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今年結成10周年を迎えた04 Limited Sazabysが、Zepp Tokyoに刻んだ確かな足跡

04 Limited Sazabys | 2018.02.02

 昨年、日本のメロディックパンクシーンに大激震が起こった。Hi-STANDARD、18年ぶりとなるフルアルバムのリリースと全国ツアーである。ファンはもちろんこと、ハイスタから多大な影響を受けているバンドの多くが彼らの本格的な始動に湧いた。04 Limited Sazabysはそのツアーで彼らと同じステージに立ったバンドのひとつ。90年代パンクの要素を感じさせる楽曲を多く送り出してきたこの4人組も、ハイスタとの対バンから感じたことは少なからずあったはず。こういったことをきっかけにバンドは、シーンは変化していくものだと思う。
 さらに、昨年フォーリミは2度目となる主催フェスYON FESを行った。大きなイベントをオーガナイズする立場になったことで芽生えた意識もあるだろう。こういった経験が4人にどんな変化をもたらしたのか、今回のワンマンツアーにどんな影響を与えているのか、それが個人的な注目ポイントだった。

 外の寒さとは真逆の、モワッとした熱気に包まれたZepp Tokyoのフロアは「そんなに入れて大丈夫か?」と心配になるぐらいパンパン。そして、キッズがとにかく賑やかだ。ハレの日特有のテンションの高さに音が鳴る前から圧倒される。
 ステージに目をやると、そこには非常に凝ったセットが組まれていた。崩れかけの壁にグラフィティアートが描かれていて、80年代の荒廃したNYのストリートを思わせる。しかもそれだけではなく、オープニングナンバーの「Feel」が始まると、色とりどりに激しく明滅する照明やレーザーが暗闇を切り裂き、ド派手にステージを彩った。

 その一方で、4人のパフォーマンスはどっしりと安定。余裕のあるステージ運びだ。これまでに重ねてきた経験のなせる技なのか、随所にバンドの成長が感じられた。まずは演奏面において。4人とも勢いに任せて突っ走ることがない。派手なアクションでフロアを煽ることもなく、一音一音を大事に、楽曲を、GENのボーカルをしっかり観客に届けることを意識しているのが伝わってくる。MC以外での煽り役はRYU-TA(G&Cho)なのだが、闇雲に動き回るのではなく、明確な意図をもって要所要所で舵を取っている。HIROKAZ(G)とKOUHEI(Dr&Cho)は演奏に集中。特に、KOUHEIの軽快なドラミングはバンドの勢いをブーストし、目立たないながらも随所で切れのあるプレイを見せていた。そして、後述する中盤のちょっとしたお遊びコーナーを設けていたためか、MCは控えめで、その分、ストイックなパフォーマンスを堪能することができた。言い換えると、比較的落ち着いたステージングだったとも言える。しかし、これは敢えて狙っていたことのように思える。その理由は照明だ。

 前述したように、この日の照明はとにかく派手。各照明の配置、カラフルな色使い、そしてレーザー。これらが効きまくった。照明はパンク系のライブだと二の次にされがちな存在だが、フォーリミのライブでは主役級の存在感がある。1曲たりとも同じ構成にはならず、それぞれが楽曲に合ったものになっていて飽きさせない。こういう裏方の存在があるからこそ、4人は演奏に専念することができたのだろう。いや、これはもはや裏方ではない。第5のメンバーと言っていい。こういった演奏以外の要素も含めた上で自分たちのパフォーマンスを考え、独自の形を模索しているんだと感じた。こういった試みが、日本のパンクシーンにおける新たな形、進化につながっていくのだろう。

 ライブのちょうど中盤に挿入されたお遊びのコーナーは賛否両論あるかもしれない。今回のツアータイトルに絡め、飲料水の“スコール”をフロアから選ばれた観客が早飲みするというもの。KOUHEIが軽快に司会役を務め、女のコを若干有利にしてあげたり、臨機応変に場を回していた。いい意味でバンドマンぽくない。ただ、硬派にステージを進めて欲しいファンからすると、余計な余興に見えてしまうか。自分としては面白い試みだと思ったし、ただの茶番では片付けられない時間だった。なぜなら、ちょうど中盤に小休止したことにより、ステージ、フロアともにフレッシュな気分で後半戦に突入できたからだ。大名曲「monolith」をその1曲目に配置したことからも、そういったバンドの意図が伝わってくる。

 ここまで挙げてきた要素をビシっとまとめたのがフロントマンのGEN。彼の人間的成長は顕著だ。これまでは時折見せる挑発的な態度や発言が彼らしさだと認識していたが、この日はそういった態度が一切なかった。むしろ、常にポジティブなアティチュードで観客を引っ張っていたし、予定調和を排し、ありのままの姿でステージに臨んでいた。「自分だけのためにやるには限界があるし、誰かのためにと思ってるほうがパワーが出る」「皆さんの未来が少しでも輝くように」といったMCからも彼の心根が伝わってくる。「うれしい」「ラッキー」といった言葉も印象的だった。おそらく、フロントに立っている彼だけでなく、他の3人も似たような想いだったのかもしれない。

 さらに、GENからはファンを教育しようという姿勢も垣間見えた。痴漢はするな、格好良いダイブを見せろという兄貴らしい言葉が随所で聞かれた。彼らはもう若手ではなく、中堅どころに足を踏み入れるぐらいのキャリアを積み重ねてきた。こういった変化が頼もしく映る。
 アンコール含めて24曲を一気に駆け抜けた4人。本調子とは言えないながらも、大きく崩れることなくステージを完遂した姿は実にタフだったし、自分たちの手で新たな道を作っていくんだという気概も感じた。しかし、彼らは4人だけの力で上に行こうとは考えていない。そこには多くのファンやスタッフの存在も含まれている。できるだけ多くの人間を巻き込んでシーンを引っ張っていく。その重要性を4人はしっかり認識しているのだ。

【取材・文:阿刀”DA”大志】
【photo by Viola Kam (V’z Twinkle Photography) 】

tag一覧 J-POP ライブ 男性ボーカル 04 Limited Sazabys

リリース情報

My HERO / 夕凪【12cmCD】

My HERO / 夕凪【12cmCD】

2018年03月14日

日本コロムビア

1.My HERO
2.夕凪

セットリスト

ワンマンツアー「Squall tour」
2018.1.19@Zepp Tokyo

  1. 01. Feel
  2. 02. knife
  3. 03. escape
  4. 04. Warp
  5. 05. swim
  6. 06. medley
  7. 07. Chicken race
  8. 08. days
  9. 09. Now here, No where
  10. 10. happiness
  11. 11. me?
  12. 12. Do it Do it
  13. 13. monolith
  14. 14. capture
  15. 15. fiction
  16. 16. discord
  17. 17. Letter
  18. 18. fog
  19. 19. milk
  20. 20. hello
  21. 21. Horizon
  22. 22. Squall
  23. <アンコール>
  24. 23. Terminal
  25. 24. Give me
  26. 25. Remember

お知らせ

■ライブ情報

uP!!! SPECIAL LIVE HOLIC vol.15 supported by SPACE SHOWER TV
02/03(土)[大阪]大阪なんばHatch

STRIKE!! PURN!
03/02(金)[富山]クロスランドおやべ
03/03(土)[長野]茅野市民館

ツタロックフェス2018
03/18(日)[千葉]幕張メッセ

YON FES 2018
04/07(土)[愛知] モリコロパーク 愛・地球博記念公園
04/08(日)[愛知] モリコロパーク 愛・地球博記念公園

go!go!vanillas "FOOLs Tour 2018~音楽馬鹿達と春のナイトピクニック~"
04/21(土)[大阪]なんばHatch

ARABAKI ROCK FEST.18
04/28(土)[宮城]エコキャンプみちのく
※出演日は後日発表

04 Limited Sazabys 10th Anniversary Live
04/29(日)[神奈川]横浜アリーナ
05/05(土)[愛知]日本ガイシホール
05/11(金)[大阪]大阪城ホール

OSAKA METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2018
05/19(土)[大阪]METROCK大阪特設会場

TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2018
05/26(土)[東京]新木場・若洲公園

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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