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星空シスターズも交え、フェス形式で開催された、今年のMisia Candle Night Fes.をレポート

MISIA | 2013.08.05

 キャンドルナイトは、「たまには電気を消して、キャンドルの光の中でゆっくり未来のことを話し合ってみよう」という、カナダから始まったエコ運動だ。昨年の夏、MISIAは河口湖ステラシアターで“Candle Night”を行ない、キャンドルの光に包まれたライヴは彼女のテイストによく似合っていて、大好評を博した。その反響を受けて、今年はメインアクトを増やして“Misia Candle Night Fes.”として同じ会場での開催となった。

 セレクトされたアーティストは、MISIAが現在行なっている“星空のライヴ?-15th Celebration-”でバックコーラスを務めるHanah Springと澤田かおりの二人。MISIAのバックとしてのスキルはもちろん、ソロではそれぞれに強烈な個性を発揮するボーカリストだけに、注目のフェスとなった。

 オープニングは、全面にキャンドルの灯されたステージに3人が登場して、R&Bの名曲「Mercy Mercy Me」を一緒に歌う。ツアーバンドがそのままバックを務めているので、気心の知れたメンバーだけが醸し出すことのできるリラックスしたグルーヴが、すり鉢状の会場を満たす。オーディエンスは全員が立ち上がって、ハンドクラップしながら体を揺らす。夏のイベントにふさわしい、ファミリ―な雰囲気がスタンドに漂い出して、快調なスタートとなった。

 MISIAが「トップバッターは私たち“星空のシスターズ”の長女、Hanah Springです」と紹介して、まずHanah Springがセンターに立つ。

「去年は後ろでコーラスをしてましたが、1年かけて“10メートル前”に来ました」と嬉しそうに挨拶。早速「IN THE SUN」を歌い出す。エレキギターを抱えたHanah Springは、ロックやR&B、ジャズなどディープなバックグラウンドを持つシンガーとして、ぐいぐいバンドをリードしていく。中でサポートギターに吉田智が加わった「シンパシーテレパシー」でその本領が全開になった。彼女の切れのいいボーカルに触発されて、重実徹がファンキーなピアノ・ソロを取ると、バンドのグルーヴが一層の熱を帯びる。一方で吉田のギタープレイは、正確無比なテクニックの中に混沌とした感情表現を盛り込んで、“新世代ギタリスト”として強い印象を残した。ひとしきり会場を盛り上げたところで、Hanah Springは「次は次女の澤田かおりです」と深くお辞儀をして、メインを交代したのだった。

 澤田かおりは、ピアノが得意なシンガーソングライター。高い音楽性に裏打ちされた、情感豊かなラブソングを次々に披露する。特に日本語詞の「Eternal Lights」や「ねこ」では、初めて彼女のオリジナルを聴く人が多いのにも関わらず、大きな拍手が巻き起こる。将来性を感じさせるライヴとなった。

「このメンバーで全国を旅してるんですけど、まるでファミリーのように楽しくやってます。太陽みたいなMISIAさんがいて、ドラムやベースは兄弟みたいだし、バンマスの重実さんは、お母さんみたいだし」と笑わせる。「最初は、おいしいお酒や食べ物が楽しみと思っていたけど、このツアーでいろんな人にお会いできたことがいちばんよかった。こんなにたくさんのお客さんにお会いできたので、そうした方々に今日のことを思い出してもらえる存在に自分がなれたらいいなと思ってます」。その言葉どおり、多彩な可能性を感じさせるライヴとなった。

 いよいよMISIAの登場だ。いきなり「BELIEVE」で会場をノックアウトする。ツアー中だけに、声の状態とバンドのアンサンブルは絶好調。さらには幻想的なキャンドルライトと、親しい仲間とのフェスという形式の楽しさも加わって、いつも以上に伸び伸びしたボーカリゼーションが素敵だ。スタートからパワー全開のステージとなった。

「Hanahちゃんとかおりちゃんのライヴがよかったから、最初から張り切っちゃった(笑)。先週の7月7日に誕生日を迎えまして、その日にハワイで初めてライヴをやりました。15周年になっても“初めてのこと”があるのは、ありがたいことだと思ってます。ハワイでいただいてきたパワーをここに持ってきました。今、ツアーをやっているんですけど、先日出したベストアルバムに入っている45曲をまだ歌い切れてはいないので、今日はツアーで歌っていない曲を中心にやります」。ふと見上げれば、会場を覆っていた屋根がいつの間にか開いている。MISIAが手にしたキャンドルの火が、オーディエンスに配られたキャンドルに移され、リレーのように炎が会場中に広がっていく。揺れる光の中で久々に聴いたバラード「名前のない空を見上げて」が、この夜のベストテイクだった。

 澤田かおりが提供した「Daisy」、ニューシングル「幸せをフォーエバー」がMISIAの最新の魅力をポップに伝える。ラストは“星空のシスターズ”ならではのハイクオリティなコーラスが堪能できる名曲カバー「The Rose」で締めくくった。

「みなさんの願いがかないますように」とMISIAが言って、キャンドルの灯を全員で吹き消して文字どおり“キャンドル・フェス”が終わった。

 終わりを告げる場内アナウンスが流れても、観客の拍手と歓声は鳴り止まない。スタッフが撤収作業を始めようとした時、MISIAがステージに戻ってきた。予定外のアンコールは「THE GLORY DAY」。ゴスペルタッチの曲だけに、会場が“3千人の巨大クワイヤー”と化す。見事なコール&レスポンスは、MISIAも含めてフェス参加者全員がお互いを祝福するように響き、感動的なフィナーレとなった。

 終演後、楽屋を訪ねると、MISIAの友人の一人が「それぞれの願いを込めてキャンドルを吹き消してくださいってMISIAに言われたとき、自分でも思いがけないことが浮かんで『あ、私は心の底でこんなことを願っていたんだ』ってわかって驚いたのよ」と語っていた。

 そう、人の心の奥に秘められた想いを引き出すのが、MISIAというアーティストに与えられた力なのだ。それを改めて実感して、背中に鳥肌が立ったのだった。

【取材・文 平山雄一】

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