嘘とカメレオン、新旧取り混ぜた1stフルアルバム『ヲトシアナ』インタビュー!

嘘とカメレオン | 2018.09.10

 2016年に公開された初MV「されど奇術師は賽を振る」が驚異の再生回数を誇り、知名度をみるみるうちに上げている嘘とカメレオンが遂にメジャー第一作目となる1stフルアルバム『ヲトシアナ』を完成! 新録と新曲の全12曲で構成された今作は、結成時から現在に至るまでの音楽性を網羅した内容になった。紅一点・チャム(.△)の魅惑のハイトーン・ボイスを看板に、ダンス・ロックからバラードまでバンド名通りにカメレオンのごとくカラーや表情を変える変幻自在のバンド・サウンドは、一度聴けばヤミツキになること必至だ。メンバー5人にこれまでの道のりと今作について話を聞いた。

EMTG:結成は2014年ですけど、この4年間はどんな期間でしたか?
チャム(.△)(Vo):ずっと自分たちが楽しいと思うことを追求し続けた4年間ですね。
渡辺壮亮(G/cho):好きなことをやり続けるために絵に描いたような下積みをして、各地でライブをやってました。それを含めて地べたを這いずり回り、泥水をすするようなバンド活動でしたね。辛いながらも楽しくやってきました。
EMTG:下積みはいつ頃まで?
渡辺:ついこの間までですね。
チャム(.△):去年9月に全国流通の『予想は嘘よ』が出たときもめちゃくちゃ喜んだし、自分たちのCDをお店で見るたびに嬉しくて。
EMTG:その状況の中、今作でメジャーデビューした心境は?
渡辺:メジャーに行っても根っこは変わらないです。いろんなもののグレードが上がるので、ワーイ! という気持ちはありますけどね。
EMTG:2016年12月に公開されたMV「されど奇術師は賽を振る」の再生回数がネットで爆発したときは?
渡辺:そのときはさすがに動悸が激しくなりました(笑)。でもそれ以前も以後も、結成当時からかっこいいと思っていることをやってるだけですからね。ひとつの起爆剤にはなりましたけど。
EMTG:ただ、ライブの動員とか周りの環境は変わりますよね?
チャム(.△):知ってくれる人は増えましたね。この再生回数だからハネてるという基準もわからないから、「かっこいいもんね?」とは思ってました(笑)。
渡辺:そう! MVの再生回数が伸びる前から、かっこいいと思っていたし。で、実際に伸びたときは「かっこいいでしょ!」って。
青山拓心(Dr):ほんとに自分たちがかっこいいものをやってるから、そこはブレないので。
EMTG:結成当時はどんな音楽をやろうと?
渡辺:もともと僕とチャムと菅野は仲が良くて、友達だったんですよ。で、チャムと菅野がバンドを組み始めて、それを僕は友達として観ていたんですけど、音楽性も何がどうという感じでもなく・・・。
チャム(.△):ジャンルの概念もあまりなくて。決めずに、自分たちの中から出てきたものを形にしようと。
渡辺:今作にも繋がるんですけど、バンド名の"カメレオン"にはいろんな色に変わる=ジャンルレスという意味があるし、俺もこのバンドではいろんな曲をやりたいんですよ。ライブハウスの人に「ジャンルが決まってないね」と言われたこともあって、その言葉に違和感を覚えて。俺はジャンルレスをやっているし、それを変えずに売れてやるよって。
EMTG:ジャンルレスなバンドをやりたい。その気持ちはどこから来ているんですか?
渡辺:純粋に好きなものが多くて、ほぼ全ジャンル聴けるんですよ。それにほかのメンバーもバラバラなんですよ。チャム(.△)が一番好きなのはマイケル・ジャクソンだし。彼(渋谷)はハードコア、メタルが好きなので、それからトゲの出し方もわかってきましたからね。そのバラバラの色をぶつけ合ったときに起きる化学反応はいままでにないものだろうなって。
EMTG:改めて一人ずつ音楽ルーツを聞いてもいいですか?
チャム(.△):高校に入るぐらいまで父親の影響でマイケル・ジャクソン、ジャクソン5しか聴いてなくて。同世代が聴いてる音楽は聴いてなかったし、今でもわからないですね。
EMTG:例えばマイケル・ジャクソンはチャム(.△)さんの歌い方に影響を与えたりは?
チャム(.△):全くないです(笑)。というより、ルーツは音楽じゃなくて、本や映画にあるのかなと。
EMTG:歌詞もかなりトリッキーですよね。
チャム(.△):私は普通に書いてるつもりなんですけど、周りからはそう言われますね。
渡辺:歌詞の紡ぎ方も一般のロジックから離れているし、それがいいなと。(チャムは)広島の田舎で育ってきたのでナチュラルボーンを極めているんですよ。
チャム(.△):いままで読んできた本が少しずつ曲の要素になってると思います。村上春樹、小川洋子、星新一、夏目漱石とかも好きなんですよ。
渡辺:そこも意外とジャンルレスなんですよね。
チャム(.△):純文学も好きなので、古い言葉使いも歌詞に入ってますからね。映画もすごく観るんですけど、あの映画のあのワンシーンの煌めきをサビの歌詞に落とし込みたいなって。音楽は私の中で風景に近いものなんですよね。
EMTG:へぇー! 話を聞くと面白いですね。菅野さんはどうですか?
菅野悠太(G):BUMP OF CHICKENが大好きで、ここ(渡辺)も同じですね。少しずつルーツが被っていたりするので、バラバラだけど、近いところもあるので、こういう曲ができるのかなと。
青山:僕はルーツというルーツがなくて。音楽は好きだけど、ゲーム、漫画と同じような感覚なんですよ。好きなアーティストもベスト盤しか聴かないし。世代的にONE OK ROCK、東京事変とか、感覚はお茶の間に一番近いかもしれない(笑)。
渋江アサヒ(Ba):一番幅広いのが俺かな。SUM41、FALL OUT BOY、ELLEGARDENだったり、一番ルーツにあるのが9mm Parabellum Bulletですね。
EMTG:畳み掛ける演奏パートは9mm Parabellum Bulletの影響を感じました。
渋谷:そうですね。ほかに Iron Maiden、HELLOWEEN、SONATA ARCTICAとかメタルも聴くし。最近のラウドだと、SiMにも影響を受けてます。ほかにアイドルも好きなので、俺が一番フラフラしているかなって(笑)。
EMTG:では、渡辺さんは?
渡辺:バンドマンのルーツと言うと、マキシマム ザ ホルモン、the band apart(以下、バンアパ)ですね。
EMTG:the band apartの影響も今作から感じました(笑)。
渡辺:バンアパは一番好きなんですよ! ライブの転換のときもバンアパしか弾かないし。なぜそんなに好きなんだろうと思ったときに、親の影響でジャパン・フュージョンをよく聴いてて、カシオペア、ナニワエキスプレス、高中正義、渡辺香津美とか、ちょっといなたい感じをバンアパの音楽にも感じていたので、細胞にビシッと来たのかなと。
EMTG:バンアパはカシオペアとかも通っているし、彼らもある意味ジャンルレスですからね。
渡辺:はい。バンアパに出会ったからこそ、ジャンルレスな音楽をやりたいと思い始めたんですよ。
EMTG:なるほど。そして、今作は新録、新曲で構成された内容ですよね? 
チャム(.△):新録6曲、新曲6曲で、昔から持ってる要素と新しい自分たちの要素が半々なので、その意味では名刺代わりの一枚ですね。
渡辺:新録の中に自主制作の頃からやってる曲もありますからね。初期の頃の嘘とカメレオンの幅として面白いし、ライブでずっとやり続けてきた曲だし、新曲とも全然戦えるいい曲だなと思って。
EMTG:今作の中でもっとも古い曲というと?
チャム(.△):「うみねこの鳴く街で」ですね。
渡辺:チャム(.△)の鼻歌に僕がコードを付けたので、これはド初期ですね。
EMTG:これはJポップに近い楽曲ですよね?
渡辺:その頃はJポップに寄っていたことをやってたんですよ。明るく見える人も暗くなるときはあるだろうし、そういう意味のフックとしてこういう曲も重要だなと。
EMTG:新録の中で一番変わった曲というと?
チャム(.△):「されど奇術師は賽を振る」はMVで上がった後も、相当な数をライブでやってますからね。同じメロディ、同じコードを弾いても全然違うものになっているなと。
渡辺:弾いた指先から見える感情は濃いものになってると思います。俺たちと苦楽を共にした曲なので、グルーヴは上がってるんじゃないかと。
EMTG:新曲6曲はこれまでと違う挑戦を盛り込もうと?
渡辺:そうですね。曲を作ってる最中に事故に遭ってしまい・・・一旦活動を休止したんですけど、改めて作りかけの音源を聴いたらダサすぎて、これは世に出したくないなと。「手記A」、「青玉レンズ」、「テトラポットニューウラシマ」の3曲はボツにして、イチから書き直して、結果ものすごくいい曲になりました。彼女は車に偶然乗ってなくて、無傷だったけど、バンドに対する決意や考えは歌詞に出てると思います。さきほど上げた3曲は怪我で2、3カ月ギターを弾けなかったフラストレーションも特に音に出てると思います。
EMTG:新曲「JOHN DOE」はこれまでになかった男女ツインヴォーカルですよね? 今作の中でも一番アッパーな曲調だなと。
渡辺:ライブでバカ騒ぎしたかったので(笑)。この曲は話の流れで「ラップをやったらいいんじゃない?」と言われて、「俺がやるの!?」って。で、仮でラップを書いたらそれが採用されて、むちゃくちゃですけど、面白いかなと。
EMTG:今後はどんなバンドになっていきたいですか?
チャム(.△):明確な基準はないけど、伝説を残せるバンドになりたいです。今作もずっと残り続ける作品だと思っているので。
渋谷:わりと尖ったバンドだと思うけど、たくさんの人に認めてもらえている状況なので。
チャム(.△):胸の中に怪獣みたいなものがいて、ずっと檻の中から出してくれ! って言ってる状況なんですよ。
菅野:いや、怪獣どころじゃ収まらないですね(笑)。

【取材・文:荒金良介】

tag一覧 J-POP アルバム インタビュー 女性ボーカル 嘘とカメレオン

リリース情報

ヲトシアナ

ヲトシアナ

2018年09月12日

キングレコード

01 百鬼夜行
02 フェイトンに告ぐ
03 JOHN DOE
04 手記A
05 青玉レンズ
06 N氏について
07 鳴る鱗
08 うみねこの鳴く街で
09 テトラポットニューウラシマ
10 モームはアトリエにて
11 されど奇術師は賽を振る
12 キンイロノ

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■ライブ情報

当て振りインストアライブツアー2018
09/12(水)TOWER RECORDS 渋谷店
09/16(日)TOWER RECORDS 新宿店
09/22(土)TOWER RECORDS 広島店
09/23(日)大阪丸ビル 1F 緑のテラス
09/29(土)TOWER RECORDS 札幌ピヴォ店
10/05(金)TOWER RECORDS 梅田NU茶屋町店
10/07(日)HMV栄
10/08(月)TOWER RECORDS 静岡店
10/13(土)TOWER RECORDS 仙台パルコ店
10/14(日)TOWER RECORDS グランツリー武蔵小杉店
10/19(金)TOWER RECORDS 福岡パルコ店
10/21(日)鹿児島SR HALL

ここHOLEヲトシアナTOUR
09/15(土)高崎 club FLEEZ
09/24(月祝)大阪バナナホール
09/30(日)札幌DUCE
10/20(土)福岡 Queblick
10/27(土)渋谷 CLUB QUATTRO

TOKYO CALLING 2018
09/17(祝月)渋谷エリア複数のライブハウス

Eggs presents FM802 MINAMI WHEEL 2018 ~20th Anniversary~
10/06(土)大阪ミナミエリアサーキットイベント

リアクション ザ ブッタ Tour 2018
11/18(日)千葉LOOK

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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