フジファブリックがニューシングル「Light Flight」をリリース!

フジファブリック | 2012.10.22

 フジファブリックが、ニューシングル「Light Flight」を完成させた。つい、歌詞に3人で再出発した彼らの状況を重ね合わせてしまいそうになるが、そういったところを知らない人が聴いても、純粋に“いい曲”と捉えることができるような、真っ直ぐなバラードである。それでいて、カップリングの「JOY」では、変化球を投げまくっているところも彼ららしい。めっぽう逞しくなってきたライヴの様子を入口に、根掘り葉掘り訊かせてもらった。

EMTG:最近のライヴを見ていると、どんどん山内さんが、歌に寄り添うんじゃなく、歌を引き寄せるようなボーカリストになってきたように思えるんですよね。
山内:自分ではよくわからなかったりもするんですが、例えば志村くんが作った曲でも、ライヴとなったら自分の表現方法でやっていきたいので、ちょっとずつ慣れたというか、そういうところが大きいと思います。
EMTG:ボーカリストとしての自覚も高まっているんじゃないですか?
山内:そうですね。確かに、例えば、夜あまり寝なかったら声が出ないから気を付ける、とかはやっていますけど(笑)。
EMTG:お二人から見てどうですか?
加藤:そうやって律するようにはなっていると思いますよ。
山内:マジで!?
金澤:そうね。朝まで飲むことは減ったもんね。
山内:でも、その分、何もない日は朝まで飲みたいんですよ。だから、飲まない日と飲む日のオンオフははっきりするようにはなったかもね。
EMTG:加藤さんと金澤さんの役割も、増えましたよね。
二人:増えましたね。
山内:でも、それも楽しんでやれているからね。
EMTG:そういった経験も踏まえて「Light Flight」に繋がっているというか。
山内:この体制ではじめてのこともありますし、過度に受け止める必要はないとは思うんですが、軽くも受け止められないので、精一杯やるしかないんですけど、それを繰り返してきて、次に自分たちが何を言いたいか、何をやりたいかっていうことがはっきりしてきて、このシングルになったっていうのは感じますね。自分たちのメッセージは、何をやっても再出発って言われてしまうところはあるんですけど、まあ、それもあながち間違っていないし、いつも真新しい気持ちでやっていける、そういうところが曲には込められていると思いますし、そういうものを出すべきだと思いました。先程受けたインタビューでは、シングルらしからぬシングルって言われたんですけど、確かにシングルらしい曲にしないととかはあまり考えていないというか、世間知らずなのかもしれないですけど、シングルっていったらもっとアッパーで、とかあるんでしょうね(笑)。
EMTG:戦略性より、自分たちがやりたいことを考えたというか。
山内:そうですね。
EMTG:それって、自信があるからこそできることのような気がします。
山内:まあ、自信がついてきてるっていうのもあるんでしょうね。音楽を続けていく上で、自分たちにしかできないことがあるっていう。それは、ツアーを経て、お客さんからもらったっていうところもありますし。
EMTG:フジファブリックはお客さんとの信頼関係が厚いですよね。ライヴを見ていると、いつもそう思います。
山内:嬉しいですね。自分たちは普通にやってるだけなんですけど、だからこそざっくりとし過ぎた瞬間も出てしまうんだろうなって。それで見てくれる、聴いてくれる人がいろいろ思ってくれればいいなって。
EMTG:歌詞は加藤さんと山内さんの共作なんですよね?
山内:基本的には加藤さんが書いたんですけど、僕が歌うところを考えてくれて、いろんなパターンを出してきて。この歌詞に取り掛かる前に、夕方くらいかな、とかね。
加藤:設定を考えて。でも、やっていくうちに、夜だよねって変わっていって。
山内:そのキッカケも、スタジオで出てきたみんなのプレイを見ながら、風景がどんどん広がっていくんですよね。そういうことを逐一話していってね。
加藤:そうやって、みんなで風景を共有していくというか。
EMTG:じゃあ、みんなの思いが詰まっているんですね。
山内:そういうものを出したいと思っていましたね。ただ、その都度やり方に固執せずに、いろんなことにチャレンジしたいとは思っています。
金澤:うん、みんな同じことを考えながらやっているところが、いいなって思って。
山内:バンド自体はベタベタとかしていないんですけど、執拗なまでに情報交換していたりしますし……仲がいいんです(笑)。
EMTG:バラードっていう曲調に関しては、どうですか?
山内:もう一曲、候補となっていた曲があったんです。そっちの方は、完全に奇天烈ソングだったんですけど、二択の中で自然とこっちになったんですよね。
EMTG:こういう曲の方が、ボーカリストとしての力量が試されますよね。
山内:そうですよね、恐ろしいですね(笑)。そういう意識も欠けてんのかな……普通にやればいいと思ってるからな。
EMTG:でも、山内さんの声に、こういうストレートな曲は合いますよね。
山内:そうですか! 嬉しいですね。あんなふうにヴィブラートかけられたらとか、ルーファス・ウェインライトみたいに歌いたいなって思うけど、できないので(苦笑)。まっすぐ歌うしかないんですけどね。歌ってても気持ちが入りますし、それが曲のパワーになっているのかな、って思ったりはします。
EMTG:それでいて、カップリングに「JOY」のような奇天烈ポップが入ってると、フジファブリックの場合は安心するところもあって。
山内:自分たちでも、そう思っているところはあります。「Light Flight」が王道なら、「JOY」はいい感じに、なんですかこれ!? ってなってると思うんですけど(笑)。
EMTG:次々にねじれていくような展開で、アイディアの宝庫ですよね。
山内:一番時間を使うのは、アイディアが浮かんだ時に試す作業なんですよね。スタジオの延長料金が掛かる……すみません、っていう(笑)。
EMTG:その思いは、歌詞の《笑っていたいから》っていう一節に繋がっているのかなって。素直な思いが表れたんでしょうかね。
加藤:そうですね……素直ですね、はい。
EMTG:言わせたみたいになって、すみません(苦笑)。
山内:いやいや、いつものことです。何か言おうと思ったけど、やっぱり素直に書いていたっていう(笑)。
EMTG:ライヴでどうなるのかも、予想できなくて楽しみです。
山内:そうですね、まだリハーサルがはじまっていないですし。先日、ダイちゃん(金澤)と加藤さんに「この曲は弾かずに踊っておいてよ」って言ったら、嫌って言われたので(笑)。
金澤:振りがね。振りが決まればやりますけど……。
山内:どうなるんやろうね?
加藤:わかんないですね(笑)。

【取材・文:高橋美穂】

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ビデオコメント

リリース情報

Light Flight(初回盤)

Light Flight(初回盤)

2012年10月24日

SMAR

1. Light Flight
2. JOY
ディスク:2
1. 夜明けのBEAT
2. NAGISAにて
3. 徒然モノクローム
4. パレード
5. 虹
6. 流線形
7. STAR
(「徒然流線TOUR 2012」LIQUIDROOM追加公演(7/19)より)

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SUUMOですね。引っ越しを考えていて。10年弟と一緒に住んでいるんですけど、弟も30歳を越えたので、30代の男二人が一緒に住んでいることが、だんだんいたたまれなくなってきたので、別居したいんです(笑)。


■ライブ情報

New Single「Light Flight」発売記念!
「フジファブリックFREE LIVE at 代々木公園野外ステージ」

2012/10/24(水)代々木公園野外ステージ

FUJIFABRIC ZEPP TOUR 2012「Light Flight」
2012/11/16(金)仙台 Rensa
2012/11/18(日)Zepp Sapporo
2012/11/25(日)広島CLUB QUATTRO
2012/11/30(金)Zepp DiverCity Tokyo
2012/12/01(土)Zepp Nagoya
2012/12/08(土)Zepp Fukuoka
2012/12/09(日)Zepp Namba
2012/12/11(火)Zepp DiverCity Tokyo

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