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KEYTALK“ライブバンド”としての圧倒的な実力を手にした「SUPER EXPRESS TOUR」ファイナル公演!

KEYTALK | 2014.11.25

 ステージを覆っている白い紗幕に投影されたオープニングVTR。クラゲやSLをモチーフとした映像が、待ちわびた我々のワクワクを煽る。やがて浮かび上がったメンバー4人のシルエット。そして幕が切って落とされ、小野武正(ギター&コーラス)、首藤義勝(ボーカル&ベース)、寺中友将(ボーカル&ギター)、八木優樹(ドラム&コーラス)が登場。「トラベリング」がスタートした。軽快に刻まれるダンスビート、ドラマチックなメロディ、スリリングに展開するツインボーカル……KEYTALKの黄金のアンサンブルが迸り、観客は飛び跳ねながら手拍子をする。会場全体の気温が一気に上昇していった。

「fiction escape」と「S.H.S.S.」も演奏した後、最初のインターバル。「下北沢から来ましたKEYTALKです。楽しんでますか?今日がファイナル。『SUPER EXPRESS TOUR』というツアータイトルは、各地を新幹線で回ったからです。今日は車で来ましたけど(笑)。長丁場なので最後までケガのないように!」、小野のMCを挟んで「パラレル」へ。興奮を露わにして踊る観客の熱気が、ますます凄まじい。続いて「サイクル」と「O型」も届けられ、ステージ上のメンバーもフロアで踊る人々も汗だく。惜しげもなくアッパーなナンバーを連発した前半戦であった。

 小野が進行役を務めつつ繰り広げられた各メンバーの自己紹介。親族が観に来ていると明かした首藤と寺中は、いつにも増してウキウキした表情を浮かべていた。そんな中、一際存在感を発揮したのは八木。「六本木より2本多いけど他は何も勝っていない八本木、またの名をアルバラーバ・ハチモクと申します!」……本名が一切盛り込まれていないシュールな自己紹介が和やかな笑いを誘う。そして、再び演奏へ。懐かしいナンバー「消えていくよ」の甘酸っぱいサウンドが心地よい。「MURASAKI」「FREEDOM」「コースター」も披露され、観客は歓喜の表情を浮かべながら身体を揺らし続けた。

「ワンマンの機会にしかできない曲もあります。KEYTALKはいつも“わっしょいわっしょい!”と言ってるわけじゃない(笑)。ここからは四季を感じられる曲をじっくり聴いてください」と首藤が言い、秋の星座をモチーフとした「フォーマルハウト」。続いて「Winter March」も披露された。そして、胸に沁みるメロディで観客の瞳を潤ませたのが「エンドロール」。夏の日々への想いを滲ませる歌詞が切ない。エネルギッシュに盛り上げるのとはまた別のKEYTALKの一面、叙情的な美メロの魅力が大いに発揮されていた。

 ライブDVDのリリースの告知、寺中によるフリーザ(『ドラゴンボール』に登場する悪役キャラクター)のモノマネ、小野による「ペーイ!」というコール&レスポンス……などなどが展開したMCタイム。賑やかなひと時を痛快に締めくくったのは、八木から飛び出した提案であった。「変な呪文を唱えてみませんか? 僕が“呼びさまして謎の呪文!”って言ったら、“アルバラーバ!”って言ってください。この呪文を唱えると騒ぎたくなります」。彼の誘いに応え、全力で「アルバラーバ!」と一斉に叫んだ観客。それを合図に「MONSTER DANCE」がスタート。この曲のミュージックビデオは、ライブハウスのフロアで激しく踊る人々の映像が印象的だが、あれがそのまま現実化したかのような光景が広がってびっくり! ミュージックビデオ内で行われる振り付けも完璧に踊り、かけ声も上げる人々の一体感が半端ではない。盛り上がるフロアを眺めながら、メンバーたちは心底嬉しそうな表情を浮かべていた。

「sympathy」と「MABOROSHI SUMMER」が連発され、夏に戻ったかのような熱気が漂っていた会場内。「六本木。ラストスパート行くぞ!」という寺中の言葉と共に突入した「夕映えの街、今」も、見逃せない場面の連続だった。小野の頭に装着された小型カメラが、演奏するメンバーたちや観客の表情をスクリーンに映し出す。寺中がハンドマイクで歌った終盤の盛り上がりは、特に凄まじいものであった。そして、本編のラストを飾ったのは「太陽系リフレイン」。各メンバーのソロプレイも交えつつ、エンディングへと華々しく雪崩れ込んでいった。

 アンコールを求める観客の声に応えて戻ってきた4人。「a picture book」を披露した後、メンバーたちのMCが展開した。「ついに新幹線でツアーを回れるようになった!」と喜んでいたのも束の間、「今回だけだから。今年1年頑張ったご褒美」と事務所の社長に言われて落胆/社長の控室がメンバーの楽屋よりも広い/「六本木に集まってくれたみんな、ヤギスターです!」と愛くるしい声色で八木が挨拶(“ヤギスター”とは彼の愛称の1つ“オムスター”に代わる新キャラクター?)……などなど、微笑ましいエピソード紹介や自由奔放な発言が飛び出した。そして、いよいよ最後の曲「アワーワールド」。轟く爆音、踊りまくる観客のエネルギーが、会場を心地よく揺さぶる。絶頂感に満ちた清々しいクライマックスとなった。

 全曲の演奏を終えると、ステージの前方に集合したメンバーたち。「今日はほんとに、どうもありがとうございました!」、マイクを通さない生声で挨拶した4人を観客の大きな拍手が包む。全国ツアー、ワンマンライブの他、夏フェスを含む様々なイベントへの出演も重ね、「ライブバンド」としての圧倒的な実力を手にしているKEYTALK。彼らの魅力が鮮やかに輝いたツアーファイナルであった。

【取材・文:田中 大】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル KEYTALK

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リリース情報

MONSTER DANCE

MONSTER DANCE

2014年10月22日

ビクターエンタテインメント

1. MONSTER DANCE
2. エンドロール
3. FREEDOM
4. O型

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セットリスト

SUPER EXPRESS TOUR
2014.11.15@EX THEATER ROPPONGI

  1. トラベリング
  2. fiction escape
  3. S.H.S.S.
  4. パラレル
  5. サイクル
  6. O型
  7. 消えていくよ
  8. MURASAKI
  9. FREEDOM
  10. コースター
  11. フォーマルハウト
  12. Winter March
  13. エンドロール
  14. MONSTER DANCE
  15. sympathy
  16. MABOROSHI SUMMER
  17. 夕映えの街、今
  18. 太陽系リフレイン
Encore
  1. a picture book
  2. アワーワールド

お知らせ

■ライブ情報

SiM ”i AGAINST i” TOUR2014
2014/11/29(土)沖縄 桜坂セントラル

HIP LAND MUSIC × SPACE SHOWER TV presents HighApps Vol.22 -collaboration「スリーピース~クソバンドたちの逆襲~」
2014/12/04(木)渋谷TSUTAYA O-EAST

DECEMBER’S CHILDREN
2014/12/06(土)赤坂BLITZ

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2014/12/11(木)水戸LIGHT HOUSE

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2014/12/26(金)新木場STUDIO COAST

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2014/12/28(日)インテックス大阪

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2014/12/29(月) 幕張メッセ国際展示場1~11ホール イベントホール

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2014/12/31(水)Zepp DiverCity TOKYO

熊本NIGHT 3
2015/01/10(土)下北沢GARDEN

※詳細、その他のライブ情報は、オフィシャルサイトをご覧ください。

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