カノエラナの才能とセンス爆発のミニアルバム「カノエ暴走。」

カノエラナ | 2017.07.10

「カノエ参上。」、「カノエ上等。」に続くカノエラナの3rd mini album「カノエ暴走。」が完成した。THE STARBEMSの日高 央がプロデュースした「たのしいバストの数え歌」など全6曲。今年3月から行ってきたひとりぼっちの弾き語りツアー、5月からのバンドツアーの合間を縫って制作されたという本作は、ソングライターとしての才能とセンスが爆発した、3部作最終章にふさわしい内容となっている。

EMTG:「カノエ暴走。」、すごい作品作っちゃいましたね。私が作ったわけじゃないけど、めっちゃ自信作です(笑)。
カノエ:あははは!ありがとうございます(笑)。
EMTG:今回がミニアルバム3部作の最終章となるわけで。
カノエ:はい。1枚目は<はじめまして、こんにちは>で、2枚目は最初のやつがポップだったからちょっとロックで噛み付いてみようと。今回はそんなに噛み付いてないんだけど、何か後味悪いみたいな(笑)。なんだこの変な感情になるアルバムは!?みたいな、不思議な3枚目にしたかったんですよね。結果、あぁ、カノエラナってこうなんだなっていうのが伝わるような。
EMTG:後味悪いアルバムって(笑)。でも、素晴らしくよく出来たアルバムだなと思いますよ。カノエラナにしか作れないアルバムだなって思います。
カノエ:今回は初めて、レコーディングとツアーを一緒にやってたんですよ。スケジュールはしっちゃかめっちゃかだったけど(笑)、思い切り個性を爆発させられたのはすごくよかったです。その時の感情に縛られないというか、毎日いろいろやって生きて、刺激受けて、それを曲に反映させていくから、常に新鮮な状態でやれたんです。アルバムを作るっていう意識じゃなく、1曲1曲をちゃんと完成させるっていう意識で作っていったんです。
EMTG:「たのしいバストの数え歌」なんかはそのツアーでがっつり歌ってたから、その上でレコーディングできたのも良かったのでは?
カノエ:そうなんですよね。お客さんの反応を見ることができたのは良かったなと思います。みんな、まさかこのおっぱいの歌がリード曲になるとは思ってなかったでしょうけど(笑)。
EMTG:アレンジは、先日のツアーファイナルにも登場された日高 央さん(THE STARBEMS)。カノエラナの曲にありそうでなかったパンキッシュなアレンジも素晴らしかったし、カノエラナにしか書けない歌詞の世界がまた絶品でした。
カノエ:これは、ハロウィンの日に出来た曲です。私は普通に電車に乗ってたんですけど、その日はまわりがみんなゾンビとかで(笑)。たまたまマネージャーさんから来たメールをスクショしたら、前にいたボロボロのナース姿のお姉さまたちが「カシャ」って音に反応して「ヤバいんだけど」「撮られた」ってブツブツ言い出したんです。盗撮!?いやいや違うしって思いつつ、降りる時にどんな人たちなのかと思ってちらっと見たんですよ。そしたら見えちゃったんです。ずっと「クソが」みたいに言ってたお姉さまの、胸元のパットが(笑)。
EMTG:残念(笑)!
カノエ:一瞬巨乳だなと思ったらパットで盛ってたっていう、その切ない感情を乗せてみました(笑)。ブツブツ言われてイラッとしてたけど「お姉さん、見てごめん!」「真実を知ってしまってごめん!」、そして「世の中の騙されてる男達よ…」とか思いながら(笑)。
EMTG:この曲、男性陣からの反応はどうですか(笑)?
カノエ:うちのお父さんは超好きみたいです。で、「ヤバいな」「お前ついに壊れ出したな」とか、「とうとう変態であることを世に解き放ったな」って言ってましたね(笑)。ライブに来てくれた人は、途中で「ヒトミシリ」にも出てくる<3回まわってワン!と鳴け>って歌詞があるんですけど、本当ワン!って言ってる人もいて、そんなにカップ数が知りたいのか!?と(笑)。
EMTG:(笑)。でもこれ、書き上がった時はかなりガッツポーズだったんじゃないですか?
カノエ:はい。ついに禁断のおっぱいにも手を出してしまったかと思いながら(笑)。
EMTG:女の子は大変ですよね。おっぱい盛ったり、ダイエットしたり。「ダイエットのうた」ってあるけど、ダイエットの経験は?
カノエ:あります、あります。走ってました。水だけとか酵素だけとかもやったけど、リバウンドがすごかったんですよ。だったら、何もしないで普通に過ごした方が増えも減りもしないから、そっちの方が幸せだよなって思いました(笑)。
EMTG:でも好きな人とかできると、どうしてもね。
カノエ:痩せなきゃいけないって状況になるとやっぱり焦るし、その気持ちはすっごいわかるから、それをぶつけました。もともとヨリミツさん(マネージャー)と歩いてる時に、「ダイエットせなあかんなー」「どうやったら痩せるんでしょうね」みたいな話をしつつ、こういう(上半身捻りながら歩くみたいな)ことやってたら、あの「インナーマッスル?」ってフレーズが出来たんです。で、帰ってすぐ曲にしました。
EMTG:カノエラナならではの目の付けどころ、そしてセンスですよね。
カノエ:いわゆる「◯◯のうた」っていうのは、そうやって何かネタがあって出来るんです。今回はそういうのが多いのも特徴かなと。
EMTG:1曲目の「私立カノエ厨学校校歌」もそうですね。これもツアーの冒頭で歌ってた曲ですが、校歌を作るっていう発想もカノエラナならではかと。
カノエ:地元の佐賀県でのお仕事で、とある小学校に行ったんですけど、みんなめっちゃ大きな声で校歌を歌ってたんですよ。それを見た時に「あ!校歌作るべきじゃね!?」って思ってすぐピアノで作りました。私自身、小学校の頃から校歌の伴奏をずっとやってたんで「校歌ってこういう感じだったよな」って思いながら。ライブもCDも、こんな曲から始まるって「あ、ヤバいやつだ」ってすぐわかるじゃないですか(笑)。「カノエラナです。」も自己紹介ソングではあるけど、あっちは曲としてまだフツーに聴ける。さらっと入ってくるけど、よくよく考えたら歌詞変だったなみたいな歌で、こっちは余計なものが入ってないからこそ「なにこれ」「ヤバい人キタな」って、最初から掴める曲かなと思って1曲目にしました(笑)。
EMTG:おまけにアルバムのラストは、<※良い子は真似をしないでネ。>なんて歌詞で締めくくる。これもカノエラナならではです。(M6「バレンタインのうた」)
カノエ:どうなのこの曲順とは思いましたけどね(笑)。聴き終わった瞬間に「…………今ので終わり!?」みたいな(笑)。30秒動画とかラジオとかで何度か歌ってきてましたけど、ようやく曲になったので聴いてもらいたいなと思って入れました」
EMTG:「沼に落ちて」は初披露ですよね。
カノエ:そうです。これは私が常日頃思っていることを、そのまま歌詞にしました。アニメについてなんですけど、ハマるともう底なし沼なんですよね。それをうまい具合にポップに出来ないかなと思って、ゲームっぽい音とかが後ろにいろいろ入ってるんですよ。ドラゴンクエストで毒に浸かる時の音とか、ゲーマーの人が聴けばすぐわかる(笑)。アレンジをしてくださった浅野(尚志)さんもゲーム大好きな方なので、楽しかったって言ってくれてました。
EMTG:石崎 光さんがアレンジされた「SNS」は、他の5曲とは違った存在感を持つ曲ですね。
カノエ:根っこの部分というか私の本質は超ネガティブなので、それを出さないとなと思って。他の曲には全部オチがあるんですけど、この曲にはそれがないんです。どんどん続いていくもの、これからどうなっていくかわからないものっていう不安をわざと残したまま曲にしました。どれだけ「楽しい」があっても、絶対に表と裏はあるわけで、1枚のアルバムでそれをどちらも出せたらいいなっていつも思ってるんですね。だから、「闇」もスパイスとしてちゃんと入れようと。
EMTG:アルバムとしてだけでなく、1曲の中でも、いろんな視点を持つことを心がけてるって言ってましたよね。
カノエ:はい。SNSって、楽しい切り取り方も普通にあると思うんですよ。でもここでは暗いコードに暗いメロディーを乗せてる。もともと私が音楽をやり始めた頃って、こういう曲しかなかったんです。「自分」しかなかったから。だから、たまにはこういう曲も入れておかないと「自分」じゃなくなっちゃう気がするんですよね(笑)。でも基本は、ハッピーな曲を作るっていうのがあるんです。ライブでネガティブな曲ばっかりやって、「それ、わかるわぁ…」みたいな傷の舐め合いは絶対にいやだから。たまにあるからいいんですよね、こういうのが(笑)。
EMTG:こうして3部作を作ってみて、「カノエラナ」っていうものがよりしっかりと見えてきたんじゃないかなと思うんですけど。
カノエ:めっちゃ見えてきましたね。特に今回、ツアーの中でアルバムを仕上げるっていうのはひとつの山だったから、「カノエラナならこんな感じで歌うんだろうな」ってちゃんと理解しながら曲に向き合ってきたし、ライブでやった時にこんな感じで聴こえるんだろうなっていうのもイメージできたんです。サウンド面でも「ここはこうした方がライブで映えると思うのでこうしてほしい」とか、アコギをもっと入れたいとか、この音はいらないですとか、ちゃんと発言できたのも自分のことを知るっていう大事なことが出来てきたからかなと思っています。
EMTG:自分のことをちゃんとわかってないと、「暴走。」も出来ないですよね。
カノエ:あははは!たしかに。この3部作でとりあえず「こんにちは、どうもカノエラナです。よろしくお願いします」っていうのは充分出来たと思うし、「こういう人なんだな」っていうのは伝わったと思うけど、最後に暴走しちゃったんで(笑)、音的にはすごい散らかっちゃったんです。今後は、それを回収していくのがテーマかな。すでにいろいろ考えてるんですけど、それはまだ内緒です(笑)。

【取材・文:山田邦子】

tag一覧 J-POP ミニアルバム 女性ボーカル カノエラナ

リリース情報

「カノエ暴走。」

「カノエ暴走。」

2017年07月19日

ワーナーミュージック・ジャパン

01. 私立カノエ厨学校校歌
02. 沼に落ちて
03. たのしいバストの数え歌
04. ダイエットのうた
05. SNS
06. バレンタインのうた

お知らせ

■コメント動画



■ライブ情報

カノエラナ メジャー3rd mini album
「カノエ暴走。」 発売記念イベント

07/17(月) 東京・ららぽーと豊洲 シーサイドデッキ メインステージ
07/18(火) 東京・タワーレコード渋谷店 4F イベントスペース
07/23(日) 福岡・タワーレコードアミュプラザ博多店 店内イベントスペース 
07/29(土) 大阪・あべのHoop 1F オープンエアプラザ

3rd mini album「カノエ暴走。」リリースパーティー
08/05(土) 東京・代官山UNIT

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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