自らの人生を反映した、クリス・ハートのニューシングル『僕はここで生きていく』

クリス・ハート | 2016.02.16

 クリス・ハートからニューシングル「僕はここで生きていく」が届けられた。故郷から遠く離れた街で生きていく決意、支えてくれた人々、両親への感謝をテーマにしたこの曲は、初めてクリス自身が作詞に参加したミディアムナンバー。自らの人生を反映した「僕はここで生きていく」は、アーティスト/シンガーとしての彼のキャリアにとっても大きなターニングポイントとなるはずだ。
 4月30日には初の武道館ライブも決定。今年、日本に帰化するクリス・ハートは、J-POPシーンのなかでさらに大きな存在感を示すことになりそうだ。

EMTG:「僕はここで生きていく」は真摯でリアルなメッセージが込められたナンバー。本当に心を揺さぶられる曲ですね。
クリス・ハート:嬉しいです。今回は自分も作詞に参加しているので、少し不安な気持ちがあったんですよ。聴いてくれた人の力になれるメッセージが届けられたらいいなと思っていたので、良かったです。まず「自分自身のストーリーを伝えたい」という思いがあったんですよね。そこから共作の作家さん(作詞家の高木洋一郎氏)とストーリーを考え、ポイントとなるフレーズを決めてから作詞していきました。
EMTG:クリスさんが作詞、自らの人生経験が強く反映されているということでは、これまでの楽曲とは大きく違いますよね。
クリス:いままではファンの方からいただいた手紙をもとに歌詞を作ることが多かったですからね。「僕はここで生きていく」は正直に歌いたいなと思ったし、だったら自分のストーリーを入れたほうがいいなって。日本に来たときの不安な気持ち、故郷への思い、親に対する感謝をそのまま表現したかったんですよね。
EMTG:日本で生きていくという決意に至るまでの物語ですよね。
クリス:そうですね。僕が日本のことを好きになったのは12歳のときで、もう20年前なんです。ずっと日本に住みたいと思っていて、ようやく24歳のときに来ることができて。たくさん苦労もしましたけど、いまはすべて笑顔で話せるんですよね。だからこそ、この曲を通して良いメッセージを伝えられるかなと思ったんです。「いつかはきっと、いいことにつながるよ」って。僕と同じような経験を持っている方は多いと思うんです。いろんな人がいろんな理由でいろんな街に行って……最初はどうやってスタートしたらいいかもわからないし、家族もいないから怖いという気持ちもあるだろうし。
EMTG:クリスさんはその状況をどうやって乗り越えたんですか?
クリス:歌詞のなかに「好きだったかあさんの味 思い出しながら」「作ったごはんは なぜか思うようにいかなかった」というフレーズがあるんですが、同じものを作れないからこそ、「新しいものを作っていこう」「ここで自分の新しい生活を作ろう」という流れですね。
EMTG:なるほど。
クリス:もちろん、すぐに自分の道を進み始めたのではなくて、いろんな壁がありましたけどね。23歳まではアメリカで日本人の友達とバンド活動をやって、日本語で作詞しながら勉強して…。そういえば歌詞を書いたのは、そのとき以来ですね。
EMTG:どうして10年間も歌詞を書かなかったんですか?
クリス:バンド時代は「日本の人に共感してもらえるような歌詞が作れない」と思っていたんです。まずは日本に住んで、日本の名曲を勉強することが大事だなって。だから日本に来てからは勉強モードになったんですよね。いろいろな曲をカバーさせてもらって、「日本人にとって良い歌詞とは何か?」ということを少しずつ確認して。ようやくいま、ちょっとだけ(自分で歌詞を書くことに)挑戦しはじめたところですね。自分の言葉で伝えること、日本の名曲を歌うこと。両方できたらいちばんいいですね。
EMTG:自分で歌詞を書いた曲は、歌うときのスタンスも違いますか?
クリス:カバーの場合は、作者の方がどんな気持ちでその曲を作ったのかを理解することが大事だと思っていて。でも「僕はここで生きていく」を歌うと、自分の思い出がそのまま浮かんでくるんです。「日本に来た最初の頃は会話するのも難しかったな」とか、故郷に帰りたいという気持ちはなかったけど「ここで上手く生きていけるかな」と思ったり。そういう感情がそのまま出てるので、正直、ちょっと恥ずかしいところもあるかもしれない(笑)。パフォーマーではなくて、クリス・ハートという人間を歌うしかないから。あと、今回はレコーディングでギターも演奏してるんです。ロックバンドをやっていた頃はギターを弾いていたし、日本に来るときもギターを1本持ってきたので…。いま、少しずつ作曲にも挑戦しているんです。いつかは自分で作曲した曲をリリースしたいですね。
EMTG:2曲目の「I Believe~手をつなごう~」は「世界中の人が幸せでありますように」という言葉がまっすぐに届くメッセージソング。
クリス:少しでもこの世界の力になりたいという気持ちから生まれた曲ですね。僕は歴史も好きなんですけど、この地球にはずっと苦しんでいる人、悩んでる人がいて。だからこそ「もっと良い日が来る。平和な世界になる」というメッセージを伝えたくて。全国ツアーでも歌っているんですが、そのなかで歌詞を変えた部分もあるんですよ。実際に歌ってみないとわからないこともあるので…。料理の味見と同じですね(笑)。
EMTG:クラシカルなストリングスも、この曲の趣旨にぴったりですね。
クリス:去年のクラシック・コンサートでこの曲を歌ったときに「このアレンジはすごくいいな」と思ったんです。ファンの方からの評判も良くて「早くリリースしてほしい」っていう反応もあって。レコーディングも、ぜひオーケストラのみなさんと一緒に録りたかったんですよね。僕とバンドのメンバーだけではなく、50人くらいのオーケストラの方々が加わることで、この曲のメッセージはもっと強くなると思ったので。世界平和がテーマなので、たくさんの人の心が入っていたほうがいいなって。
EMTG:3曲目の「ゆいざくら」は桜をモチーフにした楽曲。まさに日本人がもっとも好きなテーマのひとつですね。
クリス:この曲にはすごく時間がかかってるんですよ。1枚目のオリジナルアルバム(「Song for You」/2014年3月リリース)の前からある曲で、何回もこの曲と戦ってきて…。どうしても日本らしいイメージが出せなかったんですけど、ツアーでいろんな場所にいって、その土地の景色を知ることで上手く歌えるようになってきたんですよね。県によって景色や名物、方言や考え方も違うけど、春になるとみんなが同じように桜を楽しみにしているっていう。僕としては、ひとつの季節だけではなく、人生ストーリーを伝えられる歌にしたかったんです。日本に来てから何度も春を経験して、いろいろな別れや出会いがあったことも大きかったと思います。
EMTG:さらに卒業式でよく歌われている「旅立ちの日に」のカバーも収録。
クリス:リクエストが多かった曲だし、このシングルのテーマにも合ってると思ったので。NHK児童合唱団のみなさんと一緒に歌ってるんですけど、たくさんの人の声があることで「ひとりじゃない」という思いが伝わるかなと。
EMTG:クリスさんは“卒業”に対してどんな思い出がありますか?
クリス:じつはそんなに経験がないんですよ。僕は16歳で高校を卒業して、そのまま大学に行ったので、みんなと一緒の卒業式には参加してないんです。だから、卒業や別れのイメージは、日本に来てからの思い出のほうが強いんですよね。
EMTG:なるほど。それにしてもクリスさん、本当に勉強熱心ですよね。
クリス:まずは勉強モードから始まってますからね。音楽の歴史を知ることも大事だと思うんですよ。60年代のフォーク、70年代のダンスミュージック、80年代のニューミュージックなどがあって、いまのJ-POPがある。全部つながってるんですよね。
EMTG:4月30日は初の日本武道館ライブも決定。2016年はクリスさんにとって素晴らしい年になりそうですね。
クリス:もうすぐ子供も生まれますからね。武道館のライブの前に「僕はここで生きていく」のような自分自身を振り返る曲をリリースできるのはすごく良いことだなって思います。

【取材・文:森朋之】

tag一覧 シングル 男性ボーカル クリス・ハート

ビデオコメント

リリース情報

僕はここで生きていく

僕はここで生きていく

2016年02月17日

ユニバーサル ミュージック

1. 僕はここで生きていく
2. I Believe~手をつなごう~
3. ゆいざくら
4. 旅立ちの日に(カバー)

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お知らせ

■ライブ情報

クリス・ハート 47都道府県Tour2015-2016 ~続く道~
2016/02/20(土)兵庫県 神戸国際会館こくさいホール
2016/02/21(日)和歌山県 和歌山市民会館
2016/02/27(土)鳥取県 米子コンベンションセンター
2016/02/28(日)徳島県 鳴門市文化会館
2016/03/05(土)山形県 やまぎんホール
2016/03/06(日)宮城県 仙台サンプラザホール
2016/03/18(金)長崎県 長崎ブリックホール
2016/03/19(土)広島県 広島HBGホール
2016/03/21(月・祝)愛媛県 松山市民会館
2016/03/31(木)京都 ロームシアター京都

クリス・ハート 日本武道館LIVE 2016“僕はここで生きていく” 47都道府県Tour2015-2016 ~続く道~FINAL~
2016/04/30(土)日本武道館

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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