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ユニコーンのバックステージ・スペシャル・レポ!

UNICORN | 2014.09.02

 “イーガジャケジョロ”ツアーを絶好調のうちに終わらせた ユニコーンが、夏フェスに参戦だ。“ライジングサン”と言えば、日本でいちばん参加ミュージシャンがリラックスする、雰囲気最高のフェス として知られている。そこで今回は趣向を変えて、バックステージからレポートしてみることにした。

 青天の石狩。日差しに当たると暑いが、日陰に入れば涼風という絶好のコンディションだ。早々とユニフォームに着替えたメンバーは、開演17時の20分前にバックステージに集合した。と、スタッフがキャンドルを立てたケーキ と、シャンパンのボトルを持って現われた。そう、この日はユニコーンのライブに欠かせない舞台監督J-menの誕生日。いきなりバックヤードが誕生日パーティ会場と化す。開演前の舞台監督はピリピリしているものだが、J-menはニコニコ。メンバーも乾杯して祝福する。楽器に触れているメンバーは一人もいない。パーティの一体感のまま、時間になると5人はステージに向かったのだった。

 ステージの袖にスタンバイすると、「ジングル、入りまー す」と舞台進行スタッフから声が掛かる。ライジングでいちばんデカい“サンステージ”にユニコーンの登場がアナウンスされる。ステージの端っこから会場を覗き見ると、満員のオーディエンスが両の拳を振り上げて、歓迎のコールが起こった。大歓声の中を悠然とステージに入るユニコーン。もっさりとギターを肩に掛け、ドラムの椅子に座り、キーボードとマイクの位置を確認する。この日、初めて楽器に触れて、そのフ レッシュな気持ちのまま、演奏に臨もうという、強者バンドマンならではの自信の立ち上がりだ。

 OTが軽くお辞儀をして、雄大なテンポでギターを鳴らし始める。アルバム『イーガジャケジョロ』きっての名曲「KEEP ON ROCK’N ROLL」だ。後ろから見ている僕の目に、遠くはためくフードテントのノボリが見える。オーディエンスの眼差しが、ステージの5人に集中するのが見える。少しステージ側に踏み込んで覗いてみる と、テッシーがこちらを向いて(客席に背を向けて)他の4人を見て、演奏の状態を確認をしている。川西はモニターに注文を出している。ワンコーラス終わったところで、OTが「イェーッ!」と、シャウト一発で会場とメンバーに気合いを入れる。カッコいい!

 続く「夢見る男」は、今回のツアーで完全にブレイクしたEBIが、ハンドマイクでくねくね身体をよじらせて歌うロカビリー・ナンバーだ。ふと見ると、キーボード・ブースにABEDONがいない。いつの間にかベースを抱えてフロントでOTと並んでプレイしている。バックステージではスタッフがフラフープの用意をしている。それをEBIに運んで行ったのと入れ替わりに、カメラマンの三浦麻旅子さんが横からユニコーンを狙うためにバックステージに入ってくる。彼女の後ろに行ってみると、メンバーの背中の向こうに大喜びのオー ディエンスと大空が見えて、いいポジションを取るものだなあと感心した。

 「頼みたいぜ」では♪ゴーゴー バック ゴーゴー♪と、OTと観客がコール&レスポンスするシーンを背後から見る。演奏が始まった時点よりも、オーディエンスの表情がパワフルになっているのがわかる。「あなたが太陽」の中盤でOTとテッシーが踊るシーンは、横から見るとかなり面白い。そして「自転車泥棒」では、オーディエンスの向こうに広がるテントサイトが見えて、つくづく夏を感じさせてくれた。

 そうした充実したステージの背後では、スモークマシンを操る女性スタッフが、状況を観察しながら細かくスモークを調整している。

 佳境は「ひまわり」だった。ABEDONの雄大なオルガンが、広大な会場に響き渡る。後ろから見ていると、ABEDONはあまりたくさん弾いていないことに気付いた。だが、彼の出す音は全体を引き締め、あるいは色彩感をとても効果的にユニコーン・サウンドに与えている。終演後、ABEDONは「キーボードは、何を弾かないかが大事。全部“引き算”でやってるよ」と語ってくれた。

 そのABEDONが、「WAO!」でステージから消えた。いつものようにフライングVを抱え、OTと缶ビールで乾杯して始まったこの曲で、会場は大いに盛り上がる。その途中で、こちらからABEDONの姿が突然見えなくなった。身を乗り出して見ると、観客の視線が、ステージの下に向いている。それでようやくABEDONが舞台から降りて走り回っているのがわかった。こればっかりは、バックステージから見えない。残念、残念。

 大興奮のライブは、次の「服部」でピークを迎えた。少し腰を落としてハンドマイクで歌うOTが、♪大人の恋なら キャリアが必要♪と叫ぶ と、その説得力はハンパない。♪無敵の服部 世界を一人占め♪は、ユニコーンのためにある歌詞だ。バックステージにはカメラマンの山本倫子さんが駆け込んでくる。先の三浦さんと同じ位置からバンドを狙うのが面白い。きっと優れたカメラマンの勘が、同じポジションを選ぶのだ ろう。ベテラン三浦と新鋭・山本が揃ったユニコーンのバックステージ・ショットの仕上りが楽しみだ。それにしても女性カメラマンは元気だなあ!

 締めは「Feel So Moon」。夕暮れの石狩にふさわしい、ビッグスケールのエンディングになった。

 5人は満足気な顔で引き揚げてくる。「ステージには風があって、気持ちよかったよ」と川西。楽器に触れずにステージに上がった作戦が、見事に功を奏して、最後までフレッシュなユニコーンを堪能したライブだった。マネージャーが用意したツメシボと水を受け取って、バックヤードへの階段を下りるユニコーンは、もう「ジンギスカン焼 く?」と、気分を早くも切り替えていたのだった。

【取材・文:平山雄一】
【撮影:三浦麻旅子】

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リリース情報

イーガジャケジョロ【初回生産限定盤】(CD+DVD)

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2014年03月26日

Ki/oon Music

[CD]
1. イーガジャケジョロ
2. 夢見た男
3. Boys & Girls
4. あなたが太陽
5. 早口カレー
6. We are All Right
7. KEEP ON ROCK’N ROLL
8. 俺のタクシー
9. ユトリDEATH
10. トキメキーノ
11. お前BABY
12. それだけのこと
13. 鳥の特急便
14. Feel So Moon

[DVD]
MOVIE27
「冬季ゴニンピック ~13/14秋冬シーズンを観測、笑いの祭典~」
「Feel So Moon」 Music Clip

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お知らせ

■ライブ情報

OTODAMA’14~音泉魂~
2014/09/07(日)大阪・泉大津フェニックス

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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