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水曜日のカンパネラ SOLD OUTとなった大入りのZepp DiverCityライブレポ

水曜日のカンパネラ | 2016.03.07

 ケンモチヒデフミ(作曲/編曲担当)による影アナが流れ、観客が沸いていた開演前。ステージ上のスクリーンにはミステリアスな球体が脈動し、時折、オリジナルグッズの紹介画像に転じるなど、早くもユニークな演出が発揮されていた。そして、いよいよ迎えた開演時間。ステージ後方の高台に現れたコムアイ(主演/歌唱担)を包んだ観客の歓声が猛烈に熱かった。1曲目に届けられたのは、不思議なトーンのメロディが恍惚を誘った「西玉夫」。続いて、しなやかに舞い踊るコムアイの姿に会場内の誰も彼もがすっかり釘づけとなった「ウランちゃん」。彼女の神々しい存在感に刺激され、観客が一斉にトランス状態となっていた「ユタ」……非日常の空間に一気に巻き込んでくれたオープニングであった。

 「うわあ、すごい人! 今週いろいろあって。今日はほんとアンコールみたい。ご褒美のように好きにやろうかと(笑)」、24日(水)に大阪公演を行い、27日(金)には『ミュージックステーション』に出演するなど、様々な動きがあった数日間を振り返りつつ、今日のライヴを迎えた喜びを語ったコムアイ。「埋まってみると、この会場広いね。2千人なの? 市でも作ろうか? 村くらい作れそう(笑)」、独特な表現が観客の和やかな笑いを誘った後、披露されたのは「猪八戒」と「小野妹子」。腕を振り上げて踊る人々の勢いが、どんどん激しさを増す。しかし、そんな盛り上がりの直後に、明日、MV撮影で訪れる土地についてユルユルとしたトークを繰り広げたり、「今日、ちなみに親が来ています」という言葉を受けて立ち上がって挨拶をした父親を「やめてよ~」とたしなめたり。パフォーマンス中の圧倒的な輝き/親しみやすいキャラクターが滲むMC……というギャップも魅力的だった。

 大量のスモークが漂う中、軽快にステップを踏みながら歌った「ライト兄弟」。フラッシュライトが明滅する視覚効果を交えつつ盛り上げた直後、コムアイが優雅にセグウェイで走り回る姿のインパクトが絶大だった「ツイッギー」……いつものことながら、何が起こるか分からないのが水曜日のカンパネラのライヴ。後半戦は、特に片時も目が離せない場面の連続だった。SEが流れている間に素早く衣装チェンジを済ませると、1階フロアに突然現れた彼女が歌い始めた「ナポレオン」。たくさんの提灯が吊るされていて、マネキンの腕がニョキニョキ生えている不思議な神輿に担がれながらフロア内を巡り、観客を大喜びさせていた。その次の「モスラ」では、2階席に出現。白い風船を1階に投げ込み、ますます人々を熱狂させた。そして「桃太郎」は、あの場にいた全ての人にとって忘れられない記憶となったはずだ。《♪きびだーん きびきびだーん》、お馴染みのフレーズを歌いながら1階に突入したコムアイは、なんと透明の球体の中に入っていた! 観客の頭上を転がりながらパフォーマンスを繰り広げる風景は、何やらファンタジーの世界を見ているような気もしてくる強烈さだった。

 「気持ちいい~。すごい開放感」、透明の球体から外に出るや否や放たれた、のんびりしたトーンの言葉が大爆笑を起こして迎えたインターバル。「超楽しいんだよ。大阪だとすぐにステージに戻っちゃったので、今日は自分で転がりました」、球体を使ったパフォーマンスは、コムアイもかなりお気に入りの様子だった。そして、《♪いい湯だね》というコール&レスポンスを交わして「ディアブロ」へと突入。観客は大合唱しながら興奮を露わにする。その盛り上がりをさらにエスカレートさせたのが「ラー」。金色の特効のテープが降り注いだフロア内で踊る人々のエネルギーが、会場全体をグラグラと揺さぶった。そして、「シャクシャイン」が始まると、一層のトランス状態が広がっていく。ダンスミュージックとしても高性能な水曜日のカンパネラの威力を、まざまざと体感させられる場面であった。

 『ミュージックステーション』の出演を改めて振り返ったMCタイム。「これからも応援してください。面白くて、美しくて、かわいいことをたくさんできるように。自由に楽しくやってるので、これからも安心してください」と呼びかけた後、「女子だから周りに甘くしてもらってる。ハードルは下がってる。そこに甘えずに“これは良くて無視できない”っていう方に入りたいです。話題性だけじゃなくて、もうちょっとだけ真面目に芯がある感じにしたいと思います!」と力強く宣言して喝采を浴びていた。そして、「モノポリー」と「ミツコ」を立て続けに披露。後方のスクリーンに流れる映像、飛び交うレーザー光線、色彩を激しく変化させる照明とシンクロしたサウンドがドラマチック極まりない。伸び伸びと歌うステージ上のコムアイが、とても凛々しく見えた。

 キャンドル風の光を放つLEDスティックを駆使してダンサーチームと共に幻想的なパフォーマンスを繰り広げた「マッチ売りの少女」。大量のスモークが漂う中、赤色の回転灯をミステリアスに揺らめかせながら歌った「メデューサ」。2曲を披露して締め括られた本編。しかし、興奮状態となった人々の歓声は止まらない。「もう1曲やっていいですか?」と呼びかけたコムアイは1階フロアに現れ、「ドラキュラ」を歌い始めた。ヤフオク!で5千円で落札したのだという大きな招き猫型バルーンが投入され、観客は大はしゃぎしながら《♪ちーすうたろか》と大合唱していた。コムアイに指名されたケンモチヒデフミの少々照れくさそうな《♪ちーすうたろか》という歌声を経てエンディングに至ると、会場全体から一斉に起こった明るい拍手。そして「これからもよろしく! 2階席のみんなごめんね。真下にいます。みんなの生気を吸い取って歌いました」……彼女の姿が全く見えない2階席の観客にウィットに富んだお詫びの言葉が届けられて終演を迎えた。コムアイ(作曲/編曲担当)、ケンモチヒデフミ(主演/歌唱担当)、Dir.F(それ以外担当)、様々なクリエイターが集って未曾有のエンタテインメントを実現している水曜日のカンパネラ。今回のライヴも全篇が圧倒的だった。

【取材・文:田中 大】
【撮影:YUKITAKA AMEMIYA】

tag一覧 ライブ 女性ボーカル 水曜日のカンパネラ

リリース情報

ジパング

ジパング

2015年11月11日

TSUBASA RECORDS

1.シャクシャイン
2.猪八戒
3.メデューサ
4.ラー
5.ツイッギー
6.ウランちゃん
7.ライト兄弟
8.小野妹子
9.西玉夫
10.マッチ売りの少女

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セットリスト

ワンマンライブ OEDO!
2016.2.28@東京 Zepp DiverCity

  1. 西玉夫
  2. ウランちゃん
  3. ユタ
  4. 猪八戒
  5. 小野妹子
  6. ライト兄弟
  7. ツイッギー
  8. ナポレオン
  9. モスラ
  10. 桃太郎
  11. ディアブロ
  12. ラー
  13. シャクシャイン
  14. モノポリー
  15. ミツコ
  16. マッチ売りの少女
  17. メデューサ
アンコール
  1. ドラキュラ

お知らせ

■ライブ情報

BEA×Zepp Fukuoka presents FX2016 Zepp Fukuoka Final Stage
2016/03/19(土)Zepp Fukuoka

Output 4th ANNIVERSARY SPECIAL「Output×ナムラホール」
2016/03/20(日)沖縄 Livehouse Output / ナムラホール

GOOUTJAMBOREE2016
2016/04/16(土)静岡 ふもとっぱら

ARABAKI ROCK FEST.16
2016/04/29(金・祝)、30(土)みちのく公園北地区エコキャンプみちのく

森、道、市場2016
2016/05/13(金)-15(日)愛知 大塚海浜緑地

METROCK2016
2016/05/22(日)新木場・若洲公園

VIVA LA ROCK 2016
2016/05/28(土)、29(日)さいたまスーパーアリーナ

百万石音楽祭 2016 - ミリオンロックフェスティバル -
2016/06/04(土)、5(日)石川県産業展示館 1~4号館

SUMMER SONIC 2016
2016/08/20(土)、21(日)QVC マリンフィールド&幕張メッセ

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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