注目を集める赤い公園が待望の1stアルバム『公園デビュー』をリリース!

赤い公園 | 2013.08.16

 5月5日、渋谷クアトロでの復活ライブで見せつけたバンドの成長にたがわぬアルバムだ。高いオリジナリティは、ややもすれば難解な音楽になりがちだが、随所に織り込まれた美メロで曲を牽引していく手法を早くも確立。聴きごたえのあるファースト・フルアルバムになっている。
 まず耳を引くのは、歌川菜穂(dr&cho)と藤本ひかり(b)のリズムセクションの成長だ。プッシュの効いた「もんだな」や、変幻自在の「つぶ」など、休止前とは明らかに違うシャープさを身に付けている。また佐藤千明(vo&key)は、 曲の輪郭をできるだけ正確に描こうとする丁寧さと、ボーカリストとしてのスケールの大きさをにじませる大胆さが同居して期待を膨らませる。そして津野米咲(g&pf&cho)が個性的なピアノを演奏して、いよいよその天才をためらいなく発揮し始めた。恐ろしくハイグレードな“1枚目”だ。

EMTG:ついにアルバム・リリースだね!
佐藤:はい、アルバムを出すことに憧れてたから、“ついに”っていう感じです。
津野:復活することが決まって、復活盤シングルとアルバムのレコーディングを同時にやってたんですよ。
EMTG:曲はアルバムのために作っていたの?
津野:もともと曲はたくさん書いてたので、まずそれらを世に出したいと思っていて。だから収録曲はけっこう古いものもあります。デビューまでが短かったんで、この先はデビュー以降の曲が多くなると思います。
EMTG:曲はどんどん書いてるんだ。
津野:はい、それしか趣味がないんで(笑)。
EMTG:全然“休止中”じゃないじゃん(笑)。
藤本:そうですよね(笑)。休止中にアルバムを出すことが決まったんで、私は体力を付けておこうと思って、走り込みをしてました。
EMTG:気が早い!!
歌川:去年まで学生だったんで、休止中はちゃんと学校に行ってました。あとはドラムの基礎練習。前は、ライブがあるから曲の練習をしてたんですけど、もっと基本的な8ビートを叩く練習をしたり、他の人の曲をやってみたり、2バス(ドラム)を踏んでみたり。とにかく音楽の基礎を固めることをしてました。
佐藤:アルバムだから、レコーディングで歌う曲数も多いから、喉の使い方を工夫してみたり。
EMTG:みんな本当に真面目に“休止”してたんだ(笑)。
津野:もともと真面目ですからね。
EMTG:どの曲をアルバムに入れるかとか、曲順に迷いはなかったの?
津野:復活シングルの「今更」と「交信」は入れるべきだろうと思っていて、それを1曲目と4曲目に決めた後は、すんなり行きましたね。
EMTG:アルバムを聴いていて、「今更」と「交信」が入っている流れが、6曲目の「もんだな」から変わる感じがした。
津野:そうです。5曲目までが前半で、「もんだな」から後半っていうイメージです。
EMTG:アナログ盤のA面とB面みたいだね。
津野:そんな感じかもしれないです。
EMTG:たとえばアルバムを前半と後半で構成するために、新しく曲を書いたりはしなかったの?
津野:8曲目の「カウンター」と9曲目の「贅沢」は休止中に作った曲。それが役に立ってよかったです。休止中、家にいて、私はヒマが苦手なので、朝起きたらすぐに曲を書いてました。そういう意味では、今まででいちばん曲と向かい合っていたかもしれないです。
歌川:1日に1曲できてた時期もあったよね。
EMTG:それはすごいペースだな。
津野: しかも、この曲は“赤い公園”でやる、とか、これは違うなとか。
EMTG:まったく、どういう休止なんだよ(笑)。アルバム前半でいうと、「つぶ」が好きだな。ギターとベースのグルーヴと、ドラムのグルーヴが違う。これって変テコだけど、すごく面白かった。
津野:あのリズムは、私が作ったデモの通りなんですよ。「バラバラな気持ちで演奏する」っていう。それ以外は浮かばなかった。
EMTG:あははは、“バラバラな気持ち”って、バンドなのに無理やりじゃん(笑)。
歌川:自分だけを頼りに、練習しましたよ(笑)。
藤本:(歌川)菜穂、すごく大変そうだったもん。
EMTG:これ、歌も難しいよね。
佐藤:はい。歌詞よりリズムを大事にして、ベースを頼りに歌いました。
EMTG:歌詞よりリズムが大事っていう決め方が面白いなあ。
佐藤:あんまり意味を考え過ぎてもいけないし。歌詞の意味で言うと、「カウンター」が自分の気持ちに近いかな。
EMTG:「カウンター」の♪我々は未来から 集合がかかっている♪っていうフレーズが、すごくカッコいい。こんな歌詞は今まで見たことない。
津野:曲がストレートなメロコア、青春ぶちかます系のメロディで、その青春系の中に哲学を入れたかったんですよ。そういう哲学は、いつもテレちゃうんですけど、この曲にはうまく入れられたと思います。
EMTG:和音もクラシック音楽の要素が入っていて、くるりのアルバム『ワルツを踊れ』みたいで楽しかった。そういうアイデアは、どこから来てるの?
津野:くるりは大好きです。でも、私はピアノとバレエを習ってたから、割とこういう要素は自分の中にあるんですよ。
EMTG:そうか。そういえば今回、「体温計」とか、ピアノが前面に出ている曲があるね。
津野:活動を再開するにあたって、無理するのは止めようって思ったんですよ。これまではピアノをギターに置き換えてやってきたけど、ピアノのパートはピアノでやればいいんじゃないかって。
EMTG:そうだね。それが自然だね。「くい」も面白かった。展開が自由で、ロックバンドのアレンジの未知の可能性を感じた。
津野:私はベースライン1本でハーモニーが成り立つのが好きなんですよ。そこにどんなドラムやギターが付くのかって考えるのが面白い。
藤本:カーテンコールで出演者全員が出てきて盛り上がる、みたいな曲で、楽しいです。
EMTG:確かににぎやかな楽しさだ。
津野:昔からあった曲で、まずは初期のものを形にして聴いてもらいたかったんですよ。
歌川:私は“連打”が下手でして、この曲はしっかり練習しました。
EMTG:えー、こんな複雑な曲が初期からあったの?
津野:はい。
EMTG:ボーカル、難しかったでしょ?
佐藤:はい。この曲も「交信」も難しかった。いちばん難しかったのは「もんだな」かな。
EMTG:「もんだな」は、歌詞の面白さを歌が活かしてる。しかも歌詞の中に“もんだな”って言葉は出てこない。
津野:これは仮タイトルが“さらば門”だったりして(笑)。
EMTG:あははは。そしてアルバム・タイトルは?
津野:冗談半分に“公園デビュー”って言ったら、スタッフに受けてしまって。
歌川:メンバーみんなも賛成して。
藤本:他にもいくつか候補があったんですよ。
津野:(佐藤)ちーちゃんの案で“少し陽に灼けた君へ”っていうのがあって。
藤本:私は好きだったな、それ。
津野:でもファースト・フルアルバムのタイトルとしてはどうかなって。
EMTG:では最後に、このアルバムの完成を誰に感謝したいか?
藤本:各メンバーのお母さんに感謝! 米咲を生んでくれてありがとうとか。みんな母親から生まれてるので。
佐藤:私は、休止期間に感謝したいです。
EMTG:おー、大胆な発言!
歌川:上げたらキリないですけど、ここまで待っててくれたお客さんに感謝です。スタッフや周りのバンドマンとか、とにかく待っててくれたすべての人へ感謝です。
津野:もちろん待っててくれた人全部に感謝ですが、私は何より待っててくれたメンバーに感謝です。みんな、個人練習したり、他のバンドとやったりして時間を無駄にしなかった。ちーちゃんに至ってはピアノを習って弾き語りに挑戦したり、人間力を付けて待っていてくれた。デビューが決まった後、「若いからデビューできた」とか「女の子だから」とかいろいろ言われたけど、そんなこと気にしないくらい、地元で誰よりも頑張ってる自信があった。それなのに私がはき違えて、忙しさに負けて休止してしまった。私が責められてもいい立場なのに……。復活してスタジオで合わせてみたら、誰もがわかるくらい、メンバーみんなが成長してた。だから私もまっさらな気持ちで音楽に取り組めた。今はライブ1本1本が貴く思える。メンバーのお陰で、心の持ちようが変わりました。自分がリセットして、早い再出発ができたことも、メンバーに感謝したいです。
藤本:ここから私たちの第2章が始まるんですよ。

【取材・文:平山雄一】

tag一覧 アルバム インタビュー 女性ボーカル 赤い公園

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ビデオコメント

リリース情報

公園デビュー(初回限定盤)[CD+DVD]

公園デビュー(初回限定盤)[CD+DVD]

2013年08月14日

EMI Records

[CD]
1.今更
2.のぞき穴(Album Version)
3.つぶ
4.交信
5.体温計
6.もんだな
7.急げ
8.カウンター
9.贅沢
10.くい

[DVD]
5/5大復活祭@渋谷クラブクアトロ映像(part.2)
1.何を言う
2.公園
3.急げ
4.もんだな
ドキュメンタリー映像「情熱公園」

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●藤本ひかり
玉子 半熟 何分

昨日、調べて作ったら、お鍋に入れるときに玉子を割ってしまって、3つ茹でたうちの1つだけ、おいしくいただきました。

●歌川菜穂
角質 ポロポロ

これから検索して、角質の断面図を見てみたいです。

●津野米咲
ピンクレディー 初期

阿久悠さんの書いた「S・O・S」の歌詞がすごい!

●佐藤千明
リサイクルショップ 買取 ソファ

ブランドじゃないと買い取ってもらえないんです。

■ライブ情報

赤い公園ワンマンツアー2013
「いざ、公園デビュー〜トトトツーツーツートトト〜」

2013/10/26(土)仙台LIVE HOUSE enn 2nd
2013/11/03(日)広島CAVE BE
2013/11/04(月・祝)福岡DRUM SON
2013/11/08(金)大阪Shangri-La
2013/11/15(金)名古屋APOLLO THEATER
2013/11/23(土)東京キネマ倶楽部

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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