第3回「古き良き日本の音楽と言えば」

go!go!vanillasの音楽歴史を振り返る短期集中連載「go!go!MUSIC」。
“3rdシーズン”では、1月18日にリリースされたニューシングル『おはようカルチャー』にちなんで、4人が様々なカルチャーに触れながら、ルーツミュージックを掘り下げます。

第3回目のテーマは「古き良き日本の音楽と言えば」。
日本のカルチャーを振りかえるという意味で、それぞれ古き良き日本の音楽を1曲セレクト。そのタイトルを色紙に筆で書いてもらい、その楽曲について語ってもらいます。

最後はスタッフとメンバーによる投票で、いちばん字が綺麗だった“字心”のあるメンバーを選出。順位に応じてランク分けしたお弁当をプレゼントします！


ミュージックラバー4人による音楽トーク、どうぞお楽しみください♪

EMTG：メンバーで習字を習ってた人はいるんですか？

牧 達弥：学校の授業でやったよね？

ジェットセイヤ：それぐらいかなあ。

長谷川プリティ敬祐：僕は硬筆を習ってました。習字の授業って、筆を洗うのが面倒くさかったよね。「あ、やべ、今日習字だ！」とか忘れるときもあったし。

柳沢進太郎：「文鎮がない！」みたいなね。

EMTG：第3回目のテーマは「古き良き日本の音楽と言えば」です。みんなに習字で曲名を書いてもらったので……では、プリティからいきましょう。「夢は夜ひらく」。

プリティ：三上 寛です。アコギ1本で恨み節をずーっと歌い続ける人なんですけど、今でもライブハウスでライブをやってるっていう。

進太郎：すごいな。何歳ぐらいですか？

プリティ：もう66歳。

EMTG：「夢は夜ひらく」は60～70年代にいろんな人が歌詞を変えて歌ってますけど、藤 圭子が歌ってるバージョンが有名ですよね。

プリティ：藤 圭子のカバーは、「圭子の夢は夜ひらく」っていう、もうちょっとライトな感じで歌ってるんだけど、三上 寛はどうにもならない感じというか。俺が中学のときに銀杏（BOYZ）の峯田（和伸）さんがブログで紹介してたんです。ポップなフォークシンガーかなと思ったら、本当に昭和の路地裏で酔っ払いが吐いたゲロみたいな哀愁というか。

セイヤ：すごい喩え（笑）。

プリティ：そのどうにもならない感じが自分はグッとくるんです。この人は東北出身なんですけど、自分には全然理解できない、北国生まれの慕情みたいなのがあるんですよ。全部はわからないけど、聴くたびにグッと引っかかってくるんです。

進太郎：プリティさんがずっと俺のことを見て、説明してるんですけど……（苦笑）。

牧：北国生まれだから。

プリティ：「お前なら、わかるだろ？」って。

進太郎：うーん、まだちょっと……（笑）。ライブ、観に行こうかな。

EMTG：じゃあ、次は牧くん。

牧：完全にこの雰囲気にやられて（※取材場所は居酒屋）、「旅の宿」にしました。

セイヤ：吉田拓郎だ。

EMTG：1972年にシングルとしてリリースされた作品ですね。

牧：この風情は日本人でしょうっていう感じの曲なんです。女の人とふたりで旅に来たんだけど、自分が酔っぱらっちゃって抱けない、みたいな。

プリティ：そこに情緒がないね（笑）。

牧：なので、この絵にもお猪口がふたつです。

進太郎：この太陽みたいなのから出てるビームは……？

牧：これは月の光（笑）。

EMTG：（笑）では、次は進太郎くん。

進太郎：ゴダイゴの「ホーリー&ブライト」です。僕はそんなに古い音楽は知らないから、自分のボキャブラリーから探した結果、小学校のときに掃除の時間に流れてた歌が、（ゴダイゴの）「ビューティフル・ネーム」だったんですよ。

プリティ：あー！うちの学校もそうだったよ。

牧・進太郎：♪Every child has a beautiful name～♪

進太郎：これで雑巾がけとかしてたんです。“世界の子どもたちは、みんなひとつずつ名前を持ってる、最高”みたいな曲なのかな。その当時、古そうだけど、小学生なりにかっこいいなと思ったんですよね。で、「ホーリー&ブライト」は、ちょうど時期的にクリスマスだから良いかなと思って選んだんですけど……（取材は12月）。

EMTG：残念ながら、掲載は年明けなんです……。

進太郎：安易でした（笑）。この曲は最後の2分ぐらいずっと♪ホーリー&ブライト～♪って歌い続けるんです。しかも、パンが右左に移動する（音が左右に振れる）んですよ。

牧：ドキドキしてくるやつだ。

プリティ：何年ぐらいの曲？

EMTG：1979年にリリースされたシングルですね。

牧：それこそ、ゴダイゴはELO（エレクトリック・ライト・オーケストラ）とかにも、めっちゃ影響を受けてるでしょ。

進太郎：ミッキー吉野さんはバークリー（音楽大学）出身なんです。めっちゃ良い曲ですよね。今聴いてもかっこいいなと思います。

EMTG：最後はセイヤくん。

セイヤ：大滝詠一さんの「Rock’n’Roll お年玉」です。今日はこの曲が入ってるCD（アルバム（『ナイアガラ・カレンダー』）も持ってきたんですけど。1977年の作品です。このアルバムは1月から12月までのことを歌ってるんですけど、その1曲目です。

EMTG：ジャケット写真もカレンダーになってるんですね。

セイヤ：ジャケットの元になってるのが、エルヴィス（・プレスリー）のカレンダーのジャケットをオマージュしてて（1959年リリースのシングル「アイ・ニード・ユア・ラヴ・トゥナイト」）。アルバムでは、昔のロックンロールの歌詞が結構入ってるんです。「Rock’n’Roll お年玉」では、紅白歌合戦とか、除夜の鐘とか、♪凧あげて、羽根をついて♪とか、古き良き日本のことを歌ってます。

牧：歌詞ではそういう面白いことをしてるんだけど、曲的には深いよね。

セイヤ：すごくルーツが出てるんです。昔のアメリカのポップミュージックをベースにして。メロはほぼ一緒で歌詞だけ変えて、みたいな曲もあるし。

EMTG：今回、「古き良き日本の音楽と言えば？」がテーマですけど、70年代ぐらいの音楽の話になると、やっぱり海外からのルーツ色が強いものが出てきますね。

セイヤ：しかも、あの時代にこれだけのことをやろうとすると、まず、それを知ってる知識の量がすごいと思うんですよね。ネットとかもない時代だから。ナイアガラに関しては、これを解説した本も出てて（『ナイアガラに愛をこめて 大瀧詠一ルーツ探訪の旅』木村ユタカ ［著］）、そこから新しい音楽を知れたりするんです。

牧：全然知らないのとかも入ってるよね。

EMTG：ちなみに、ちょっと気になってるんだけど、セイヤくんの絵は「銀河新年」……？

セイヤ：“謹賀”を“銀河”にしてみたんです。かっこええやろ？

進太郎：オリジナルテイストだ（笑）。

EMTG：年始の話が出たところで、2017年のバニラズの目標をお願いします。

牧：オリンピックまで、あと3年ですからね。

EMTG：オ、オリンピック？

牧：なので、俺らも東京に向けて仕上げていきたいと思います（笑）。

セイヤ：オープニングアクトを目指したい。

牧：オープニングアクト……？ 開会式ってことでしょ（笑）。俺らもロンドンオリンピックみたいにヘリコプターで登場したいです。

全員：あはははは！

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■メンバー&スタッフ投票で決定！go!go!vanillasでいちばん字心があるのは？

牧 達弥	柳沢進太郎	長谷川プリティ敬祐	ジェットセイヤ

第1位に選ばれたのは…………

プリティさん！


高級すき焼き弁当☆2,160円

そして2位は…………

牧さん！


ヒレカツ煮弁当☆900円

セイヤさんと進太郎さんは同率だったため、スタッフにより再度投票を行った結果、第3位に選ばれたのは…………

セイヤさん！


シュウマイ弁当☆830円

ということで、残念ながら最下位だったのは

進太郎さん！！


天むす☆681円

今回は硬筆経験のあるプリティくんがぶっちぎりの1位でした。「こんなお弁当、もう二度と食べられないかも！」と、一位のプリティさんはご満悦の様子。ビリだった進太郎くんに少しだけお肉を分けてあげていました（笑）。

【カメラマン：山本マオ】
【取材・文：秦 理絵】