画では過去最高金額となったそうで。
あっちゃん:いやもうね、映画を観てもらったらわかるところもあると思うけど、ニューロティカは全てにおいてパイオニアなんですよ(笑)。今回だって「あっちゃんがクラウドファンディングで出来るんだったら、俺も出来るだろ!」ってみんな言っていますよ(笑)。
EMTG:頼もしいです(笑)。完成した作品を自分で見てみてどうでした?
あっちゃん:あの”主演男優”、ボソボソ喋ってて何言ってるか聞き取れないところがあった(笑)。いろんな人が出てくれてるし、好きなバンドの音楽もたくさん流れるでしょ?もうね、落ち着いて見ていられなかった(笑)。
EMTG:氣志團の綾小路翔さんや宮藤官九郎さん、筋肉少女帯の大槻ケンヂさんなど、みなさんのコメントもすごかったですね。
あっちゃん:だって最初に出てくるのがTHE STAR CLUBのHIKAGEさんだからね。僕にとってはパンクの大先輩。焦るとかビビるとかじゃなくて、もう「うわっ!!」って感じでビックリだった。もちろんそういういろんなゲストの人の収録には全く立ち会ってないんだけど、オファーとギャラの交渉だけは全部自分でしました(笑)。
EMTG:全編、試写会で初めて見たそうですね。
あっちゃん:そう。だって編集とかに立ち会って「そこはNGで」とか「ここ、使ってよ」とか俺が掛け合っちゃうと、ウソになるからね。もちろん何ヶ所かは「こんなとこ使いやがって!」とか(笑)、「こういうとこ、撮ってないよ!」って後々気付くところもあったけど、それはそれでアリだなと思った。
EMTG:いわゆる“ステージ”に立つ人がここまで見せるんだ、ここまで話すんだという驚きもあったけど、それはあっちゃんにとっての表とか裏ではなくて。あくまでもバンドマンとお菓子屋の若旦那、2つの顔を持っているあっちゃんの日常と本音をとおして、歌い続ける理由に迫る作品でした。
あっちゃん:さっきのパイオニアの話じゃないけど、僕はそうやって、やったことないことをやってみんなに見せるってタイプの男なんだなって、この映画を撮りながらわかってきた気がしてて。30年近くやってきてね。バンド始めた頃は文化祭の延長でみんなが集まる場所になればいいなと思ってただけだけど…、あ、それは今も一緒か。若い頃はそれを勢いでやってたけど、今はロックやパンクを使って、人がやってないこと、楽しいことをやっていくことが俺の仕事なのかなってようやくわかってきたというか。
EMTG:そういうあっちゃんの姿を見ていると、それこそ夢を持って頑張ってるバンドマンや働く同世代の人たちにもきっと響くものがあると思いました。
あっちゃん:これだけ仕事してこれだけバンドやる、こんなバカな50歳がいるんだから、まだまだ人生は捨てたもんじゃないよとは言いたいですよね。
EMTG:では“主演男優”から見どころなどをお願いします!
あっちゃん:まず音楽ですね。個人的にも大好きなチャラン・ポ・ランタンが書き下ろしてくれた「泣き顔ピエロ」とか、以前The Birthdayが僕の誕生日だからってライブで歌ってくれた「PIERROT」とかね。音楽がほんと素晴らしい。監督とかはもちろん「いろんな方に観てほしい」って言うけど、個人的には、やっぱりニューロティカのファンには絶対観てほしい。あとはバンドマン。やってることはみんな同じなんですよ。仕事してバンドしてってね。そこを、アンダーグラウンドのバンドの中でもちょっと売れてるニューロティカの僕が(笑)、代表して撮ってもらったドキュメンタリー映画ですから。
EMTG:そんなアンダーグラウンドを代表するあっちゃんが目指す次の夢とは?
あっちゃん:紅白歌合戦に出ること。以前「アド街ック天国」という番組に出た時に、いつもお菓子を買いにきてくれる地元のおばあさんが、「あっちゃん、報われたね」って涙目で抱きついてきたの。読売新聞の夕刊に載った時も、近所の喫茶店のおばさんが「おめでとう」って、泣きそうな顔で花を持ってきてくれて。だから、次は紅白に出てそういう人たちを喜ばせたい。30年間、少年少女を喜ばせてきたからね(笑)。
EMTG:対象年齢、幅広いですね(笑)。
あっちゃん:夢だけど、ピエロで朝の子供番組にも出たいしさ。だからやることはまだまだいっぱい。これからも宜しくお願いします(笑)。

【取材・文:山田邦子】

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ビデオコメント

リリース情報

インディーズ 日本代表

インディーズ 日本代表

2014年05月02日

NR RECORDS

1.ロティカのライブが始まるぜ
2.ロティカV12
3.HENSHIN
4.おかしなおかしなお菓子屋ロックンロール
5.全開ハッピーライフ
6.君のメロディ
7.COME ON AND JOIN US
8.修豚情歌
9.冬の朝
10.心にバカボンの歌を
11.俺は歌舞伎町のムッキーマウス
12.オイラはあん娘が好きでした
13.大阪城大作戦
14.SUNSHINE 2014
15.ビアガーデン
16.ハッパキラキラ八王子
17.ロックンロール風俗パート3

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お知らせ

■映画『あっちゃん』全国上映予定
2015/04/18(土)~5/08(金)渋谷HUMAXシネマ
2015/04/18(土)~5/01(金)シネマート心斎橋
2015/05/02(土)~5/15(金)名古屋シネマテーク
2015/05/09(土)~5/22(金)福岡中洲大洋映画劇場
2015/05/23(土)~6/12(金)ニュー八王子シネマ
2015/05/30(土)~6/12(金)京都・立誠シネマ
2015/07/15(水)~7/21(火)広島・横川シネマ
公開日未定、仙台・桜井薬局セントラルホール

※その他の情報、詳細は映画『あっちゃん』オフィシャルサイトをご覧ください。


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横浜DeNAベイスターズ 試合結果
15秒ごとに試合結果が更新されるやつを携帯に入れてもらいまして、毎日ドキドキしながら見ています。今年は絶対勝つぞ!I☆(LOVE)YOKOHAMA ベイスターズ!!


■ライブ情報

映画「あっちゃん」完成記念&結成31周年ワンマン!
2015/05/16(土)博多graf
2015/05/23(土)仙台BAR TAKE
2015/05/24(日)盛岡Club Change
2015/05/30(土)名古屋CLUB UPSET
2015/05/31(日)心斎橋CLUB DROP
2015/06/07(日)浜松メスカリンドライブ
2015/06/13(土)新宿ロフト

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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