ファンキー加藤 新境地にも踏み込んだニューアルバム『今日の詩』

ファンキー加藤 | 2018.03.20

 幅広い作風で楽しませてくれる3rdアルバム『今日の詩』は、様々な経験を重ねる中で豊かな色合いを帯び始めたファンキー加藤の人生観が、とても自然に反映されている作品だ。インタビュー内で触れている通り、その雰囲気を端的に示すならば“男っぽい”という言葉がふさわしい。彼ならではの力強いメッセージを多彩な形で表現しつつ、新境地にも踏み込んだアルバムとなった理由、各曲にこめた想いについて、本人に語ってもらった。

EMTG:今回の作品の印象は、ざっくり言うと「男っぽい」というものだったんですが。
ファンキー加藤:おっ! そうかもしれないですね。毎回のことなんですけど、1枚を通してのコンセプトはなかったんです。でも、“男っぽい”と言われれば、そうなのかもしれない。
EMTG:ファンモン時代も含めて、加藤さんは“少年性”を色濃く持ち続けている印象ですが、年齢を重ねたことによって醸し出されるものが自然に反映された結果、“男っぽい”っていう雰囲気になったのかも。
ファンキー加藤:そうかも。僕ももうすぐ40歳。アラフォーですからね。
EMTG:老年時代の足音が聞こえています?
ファンキー加藤:それはまだです!(笑)。でも、言われてみれば、今の年齢の感じが出ているのかもしれないですね。
EMTG:例えば「冷めた牛丼をほおばって」も、加藤さんの年齢くらいの男性の想いがすごく表れていましたし、あの雰囲気が作品全体に出ている感じがしたんです。
ファンキー加藤:あの曲は、道筋を作ってくれたのかもしれないですね。僕としても、作ったことによって新しいものを見ることができた曲なので。
EMTG:SPICY CHOCOLATEがプロデュースした「失恋の詩」と「You are the Light」も、男の抱える切なさみたいなのを感じます。
ファンキー加藤:SPICY CHOCOLATEのチームは、“強いけど泣いているメロディ”とか“儚い切なさ”を、いつも出してくれるんです。それが男性的なのかもしれないですね。
EMTG:「You are the Light」は、歌詞で≪お前≫っていう表現をしているじゃないですか。
ファンキー加藤:そうなんですよ。メロディが強いので≪僕≫とか≪きみ≫がハマらなかったんです。今回、無骨なラブソングも歌えた気がします。
EMTG:「失恋の詩」も、胸に沁みる仕上がりです。
ファンキー加藤:SPICY CHOCOLATEが、僕が地元の八王子にいた頃の思い出を呼び起こしてくれました。SPICY CHOCOLATEって、そういう不思議なところがあるんですよ。普段、自分が意識してなかったこととか、凝り固まって見えなかったことを見せてくれるようなところがあるので。この曲は最初、卒業式とか、友との別れとか、桜をメインテーマとしたものを作っていたつもりだったんです。でも、どんどんメロディやサウンドに引っ張られた結果、少しセンチメンタルな部分がありつつも、一直線なところを持っていた時代の思い出を掘り起こされました。
EMTG:今回、“歩んできた日々”とか“生き様”という感じのものが、すごく出ているみたいですね。
ファンキー加藤:そうなんですよ。何でだろう?……ほんと、ナチュラルにそうなったとしか言いようがない。肩肘張らずに作れたという感覚が、すごく強いので。もしかしたら『今日の詩』っていうアルバムタイトルが、それを表しているのかも。“今日の自分の想い”っていうのを、本当に素直に歌いましたので。
EMTG:『今日の詩』っていうタイトルは、収録する曲が揃ってから考えたんですか?
ファンキー加藤:そうです。毎回、1枚を通してのコンセプトはないので、タイトルを考えるのは苦手です。FUNKY MONKEY BABYSは『ファンキーモンキーベイビーズ3』とか、数字をつけるだけだったらから楽だったんですけど(笑)。実は『今日の詩』って、もともとは曲のタイトルだったんです。その曲自体は形にはならなくて、タイトルだけが残りました。たしか、マネージャーの太田のパソコンの画面に「今日の詩」っていうのが表示されていたのかな? それを社長が見て、「これ、アルバムのタイトルにいいんじゃない?」っていうことになったんです。後付けみたいな感じですけど、ふさわしいタイトルですね。「今、その瞬間の自分の想い」というのをメロディにのせることができたアルバムなので。
EMTG:「ダイジョウブルース」は、まさに“今日の詩”っていう感じがします。
ファンキー加藤:こういう巻き舌で泥くさく歌うことも自然にやれましたし、すごく楽しかったです。タイトルはふざけていますけど、すごく真面目に作った曲です。タイトルをまず思いついちゃったんですよ。
EMTG:「ダイジョウブルース」っていうタイトルを見ると、なんとなくブルースハープも思い浮かびます。この曲にブルースハープは入っていませんが、最近ライブで吹く機会が増えていますよね。
ファンキー加藤:はい。吹いていると楽しいです。ファンキー加藤のライブに欠かせなくなってきている感じがありますね。
EMTG:最近、表現方法が、自然に広がっているんじゃないですか?
ファンキー加藤:そうだと思います。前作を作り終えた後は、「楽曲制作に関しては燃え尽きた」みたいなことを言っていたんですけど(笑)。だから、今回のアルバムに向かって、丸裸の自分で挑んでいくしかなくて。そうしたらいろんな曲が生まれていきました。表現できることはたくさんあるというのも改めて感じましたね。
EMTG:いろんな作風がある中で、やはり「花」のような応援歌は、加藤さんの核にあるものではないでしょうか?
ファンキー加藤:そうだと思います。「花」は、僕が好きな青春パンクみたいなメロディをEDMにのせるというアプローチですけど、こういうサウンドは、歌っていてもすごくしっくりきます。「こういうメロディを、オシャレに包装してくれないか?」っていう無茶なお願いを(音楽プロデューサーの)田中隼人が、見事に形にしてくれました。
EMTG:さすが隼人さん。外見もおしゃれですしね。
ファンキー加藤:彼、ワインエキスパートの資格を持っていますし、プライベートからしておしゃれなんですよ。まあ、音楽と関係ない話ですけど(笑)。
EMTG:(笑)「前へ ~My way~」も、リスナーの心を熱く鼓舞すると思います。
ファンキー加藤:お客さんを鼓舞すると同時に、僕自身に対して歌っているところもすごくあります。僕の歌は、全部そうだと言ってもいいんです。根底には「こういうことを思うのは俺1人じゃないはず。あなたもそうでしょ?」っていうのがあって、みんなと繋がっていこうと思う気持ちがありますから。特にライブの時は、「お客さんと励まし合ってる」っていうのを感じます。
EMTG:ライブで加藤さんが酸素吸入をしている時の声援って、いつもすごいですよね。
ファンキー加藤:ね? 「そろそろ酸素缶のスポンサーがつかないかな」って思っているんですけど(笑)。オリジナル酸素缶作りたいなあ。商品名は「ファンキー酸素」!
EMTG:(笑)「風物詩」は、温かいものを感じました。
ファンキー加藤:今回、最後に作った曲です。アルバムの中に、しなやかで温かみのあるものもほしかったんです。
EMTG:掴んだものもあるけど、まだまだ前へ進んで行きたいという想いを感じます。
ファンキー加藤:僕もおそらく、そろそろ人生の折り返し地点に差し掛かっていますから、こういうことも感じるんです。
EMTG:「おーい友よ」も、同世代の友人と、そういう気持ちを共有し合っていますね。
ファンキー加藤:はい。地元の友だちとかが踏ん張って生きていると思うと、心強いですからね。「おーい友よ」の歌詞は、実際にあった出来事です。夜中にベロベロに酔った友だちから「最近どうだ?」っていう電話がかかってきて、昔話になったんです。ここで歌っている通り、丸くなったところもあるんですけど、お互いにちょっとだけ逆らいながら生きていくんだろうなというのを感じました。こういう部分を自然に出せるようになったんでしょうね。だから40代に入ることもネガティブには捉えていないです。だって、先輩のミュージシャンのみなさんも、めっちゃかっこいいですから。
EMTG:まあ、加藤さんの場合、この年齢になっても「急性ラブコール中毒 Solo ver.」みたいな曲を生み出すので、まだ“いぶし銀の魅力を放つ大人の男”と言い切れない部分もありますが……。
ファンキー加藤:この曲は、簡単に言うと「誰にも迷惑をかけていない歌」です(笑)。
EMTG:歌詞にこめられた意味に関しては……リスナーの解釈に委ねましょうか。
ファンキー加藤:はい(笑)。英語の部分とか、謎解きを頑張って頂きたいです。
EMTG:「なんてハレンチな!」とか言われても、「あなたがスケベだから、そういう風に聞こえるんです」って言い返せる絶妙なニュアンスですね。
ファンキー加藤:匙加減を、すごく考えて作っています。「急性ラブコール中毒」の今までのシリーズは、いろんな年代のダンスナンバーを採り入れてきたんですけど、今回はパラパラにしてみました。
EMTG:ダンスチューンとはいえ、「We can Dance」との落差が激しくてびっくりです。
ファンキー加藤:はい(笑)。洋楽的なアプローチを採り入れた「We can Dance」は、かっこいい曲になった手応えがあったので、アルバムにもぜひ入れたかったんです。
EMTG:このアルバム、「急性ラブコール中毒 Solo ver.」みたいな変化球もありますが、ツアーの風景が浮かぶ「ラストナンバー」が、爽やかに締めくくってくれていますね。
ファンキー加藤:こういう曲のアイディアは、ずっと温めていたんです。スタッフさんの名前が出てきたりもしますし、コアファンの皆さんは特にワクワクして喜んでくれるかも。ウチの事務所に入社して1年目の森井の名前が入っていることに関してマネージャーの太田が「私は4年かかったのに、まだ早過ぎる!」って言ったので、森井には「あと2年ぐらいは会社をやめるな」っていう話をしています(笑)。
EMTG:(笑)この曲、今後のライブでまさに歌いたいのでは?
ファンキー加藤:歌うのを楽しみにしています。今年もライブをたくさんやりますしね。3月から始まるフリーライブツアーは、ソロデビューした頃の本数を越えるくらいやりたいと思っています。あと、10月からは全国ホールツアーもやる予定なんですよ。今年も熱い1年になるというか、そういうものにしなきゃ駄目だと思っています。
EMTG:最後にちょっと余談っぽい話ですが……初回限定盤の特典DVDのために、アイスクライミングをしたんですっけ?
ファンキー加藤:そうなんです。ひどいんですよ! 僕が「2020年の東京オリンピックが2年後だから、オリンピック競技に挑戦とかどう?」っていうアイディアを出して、「めっちゃいいですね!」ってことになっていたのに、ある日、メールで送られてきたスケジュールを見たら「アイスクライミング」って書いてあったんです。「オリンピックにまったく関係ない!」ってクレームを入れたけど、結局やることになりました(笑)。寒かったです。俺、高所恐怖症だし。でも、命懸けで30メートルくらいの氷の崖を登りました。特典DVDには、おそらく俺の人生の中で一番必死な形相が映っているので、ぜひ観て頂きたいです。

【取材・文:田中 大】

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リリース情報

今日の詩

今日の詩

2018年03月21日

ドリーミュージック

1.冷めた牛丼をほおばって
2.花
3.失恋の詩
4.風物詩
5.You are the Light
6.ダイジョウブルース
7.前へ 〜My way〜
8.おーい友よ
9.We can Dance
10.急性ラブコール中毒 Solo ver.
11.ラストナンバー

お知らせ

■コメント動画




■ライブ情報

全日本フリーライブツアー ~超原点回帰~
03/24(土) [兵庫]あまがさきキューズモール 2F 縁遊広場ステージ
03/31(土) [山口]ゆめシティ 1F ゆめ広場
04/01(日) [愛媛]エミフルMASAKI エミモール1F グリーンコート
04/07(土) [香川]E30瀬戸中央自動車道 与島パーキングエリア 特設ステージ
04/15(日) [岩手]盛岡駅ビルフェザン本館1F フェザンパティオ<吹抜けスペース>
05/06(日) [北海道]イオンモール旭川西 1Fセンターコート

鈴木みのる デビュー30周年野外フェスティバル「大海賊祭」
06/23(土)・24(日)
[神奈川]横浜赤レンガ倉庫イベント広場
※ファンキー加藤の出演日に関しては、後日改めてHPにて発表いたします

全国ホールツアー
10/13(土) [埼玉]田市文化会館
10/25(木) [東京]中野サンプラザホール
11/01(木) [大阪]オリックス劇場
11/10(土) [岡山]岡山市民会館
11/17(土) [福井]鯖江市文化センター
11/28(水) [愛知]名古屋国際会議場 センチュリーホール
12/07(金) [北海道]札幌市教育文化会館(大ホール)
12/21(金) [福岡]福岡市民会館(大ホール)
12/23(日) [香川]サンポートホール高松(大ホール)
12/29(土) [宮城]仙台サンプラザホール

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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