オメでたい頭でなによりの魅力が、まさに“ちゃんこ鍋”のように凝縮された最新作

オメでたい頭でなにより | 2018.10.09

 ここのところのオメでたい頭でなによりのライブで見受けられる、オーディエンスとの関係性の変化。これまでの楽しさの提供や会場の雰囲気の共有から、バンドへの信頼性や信憑性を経たライブの共創への移行がその現場からは伺える。
そんな中から生まれたのが今作M-2「We will luck you」。これぞ彼らが贈るオーディエンスへの感謝や幸せ、ハッピーになって帰って欲しいとの願いも込め、みなで歌い作り上げられる「共創」アンセムだ。そんな同曲を始め今作でも彼らの特性は各曲で炸裂。目まぐるしい楽曲展開と、歌に、ラップに、幾つもの使い分けた声色が無尽に飛び交う、彼ら初のタイアップにして原作との「共存」も印象的な「日出ズル場所」(TVアニメ『火ノ丸相撲』ED曲)等、「共に」という言葉が似合う1枚を作り上げた。

EMTG:今回M-2「We will luck you」からも感じられましたが、最近のオメでたのライブやお客さんに向き合う姿勢が変わった印象があります。
赤飯(Vo):そうですね。それが顕著に表れたのが先日のツアーファイナルのZeppDiverCityだったかもしれません。自分で考察したものを言葉にしてみんなと共有する。それが自然な行為として出来はじめてるんです。
ぽにきんぐだむ(Gt&Vo):赤飯の意識の変化はウチらから見ても分かります。バンドのスポークスマンとして感謝も含め感じたことをキチンと口に出して来だしてますからね。
赤飯:元々真面目な話をするのが苦手で、これまではどこか避けていたんです。でも、このバンドで活動をしていく中で自分でも成長している実感があって。そもそも人前で歌う目的も、聴いて笑顔になってもらいたいって想いから、目の前の人に幸せになってもらいたいに変わり、更にはその人が誰かを幸せに出来る人になってほしいと移って来ましたからね。その辺りも全く意識的ではなく、気づいたらそうなっていた感じで。
ぽにきんぐだむ:それも関係しているんでしょうけど、最近はステージとフロアとの境目がなくなってきている感が凄くありますね。
324(Gt):僕もお客さんの顔が見えてはいませんが(324は特殊なメガネを着用している為)、ライブを通して、そんなお客さんの変化は感じます。より気持ちが同化しだしてきているというか。僕らの発するメッセージを受け止めて、心が動いている感じが凄く伝わってくるんです。僕らからの「楽しんでくれよ」的なアトラクションの提供を受け止めるだけじゃなく、キチンとそこに含まれたメッセージや伝えたいことも把握してくれて、反響として戻ってくる。そんなキャッチボールが出来始めている気がすごくします。
EMTG:では、このような曲が出来たことで、よりそのメッセージ性にもメリハリがつくようになったのでは?
ミト充(Dr):それは凄くあります。赤飯がよく「ライブ会場をテーマパークにしたい」と言ってるんですが、これまでのこちらが一方的に提供して楽しんでもらっていたものも、今は一緒に作り上げている感がすごくあって。その中に感動や笑顔、騒ぐ部分なんかが全部収まってきているから、よりテーマパーク感も強まってきたように感じてます。
ぽにきんぐだむ:おっしゃる通りメリハリですよね。この曲も自分たちの一部なだけで。これまで「楽しい」「笑って帰ってね」ときましたが、ここで一度、「実は胸ではこんなことを思っています」をあえて示した感じで。この曲のおかげで、さらにバランスが良くなって、バリエーションの幅を得ることができました。
EMTG:分かります。今作の他の曲を聴いて、「結局、これか(笑)!!」とツッコんじゃいましたから(笑)。
ぽにきんぐだむ:ふざける時はふざける。伝えたい時は伝える。笑う時は笑う。泣く時は泣く。それが出来るバンドだし、それを受け止めてもらえるお客さんがついてきてくれてる自負がありますからね。今では、「何をやっても俺たちは俺たちの音楽として表せる!!」、そんな自信にも繋がりました。
mao (Ba):まさに今回のシングルなんてその最たる例ですよね。原作があってそれに寄り添える楽曲(M-1「日出ズル場所」)もできるし、シリアスで真面目なメッセージ性のある楽曲(「We will luck you」)もやれる。かと思えば元々の要素である、ふざけて騒げる「サイレンとジェラシー」(M-3)があって……。いいバランスかなと。まさに、ちゃんこ(鍋)。
EMTG:おおっ!! 今作のジャケに、そんな意味が隠されていたとは。
mao:色々な具が入ってるけど、どれも味があり栄養価も高く身になる。自分たちがどんなことをやってもついて来てくれるし、楽曲ではなくバンドについてきてくれていることを実感できたが故に出せた幅なんでしょう。
EMTG:そんな中、「We will luck you」が伝えているメッセージ自体はいたってシンプルですが。
324:元々「シンプルにしよう」「ストレートに伝えよう」というのがあって。でも、最初はもっと展開も多くドラマティックだったんです。
ぽにきんぐだむ:当初はもっと「これでもか感」が満載でしたから。でも、ライブを繰り返していく中で、もっと各曲の役割づけを考えた方がいいと思って。やはり1曲の中で色々とサービス精神旺盛に盛り込んでも、それによって印象的な部分や特徴まで打ち消し合う感じがありましたからね。結局は何が重要なのか、も伝わりづらくて、逆に印象にも残ってくれないパターンってあるじゃないですか。
赤飯:この曲こそ老若男女、曲を知らなくても親しめるし、すぐに合わせて一緒に歌える。そんな歌を目指したんです。あえて余白を作って、そこをお客さんの歌声も交えて完成させる。そんな曲にしたくて。
EMTG:作詞は赤飯さんとぽにきんぐだむさんとの共作なんですね。
ぽにきんぐだむ:永く愛される、一緒に歌ってもらえる歌を目指しました。いわゆるアンセムに成りえるような。
赤飯:基本、自分が書いたものを添削してくれた流れで。9回ぐらいのやり直しの末に完成しました。でも採用されたのは7回目だったりして。「やっぱりちょっと前の方が良かったな」って(笑)。
EMTG:「日出ズル場所」の方は逆にオメでたの真骨頂を感じました。打って変わりめまぐるしい楽曲で。
赤飯:この曲はむっちゃ気に入っていて、自分でも聴いていてゾクゾクしますね。
EMTG:それはどの辺りが?
赤飯:この曲がアニメのテーマに寄り添いつつも、うちらの色も出せて且つキチンとカッコよく仕上がっている部分ですね。
324:やりたかったバランス感を全て詰め込んでみました。それこそ1曲ちゃんこ(笑)。サウンド的にも幾つか新しい試みをしていて。BメロなんてEDMですから。ピーク感や高揚感が欲しくて。フロアでのお客さんのビジョンを思い浮かべアレンジしていきました。
EMTG:タイアップながらあまりアニメに寄り過ぎず、むしろオメでた側に寄った印象を受けました。
赤飯:最初はもう少し原作を考慮した歌詞で作ってみたんです。ところが先方から「もっとオメでたらしくして欲しい」とのリクエストがあって。結果こうなりました。でも要所要所に伏線やキーワードを散りばめているんで、その辺りも探りながら聴いてもらいたいですね。
324:これも諸刃の剣でしたよ。合わせ過ぎたら自分たちの楽曲らしくなくなるし、自分たちらしくし過ぎたら原作にも失礼になる要素もはらんでいたんで。結果自分たちでも上手くマッチできたかなと。
EMTG:この曲はサウンドもですが、ボーカルやラップもかなり声を使い分けていて。
ぽにきんぐだむ:それこそ「こいつら何人組やねん?」ぐらいの使い分けがされてますから。ラップにおいては「4人組?」ぐらいの。
赤飯:声色を使い分けるのもオメでたの特徴のひとつですからね。それが多分に出せた楽曲かなと。ラップにしてもこれまで表したことのないスタイルに挑戦してみたり。それが今回メンバーにことのほか刺さって。
324:デモのテイクで赤飯の最高のラップパートがあったんですよ。だけどいざレコーディングの際にはそれが損なわれちゃうものばかりで。なんか小慣れたり、考えながらやっている感が滲み出ちゃって。最初の初期衝動が詰まったあのテイクが理想だったんです。なので、このパートのレコーディング中はメンバー全員で赤飯に「慣れるな! もっとポッと出感をだせ!!」とかの声をかけてました(笑)。
赤飯:それこそその辺りは自分たちのこだわりでもあって。この曲を通じてこれまで以上に広がりや自分たちを知ってくれる人たちが増えることも見込まれているんで、自分たちの真骨頂を至るところに詰め込んだこの曲で、「これがオメでたい頭でなによりだ!!」を感じて欲しかったんです。その辺りも上手く出せたかなと。それもあり是非多くの人や幅広い層の方に聴いてもらいたいですね。

【取材・文:池田“スカオ”和宏】

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リリース情報

日出ズル場所

日出ズル場所

2018年10月10日

ポニーキャニオン

01:日出ズル場所
02:We will luck you
03:サイレンとジェラシー

お知らせ

■コメント動画




■ライブ情報

バックドロップシンデレラ「本気だしてウンザウンザを踊るツアー」
10/19(金)神戸 太陽と虎
10/20(土)岐阜CLUB ROOTS
10/28(日)恵比寿LIQUIDROOM

3マンスプリットツアー「幸三昧2018」
11/10(土)渋谷 WWW X
11/15(木) 十三 246 LIVEHOUSE GABU
11/16(金)名古屋 Electric Lady Land

rockin’on presents JAPAN’S NEXT 渋谷JACK 2018 WINTER
12/09(日)TSUTAYA O-EAST / TSUTAYA O-WEST / TSUTAYA O-Crest / TSUTAYA O-nest / duo MUSIC EXCHANGE / 渋谷7th FLOOR / clubasia

ポルノ超特急2018 -5TH ANNIVERSARY-
12/22(土)京都パルスプラザ
12/23(日)京都パルスプラザ

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