ネットラップ発、メジャーの道を行く電波少女。盟友Jinmenusagiとともに語る新作『HEALTH』とラップシーンの今

電波少女 | 2017.10.11

 2009年、インターネット動画投稿サイトで活動を開始。メンバー加入や脱退を経て、現在はMC担当ハシシとパフォーマンス&ボタンを押す係担当nicecreamの2名で活動している電波少女(でんぱがーる)。ネットラップと呼ばれるシーンを飛び出し、この度メジャーデビューアルバム『HEALTH』をリリース。ぼくのりりっくのぼうよみ、ササノマリイ、Jinmenusagi、NIHA-C、れをるら豪華客演陣も参加した新作について、盟友Jinmenusagiとともにインタビューに答えてくれた。

メジャーデビューアルバムというより3枚目? そのコンセプトは?

EMTG:今回の『HEALTH』について、メジャーデビューアルバムということで“最初のアルバム”として意識したことなどはありますか?
ハシシ:いえ、あんまり意識はしませんでしたね。メジャーデビューアルバムではありますが、むしろ“3枚目のアルバム”という意識の方が強かったです。
EMTG:メジャーでの制作ということで、変わった部分はありましたか?
ハシシ:やはり言葉選びの部分で縛りはありましたね。でも、それ以外では今までより予算が増えたり、これまで自分たちだけではできなかったことができるようになったので、ありがたかったですね。サウンド面では、レコーディングやミックスはいつも通りの感じでやりましたけど、マスタリングにお金を使えたのは違いだと思います。
EMTG:ちなみにメジャーレーベルとの契約を決意した理由は何だったのでしょうか?
ハシシ:もともと「行けたらいいな」とは思っていたのでタイミングですね。音楽を続ける理由になるというか、親に説明できて安心させられるだろうなと考えていました。
EMTG:フィーチャリングするアーティストを含めて、コンセプトなどはありましたか?
ハシシ:今回ゲストに呼んだアーティストは、Jinmenusagi、NIHA-C、れをる、ぼくのりりっくのぼうよみ、ササノマリイといった感じで、“出自がネット”という人たちになりましたね。今もうみんなバラバラの場所で活動していますが、ネットで活動していた人たちです。
EMTG:そこはレペゼン的なものがあったのでしょうか?
ハシシ:そうですね。僕らはネットラップのシーンからはもう脱線してやっているつもりですし、自然とこうなった部分もあるんですけど“ネットにいた人たちだけでどれだけ面白いものが作れるのか”という挑戦のような意識は正直ありました。
EMTG:盟友とも言えるJinmenusagiとNIHA-Cとの2組をフィーチャリングした、アルバムのクライマックス曲「A BONE」について教えていただけますか?
ハシシ:JinmenusagiとNIHA-Cとやるとなったら、それはもうアンセムじゃないですけど、クラシックを作りたいと思ったんです。残るものを作りたいなと。ですので、トラック選びや曲調など、アルバムのメインになれるような曲として意識しました。
Jinmenusagi:毎回作り終わると覚えてないんですけど、今回は電波少女、いつも以上にギリギリまでこだわるんですよ。本当に細かい「ここのコーラスが」とか「この“YO!”が」とかまで、こだわっていて……。ちょっと嫌味なようですけど(笑)。
EMTG:(笑)。
Jinmenusagi:でも、ネットラップの先輩方って、もうほとんど一線を退かれたりしているんです。そんな中、電波少女のようにずっと続けている人たちがとことん作品をこだわって作っている姿は、自分にとっても勇気になりますね。PVも本気度を感じてもらえるものになってるので是非観て欲しいですね。
ハシシ:「A BONE」はすごくこだわって作ったんですけど、歌詞を書く作業においては“肩の力を抜いて素直に言おう”と意識しました。この曲のメッセージは、仲間に対してだったり、聞いてくれてる人たちや、辞めて行った人たちに当てていたりする部分もあるので、僕らのことをよく知っている人たちには素直に歌った方が響くと思ったので。

ネットラップシーンは存在しない? 独自路線を歩む電波少女に「日本語ラップ」人気の影響は?

EMTG:これまでネット発の音楽としては、初音ミクや歌い手などがメジャーシーンに先行して進出し、それぞれメジャーとネットとの関係性を独自に築いて来ました。ネットラップ発のアーティストとして、出自であるシーンに対する想いがあれば聞かせてください。
ハシシ:僕らもJinmenusagiくんも、NIHA-Cくんも出自は間違いなくネットラップですし、今でも狭いところでやっています。でも、正直シーンに対しては何も考えていないですね。盛り上げるつもりもないです。
EMTG:Jinmenusagiさんは、過去のインタビューで「もはやネットラップシーンは成り立っていない」との旨の発言をされていましたが。
Jinmenusagi:そうですね。もうほぼないです。僕らみたいな存在が頑張れば頑張るほどそういうのがなくなるので、もっと頑張ろうという気持ちはあります。
EMTG:それはやはり「ヒップホップの本流」から差別されてきたという感覚があるからでしょうか?
Jinmenusagi:はい。むしろ差別はされて当たり前だと思ってます。フィジカルが伴っていないと信用してもらえないのは当然のことじゃないかなと。
EMTG:そして昨今は「日本語ラップ」人気が叫ばれていますが、そうしたシーンの盛り上がりは感じますか?
ハシシ:周りからどういう見方をされているかは分からないですけど、電波少女はそことはまた違うところで自分たちなりに戦っているつもりです。でも、Jinmenusagiくんはそういう日本語ラップシーンともリンクしていて、シーンの一人のキャラクターとして存在できているし、ちゃんと結果も出せているのがすごいと思いますね。
Jinmenusagi:ぶっちゃけ、僕はそういう「日本語ラップ」人気の恩恵に預かったことはないです。単発のお仕事などいただくことはありますけどね。もともとネットラップ側なので、むしろ今は出稼ぎ状態という感じです。でも、そういう意味では、僕が一番おいしいとこ取りをしているというか、甘い汁を掠め取っているような感じですかね。それに対して電波少女の活動は真っ向勝負なのですごいなと思いますね。
ハシシ:いや、俺はJinmenusagiの活動をしてくれって言われたら無理だけどね。あの怖い人たちの中でライブしてたりとか、一緒に遊んだり、曲に参加したりとか、絶対できない(笑)精神的疲労に耐えられなさそう(笑)。
Jinmenusagi:(笑)。
ハシシ:でも、そうした場所に足を踏み入れているJinmenusagiくんと、僕らが一緒に曲を作ったりライブしたりをするのはすごく楽しいなと思ってます。Jinmenusagiくんだけじゃなくても、Twitterの告知とかで友だちの仕事を知るとすごく刺激になりますよ。だからNIHA-Cくんにはもっと頑張って欲しいですね(笑)。
Jinmenusagi:「ハロウィンにNIHA-Cにして欲しい仮装とは?」(https://twitter.com/NIHAC_kuc/status/911547375709167623)とか、そんなこと……
ハシシ:聞いてる場合じゃないよ(笑)。

数で判断される世界=メジャー。そこで電波少女が目指すものとは?

EMTG:電波少女として今回メジャーデビューを果たしたわけですが、今後の活動の展望などはありますか?
ハシシ:メジャーデビューは目標でもあったし、ありがたいことなんですけど、実際メジャーの世界には音楽性で勝負していない人たちもたくさんいるんですよね。「話題性がある人だからメジャーデビューが決まった」とかいう話を聞くとがっかりすることもあるんですけど、でもそのぶん予算が使えたり、自分たちだけじゃ届けられないところに届けられたりとか、自分たちのやりたいことができる場所でもあると思ってます。
Jinmenusagi:やっぱり考え方がミュージシャンですね(笑)。
ハシシ:いやいや(笑)。でも、メジャーデビューできたことよりも、ここで続けることが一番大事だと思ってます。一年後に「電波少女いつのまにかメジャーじゃなくなってるじゃん」みたいになってるとカッコ悪いので、ここに固執するわけじゃないですけど、ちゃんと規模を拡大していけるよう頑張りたいですね。
Jinmenusagi:これからも頑張っていきましょう!
ハシシ:電波少女はメンバー脱退が重なって持ち曲もなくなってお客さんが5人しかいないライブをやるような時代もあったんですけど、その時に一番俺らを助けてくれたのがJinmenusagiやNIHA-Cなので……。
Jinmenusagi:その5人の客のうち1人が自分みたいな(笑)。
ハシシ:(笑)だから、綺麗事かもしれないですけど、これからも本当に周りの頑張っているメンバーみんなで結果を残せていけたらなと思います。
Jinmenusagi:よろしくお願いします(笑)。

【取材・文:照沼健太】




tag一覧 J-POP アルバム 男性ボーカル 電波少女 インタビュー

リリース情報

HEALTH[初回盤]

HEALTH[初回盤]

2017年09月27日

アリオラジャパン

[DISC 1]
1. INTRO
2. ME
3. FOOTPRINTZ
4. 21世紀難民 feat. れをる(from REOL)
5. 先天性ハートブレイク
6. 花火 feat. NIHA-C
7. MONECLIP feat. Jinmenusagi
8. SKIT1
9. 未来は誰かの手の中
10. クビナワ feat. ぼくのりりっくのぼうよみ&ササノマリイ
11. SKIT2
12. NO NAME.
13. A BONE feat. Jinmenusagi&NIHA-C
14. OUTRO

[DISC 2]
■電波少女 ワンマンライブ“EST.”at Shibuya WWW X(2017.06.18)
01. INTRO
02. FOOTPRINTZ
03. オルタネートエラー feat. トップハムハット狂
04. Mis(ter)Understand
05. Earphone feat. Jinmenusagi
06. RY feat. Jinmenusagi
07. オーバードーズ feat. NIHA-C
08. MO feat. NIHA-C
09. ME
10. 笑えるように
11. COMPLEX feat. Jinmenusagi, NIHA-C

■MV&Short Movie
12. ME MV
13. FOOTPRINTZ MV
14. NO NAME. -Short Movie-『デイドリーマーA』

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リリース情報

HEALTH[通常盤]

HEALTH[通常盤]

2017年09月27日

アリオラジャパン

1. INTRO
2. ME
3. FOOTPRINTZ
4. 21世紀難民 feat. れをる(from REOL)
5. 先天性ハートブレイク
6. 花火 feat. NIHA-C
7. MONECLIP feat. Jinmenusagi
8. SKIT1
9. 未来は誰かの手の中
10. クビナワ feat. ぼくのりりっくのぼうよみ&ササノマリイ
11. SKIT2
12. NO NAME.
13. A BONE feat. Jinmenusagi&NIHA-C
14. OUTRO

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お知らせ

■コメント動画



■ライブ情報

NIHA-C 2nd Full Album「アリバイ」 Release Party
11/23(木・祝) Shibuya Milkyway

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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