祝・活動再開!175R節がビッシリ敷き詰められたNEW ALBUM 『GET UP YOUTH!』、ついに完成!

175R | 2017.03.29

 7年の沈黙を破り、遂に175Rが昨年末に活動を再開した! そして、リスタートから間髪入れずに届けられたニューアルバム『GET UP YOUTH!』の内容がこれまた素晴しい。バンド初期を彷彿とさせるパンキッシュなサウンドを叩き付け、疾走感抜群の楽曲がずらり揃った。その一方で、人生経験を重ねた今の彼らだからこそ歌える聴かせる楽曲もあり、このタイミングでしか完成しなかったであろう、175R節が全編にビッシリ敷き詰められている。また、ゲストにHEY-SMITHのホーン3人を迎えたり、槇原敬之のカヴァー「遠く遠く」なども収録されている今作の仕上がりについて、SHOGO(Vo)に話を聞いた。

EMTG:今年TOTALFATの企画イベント(1月25日)で、久しぶりに175Rのライブを観ましたが、いい意味で全く変わってなかったです。
SHOGO:うん、みんなそう言ってくれるし、休んでいた感じがしないと言ってもらえたりして。
EMTG:自分たち的にはどうですか?
SHOGO:ライブのキレで言えばまだまだだけど、バンドとしての音の馴染みはいつもと変わらなかった。久しぶりにリハに入っても、懐かしいというより、これこれ!って。意外と空白の時間がすぐに埋まった感じですね。
EMTG:ライブでの新曲の反応もすごく良かったですけど、今作も素晴しい出来映えです。活動休止を経て、今だからこそ出せるポジティヴなエネルギーが渦巻いてますね。
SHOGO:自分の中でも一周回った感じがあって。それこそ昔インタビューしてもらった『Go! upstart!』(1stフルアルバム / 2002年2月6日発売)から、175R後期は音楽性もどんどん変わって・・・パンク、メロコアから遠ざかってましたからね。でも休止期間を経て、またそういうものが聴きたくなって、そういうものを歌いたくなったんですよ。休止期間にソロもやったし、そこで歌モノは発散できたから。その反動で速い感じの、疾走感のあるアルバムを作りたくて。
EMTG:なるほど。そもそも活動再開しようと思ったきっかけは?
SHOGO:昨年末に「骸骨祭り」で活動再開したんですけど、20周年は大きくイベントをやりたいから、バンドで出演してくれない?と主催者の方から言われて。それが3、4年前ですね。で、谷口さん(※インディーズ時代にお世話になった事務所の人)のお別れ会でメンバー4人が揃ったときに、ボチボチやろうかって。活動休止中には、谷口さんだけじゃなくて僕らの1stアルバムのジャケを書いてくれた友人や、お世話になった人が次々と亡くなってしまって。みんな休止期間中に会ってるから、「早くまたライブを観たい!」と言われることもあって。その思いに応えることができなかったから・・・もう一度見せたかったなと。それにも背中を押されましたね。
EMTG:メンバー4 人の足並みはすぐに揃いました?
SHOGO:僕がいろいろ悩んだから休止したんですけど、次にバンドをやるなら、ストレスを抱えない活動スタイルを取りたくて。活動しました、また休みました・・・では良くないから。
EMTG:今作は175Rが「またこれからやって行きます!」という意思表示と受け取っていいですか?
SHOGO:はい。ただ、どんな活動スタイルになるのかはまだ未知数ですね。メンバーそれぞれの生活もあるので、転がり続けることもできるけど、歩いてみたり、寄り道してもいいのかなと。
EMTG:休止期間中に175Rに対する見方は変わりました?
SHOGO:活動を再開したときに朝のワイドショーに取り上げてもらえたり、ツイッターの反応を見たりすると、自分の予想を越えた部分もありましたからね。当時学生だった子がもういい大人になってたり、子供を産んだ人もいたりで、みんなそれぞれ歳を重ねているわけで。あと、175Rを聴いたことがない人も増えてるだろうから、いろんな人に聴いてほしくて。新人バンドを聴くような気持ちで、バンドを好きになる入り口になれる存在になれたらいいなと。自分にとってHi-STANDARDがそうでしたからね。リアルタイムで発売された音源って、グッと来るじゃないですか。今作を聴いて、そう感じてもらえたらいいなと。
EMTG:そして、今作はいきなりフルアルバムで、それにも少し驚きました。
SHOGO:休止期間中にリセットできたから、延長線上というより、新人バンドという感覚なんですよ。シングルを出すよりも、どーん!とアルバムで行きたくて。Hi-STANDARDもシングルを刻むイメージはないじゃないですか。僕ら世代はCDだし、アルバムを出したいなと。
EMTG:曲はいつ頃に作ったものなんですか?
SHOGO:基本的には活動再開を決めた後に作った曲ばかりです。「ROMAN ROAD」だけはソロのときに作ったもので、当時その作品には入れなかったんですよ。でも今回のレコーディング中に見つけて、175Rに合いそうだなと思ったから。自分もフレッシュなものを求めていたし。今回は湧き上がるものをそのまま詰め込みたくて。アルバム一枚、一気に聴けるものにしたかったんです。
EMTG:いい意味でツルッと聴けるような?
SHOGO:はい、潔く行きたくて。175Rを再開させるときに、みんなが聴きたいものはこういうものじゃないかって。
EMTG:というのは?
SHOGO:勢いがあって、モッシュ&ダイブできて、みんなが拳を突き上げて汗と涙を流して叫んでる。そういうイメージはありましたね。
EMTG:ああ、そういう意味でも初期の175Rの雰囲気が今作にはありますね。
SHOGO:そうですね。
EMTG:個人的には「Weakness」が好きです。スカリズムあり、展開も凝ってるし、スケール感のある曲調ですね。
SHOGO:それは最初にレコーディングした曲ですね。まだどこか模索していた時期ですね。あと、「Restarted」も最初の方に作った曲なんですよ。「Weakness」は歌詞を書く前に曲ができちゃって、一番最後に歌詞を書きました。「これから」は歌詞と同時に書いたんですけど、この曲でアルバムの方向性が決まった気がします。「Weakness」、「Restarted」は衝動に溢れているなと。疾走感もありつつ、経験を重ねたどっしり感も出てると思うから。そのバランスもいいなと。
EMTG:「こうして俺達が出逢えたのは 良くいや奇跡 そう思うだけでも何か変わるはずだろ?」(「Weakness」)は、いい歌詞ですね。
SHOGO:メンバーの肩を叩くような感じで、このメンバーが揃ったのも何かの縁だし、ここまで続けられたのも縁ですからね。それをもっと感じて、音楽を楽しみたかったから。
EMTG:「ROMAN ROAD」、「1999」ではゲストにHEY-SMITHのホーン隊(イイカワケン/Tp、かなす/Tb、満/Sax)が参加してますよね?
SHOGO:もともと僕がソロで、SHOGO and His Friendsという即席のスカバンドを組んだんですよ。そこにかなすがいて、後にHEY-SMITHに加入することになるんだけど。その時に作った新曲3曲のうちの1曲が「ROMAN ROAD」で。今回「ROMAN ROAD」を引っ張り出したときに、もともとかなすが吹いていたから、じゃあ、HEY-SMITHにお願いしようかって。ケン君はもともと同じレーベルメイトですからね。
EMTG:元LONG SHOT PARTYですもんね。
SHOGO:はい。しかも同じ歳だし、そういう過去の縁も繋がっていくんだなと。僕はもともとスカバンドをやりたかったけど、ホーンがいなかったから175Rも4人で始めたんですよ。だから、175Rは昔からスカ要素も入っているんです。活動再開するときに、個人的にBack to 90’Sという感覚もあったから。
EMTG:ずばり「1999」という曲名もあるぐらいですからね。
SHOGO:そうですね。一度止まったからこそ、またそこを振り返ることができたのかなと。
EMTG:当時のガムシャラ感や、熱さを取り戻したかった?
SHOGO:当時と比較する部分はありますね。それが新しいバンドを組んだ気持ちという部分でもリンクするんですよ。あと、僕らが唯一誇れるものは“経験”だから。その経験を歌にしたり、滲み出たものを歌にしたくて。みんな平等に老いていくし・・・今の自分の年齢で思うことを詰め込むことが大事な気がして。それが175Rが新たに手にしたものですね。

【取材・文:荒金 良介】

tag一覧 アルバム 男性ボーカル 175R

リリース情報

175R『GET UP YOUTH!(初回限定盤)』

175R『GET UP YOUTH!(初回限定盤)』

2017年04月05日

ユニバーサル ミュージック

DISC 1.「GET UP YOUTH!」
<収録曲 / 全13曲>
01. 歓びの詩
02. これから
03. Weakness
04. ROMAN ROAD
05. トカイノネオン
06. シャナナ
07. Walk your way
08. 君にまで
09. 1999
10. 4seasons
11. 遠く遠く
12. Restarted
13. 新世界

DISC 2.「175R(e) BEST」
<収録曲 / 全6曲>
01. ハッピーライフ
02. 空に唄えば
03. YOUR SONG
04. 僕の声
05. 「手紙」
06. SAKURA

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お知らせ

■コメント動画



■ライブ情報

■ワンマン
175R 活動祭開!青き春の野音!
2017/04/08(土) 日比谷野外大音楽堂
2017/04/15(土) 大阪城野外音楽堂

■イベント
VIVA LA ROCK 2017
2017/05/05(金祝) さいたまスーパーアリーナ

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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