エレファントカシマシ、デビュー30周年を記念したキャリア初となるオールタイムベストアルバムをリリース!

エレファントカシマシ | 2017.03.20

 エレファントカシマシのデビュー30周年記念盤として、宮本浩次が自ら選曲した30曲から成る『All Time Best Album THE FIGHTING MAN』がリリースされる。多くの人に親しまれる曲を網羅した『Mellow & Shout』と、アグレッシヴな曲で畳み掛ける『Roll & Spirit』は、宮本が言う通りエレファントカシマシが持つ2つの顔をくっきりと見せる。対照的に見えるこの2枚だが、通して聴けば30年の間に彼らはブレることなく一途に自分たちのロックを鳴らしてきたのだと再確認させる。30曲を通して浮かび上がるエレファントカシマシの30年を、宮本に語ってもらおう。

EMTG:2枚組ですが、それぞれテーマがはっきりしていますね。
宮本:そうですね、初期の曲はレコーディングの仕方がまるっきり違うんで、例えば「今宵の月のように」のようなプロデューサーが入った曲と両立しないんじゃないかと最初は思ったんですけど、テーマを決めたらそれぞれ収まりが良くなって。どのバンドもそうかもしれないけど、エレファントカシマシもはっきり二面性があって。例えば「ガストロンジャー」「奴隷天国」みたいな曲と、「笑顔の未来へ」「ハナウタ~遠い昔からの物語~」みたいな曲は、なかなか共存しにくい曲で。非常に尖った部分と穏やかで優しい部分というのを、エレファントカシマシは持ってるんじゃないかと、常々思っていて。ベストな形かどうかわからないけど、30周年記念盤として、エレカシの基礎として、これだ、というものができたかなと思います。
EMTG:曲順も悩みました?
宮本:いろいろやってみたんですけど、1曲目「今宵の月のように」は最大のヒット曲ですし、TVで歌うことも多い。このアルバムの性質を高らかに宣言するためには絶対1曲目だろう、と。対比で2枚目は「ガストロンジャー」が一番わかりやすいんじゃないかと思って。そういう風にして、最初は割と直感的に決めていったんですけど、ただ、「桜の花、舞い上がる道を」は「笑顔の未来へ」の次だったかなとか、あとで思ったりするんですけどね(笑)。でも、いろんなベスト盤がありますけど、今は自分でいくらでもCDから編集ができるわけで、そこで宮本が選ぶことに意味があるかなと。プロフェッショナルな「四月の風」「悲しみの果て」以降の『Mellow & Shout』と、『Roll & Spirit』の精神性みたいなものと。あとはテッド・ジェンセンの腕ですね。
EMTG:彼にリマスターを依頼したのも宮本さん?
宮本:そうなんです。シングル「俺たちの明日」「笑顔の未来へ」の時に、一番腕の良い人に頼みたいって言ったら、誰かがテッド・ジェンセンがいいんじゃないかって。それがすごく良かったので、今回も絶対テッド・ジェンセンがいいって。
EMTG:改めて思い出すこともあると思いますけど、特に思い出深かった曲とかありますか。
宮本:あ~(顔をしかめ沈思黙考)。「四月の風」は、レコード会社と契約が切れた直後に作った曲なんですけど、下北沢でライブをやることは決まってたんで。そのライブに来てくれるお客さんたちに向けて、一生懸命メッセージを考えて作った曲で。あとは「友達がいるのさ」って曲は、歌詞が本当にできなくて非常に苦労して。シングルだし、ラブソングができるといいなと思って始めたら、結局男たちの歌になって。それも今では、ファンの人たちにはバンドの歩みそのものみたいな捉えられ方をしていて、面白いもんです。「四月の風」は「ファイティングマン」と並ぶ曲なんだなと、思いました。その3曲が、その時代をそれぞれ代表してる3曲なのかなと思います。
EMTG:もう少し具体的に2枚の対比を伺えますか。
宮本:比較するとなんですけど、『Mellow & Shout』は声だったりとか、そういうエレファントカシマシの一面、『Roll & Spirit』は、魂の変遷というと大袈裟なんですけど、例えば「暑中見舞-憂鬱な午後-」という曲は小林武史さんのNYのスタジオで初めての海外レコーディングで、そういう想いみたいなものが入っていたりとか。あと、「俺の道」という曲は歌のタイトルそのままなんですけど、当時は連載やったりドラマに出たり、バンドマンなんだけどいろいろやったんですよ。そういった中でいろいろ模索して、嫌になっちゃった時があって。連載2本とかやってると、曲作るどころじゃなくなっちゃうんですよね。そっちに時間を取られて、疲弊していく自分というのも感じてましたし。何が俺にとって大事なんだろうと思った時に、バンドで4人で音を出すことだろう! っていう意気込みが「俺の道」の中にはあって。それに象徴されるんです。心の部分の流れですね。「歴史」という曲では、憧れの森鴎外のことを歌ってるんですけど、曲の良し悪しで言うと、ピッチも悪いしチューニング狂って音程も外れてて…。でもそういうところじゃなくて、憧れの男の生き様みたいのをここで歌ってる。そういう部分で、「俺の道」「歴史」は『Roll & Spirit』の象徴なんですけど。そういう心の変遷みたいなものが流れとしてわかるようにしました。それを経て、また『Mellow & Shout』の「桜の花、舞い上がる道を」もあるし、「俺たちの明日」もあるんだぜという。そういう変遷ですよね。
EMTG:歴代プロデューサーの存在も浮かんできますね。
宮本:そうですね。バンドもずっとこの4人で非常に仲が良いもんで、馴れ合いになるところもありますから。バンドの技術で集まったわけじゃなくて、中学高校からの仲間ですから、やっぱある種精神というか、『Roll & Spirit』で集まったところがありまして(笑)。だから、音楽的なリーダーとして、佐久間正英さんのような方と一緒にやって。一つの頂点は、佐久間さんとやった「今宵の月のように」ですね。時代の曲だと思いますし。それから、モチベーションという言い方は好きじゃないんですけど、僕はバンドでやるのが好きだから、自分が気持ちを高めるために打ち込みの曲もやったし。YANAGIMANや蔦谷(好位置)さんや自分とは違う特徴を持った方々とも一緒にやりましたね。音楽的にも精神的にも、新鮮さや刺激をいろいろと彼らからかなり強く受けています。
EMTG:中学時代からの仲間と30年以上バンドを続ける理由があるとしたらどういうところでしょう?
宮本:……トミ(冨永義之/Dr)も病気して3ヶ月ぐらい入院してる時もありましたし、石君(石森敏行/Gt)も今は治ったんですけど、歩くのも困難なぐらい腰を痛めた時期もありましたし。そういう相当大変な思いをいろいろとしながらも、みんなバンドというものが大好きで。毎年やってる野音もそうだし、スーパーアリーナも、今回のツアーもそうですけど。たぶん、夢を見続けるということなんでしょうか、強引に(笑)。
EMTG:今回、デラックス盤にはデモ&レアトラック集や昨年末の下北沢のライブ映像、初回限定盤には30年を振り返る映像集が付いたり、盛り沢山な仕様にもなってますね。
宮本:そうなんです! 4人が出会って最初にやった「やさしさ」って曲のデモとか、本編に入れたかったぐらい気に入ってる、トランペッターの近藤等則さんと94年の野音でやった時の「東京の空」とか、すごくいいんですよ! デラックス盤のインタビュー映像には「ファイティングマン」誕生秘話も入れたし、ファンの人は見たら楽しいんじゃないかなあ。
EMTG:この30曲で見えてくる自分たちの30年はありますか?
宮本:曲もさることながら、いろんな思い出を話せるのは嬉しいし、話している中で、自分の中で「四月の風」は大事だったんだなと改めて思ったりしたんですけど。昔から知ってる人も最近の人も、デビュー前からだと37~8年になるんだけど、バンドの歩みを非常にこう、私的なものとして捉えてくれるんですよ。それを僕は全身で感じるんですね。それはバンドの象徴なんだけど、デビュー30周年を祝福してもらってるのを非常に感じるんですね。それは非常に嬉しいことで、とりもなおさず聴いてくれている人も戦って生きているわけで。そこに重ね合わせてエレファントカシマシを思ってくれてるんだなと思うと、嬉しいなと思います。

【取材・文:今井 智子】

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リリース情報

All Time Best Album  THE FIGHTING MAN

All Time Best Album THE FIGHTING MAN

2017年03月21日

ユニバーサル シグマ

(Disc1)Mellow & Shout
1.今宵の月のように
2.悲しみの果て
3.四月の風
4.風に吹かれて
5.夢のかけら
6.友達がいるのさ
7.俺たちの明日
8.笑顔の未来へ
9.リッスントゥザミュージック
10.翳りゆく部屋
11.桜の花、舞い上がる道を
12.ハナウタ~遠い昔からの物語~
13.新しい季節へキミと
14.ズレてる方がいい
15.夢を追う旅人

(Disc2) Roll & Spirit
1.ガストロンジャ―
2.デーデ
3.奴隷天国
4.花男
5.戦う男
6.so many people
7.コール アンド レスポンス
8.暑中見舞-憂鬱な午後-
9.俺の道
10.歴史
11.大地のシンフォニー 
12.Destiny
13.RAINBOW
14.涙
15.ファイティングマン

お知らせ

■ライブ情報

デビュー30周年記念コンサート "さらにドーンと行くぜ!"
03/20(月・祝) 大阪城ホール

30th ANNIVERSARY TOUR 2017 ”THE FIGHTING MAN”
04/08(土) 東京・北とぴあ さくらホール
04/15(土) 山梨・コラニー文化ホール 大ホール
04/22(土) 茨城・茨城県立県民文化センター 大ホール
04/23(日) 千葉・市原市市民会館 大ホール
04/29(土・祝) 岡山・岡山市民会館
04/30(日) 高知・高知県立県民文化ホール オレンジホール
05/03(水・祝) 鹿児島・宝山ホール 鹿児島県文化センター
05/04(木・祝) 熊本・熊本県立劇場 演劇ホール
05/06(土) 島根・島根県民会館 大ホール
05/07(日) 広島・広島上野学園ホール
05/14(日) 福井・福井フェニックス・プラザ
05/20(土) 北海道・わくわくホリデーホール
05/27(土) 岐阜・長良川国際会議場
05/28(日) 三重・四日市市文化会館 第一ホール
06/03(土) 福島・郡山市民文化センター 大ホール
06/04(日) 山形・やまぎんホール
06/10(土) 佐賀・鳥栖市民文化会館 大ホール
06/11(日) 宮崎・メディキット県民文化センター 演劇ホール
06/18(日) 神奈川・神奈川県民ホール 大ホール
06/24(土) 徳島・鳴門市文化会館
07/01(土) 愛媛・松山市民会館 大ホール
07/02(日) 兵庫・神戸国際会館 こくさいホール
07/08(土) 長野・まつもと市民芸術館 主ホール
07/09(日) 東京・オリンパスホール八王子
07/15(土) 秋田・秋田県民会館
07/16(日) 岩手・盛岡市民文化ホール
07/22(土) 沖縄・ミュージックタウン音市場
09/23(土・祝) 愛知・名古屋国際会議場 センチュリーホール
09/24(日) 石川・本多の森ホール
09/30(土) 長崎・島原文化会館 大ホール
10/06(金) 青森・弘前市民会館
10/08(日) 宮城・仙台サンプラザホール
10/09(月・祝) 栃木・宇都宮市文化会館 大ホール
10/14(土) 大分・宇佐文化会館ウサノピア 大ホール
10/15(日) 香川・サンポートホール高松 大ホール
10/22(日) 新潟・新潟県民会館 大ホール
10/28(土) 和歌山・和歌山市民会館 大ホール
10/29(日) 滋賀・守山市民ホール 大ホール
11/03(金・祝) 福岡・福岡サンパレス
11/05(日) 鳥取・米子市公会堂
11/18(土) 群馬・ベイシア文化ホール 大ホール
11/19(日) 埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
11/23(木・祝) 山口・山口市民会館 大ホール
11/25(土) 京都・ロームシアター京都 メインホール
11/26(日) 静岡・三島市民文化会館 大ホール
12/02(土) 奈良・なら100年会館 大ホール
12/09(土) 富山・オーバード・ホール

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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