リュックと添い寝ごはん、待望の新曲「生活」リリース!

リュックと添い寝ごはん | 2020.08.19

軽音楽部でバンドを結成し、今年の春に高校を卒業したリュックと添い寝ごはん。青春真っ只中にあるピュアな感性のみならず、音楽を愛する気持ちがほとばしる衝動や疾走感をハイセンスにまとめあげるスリーピース・バンドだ。彼らがこの夏、配信シングル「生活」をリリースし、遊び心のあるやんちゃなサウンドにひとさじの寂しさを乗せて届けてくれた。そして8月26日には無観客ワンマンライブに挑む。生まれた時から音楽フェスがあった新世代バンドによる、初めてのワンマンが配信で行われる2020年。リュックと添い寝ごはんは今最も注目すべきバンドのひとつだ。松本ユウ(Vo/Gt)、宮澤あかり(Dr)、堂免英敬(Ba)にリモート取材を行った。

――高校の軽音楽部でバンドがはじまって、活動が多くの人に注目されました。高校生活を振り返ると、どんなことが一番印象に残っていますか。
松本:僕は高校3年生の時に「RO JACK」(ロッキング・オンが主催するオーディション)で優勝した時から、自分がどんどん変わっていったなという気がしています。その夏に出場した「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」では、前日にnever young beachさんのステージを観ることができたんですけど、お客さんがみんな踊ってて、ステージではラフな感じで演奏してて、夕陽が綺麗で。僕たちもこんなライブができるようになりたいなと思ったことも大きかったです。それまでも将来、音楽でやっていきたいなという気持ちはあったんですけど、その気持ちがより強くなりました。
堂免:言いたいことを言われちゃったな(笑)。やっぱり「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」はターニングポイントだったと思います。自由ヶ丘のスタジオにポスターが貼ってあって、「入賞したら10万円!」「ロッキン出れるじゃん!」とか言ってたのが高2の最初の頃だったので、まさか翌年に本当に出れるとは思わなかったですね。今までに経験したことのないバカデカいステージで(笑)、緊張以上に気持ち良かったです。
宮澤:私も同じ(笑)。あとはeggsという音楽サイトに音源をアップしたら反響があった時に「うわ、すごいな」と思ったことも印象深いですね。
――宮澤さんはライブでもMVでもいつもすごく楽しそうですよね。
宮澤:普通に練習してる時から楽しいです。一緒にいるだけで楽しい……なんか恥ずかしいね(笑)。この3人でいるとボケとツッコミが曖昧というか、みんなボケるんで永遠に終わらないんですけど、そこがいいのかなって。居心地がいいですね。
――みなさんはこの春に高校を卒業されたわけですが、これまでと大きく変わった部分は?
宮澤:軽音部から抜け出した感は曲にもあらわれてる気がします。周りの影響を受けやすいので。
松本:それはあるかもね。部活だから周りから色んな音が聴こえてくるし、憧れの先輩がいたりして、ライブを観る機会は多いし、やっぱり影響は受けます。でも部活を引退してからは世界が広くなったというか、たくさんのアーティストから吸収しようと思っています。それこそネバヤンから受けた衝撃が今になって出てきてる気もするし。「野外っぽい」というのを意識して曲を作り始めたんで。野音とかフジロックとか、妄想ですけど(笑)、そういう場所で演奏しているのをイメージしています。
――コロナ禍で、みんなで集まって練習できない時期も長かったんじゃないですか。
松本:そうですね。1?2ヵ月はそういう状態でした。でも今までなかなかインプットの時間も取れなかったので、僕は映画を見たり、本を読んだりしていました。個人練習はそれぞれ家でやろうと。
宮澤:うちに電子ドラムはあるんですけど、たまーに練習してました(笑)。
――配信シングル「生活」は、いつぐらいから制作が始まったんですか。
松本:この曲は今年の2月くらいから作り始めて、コロナの自粛前に仮で完成していた曲で。ライブでは2回くらい演奏したこともあったんですけど、もうちょっとブラッシュアップしなきゃねってことで自粛期間に寝かせて、今回完成させました。作った時は、「青春日記」と「グッバイトレイン」を混ぜた感じだなと思ってたんですけど、ブラッシュアップしたことで、より「グッバイトレイン」寄りになったというか。すみません、自分たちの曲の例えで。
――いえいえ。「グッバイトレイン」ってすごく軽やかでポップで、このバンドの音が確立された印象もありました。この曲を作った時もかなり手応えがあったのでは?
堂免:僕らの中では結構あったと思うんですけど。
松本:うん、でも何故か「青春日記」の方が好きな人が多いのかなって(笑)。
宮澤:ふふふふふ(笑)。
――高校の軽音部で演奏してて人気の曲調とかもあるんでしょうね。
松本:そうかもしれないですね。僕らは3年間、背伸びしてもいいから色んなジャンルの色んな曲を作りたいねってやってきたんですけど。「青春日記」は、僕らが先輩たちのライブをたくさん観たことが反映された曲だと思いますし。
――なるほどね。高校を卒業して、「野外っぽい」というキーワードも出てきましたが。新曲「生活」を作る上で、例えば冒頭の時報など、ちょっと楽しいアレンジはどのようなアイデアから生まれたものですか。
松本:時報のアイデアはヒデ(堂免)が出してくれたよね。最初はサビから始まる曲だったんですけど、なんかちょっと突然すぎるねってことになって(笑)。イントロを付けたんですけど、その前に何か欲しいなってことになって。時報を付けたらむちゃくちゃ良くなりました。
堂免:イントロを耳に残るインパクトの大きいものにしたかったんです。あとは最後にみんなでジャンジャン弾いた後でバカっぽく終わるのも入れたいなと思って。
――では「生活」というこのタイトルや、歌詞に込めた想いは?
松本:自粛期間ずっと映画を観ていて、ぐうたらしてたんですよ。そんな自分について書いてみようと思ってできた歌詞です。毎日に愛が欲しかった時期で、友達への愛とか、色んな愛を欲してた。愛が欲しいなあ、と思いながら書きました。愛って、恋愛的な愛じゃないんですよ。友情とか。
――ちょっと寂しさを感じていたんですね。<続く夢の先で笑っていたいのさ>とあり、夢は続くものとして書かれていますが、<未来への愛を探して行こうよ>と愛のほうが不確かなものとして書かれているのかな。
松本:そうですね。この曲中では愛については抽象的に書かれています。当たり前だったことが当たり前じゃなくなっちゃったので、僕にとって愛は当たり前にあるものだと思ってたんでしょうね。でも、そうじゃなかったんだってこの期間に気付かされました。……この発言、宮澤が「後でいじってやろう」って顔してますね(笑)。
宮澤:あはははは!
松本:このコロナの期間にバンドのメンバーや軽音楽部の友達とかと毎晩『スプラトゥーン』をオンラインでやっていたんですけど。それでも寂しかったら電話しちゃったりとかしてましたから。
――そんな寂しがり屋な松本さんをおふたりはどう受け止めてるんですか(笑)。
宮澤:どうなんだろうね(笑)。
堂免:毎晩『スプラトゥーン』をやるのが当たり前になってきてます(笑)。
――オンラインで仲間の存在は感じるけど、それでも愛が足りないと感じた時に、やっぱり音楽と向き合い<あなたへの踊れるミュージック>を作ろうとしたのが「生活」なんだと思うんですけど。
松本:そうですね。「踊れる」っていうのがポイントだと思います。すごいポップだったり、すごい歌詞にメッセージ性があったりとか、元気になる曲みたいに紹介されている曲よりも、自然と体が動いちゃうみたいな曲の方が元気になれる気がして。どんなジャンルと言うより、そういうのが踊れる曲なのかなと思います。
――なるほど。例えばこのバンドの代表曲とも言える「ノーマル」の歌い出し<僕にはわからないことが君にはわかるのかな>というフレーズで何だか妙にわくわくしてしまうこともそう。このバンドは本当の意味で心が躍る音楽を作り出そうとしているのかなと思うんですが。
松本:確かにあのイントロを鳴らした時にライブがゾワッとする感じはわかります。みんなで手を挙げるとか、煽るわけじゃないけど。ちゃんとお客さんと僕らで楽しい場所を作りたい。そういうことも今は無意識でやれてるのかなと。
――まさに今の生活の中で生まれた新曲だと思いますが、バンドとしてのこの先の未来はどう想い描いていますか。
松本:やっぱり野外でライブがしたいです!でもまだまだ目標も変わっていく時期だと思うので、コロナの時期が終わったら、この先の夢も目標もまた新たに見えてくるのかなと思います。
宮澤:そうですね、野音で夕暮れから夜にかけてライブをするのに憧れがあるので、そこはひとつの目標ではあります。
堂免:いつかバンドで全国各地を飛び回ってみたいですね。色んなところでライブして、色んなところで美味しいものを食べたいです!
――8月26日に配信ライブが開催されますが、意気込みはいかがでしょう?
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松本:僕らも色んなアーティストの配信ライブを観ているので参考にしたいなと思いつつ。早くみんなに聴かせたいと思っている新曲を、その日はたくさんやろうと思っています。意気込みとしては、みんなでワイワイ、ラフにやりたいです。
堂免:緊張もありますけど、楽しむしかないなって感じがしてます。僕らのありのままを伝えたいです。
宮澤:初めてのワンマンということもあるので絶対緊張はしちゃうと思うんですけど、力みすぎずに頑張りたいです!
――楽しみにしています。ちなみにいつも『スプラトゥーン』は何時くらいから始めるんですか。
松本:夜の10時から始めて、朝の5時くらいまでやってます。次の日の授業に寝坊しないようにアラームをめちゃくちゃかけてます(笑)。
――みんなすごい生活してるんだな(笑)。
宮澤:だんだん外が明るくなってきて……。
堂免:鳥が鳴きはじめるよね(笑)。

【取材・文:上野三樹】

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リリース情報

配信シングル 「生活」

配信シングル 「生活」

2020年08月19日

RICE RECORDINGS

01.生活

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