2012年、1stシングル「Message」で、日本デビューを果たしたMYNAME。5人のメンバーが持つ個性的なキャラクターに加え、キャッチーなポップチューンやバラードなど、楽曲のよさにも定評がある彼らが、2012年末、東京と大阪でのZeppツアーを行った。日本でのワンマンライブについては、メンバー全員が「絶対に損はさせません！」と、気合十分で望んだだけに、期待がふくらむ。EMTG MUSICは12月17日のZepp Tokyoでのライブを取材した。

　オープニングに選ばれたのは1stシングルの「Message」。アップテンポでアクロバティックなダンスも楽しめる曲で、空気は一気にヒートアップ。特にセヨン、インスのアスリート級パフォーマンスには、場内からも歓声が飛ぶ。最初のMCではインスが「雨が降っているのに来てくれてありがとうございます！」と挨拶。日本語もメキメキ上達中のようだ。4曲目は「What’s Up」。前向きな気持ちにさせてくれるさわやかなポップチューン。ハードなダンスナンバー「Adrenaline」、そしてコヌとインスのボーカルをフィーチャーした聴き応えのある「Hello&Goodbye」を経て、MCタイムへ。コヌは「日本でコンサートをやりたいという夢がかないました」とコメント。さらに、その言葉を引き継ぐように、インスが「皆さんを思いながら歌います。聴いてください」と、「Everlastin’ Luv」のアコースティック・バージョンを熱唱。しっとり歌われる曲も、MYNAMEの持ち味。

　中盤では、メンバー5人のキャラクターを活かしたソロコーナーが展開され、それぞれが個性を競い合った。トップバッターは激しいダンスが得意なセヨン。ハードなHIPHOPチューン「Run it」では、キレキレのラップとダンスで圧倒。ラストは着ていたTシャツを破り、そのままバック転という華麗なパフォーマンスで圧倒。チェジンはジャスティン・ビーバーの「Baby」をカバー。キュートな彼らしい選曲で、場内の声援を浴びていた。続いてはコヌの登場。彼は伊藤由奈の「ENDLESS STORY」をチョイス。日本でも大ヒットを記録し、かつ難易度の高いバラードだが、コヌは歌詞の“あなたのために”を“皆さんのために”に変えて、感情のこもった歌声を聴かせた。ジュンＱはJay-Zをフィーチャーしたリンキンパークの「Numb encore」を披露。意外（？）にもハードな選曲に驚かされたが、これもソロコーナーの醍醐味。最後に登場したインスは「You got it bad?yeah」のメドレーで、じっくり歌を聴かせたり、激しいダンスを見せたりと、振り幅のあるパフォーマンスで楽しませてくれた。その後、時期的にクリスマス直前ということもあり、メンバー全員がサンタの衣装を身につけ、クリスマスソングをメドレーでプレゼント。後半にはMYNAMEのプロデューサーでもあるファニ（Fly To The Sky）からの映像メッセージが流れ、メンバーの表情も引き締まる。このメッセージにパワーをもらった5人は本編ラストまでポップチューンを連発。最後のブロックは、人気曲「Everlastin’ Luv」と「Message」を再び披露し、ラストはパーティーチューン「SUMMER PARTY」で、アツくシメてくれた。もちろん、アンコールにもしっかり応えて再登場。コヌは2013年に1stアルバム『WE are MYNAME』（3月27日発売）を発売すると発表し、新曲「Anonymous」をお披露目。クールなダンスナンバーには新たな魅力が感じられた。そこからなんと、末っ子のチェジンによる手紙の朗読タイムへ。チェジンは「僕たちはこれからも一生懸命活動して“東京ドームでのコンサート”という夢を叶えたい。その夢を叶えるために、一歩ずつ歩いていきたいです。これからも頑張って、カッコいいMYNAMEを目指します」と宣言し、残るアンコール曲「Replay」「What’s Up」へとつなげた。

　アンコール終了後、メンバーも惜しまれつつも舞台ソデに消え、ライブはここで終了……だったのだが--。公演終了のアナウンスの途中、再度メンバーがカメラを手に登場。帰り支度を始めていたファンを大慌てさせた。この後は、ファンとのフォトセッションタイムを楽しみ、最後の最後は「Message」をアカペラでファンと合唱しつつ、暖かい空気の中でライブを締めくくった。今年は1月からドラマ『お助け屋☆陣八』（日本テレビ系）の主題歌を担当することも決定し、可能性を広げている彼ら。メンバー全員、まだまだ伸び盛りだけに、今後の活躍が非常に楽しみだ。

【取材・文：海江敦士】