東京カランコロン、心安らぐメロディと独特なアレンジが光る新作「スパイス」

東京カランコロン | 2015.06.09

 新曲「スパイス」は、現在放送中のテレビアニメ『食戟のソーマ』のエンディングテーマ。大切な人と食卓を囲む時間のかけがえのなさを描いた歌詞が、とても胸に沁みる。耳を傾けていると自ずと心が安らぐメロディ、せんせい(Vo & Key)の温かい歌声を鮮やかに浮き彫りにしつつ、東京カランコロンならではのユニークなアレンジを施しているのも聴きどころだ。そしてカップリング曲は、90年代に放送されていたテレビアニメ『キテレツ大百科』でお馴染みの「お料理行進曲」のカバー。彼ららしい楽しいアイディアを盛り込んで仕上げている。「料理」と「アニメ」に関係が深い2曲を収録したこの最新シングルは、どのようにして生まれたのか? メンバー5人が語る。

EMTG:「スパイス」は『食戟のソーマ』のエンディングテーマとして書き下ろしたんですよね?
いちろー(Vo & G):そうです。せんせいが作ったサビのメロディと仮の歌詞が既にあったんですけど、エンディングテーマに合いそうだなと。その原型をもとに、みんなでセッションしながら作っていきました。
EMTG:サビのメロディ、せんせいらしいテイストを感じます。せんせいの書くメロディって、どこか童謡に通じるほのぼのとしたノスタルジックな雰囲気がありますから。
せんせい(Vo & Key):ありがとうございます。私の書くメロディってちゃんと地に足が着いているというよりも、ずっと宙に浮いてふわふわしている感じなのかもしれないですね。
EMTG:「宙に浮いている」っていうニュアンス、たしかにそうですね。
いちろー:宙に浮くといえば『UTUTU』の取材の時、「東京カランコロンは必ず胴体着陸をするバンド」っていう話が出ましたが(笑)。
EMTG:アクロバティックな展開を遂げつつも、ちゃんとキャッチーなものになるっていう作風の喩えでしたね(笑)。「スパイス」に関してもそういう曲になっていると思います。例えば、おいたんさんのギターの独特な雰囲気とか。
おいたん(G & Cho):アニメの曲だから大人しくしたと思われたくなかったんですよ。かといって聴きづらいものにはしたくないので、Bメロから急にそういう感じに行っています。
EMTG:このギター、程よく不安になるムードを醸し出している感じが堪らないです。
いちろー:「胴体着陸か?」っていう(笑)。でも、「スパイス」に関しては、テレビで流れても自然なポップさを、まず出したかったんです。導入部分からいきなり胴体着陸をすると、アニメの流れを邪魔してしまうと思いましたし。エンディングって、その日の放送の流れで入っていくものでもありますからね。自然な導入部分を経たBメロからサビにかけて、いかにバンドの色を耳馴染み良く出すか? そこをすごく考えました。
EMTG:サビ前のメロディが「♪ドレミファソラシド」で、びっくりしたんですけど。
いちろー:おいたんと俺とで何パターンかメロディを持ってきて、みんなでやっていく中で出てきたものです。「あんまオシャレな感じにはしたくないよね?」みたいなことを話していたので。その結果出てきたのが「♪ドレミファソラシド」。このメロディ、ストレートに言葉が入って来るんですよね。
おいたん:「♪ドレミファソラシド」だからこそ、裏で鳴っているコードをめちゃくちゃな感じにしたのもハマったよね?
いちろー:そうだね。「合っているようで合っていない?」っていうような。
EMTG:「♪ドレミファソラシド」のメロディは、「スパイス」の絶妙なスパイスではないでしょうか。
一同:おっ!
EMTG:ベタなことを言った恥ずかしさと後悔が今、一気に押し寄せているんですが……。
佐藤全部(B):1スパイス出ました!
いちろー:ごちそうさまです!
おいたん:今日、あと何スパイス出るか?
佐藤全部:5くらい出るでしょ。
EMTG:話を戻しましょう(笑)。かみむー氏さんは、「スパイス」に関していかがですか?
かみむー氏(Dr):ドラムは普段の僕が叩かない感じなんです。ただ叩くってっていうよりも、身体の動かし方をすごく考えなきゃいけなくて。叩くだけでものすごく消耗する曲です。
いちろー:サビでちょっと変なリズムを叩くんですよ。ライドシンバルを16分で叩くんですけど。
かみむー氏:聴くだけではなかなか分からない感じなんですけど。
いちろー:意外とナチュラルに聞こえるからね。
かみむー氏:うん。
いちろー:叩いているところを目で見ると、ものすごい体勢になるんです。
かみむー氏:小躍りしている感じ。それは聴くだけでは伝わらないので、ライブとかで観ていただけたらと(笑)。
EMTG:なるほど(笑)。全部さん、「スパイス」は?
佐藤全部:ほんとスパイスって感じの曲ですよねえ~。
おいたん:2スパイス出ました(笑)。
EMTG:全部さん、東京カランコロンのスパイス的存在ですからね。
佐藤全部:なにしろ名前が「さとう」ですから。
EMTG:砂糖ってスパイス?
佐藤全部:あれ?
いちろー:「一同:(微笑)」ってことで。
EMTG:歌詞のお話もしましょう(笑)。「大変なことがある毎日でも、大切な人と食卓を囲んで笑い合えたらいろんなことがスパイスとなる」ということが描かれていますが、すごく心温まるテーマです。
いちろー:歌詞は最初、『食戟のソーマ』の主人公の幸村創真くんをテーマに書こうかなとも思ったんですけど、せんせいが歌う感じと創真くんの雰囲気がなかなか合致しなかったんです。だからヒロインの女の子とリンクさせて書きました。
EMTG:誰かと食卓を囲むのって、やっぱりいいもんですよね。今回のCDジャケット、メンバー全員で食卓を囲んでいますけど、みんなでご飯を食べる機会は結構あります?
いちろー:全員でとなるとツアー先とかが多いですね。
せんせい:あと、打ち上げの時とか移動中とか。5人全員ではなく、2人とか3人とかで食べに行く機会は、普段から多いです。
佐藤全部:おいたんとこの前、松屋行って一緒のもの食べたよね?
いちろー:牛丼?
おいたん:いや。俺が「ネギ塩カルビが好きだ」って言ったら、「俺も!」と。
佐藤全部:真似して注文しただけです(笑)。
かみむー氏:それまでは「カレー食べたい」って言っていて。それで松屋に行ったのに。
佐藤全部:そうでした(笑)。
EMTG:仲良しですね(笑)。ところで、「スパイス」のMVも良かったですよ。男性陣がせんせいにご飯を作ってあげたんですね。
せんせい:作ってくれました。面白い撮影でしたよ。
いちろー:ただ普通に料理を作っても平凡なので、スローで撮ってカッコいい映像にするっていうことをやってみました。
EMTG:料理の分担は?
いちろー:僕は魚を焼きました。まあ、袋から出してグリルに入れただけですけど(笑)。ぜんちゃん(佐藤全部)は味噌汁を作ったよね?
佐藤全部:普段から作っているんですよ。でも、鰹節から出汁をとったのは初めてです。いつも作っているのより美味しかったですよ。
いちろー:むー氏は炒め物?
かみむー氏:うん。料理は普段あんまりやらないんですけど、野菜を切って肉と炒めました。パプリカなんて入れたの初めてですよ。
EMTG:生でパプリカをかじるシーンがありましたが。
かみむー氏:あれは『料理の鉄人』の鹿賀丈史さんのイメージです(笑)。生でも意外と美味しかったです。
EMTG:おいたんさんは、普段料理します?
おいたん:僕は結構する方です。でも、このMVの時は米担当でした。
EMTG:料理といえば、ジャケット写真のステンレスの蓋の中身も気になっているんですけど。
いちろー:実は何も入ってません(笑)。「ドライアイスで煙を出す?」みたいな話もあったんですけどね。あっ、すみません!
(いちろーの口から、食べていたおせんべいの破片が飛ぶ)
せんせい:いややー(笑)。
EMTG:このアクシデントは、インタビューのスパイス?
佐藤全部:おっ! 3スパイス。あと2つですね。
いちろー:いつの間にかノルマが(笑)。
EMTG:プレッシャーなんですけど(笑)。ええと、曲の話に戻りますが……すごく心安らぐ仕上がりですね。
いちろー:シングルとかリード曲では、今ままでになかった感じだと思います。今までは思いっきりアッパーか、思いっきりバラードのものが多かったので。アニメのエンディングとして書き下ろしたことで、新しい感じになったんだと思います。
EMTG:では、カップリングのお話も。「お料理行進曲」のカバー、いい仕上がりですね。
いちろー:ありがとうございます。「スパイス」が料理のアニメの曲なので、料理に関係した曲のカバーをしたかったんですよ。むー氏がスタジオに入っている時に、「この曲どう?」っていう話をして、「それ、いいね」っていう話になりました。アニメや料理繋がりでもあるし、原曲も男女混成だからピッタリだなと。しかも、すごくいい曲ですから。
かみむー氏:僕、『キテレツ大百科』のアニメを小学生の頃、ずっと観ていたんですよ。アニメで流れていた1コーラスでもパンチがありますけど、フルコーラスで聴くとさらにパンチのある曲ですね。
せんせい:歌録りの時に歌詞を見ないでも歌える自分にびっくりしました。私らの世代はこの曲が生活と共にあったと言ってもいいくらいですからね。
EMTG:間奏の部分で包丁を使う音とかが入っていますけど、あれも面白いです。
いちろー:フリーの素材の「料理中の音」みたいなのを探してきて作りました。それをいろいろ並べた末に、最後に「チュドーン!」と爆発するというテーマです……って、一体何のテーマなんでしょう?(笑)。まあ、イメージとしては最初にガスコンロに火を点けて、野菜を切って、炒めて、揚げ物をやりながら煮物をして、煮物の途中で飽きてポテトチップスを食べだしたら、爆発するというストーリーです。
佐藤全部:テレビゲームの『F-ZERO』で、マシンが壊れた時の爆発音みたいだよね。
いちろー:うん。コースアウトした時の音みたい。原曲も間奏から無理くり戻ってくる展開なので、その感じを強調したいなと思って、こういうことをやってみました。爆発したら戻るしかないですからね。
EMTG:爆発と言えばおいたんさんですが(『恋のマシンガンの』カップリング曲「及川爆弾」は、おいたんが太鼓を連打した末、「爆弾だ!」と叫んでファズギターを掻き鳴らす)、この爆発はいかがでしょう?
おいたん:この間奏ばっかりを聴いていたら、原曲を聴いてもこの爆発を待っちゃう自分がいることにふと気づきました(笑)。爆発したのに《まだまだあるメニュー》ってせんせいが歌い出すのも面白いですね。「爆発したのにまだあるの?」と。
せんせい:爆発したのに全然懲りてない感じ(笑)。
EMTG:逞しさを感じる展開です(笑)。さて。今回のシングルが出た直後は、ホールツアーですが、これに関しては何かあります?
いちろー:春からやっているライブハウスツアーで『UTUTU』の曲がどんどんソリッドになっているんですけど、そこにホールだからこそできる演出をさらに加えるとどうなるのか? それが楽しみです。僕らは映像演出とか、ほとんどやったことがないですから。
EMTG:ホールで全部さんの独特な存在感がどう炸裂するのかも楽しみです。
佐藤全部:ホールは広いですから大人しくしていようかなと。背後霊か何か連れて行きます。
EMTG:……期待しています(笑)。では、そろそろインタビューを終わろうと思いますが。
佐藤全部:ええええええー!
EMTG:『笑っていいとも!』のお客さんみたいな反応、ありがとうございます。やっぱり全部さんは東京カランコロンのスパイスだなと改めて感じました。
佐藤全部:おっ、4スパイス! あと1つ(笑)。
EMTG:では、どなたかにスパイスになることをおっしゃって頂いて終了するとしましょう。
いちろー:じゃあ、せんせい。お願いします!
せんせい:えっ? むりむりむりむり~! いやや~!
いちろー:どうぞ!
せんせい:えーと……この曲をきっかけに東京カランコロンがもっと大きくなったらいいなと思っていますので、みなさんよろしくお願いします。
いちろー:この曲が大きくなるための~?
せんせい:スパイス!
いちろー:5スパイス、頂きました(笑)。

【取材・文:田中 大】

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1.スパイス
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■ライブ情報

“ワンマ んツアー2015~ホールでワンマ ん~”
2015/06/12(金)名古屋 名古屋市青少年文化センター・アートピアホール
2015/06/13(土)大阪 NHK大阪ホール
2015/07/10(金)東京 中野サンプラザホール

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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