Dragon Ash、決意のニューシングル「Here I Am」のロングインタビューを掲載!

Dragon Ash | 2013.05.29

 昨年、オリジナル・メンバーのIKUZONEを喪ったDragon Ashは、盟友KenKenのサポートを得てバンドの危機を乗り越えた。そしてついに、6人になって初めてのマキシシングル「Here I Am」をリリースする。
 「Here I Am」はそんなバンドの決意を、メロディアスな曲に乗せて堂々と宣言する。絶望から未来を切望し、♪この歌が君にも聴こえるように♪と歌う。“君”とはDragon Ashを待っていてくれた人であり、IKUZONEのことのようにも響く。
 カップリングの「Trigger」 は、Dragon Ashの最新型のミクスチャー・ロック。「Dance with Apps」は、なんとiPhoneアプリでほとんど作り上げたというシャレの効いたポップチューン。
この3曲で新生Dragon Ashを世に問うメンバーに話を聞いた。

EMTG:「Here I Am」はいつ頃、制作したんですか?
Kj:俺が作ったのが去年の秋ぐらい。去年の10月にライブが終わったんだけど、それぐらいから曲を作り出してたのかな。今年の1月からいろいろレコーディングしていて、「Here I Am」の録りは2月ですかね。
EMTG:去年の夏前は、バンドが今後、どうなるかわからないって言ってましたけど、新曲を作るのは苦しかったですか?
Kj:いや、そんなことはないっすよ。どうやっても解決する問題じゃないんで。でもそういうときじゃないと書けない歌もあるし、出来ないプレイもあると思うんで、そういうのをがむしゃらに記録してるみたいな感じでしたね。今は曲もいっぱい貯まってるんで、バンドとしてはすごいいい感じです。
EMTG:貯まってる曲の中から、「Here I Am」を6人のDragon Ashの最初のシングルにしたのは?
Kj:ウチは、シングルの選定が曖昧で。俺はあんまり言わないで、メンバーとスタッフとで決めたり。あ、でも俺が言うときもありますね。「これはリードでいきたい」とか。
EMTG:今回は?
Kj:「Here I Am」に関しては、言ってないです。録ったときからもう、そういう空気だった。それにカップリングの「Trigger」は、『バイオハザード』っていうゲームのタイアップありきなんで。その流れもすげぇ良くて。『バイオハザード』の宣伝やってるヤツが、同世代ぐらいだと思うんすけど、Dragon大好きで、ファンクラブとか入ってて(笑)。
EMTG:そういう世代だ!
Kj:そうそうそう。その世代の人が大人になって、ゲーム会社に就職して、自分が担当してるゲームのCMを俺達にやらせてくれるみたいな。そういうの、最近多いんすよ。ガキの頃から俺らやってるから、同じようにガキの頃から聴いてくれてたやつが仕事始めて、34才ぐらいだから結構いい感じで仕事してるじゃないですか。実力のあるヤツは仕事のリーダーになるタイミングで、いろんな話をウチにふってくれる。バンドを長くやると、こういうこともあるなって。
EMTG:その宣伝の人とは会ったの?
Kj:この前、撮影のときに会ったね。
桜井:うん。
Kj:そのときに初めて彼が話をもってきてくれたのを知って、こっちもすごい嬉しかった。なので、うん、俺、「Trigger」推してます(笑)。
EMTG:『バイオハザード』のCM曲で、「Trigger」=引き金って、すごくいいアイデアだと思った。
Kj:今、NHKの大河ドラマの『八重の桜』やってて、それが銃の話なんで。俺は銃は撃たないですけどね(笑)。そのドラマに佐久間象山っていう偉人が出て来る。今の日本の思想を作った人で。「Trigger」の詞は、その人の名言から取ってるんです。「何かを始めるとき、必ず誰かが立ちはだかるから、蹴散らして進め」っていう。
EMTG:佐久間象山は、あの当時から葉巻吸ってたりね。
Kj:一人だけ洋服も着てて。めっちゃカッコよかったっすね。
EMTG:そういう刺激から出てきた曲なんだ。
Kj:俺、基本的に実生活の中で得たことしか詞にしないっていうルールの元にやってて。フィクションは書かない。架空の物語ではないっていう。だからTwitterとかブログとかFacebookとか、何一つやってない。それはめんどくさがりっていうのもあるけど、一番大きい理由は、自分の思ってることを音楽にするから。自分のアウトプットは、“詞”だっていう。たとえばドラマとかああいう現場にいると、1週間別人格でいるわけじゃないですか。自分の役の人格のときに詞を書くのも面白いかなって思って書いたのが「Trigger」。
EMTG:「Trigger」は不穏なエネルギーに満ちていて、僕にとっては「Here I Am」よりも、6人のDragon Ashの最初のシングルらしく聴こえた。
Kj:へぇー! まぁ好みもあると思うけど、初めて言われました、それは。ただそれを狙ったわけじゃないです。「Trigger」はこのタイミングで出す必要性は別になかったんだけど、タイアップが付くから、じゃあ入れようかなっていうぐらい。
EMTG:今の時点での、Dragon Ashのミクスチャーだと感じた。
Kj:俺達にとって、90年代中期にワーって流行ったミクスチャーに対するノスタルジーもあるしね。“オレンジカウンティ”っていうロスの地名をとったブランドのドラムが流行った。Limp BizkitだKornだ311だって、みんなオレンジカウンティ叩いてた。いわゆる“スコーン!”っていうスネア。あれを久々にサクが出してきたときにはキターー!っつって、俺は(笑)。
桜井:あれが好きなだけでしょ?(笑)
Kj:(笑)その時代を知ってる人には、「Trigger」はノスタルジーも付いてくるし、知らない人にはものすごくストレートでアグレッシブな方法論だなって思うかもしれない。どっちでもいいけど、やっぱハッキリ言ってやってて楽しいのはこういうことだなって思う。気持ちいいなって。
EMTG:ギターもカッコいい!
HIROKI:ちょうど「Trigger」を録るタイミングですごいジミヘンを聴いてたから、やったらカッコいいかなと思って。
Kj:クソひずんだジミヘンっつって(笑)。それぞれのノスタルジーが良い感じに作用したんじゃん。ドラマーはオレンジカウンティをたまには使ってみるかって思ったり、ギターはジミヘンにしてみようとかさ。いいじゃん、すごくそういうの。
EMTG:いいね、いいね。じゃ、話を「Here I Am」に戻しましょう。改めて、これをシングル・タイトル曲に選んだのは?
Kj:録ったときに、「これ、リードで行きますか?」みたいな雰囲気に全員がなったんですよ。
桜井:今年のだいたいの流れというか、再始動という区切りをつけるためにシングルを出しましょうっていうタイミングで、この曲のはまりがよかったというか。誰の反対もなく、「これがいいんじゃないでしょうか」っていう感じでしたね。
Kj:ただね、シングルを作ろうっていうバンドって居ないと思うよ。アルバムを作ってる道中として宣伝材料でシングルがあるっていうことだから。基本的にはいつどういうアルバムを着地点として作るかっていう。シングルはそれを決めてからっていう感じだから。
EMTG:アルバムのプランが最優先で、そこからシングルのタイミングを決めるってこと?
Kj:俺らっていうよりは、そこはスタッフが。ここでアルバム出したいから、じゃあここでシングル切ろう。ってことは、この辺までにリード曲が欲しいねって計画を立ててもらって、俺らは出来る限りその流れに沿うように努力するっていう。
EMTG:そして「Here I Am」の歌詞に込めたのは、Dragon Ashの再スター トってこと?
Kj:う?ん……再びという意識は強くないんだけど、どうやっても「再び」って見られるから、そのタイミングでそれをスルーして他のことを曲にするっていうよりは、一発そこと向き合って、「どうなんすか?」っていうのも聞かれないように、「これ見て分かんねぇのか?」ぐらいの曲を書いていけば気持ちが伝わるじゃないですか。CDを待ってくれてる人達、ライブに来てくれる人達が、「あいつら、そういう気持ちなんだ」って絶対に分かるから。そこを見据えるっていうのは、楽しい作業とは程遠いけど、一発こういうのをこのタイミングで出すっていうのは、バンドマンとして誠意のある行動だと俺は信じてて。ロックバンド然とした転がり方みたいなのかな。
EMTG:待ってくれてるファンのための曲?
Kj:いや、俺は俺のために歌ってる。多分メンバーみんな、自分の存在理由をもう一度知りたかったっていう気持ちでやってると思う。聴く人がどう取るかは分かんないけど。
EMTG:ライブで「Here I Am」は、どんなイメージの曲になるんだろう?
Kj:うん。昨日、テレビの収録があって、その前に一回リハやったんすけど、ベースのKenKenとも一回合わせたけど良い感じでしたよ。それでも、まぁ、テレビですからね(笑)。普段とは勝手が違うけど、完全生演奏だった。そういう形でやらせてもらえるということなので、出させていただいたっていう感じなんですけど。
EMTG:「Here I Am」に対するKenKenの感想は?
Kj:最初にリアクションをもらったのは、結構前だった。IKUZONEのことがあって、アイツも当事者の一人だから、すごく感情が入ったのかな。良い感想をいっぱいいただいた。
EMTG:もう1曲の「Dance with Apps」は?
Kj:ワンマンとかでやったら楽しそうだよね。効果的にああいう曲を挟めたら。
EMTG:iPhoneのアプリで作ってるね。誰でもこんな楽しいことが簡単にできるっていうアピール?
Kj:いや、ちょっと悪意を込めてなんだけど。最近、シングルを出せないミュージシャンの方が多いし、出しても1曲だけ入ってるとかでしょ。“マキシシングル”って俺らの時代に出来たものなのね。たぶんマッド(・カプセル・マーケッツ)辺りが最初にやって。俺、文化として大好きなの。ちゃんとシングルの中での世界観があって、ひとつのアートフォームになってるっていうかさ。
EMTG:3曲全部で世界観を描くっていう?
Kj:そうそうそう。今の1曲だけ出したりするのって、もうティッシュ配りに見えるのね。そういうのはあんま好きじゃなくて。まぁ時代がそういう時代だから、抗い続けることも無理があると思うんだけど。でも手間もお金もかかるからってことで、3曲目を入れないっていうのはすごく嫌なの。「Here I Am」も「Trigger」もアルバムに入るんなら、そんなシングル買う必要ないじゃん。だから悪意も込めて、iPhoneのアプリでほぼ全部作ったんだけど。アンプになったりするやつあるじゃん。「iRing」とかシーケンスとか使ったり。ほぼiPhoneで全部積んで、それをPro Toolsに入れて、シーケンスして、みたいな。俺はやっぱりマキシ出すんだったら、ちゃんと作り込むべきだと思うから。別に方法はなんでもいいじゃん。でもちゃんとやった方がいい。
EMTG:そして意識はアルバムに向かってる。
Kj:メンバーが当たり前のように集まって、当たり前のように一生懸命音楽を作るっていうバンドを長くやってて、今いちばん「良いアルバムを作りたい」っていう意欲が高いと思う。俺は去年、あそこで潰れなかった自分たちを誇りたいっていうのもあるかな。「Here I Am」もそういうメッセージだったりするんだけど、ここでもし俺たちが良いアルバムを作れたら、もう正真正銘のロックバンドだなっていう感覚に至るんじゃねぇかなって思う。
EMTG:ダンスの方は新曲の振付は出来てますか?
ATSUSHI:出来てます。具体的に身体の動きを考えるときもありますけど、そういうことよりは、そのときの空気感を大切にしてます。みんなの想いだとか空気感を優先してるのでな いかなって自分では思います。
EMTG:そろそろライブも再開するけど、ベーシストは?
Kj: KenKen以外、とても考えられない。ライブこんだけ一緒にやってれば、アイツはもうメンバーだから。だけど、レコーディングでKenKenにやってもらうと、“すごい大切な仲間であり、ライバルでもある3人組のバンド”の1人を借りることになるから、「それズルじゃねぇか?」っていうのもある。じゃあ、とりあえずレコーディングでは俺がベースをやってみようっていう。それが合理的だし、それでイマイチってなったら考えようってなって。
EMTG:KenKenも喜んで引き受けてくれるだろうしね。
Kj:もちろんもちろん。そうなんだよ。それが分かってるからこそ、甘えられないっていうかさ。俺もよく人に物を頼まれるタチだから、頼まれた人が本当に大変な想いをするっていうのが分かるからね。だから軽々しく頼めない。
EMTG:ドラムとの相性もいいしね。
Kj:うん。KenKenがベースを弾くって言うのはいいと思う。その方がサクも楽しいだろうし。それに短期間で同じ曲を何人ものベーシストとやってたら、グルーヴもどんどん変わるし、何が基準かっていうのが分からなくなってくるからね。
桜井:大変ですね(笑)。
Kj:歳下のKenKenに寄りかかって活動するのは忍びないけど、それでも今はやるべきだから。まぁなんにせよ、自分達の納得するアルバムを作るって言うのが本当に、唯一明確なランドマークだから。
EMTG:ありがとうございました。

【取材・文:平山雄一】

tag一覧 インタビュー シングル 男性ボーカル Dragon Ash

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リリース情報

Here I Am

Here I Am

2013年05月29日

ビクターエンタテインメント

1. Here I Am
2. Trigger
3. Dance with Apps

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●Kj
Dumb Ways to die

Kj:多分オーストラリアかなんかの鉄道会社のCMの曲なんだけど、「人はいろんな死に方をするから、安全第一でね」みたいな。アニメと共にすげえポップなカントリーっぽい曲を、女の子が優しく歌ってる。死のことなんだけど、コミカルに明るく歌っててすごくいい。それが話題になってて、いろんなバージョンがYouTubeに上がってる。実写でやってるやつらもいて、自分で蛇に噛まれたりとか。超面白いよ。

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桜井:最近よく検索してますね。個人の車なんですけど。車好きなんで。
Kj:俺が最近、車買ったんで、それのパーツとかめっちゃ見てる。

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矢沢永吉 「YES MY LOVE」

BOTS:音楽的なので言ったら矢沢永吉の「YES MY LOVE」。
Kj:“さん”ね。矢沢永吉さん。
BOTS:YAZAWAの「YES MY LOVE」!(全員爆笑)
ATSUSHI:大先輩を……(笑)。
BOTS:今、CMでやってるじゃないですか。それをYouTubeで検索して、それこそ昔のライブ映像とか見てて。すごい短い曲なんだけど、鳴ってますね、頭の中で。
Kj:コイツ表現、デカ過ぎじゃね?(笑)

●HIROKI
ジミヘン

HIROKI :YouTubeですごい検索してますね。

●DRI-V
CICO

DRI-V:最近ブレイクダンサーですごい人がいるっていうのを聞いて動画を検索しました。

●ATSUSHI
由来

ATSUSHI:俺、いろんな漢字の由来をよく調べてますね。地名の漢字とか。例えば東京に下馬(しもうま)ってある。で、東北に鹽竈(しおがま)神社っていうデカい神社があるんだけど、そこの近くに下馬って同じ字を書いて「げば」って読むところがあって。そこは神社に行くために、そこで馬を降りる場所だった。
Kj:じゃあ、上馬(かみうま)もそうだったのかな?
ATSUSHI:多分、上馬(かみうま)も下馬(しもうま)も何かあると思う。
EMTG:それを調べて悦に至ってるの?
全員:はははははは!!!(大爆笑)
Kj:そういうイジり方ね、差し支えないっす(笑)。でも、みんながスルーしてることを気になってるのを調べるのは、俺はいいことだと思います。当たり前のように自分が住んでるところの地名を「あれ? この由来って何なんだ?」って。
ATSUSHI:ありがとうございます。
Kj:ただ言ってることはデカいけどね(全員爆笑)。

■ライブ情報

京都大作戦2013
〜天の川 今年も宇治で 見上げな祭〜

2013/07/06(土)京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ

JOIN ALIVE
2013/07/20(土)いわみざわ公園(北海道)

OGA NAMAHAGE ROCK FESTIVAL vol.4
2013/07/27日(土)男鹿市船川港内特設ステージ(秋田県)

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013
2013/08/04(日)国営ひたち海浜公園(茨城県)

MONSTER baSH 2013
2013/08/24日(土)国営讃岐まんのう公園 (香川県)

RUSH BALL 15th
2013/08/31(土)・09/01(日)泉大津フェニックス(大阪府)
※出演日後日発表

BAYCAMP 2013
2013/09/07(土)川崎市東扇島東公園(神奈川県)

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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