前へ

次へ

BUMP OF CHICKEN 3万2千人のハンドクラップが鳴り響く中スタートしたツアー初日をレポート

BUMP OF CHICKEN | 2017.10.01

「お客さんが聴いてくれることのありがたさを何度も何度も僕たちにわからせてくれて、すごく幸せな気持ちでした。みんなからもらった力を音楽に変えて、全国に届けてこようと思います」という藤原基央の終演直後の言葉に盛大な拍手と歓声が起こった。見事なツアーの幕開けだった。メンバー4人はただひたすら音楽を届けることに専念し、集中していた。そして観客もバンドの歌と演奏をしっかり受け取って、熱烈に反応していた。『BUMP OF CHICKEN TOUR 2017-2018 PATHFINDER』の初日、幕張メッセ国際展示ホール1~3。5か月におよぶロングツアーで全29公演、総動員数約30万人が予定されていて、今回の幕張2daysだけでもトータル6万4千人の動員となった。初日のステージは会場内の3万2千人のハンドクラップが鳴り響く中で始まった。

「こんばんは、BUMP OF CHICKENです。会いたかったぜ、幕張!」と藤原が曲の途中にMCを挟んで挨拶している。藤原基央(ボーカル&ギター)、増川弘明(ギター)、直井由文(ベース)、升秀夫(ドラムス)の4人の奏でるアンサンブルは格別だ。新作のアルバムをリリースしてのツアーではないのだが、ここ1年くらいの間に配信限定でリリースされた新曲も何曲か演奏されて、最新のバンドの息吹きも感じとることができる。と同時に、この21年間のキャリアを網羅するような選曲にもなっていて、これまでのバンドの歩みに思いを馳せる瞬間もあった。代表曲、人気曲に大きな声援が起こるのはもちろんのことなのだが、久々の曲、レアな曲にも大きな歓声が起こっていた。特定の曲だけが人気があるのではなくて、どの曲もリスナーにとって大切な存在になっていることがはっきりわかる。

1曲1曲の世界観と絶妙にリンクした照明や映像も見事だった。ツアーはまだまだ続いていくので、ここではその詳細には触れないが、音楽を届けるという目的に向けて、研ぎ澄まされたシャープで洗練された演出という印象を受けた。演奏はもちろん、ライブ空間を構築していくという点でも彼らは着実に成長し続けていた。変わらないのはメンバーそれぞれの飾らない率直なキャラクターだ。
「会いたかったぞ~! 初めましての人にも、いつも聴いてくれている人にも届くように、心をこめて演奏するので、最後まで聴いてやってください。みんなの声を聴かせてもらってもいいですか」という直井の声に合わせて、大きなコール&レスポンスが会場内に響き渡っていく。

増川のクリアーなトーンのギターから始まったのは今年7月5日に配信限定シングルとしてリリースされた「記念撮影」だった。藤原の伸びやかな歌声が胸に真っ直ぐ響いてくる。升が繊細なリズムを刻み、直井のベースが曲の世界観に奥行きを付けていく。ヒリヒリとした感触を持ちながらも、透明感と広がりがあって、スケールの大きな演奏だ。藤原のボーカルもさらに精度と純度が増していて、歌が強く深く入ってくる。観客を未知なる未来へと誘っていくようなパワーを備えたバンドサウンドが素晴らしい。

ツアー・タイトルの中にある言葉、“PATHFINDER”を直訳すると、開拓者、先駆者、探検者、といったところだろうか。火星探査船の英語が“Mars Pathfinder”であることなど、どこか宇宙的な広がりを連想させる言葉の響きも含めて、BUMP OF CHICKENならではの言葉と言えそうだ。今回のツアー限定のタイトルではあるのだが、この21年のバンド活動そのものにもこの“PATHFINDER”という言葉が当てはまりそうだ。BUMP OF CHICKENの描く音楽が独特であるのは、自分を取り巻く世界、外部に向ける視線とともに、自分の内側にある小宇宙を探索していく視線が同時に存在している点にあるのではないだろうか。この日のステージを観ながら、そんなことも感じた。

「ツアー初日、みなさんと迎えられて最高です。めちゃくちゃ会いたかったです。今日のために生きているようなもんだ、俺らは! 今回のツアー、結構昔の曲もやってて、あれ? この曲はなんだという人もいると思いますが、もし良かったら、新曲気分で聴いてくれたらいいなと思います」と直井。ちなみに、その後のMCで藤原が「チャマがさっき“この日のために生きている”みたいに言ってたけど、美味しいお肉を食べると、すぐにそういうことを言います」と語っていたのがおかしかった。そうしたツッコミも含めて、4人の絆の深さも見えてきた。

印象的だった光景は広い幕張のステージなのに、3人が升のもとに集まって、半径数メートルくらいに中で向き合い、息を合わせて、演奏のフィニッシュをするシーンだった。この日、彼らは何度も升のもとに集っていた。彼らはバンドの基本、原点を大切にしながら、精巧で繊細でみずみずしくて、なおかつ壮大で強靱なバンドサウンドを紡ぎ出していた。2016年12月に配信限定シングルとしてリリースされた「アンサー」では伸びやかな歌と躍動感あふれる演奏が見事だった。藤原の歌声に直井も増川もハモっている。直井の深みのあるベースでフィニッシュすると、大きな拍手が起こった。藤原のアコースティックギターのつまびきに、表情豊かな直井のベースが絡んで始まったのは「リボン」。増川のニュアンス豊かなギターの音色が会場内を満たして、藤原の温かな歌声が入っていく。そして升の生命力あふれるドラムが加わっていく。人間味あふれる演奏が素晴らしい。演奏が展開していく中で、曲の色合いが変化していく。BUMP OF CHICKENの音楽は確実に深化していた。

ステージ上からも客席からも喜びと感謝の思いが飛び交っていくような夜だった。会場内には最初から最後まで、温かな一体感が漂っていた。3万2千人が一丸となってシンガロングしたり、ジッと耳を傾けたり。常に音楽が真ん中にあるコンサートだった。ただ楽しいだけでない。観客の内面に確かな痕跡を刻んでいくような深いライブでもあった。感動が行動をうながし、深い歌の世界観が新たな視点をもたらしてくれることがある。“PATHFINDER”とはバンドだけでなく、彼らのライブを体験した観客全員のことを指しているのかもしれない。ともに感じ、ともに探索し、ともに進んでいく。そんなとてつもないツアーが始まった。

【取材・文:長谷川 誠】
【撮影:古溪一道】

tag一覧 J-POP ライブ 男性ボーカル BUMP OF CHICKEN

リリース情報

[配信]記念撮影

[配信]記念撮影

2017年07月05日

トイズファクトリー

1.記念撮影

お知らせ

■ライブ情報

BUMP OF CHICKEN TOUR 2017-2018 PATHFINDER
10/03(火) 朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター
10/08(日) 静岡エコパアリーナ
10/09(月・祝) 静岡エコパアリーナ(追加公演)
10/24(火) Zepp Nagoya(再追加公演)
10/25(水) Zepp Nagoya(再追加公演)
10/31(火) 大阪城ホール
11/01(水) 大阪城ホール
11/08(水) 新木場STUDIO COAST(再追加公演)
11/09(木) 新木場STUDIO COAST(再追加公演)
11/18(土) 広島グリーンアリーナ
11/19(日) 広島グリーンアリーナ(追加公演)
11/27(月) Zepp Osaka Bayside(再追加公演)
11/28(火) Zepp Osaka Bayside(再追加公演)
12/09(土) 宮城セキスイハイムスーパーアリーナ
12/10(日) 宮城セキスイハイムスーパーアリーナ
12/16(土) 石川県産業展示館4号館
12/26(火) アスティとくしま

[2018]
01/10(水) 日本ガイシホール
01/11(木) 日本ガイシホール
01/16(火) 神戸ワールド記念ホール(再追加公演)
01/17(水) 神戸ワールド記念ホール(再追加公演)
01/27(土) マリンメッセ福岡
01/28(日) マリンメッセ福岡
02/10(土) さいたまスーパーアリーナ(再追加公演)
02/11(日/祝) さいたまスーパーアリーナ(再追加公演)

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

トップに戻る