馬場俊英、 キャリア初の2枚組オリジナル・アルバムをリリース!

馬場俊英 | 2013.10.09

 キャリア初となる2枚組オリジナル・アルバム「馬場俊英LP1?キャンディー工場」が完成した。“未完成”をキーワードに、スタジオ録音、自身の手による多重録音、プロデューサー須藤晃氏とのライヴセッションなど、多種多様なスタイルで作られた全31トラック23曲。そのボリュームもさることながら、本作には初期衝動にも似た音楽の楽しさがあふれている。“平凡な街”で息づく人々の光と影が生き生きと浮かび上がる、新生・馬場俊英ワールド全開の2枚組だ。この2年間、EPシリーズを作ってきたことで心境が変化したという馬場に話を聞いた。

EMTG:なんと、2枚組のアルバムが完成しました。
馬場:そうなんですよ。もともとは、これまで出してきたEPシリーズの1,2,3と、それプラス、EP4にあたる新曲を作って、そこから10曲なり12曲を選んでアルバムにしようと思ってたんです。でもやっていくうちにちょっと違う感じの曲も生まれてきて、2枚組になったという。だから感覚としては、EP4,5,6ぐらいまでが集まったアルバム、みたいになりましたね。
EMTG:インタールードを含めると全31トラック、楽曲だけでも23曲収録。しかもボリュームだけじゃなく、いろんな曲や遊び心も満載で、すごく楽しい2枚組になりましたね。
馬場:そうですね。今回“未完成”というテーマがあって、今までだったら入れなかったようなものまで入れていこうっていうのがあったんです。なので、今まで通りしっかりフィニッシュした曲もあれば、自分一人で多重録音した曲とか、(プロデューサーの)須藤晃さんと二人でその場で楽器を弾いてできることをやり切るみたいな曲もあったり。本当に多種多様な音源が入っていると思います。
EMTG:作っていくに当たって、中心となる曲はあったんですか?
馬場:最初に「青空」という曲があって、これは丁寧に作りたいなと思って、アレンジャーさんと一緒に作っていったんですけど。
EMTG:「青空」はストレートな応援ソングですね。
馬場:そうですね。ただ、直接「がんばれ、がんばれ」って言うよりは、空に書いておくよ、みたいな。物事ってお互いのタイミングが合う時ばかりじゃなくて、大人になってからわかるとか、時を経てわかることもたくさんあるじゃないですか。で、僕らはいつか死んでいくわけですけど、でも死んでも、誰かがその人のタイミングで僕の音楽に触れてメッセージを受け取ってくれたらいいなぁと思って。そういうイメージで書いたんですよね。
EMTG:なるほど。そんな「青空」から今作の制作がスタートして……アルバムタイトルにもなっている「キャンディー工場」はどういうところから?
馬場:EP1の「平凡」から“平凡な街”シリーズが始まって、“この街にはヒーローがたくさんいる”っていう……それはヒーローの姿はしてないんだけれども、そういうものがたくさんいるっていうところから、ある工場が浮かんだんです。その工場は何を作ってるのかわからないんだけど、そこではいろんな大人たちが働いていて、そこで作られたものはこの街に貢献している、みたいなのが浮かんで。
EMTG:馬場さんのイメージだと“キャンディー”というより“あめ玉”という気もしますけど(笑)。
馬場:誰かにも言われました、それ(笑)。でもブルースとかブラックミュージックでは、CANDYってわりと象徴的なワードとして使われてて。僕も昔からそういう音楽を聴いてきたので、そのフィーリングが自分の中にあったのかもしれないですね。あと実際、僕の知ってる街にナントカ製菓っていう町工場があるんですよ。そこを通ると甘い匂いがして、たまに中からおじさんが出てきて、“おじさんがここで毎日キャンディーとか作ってるのかな? なんかいいなぁ”と思って。そこからインスパイアされたっていうのもありますね。
EMTG:へぇー? じゃあ今作は“平凡な街”に住んでいる人たちの物語が、アルバム全体のコンセプト?
馬場:まぁ、あんまりガチガチにコンセプトを決めて作ったわけじゃないんですけど。やっていく中で“平凡な街”があって、そこには“青空”が広がっていて、地面には“石ころ”(「石ころ伝説」)があって……とか。そういうふうに景色が広がっていった感じですね。だから例えば「預金通帳の歌」とかも、“平凡な街”のリアルライフっていうところで、須藤さんと「お金の歌があってもいいね」っていう話になって、作ったりとか。
EMTG:「預金通帳の歌」は、今の音楽シーンにはない歌ですよね。
馬場:昔のフォークにはお金のことや生活をテーマにした曲も結構あったんですけどね。でもお金をテーマにした曲って、いざ書いてみると難しいんですよ。お金って我々の生活に密着してて、将来の不安とかも言ってみればお金の問題だったりするじゃないですか。だから何とか書きたいと思ったんですけど、メッセージにするのも違うし、軽くなったり、何か意図しすぎるのも嫌だし、あんまりサビシイ感じになっても嫌だなと思って(笑)。それでちょっと寓話みたいな感じで書いたんです。
EMTG:ハードボイルド小説のような曲だなと思いました。かと思えば、「オレたちに明日はない」みたいな爆笑ナンバーもあり(笑)。
馬場:あ、蚊の歌ね(笑)。あれは須藤さんからアイデアがあって。今まで「弱い虫」とか作ってきたじゃないですか。で「また虫の歌をやろう」みたいな話になって、だったら蚊の歌がいいなと思って作ったんです。蚊の立場になって“昨日はアイツが殺された”みたいな(笑)。
EMTG:あまりにも馬鹿馬鹿しいことを大マジメに仰々しく歌ってて、大笑いしました(笑)。レコーディングで歌ってる時、馬場さん自身、笑っちゃいそうになりませんでした?
馬場:いや、今回は時間がなくて、どんどんどんどん録っていったので。逆に時間があったら、やめてたかもしれないです(笑)。
EMTG:あはははは!(笑) ちなみに制作はいつ頃行われたんですか?
馬場:6月までツアーがあったので、7月と、あと8月に入ってちょっと、という感じですね、曲作りを含めて。
EMTG:いくらもともとEP1,2,3の曲があったとはいえ、そんな短期間で2枚!
馬場:はい。今回は一人で作業する部分も結構あったから、それがちょっと大変でしたけど。でも僕、以前とはだいぶ心境が変わってきたんですよ。リスナーの頃の気持ちを思いだしたというか、高校生の頃に思ってたような気持ちを表現できるようになってきたんです。料理に例えるなら、前は“失敗した料理は出しません”みたいな感じだったのが、今は結果だけじゃなくて、失敗したり上手くいかなかったことも、その時の自分の表現として出してもいいんじゃないかって思えるようになってきたんです。まぁ、よく考えたら僕の好きだった70年代ロックとかソウルとかも、そんなにキッチリしてないんですよね。1曲目が始まって、ドラムとベースとアコースティックギターだけで16小節ぐらい行っちゃって、何もないんかい!?みたいな(笑)。でもそれがすごく魅力的なんですよ。僕はそこに何かサービスを入れなきゃとか、4小節も空けたら聴いてる人が飽きちゃうんじゃないかとか、息もつかせないものにしなきゃいけないんじゃないかって思ってる時があったんですけど、いろんな考え方があっていいんだなって。
EMTG:その心境の変化はどういうところから?
馬場:この2年間、EPシリーズっていう、できた曲を作品に仕上げて、皆さんに届けて、評価を受け入れて、また作ってっていうのを何回かやっているうちに、だんだん感覚が変わってきたんだと思います。テーマもそうだし、歌詞もそうだし、サウンドの追い込み具合もそうだし、“こうしなきゃ”とか“こうあるべき”じゃなくて、もっと自由にやっていいんだなって。
EMTG:じゃあその感覚が活かされた今作は、EPシリーズの1つの集大成と言ってもいい。
馬場:そうですね。2011年の夏ぐらいからこの2年間の集大成になったと思います。で、このアルバムを持ってツアーも始まりますけど、このツアーもきっと楽しいものになると思うんですよ。なので、期待しててほしいし、お近くに行った際には遊びに来てもらえるとうれしいです。

【取材・文:赤木まみ】

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リリース情報

馬場俊英LP1 ~ キャンディー工場(初回限定盤)

馬場俊英LP1 ~ キャンディー工場(初回限定盤)

2013年10月09日

ワーナーミュージック・ジャパン

ディスク:1
1. FACTORY TOURにようこそ
2. キャンディー工場
3. 石ころ伝説
4. 昭和生まれの星屑野郎
5. ギザ10
6. ラーメンの歌
7. 誰がために金は成る
8. 預金通帳の歌
9. 吊り橋
10. じんぎなきたたかい真夏編
11. オレたちに明日はない
12. 弱い虫
13. オオカミの歌
14. 敗者復活の街
15. 石ころ 2013

ディスク:2
1. 青空
2. 平凡
3. 先生、この頃なにか変なんです
4. 野蛮人になって
5. HALF
6. ありそでなさそ
7. 幸せのウェイティングリスト
8. 駄菓子屋
9. 愛をあきらめないでくれ
10. 犬はライオンになりたくない
11. ころんで立ち上がるときの顔が好きだ
12. アシスタントは見た、ころんで立ち上がる瞬間
13. 昨日のジョー
14. お隣はオーディナリー製作所
15. スーパーオーディナリー
16. CANDY FACTORYよ永遠に (Reprise)

ディスク:3
1. レコーディングドキュメントDVD「Once upon a time in Japan」

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プリンターのインク
検索は日々いろいろしてるんですけど、今日はプリンターのインクがなくなって、その検索をしました。この間プリンターを新しくしたので、インクは何を買えばいいのかな? と思って。そしたらその値段の高さにビックリ! プリンターって安いじゃないですか。僕が買ったのは2万円弱ぐらいだったんですよ。でもインクは6500円ぐらい。これ、数セット買ったら、プリンターより高くなってしまうなぁと思って。でも必要だから、高いと思いつつ買いましたけど(笑)。


■ライブ情報

BABA TOSHIHIDE FACTORY TOUR 2013 〜キャンディー工場へようこそ
2013/10/13(日)東京キネマ倶楽部
2013/10/14(月・祝)岐阜 club G
2013/10/19(土)静岡 Live House浜松窓枠
2013/10/27(日)宮城 せんだいメディアテーク
2013/11/09(土)滋賀 野洲文化ホール
2013/11/16(土)京都劇場
2013/11/17(日)兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
2013/11/23(土)名古屋 名鉄ホール
2013/11/24(日)東京 中野サンプラザ
2013/11/30(土)名古屋 Zepp Nagoya
2013/12/01(日)広島 NTTクレドホール
2013/12/07(土)福岡 イムズホール
2013/12/08(日)香川 高松オリーブホール
2013/12/14(土)札幌 フィエスタ
2013/12/15(日)札幌 フィエスタ

馬場俊英 LIVE TOUR 2013 Premium FINAL
2013/12/21(土)大阪 フェスティバルホール

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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