東京パフォーマンスドール(TPD)のニューシングルは切なさを含んだサビのメロディが印象的なダンスチューン『純愛カオス』。夏を意識したアッパーなトラックと共に迷いながらも前に進んで行く今のメンバーの気持ちを投影したような歌詞が聴き手の心に刺さり、4年目に突入したTPDの魅力を更に広げた作品に仕上がっている。
　カップリングにはライブでも人気のリアレンジされた先代TPDレパートリー5曲を盤ごとに1曲ずつ収録。シーントップクラスの圧倒的なフォーメーションダンスでも注目を集めるグループは、このシングルと9月の渋谷TSUTAYA O-EASTでのワンマンから始まる新たなライブシリーズ「DANCE SUMMIT DREAM CRUSADERS」で進化を見せてくれるに違いない。

EMTG：先ずはニューシングル「純愛カオス」についての感想をそれぞれ教えて下さい。

浜崎：この曲は9人全員で進んで行くぞっていう気持ちが歌詞にもフォーメーションにも出ているなと思っていて。最後一列になって全員でサビを踊る所でいつも私は9人の一体感を感じるので、そこのクライマックスに向かってみんなの気持ちが上がっていく所が一つの見所だと思います。

脇：心の中の弱音やいつもは見せない姿が歌詞に現れている曲で、私は「心を抱きしめてくれますか」と問いかける部分の歌詞が好きなんですけど、そこは自分に対しての表情だったり相手に伝えるために前を向いたりとか、歌う度に毎回工夫してます。

高嶋：タイトルの純愛とカオスって言葉もそうですけど、切なかったり苦しい部分が多い歌詞なのに曲は明るいサマーチューンだから対比が感じられて、MVでも寂しい歌詞なのにあえて笑顔で歌っているんですよ。そういうことをあえてやっているって所が今回は新しいなと思います。

上西：「痛みはリアルを教える」って歌詞を見た時に、痛みを負う理由やその大きさは人によって違うかもしれないけど、それぞれの考えとか努力でその痛みをどう修復していくかっていうのは自分に負けない心に似ているんじゃないかなって思ったんです。そういう風に色々な考えが出来る歌詞が沢山含まれている所が面白いなって私は思いました。

神宮：明るくエネルギッシュな曲と内に秘めている気持ちを織り込んだ歌詞の対比が面白くて、それを10代の私達が明るく元気に歌って踊るっていうのに意味があると私は思っているんです。10年後に歌ったら色々と経験を積んだ事で感じ方が変わってくる曲だと思うので、この歌詞は同じ世代の人だけじゃなくて幅広い世代の人達にも色んな事を感じて頂けるんじゃないかなと思います。

櫻井：夢を追っている中でエネルギーになる曲って言うと歌詞的にキラキラしたものが多いと思うんですけど、この曲はそういう綺麗ごとを並べるんじゃなくて孤独だったり悔しさみたいな負の気持ちも入っている所がリアルで自分的には凄く好きです。

橘：間奏の部分のフォーメーションダンスで交差する所はタイトルのカオスって所とかけているのかなと思うので是非ライブに来て見てもらいたいです。

飯田　私はこの曲のMVのラストのシーンが本当に好きなんですよ。『純愛カオス』って人によって歌詞の感じ方が変わる曲だと思うんですけど、MVはその世界観が詰まっているのでダイレクトに伝わりやすいんじゃないかなって思います。

小林：衣装が前回まではスタイリッシュだったんですけど、今回はTPDの中では1番を争えるぐらいにカワイイ感じになっているんです。歌詞は違うけど曲は夏を感じさせるポップな曲なので夏っぽい衣装にも注目してもらいたいです。

EMTG　「見えなくても超えなきゃならない明日があるから」という歌詞がありますが、4年目に入ったTPDにとって超えなくてはいけない事ってありますか？

高嶋：沢山ありますね。例えば私達ってプライベートや楽屋だと譲ってしまう傾向があるのでもうちょっとみんな積極的になってもいいんじゃないかなって。それぞれ個性は溢れているんですよ。だからそれを研磨して表に出していけると、一人ひとりがもっと輝けるんじゃないかなって思いますね。

浜崎：ホントに仲が良すぎるのでイベントに出た時とかもメンバーで固まり過ぎちゃうんですよ。対バンのラストで出演者全員並んだ時に、他のアイドルさん達が前にガッ！と行っても私達だけ引いちゃうって事もたまにあるので、そこで前に行けるようになると何かが見えるんじゃないかな。

高嶋：私達ってイベントに出始めた時に1番下だったからまだ新人ていうイメージがあったんですけど、もう4年目って事で。

浜崎：なんかね、新人だった頃の気持ちを引きずり過ぎ。

全員：(大爆笑)

高嶋：心がまだ追いついてないんですよ。

小林：でも初心は忘れずに。

浜崎：そう、そこは忘れずにいたいけど。

高嶋：そろそろ前に出て行ってもいいのかなって思います。今年のTIF（TOKYO IDOL FESTIVAL）ぐらいからはガンガン前に出て行こうかな(笑)。

EMTG：今後のTPDとしては9月から新しいライブシリーズ「東京パフォーマンスドール DANCE SUMMIT DREAM CRUSADERS」が始まりますね。

高嶋：はい。まだリハに入っていないんですけど、私たちのデビュー公演「1×0」が演劇とライブを融合させ、プロジェクションマッピングやレーザー等を使った、とにかく演出に凄くこだわったステージで、次のライブシリーズ「ネイキッド」では、自分たちのパフォーマンスだけで魅せる内容だったのですが、今回はその両方を融合させて且つ、これまでの経験を重ねたらどんな化学反応が起きるのかっていうのが新シリーズ「DREAM CRUSADERS」です。

EMTG：という事はステージ上でやらないといけない事が多い？

全員：そうですね。

高嶋：演劇の時にやっていた動きを取り入れる所もあると思いますし。

浜崎：新しい事もね。「今回もお客さん達をビックリさせられるような新しいライブにしたいな。そして何よりも自分たちの気持ちやパワーをみんなに届けるライブにしたいと思います。

【取材・文：山村哲也】