The Winking Owl 3年ぶりとなる待望のニューアルバム『Thanksラブレター』

The Winking Owl | 2019.06.18

 “うわっ!!とてつもなくスケール感がアップし、分かりやすく、伝わりやすく、聴きやすい作品へと成長したな…。これがThe Winking Owlのニューアルバム『Thanksラブレター』を一聴した際の私の第一印象だ。これまでサポートでしのいできたベーシストの定位置に、一時脱退していたRanmaluが再び正式メンバーとして加入。ここから更に幅広い層へのコミットや、大きな会場や広いステージへのシフトを視野に入れた活動への幸先の良いスタートが切れそうな今作がこのたび届けられた。ポップでキャッチー、それでいてしっかりとロックしているその作風と共に、活動の枠も一気に拡大しそうな今作。そんな新作と共に更なる大海へと漕ぎ出す、その前夜の心境をメンバー全員に訊いた。

EMTG:まずは改めてベーシストの座にRanmaluさんが復帰された経緯からお聞かせ下さい。
Yoma:一旦脱退した後もRanmaluとはずっと友達としての付き合いが続いていたんです。
Ranmalu:僕の方は一度バンドを辞めてサラリーマンをしていました。普通に営業職をしてたんです。
KenT:その頃はバンドではなく、営業で全国ツアーをしてたんだよね(笑)?
Ranmalu:そうそう(笑)。新幹線等を使って単独で(笑)。バンドよりいい待遇でしたから(笑)。そんな中、ある時、Yomaさんから「お前本当にそんなんで自分の人生に満足しているのか?」と問われて。「戻って来ないか?」との打診も何度もいただいてたんです。とは言え、かなり悩みましたね。
EMTG:でしょうね。そんな中、また戻って来ようと決意したキッカケは?
Ranmalu:サラリーマン時代も中身も濃くて充実した仕事ではあったんです。だけど音楽でしか経験できない気持ち良さやステージから見た光景、それらが離れてみて改めて尊く感じられて。「今の安定を捨てる結果になるかもしれないけど、それ以上に自分を待っている未来を信じてまた一緒にやらせてもらおう!!」と。なんか再び引き寄せられて戻ってきた感があります。
KenT:凄く自然に戻ってきてくれました。正直もっと懐かしいかな?とも期待していたんですが、そうでもなく。もうずっと一緒にやり続けていたかのように、ブランクを感じさせずにすんなりとでしたから。
Ranmalu:その辺りの、何の違和感もなくすんなりと戻ってプレイできたことが僕としては凄く嬉しくて。
Yoma:サポートの方々もしっかりと僕らの為にやってくれてはいましたが、やはり正式メンバーのしっくりさには勝てませんでした。いかんせん一丸となって「一緒に頑張っていこう!!」の気概が全然違いますから。
Luiza:戻ってきて今まで以上に空気が和やかになった印象があります。サポートの方々だとどうしても若干の緊張がありましたが、今やそれがなくなり、各々心から楽しみながらプレイしていますから。もちろん私もその中で安心して歌えるようになりました。
KenT:そうそう。いい意味で肩の力が抜けたよね。
Luiza:それこそそれが自分たちだけでなくお客さんにも伝わってくれたらいいなって。実際、最近お客さんからも、そう言っていただけたこともあったし。
EMTG:Ranmaluさん的には一時外から見ていたThe Winking Owlはいかがでしたか?
Ranmalu:どんどん成長しているなって。その分、「戻って上手くやっていけるのかな?」との不安もありました。でも一時離れてみて、「The Winking Owlは特別なバンドだったんだな…」との実感もあって。
EMTG:それは例えば?
Ranmalu:可能性やこれからの伸びしろが凄くあるバンドだったんだなって。3人の人間的な魅力や個性、各々の実力も凄いし。他のアーティストにはない特別感があるんです。
EMTG:その「伸びしろ」は今回の2ndアルバムからもかなり感じました。「おおっ!!こんなに成長したのか!?」って。
Yoma:聴いていただいた通り、今作はかなりポップでキャッチーな要素が増えましたから。
EMTG:うんうん。全体的にキラキラした曲が多いです。
Yoma:以前から最終的にはポップで不変的な楽曲で勝負したいという思いがあって。今回そこにストレートに向かってみたんです。実は前作アルバムの制作時には出来ていた曲もあったんですが、当時はまだタイミング的には早い印象があって。その時点ではポップ過ぎて、これまで聴いて下さった方々も違和感をかなり覚えるだろうと。でも前作で、インディーズ時代のハードでラウドな要素と、今作でのポップな部分の良い意味での橋渡し的な作品が出せたので、今回は思い切ってその辺りを全面的に出してみました。ようやくこの辺りを全面的に出せる時が来た!!って。
EMTG:でも、ここまで振り切るとかなりの勇気も必要だったのでは?
KenT:必要でした。でも、それよりも「出すなら今でしょ!!」という気持ちの方が強くて。「今のタイミングで出さなくていつ出すの?」って。アルバムのトータルバランスの良さはかなり自負しています。
EMTG:むっちゃいいバランスです。
KenT:幅とバランス、その辺りはかなり制作段階で話し合いました。
Yoma:これまで以上に幅広いリスナーが聴いてくれる楽曲や、今後立つであろう大きなステージをイメージして曲作りをしていましたから。そこに段々と近づけたかなって。
EMTG:歌に関しても今回は色々な表情や表現、タイプがありますね?今までよりも聴きやすいし伝わりやすく、広いところに届ける意識も前作とは比べ物にならないぐらい変わったなか歌われたのでは?
Luiza:その通りです。歌詞に関しても、以前はけっこう内面的なことを歌ってました。自分の中で納める表現が好きだったところもあり、ある意味、それが自分の中での美でしたから。当時はそれが身の丈に合っていたんですが、今は一方的ではなく、受け取った側がどう感じるか?を重視しています。勉強して開拓して、幅広いリスナーに届く術を身につけた方が広く伝わるだろうし。合わせて自分の幅も広がるだろうなって。
EMTG:今回はより外に向けての意識を感じさせます。聴き手に気持ちをダイレクトに届ける手法とでもいうか。
Luiza:確かにその辺りはより明確にはなってきてます。これは個人的な見解ですが、Yomaさんは内側にも外側にも両方に行けるタイプで。マニアックにも出来るしポピュラリティにも出来る。中でも最後に収録されている「Flame Of Life」なんて凄く壮大じゃないですか。もう、この曲に関しては仮タイトルも「マウンテン」と壮大だったし、内容もむちゃくちゃダイナミズムもあるしで。これはもうそれ相当の歌詞を書かなくちゃと。なので歌詞や歌は楽曲やサウンドに引っ張られた面は多分にあります。
EMTG:もうここまでくるとライブハウスで活動しているスケールのバンドじゃないですもんね。
Ranmalu:無駄なところをそぎ落として、本当に聴かせたい部分だけを届けられた作品ですからね。この作品は僕がまだ加入前で。弾いてはいないんですが、どの曲もスッと入ってきて。今までは曲ごとに、「こうきたか!!」「こんな感じか…」レベルの感想だったんですが、今回のアルバムは最初から最後まで1曲1曲現れる度に「うわっ!!」とか「おおっ!?」ってなってましたから。
EMTG:分かります。
Ranmalu:バラエティに富んではいるんだけど普遍的。それこそあと何十年も聴き続けられるし色褪せない。そんな曲が揃った作品かなと。それこそずっと末永く聴いてもらえる作品ですからね。変にトレンドに流されてないし、ここまでストレートなことをやっていながらキチンとワイドさが出せている。やはりこんなバンド他に居ませんよ。
Yoma:制作に関しても、バンドではギタリストですが、今回、曲を作る時はあまりギターを使わなかったんです。アレンジに関してもそんなにギターが入っていなかったり。
EMTG:前作ではあれだけギターがフィーチャーされていたのに(笑)?
Yoma:(笑)。そういった意味ではギタリストだけでなく全体を見れるプロデューサー的な気質や役割も担えたのかなって。今作はとにかく最も楽曲の良さが伝わりやすいアレンジを全曲心がけて挑みましたから。
EMTG:今作は速さや勢い、激しさやノリに頼っていないのも特徴です。
Yoma:それらの要素はほぼ皆無ですもんね。あっても秘めた感じや匂わす程度で。
KenT:僕が得意としてきた「ハードなドラミング」も、もうこのバンドでは必要じゃなくなってる気はしてました。もちろんいい意味で。その分、僕にとっても挑戦的でもあったし。今回は凄く邦楽チックなアプローチの曲が多くなったし。リズムの幅も断然広くなりましたからね。
EMTG:確かにより広くなってます。
KenT :今作のプロデューサーの方もドラムだったんですが、制作中も色々と細かいニュアンスにもアドバイスをしてくれたり。同じドラマーとしてかなり心強かったです。自分に無い引き出しも開けてくれたし、新しい要素やアイデアも注入してくれましたから。成長すると共に勉強にもなったレコーディングでした。
EMTG:ボーカル面はいかがでしたか?
Luiza:ぶっちゃけ色々なことに挑戦や試みてはいますが、特に苦戦した曲もなくて。どの曲も演じ分けるように楽しく歌わせてもらいました。楽曲の部分部分でのニュアンスに合わせて、英語と日本語を分けて使ってみたり。メロディが呼んでいる部分もあったんで、そこに導かれて歌った結果も多々あります。
EMTG:で、楽しみなのはこれらのライブの再現です。ここまでくるともうライブハウスレベルじゃないですから。
Yoma:ありがとうございます。ライブハウスで演ってはいますが、演者も観者もみんな大きなスタジアムでやっているような意識や光景を見せられるのが理想で。とは言えキチンと歌を近くに居る人に届ける。お客さん側も、居るのはライブハウスだけど、もっと広い景色が浮かんだり、想起させるようなライブを目指します。とりあえず今は、この曲たちをキチンと表現できるようスタジオで頑張ってます!!

【取材・文:池田スカオ和宏】

tag一覧 J-POP アルバム インタビュー 女性ボーカル The Winking Owl

リリース情報

Thanksラブレター

Thanksラブレター

2019年06月19日

ワーナーミュージック・ジャパン

01.Thanksラブレター
02.Try
03.NEW
04.片想い
05.Confession
06.Night & Day
07.one for all
08.君のままで
09.The Tears Turn To A Rainbow
10.Loser Unbeatable
11.Just For Tonight
12.Flame Of Life

お知らせ

■マイ検索ワード

Luiza(Vo)
「お返事まだですか?」のメールの書き方
先輩にちょっと依頼していることがあって。その返信がまだ来ないんです。そこで催促をしたいんですが、その際、失礼にならないメールでの文書を調べました。結局、文章の頭に優しく文言を加えたり、直接的ではないことを添えて文章を書く例はたくさん見つかったんですが、ちょっとそれだと堅苦しくて。もうちょっとフレンドリーで、且つ先方に失礼のない表記が望ましかったんです。実際、そのような「枕詞を付けた方が良い」等のアドバイスばかりで、本質の部分をどう書いたらいいか?は出てきませんでした。

Yoma(Gt)
チーズナン 東京 おいしいお店
僕、チーズナンが好きで、おいしいお店を常に探してるんです。だけど残念なことにみんな近い味なんですよね。なかなか突出したおいしさのお店に出会えなくて。逆を言うと、どこのを食べても大概は美味しいと言えますが(笑)。で、話は変わって。ナンってインド料理じゃないですか。僕、パクチーが苦手なんです。だけど、あるインド料理店でカレーを注文したら、勝手にパクチーが入ってて。かなりガッカリしました。あれ、クセが強いし苦手な人も多いので無許可で入れるのは勘弁して欲しい。KenTとLuizaはパクチーが好きなんですよね。

Ranmalu(Ba)
勝新太郎 伝説
僕、偉人の破天荒な伝説や武勇伝を調べるのが好きで。最近、勝新太郎さんの逸話を調べました。そんな中、かつて勝さん番の新聞記者が明かした彼の逸話を見つけて。そこにはあの方が常に周りの人にどう映っているかを意識して行動していたことが記されていたんです。いわゆる自身のブランディングをしっかりとしていた方らしくて。身勝手で、自由気ままで、人の迷惑も関係なしで好きなようにふるまっていたような印象だったんですが、それもかなりその辺りを計算に入れてのことだったようで。周りや現場のスタッフにもふるまったり、「これ買ってきて」と一万円を渡し、「おつりはとっとけ」と渡したり。そこからのそのスタッフから周りや家族への伝聞等も計算に入れての行いだったようで。そうやって対外的に自分像を確立していってたみたいなんです。いやー、勉強になりました。

KenT(Dr)
某ペダル 価格
凄く良くしていただいている先輩にUVERworldのドラムの真太郎さんがいて。あの方からかなり前にドラムのツインペダルをいただいたんです。それがけっこう珍しく、あまり世に出回っていないもので。スピード系に対応してフットワークが軽いプレイをするドラマーが使うタイプだったんですが、真太郎さんには合わなかったようなんです。で、いただいて。その後も使っていると、みんな珍しがってくれるんですよね。そんな中、ふと、「あれって実際はいくらするんだろう?」と、いやらしい話ですが相場を知りたくなって(笑)。結果、普通のペダルの倍額ぐらいの値段で驚きました。今のところウィンキンの曲では出番がないんですが、いつかライブでドラムソロでも演る機会でもあれば、それがお目見えするかも…。



■ライブ情報

ThanksラブレターTOUR2019
6/19(水) 新潟 CLUB RIVERST
6/20(木) 福島 CLUB #9
6/29(土) 広島 CAVE-BE
6/30(日) 香川 DIME
7/02(火) 金沢 vanvan V4
7/03(水) 長野 LIVE HOUSE J
7/07(日) 福岡 Queblick
7/09(火) 岡山 IMAGE
7/17(水) 仙台 MACANA
7/19(金) 札幌 SPiCE
7/22(月) 京都 MUSE
7/23(火) 静岡 UMBER
7/28(日) 高崎 club FLEEZ

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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