a flood of circle、メンバー4人全員が作詞作曲したミニアルバム『HEART』

a flood of circle | 2019.11.19

 a flood of circleが11月6日にドロップしたミニアルバム『HEART』は、「自分たちがドキドキするために作った」と佐々木亮介(Vo,G)は言う。a flood of circle としては初の、メンバー4人全員が1曲ずつ曲を書き、さらに佐々木以外のメンバーによるセッションで生まれた曲も入った。3月にリリースした9thアルバム『CENTER OF THE EARTH』からアオキテツ(Gt)が正式メンバーとなって加速度を増している彼らは、次々に新しい扉を開いているかのようだ。今までにないa flood of circleが鳴り響く新作について、佐々木に語ってもらった。

EMTG:新作『HEART』は、メンバー4人全員が曲を書くという新しい試みで作られていますが、このアイデアはどこから生まれたものですか?
佐々木亮介:俺は元からビートルズとか、はっぴいえんどとか、メンバーみんなが曲をかけるバンドっていいなと思ってたんです。ウチはメンバー失踪とかゴタゴタが長かったんで、俺が自分で引っ張んなきゃと思ってて。今はそれも無駄じゃなかったと思うけど、気合いが入りすぎてた部分もあって。でもアオキテツ(Gt)が入ってメンバーが固まった安心感もあって、改めてバンドが楽しいと思えてるんですよ。これまでは、去年だったらUNISON SQUARE GARDENの田淵智也さんにプロデュースしてもらったり、ロンドンに行ったり、ロンドンからエンジニア(ザビエル・スティーブンソン)連れてきたり、外側から刺激を求めていたんですけど、今はメンバーがいいから内側に刺激を求める感じです。
EMTG:メンバー3人には、どんな風に提案したんですか?
佐々木:今回ミニアルバムって形にしたのは、1曲だけのシングルとかフルアルバムだと気合いが入っちゃうんですけど、これぐらいのサイズは遊べるんですよ。メンバーにも、こういうコンセプトだよって言ったら騙せるかなと思って(笑)。そしたみんなコロッと騙されてくれて、じゃあ書いてみようかなって(笑)。こういう曲を書いてくれって言ったら、みんな真面目だからそういう曲を書いてきちゃうと思って、なんでもいいからって。姐さん(HISAYO/Ba)は、歌詞は書かないって最初から言ってたんで、無理しなくていいからって。そしたら意外と真面目にみんなデモを送ってきました。
EMTG:三者三様の曲ですけど、佐々木さんは3人の曲をどう受け取りました?
佐々木:テツは一番真面目かもしれない。言った途端に書き始めて、「Lucky Lucky」を最初にあげてきました。夏休みの宿題を最初の1週間でやっちゃうタイプ(笑)。タイトルの「Lucky Lucky」ってワードが最初に出てきたんで、それいいねって進めてたんですけど、仕事やってらんなくて昼から海に行った男の話になってて(笑)。テツも真面目な男なんで、どっか解き放たれたいのかなって思いました。
Lucky Lucky - a flood of circle
EMTG:一番若いだけに、ストレートでパワーのある曲ですよね。
佐々木:俺の「スーパーハッピーデイ」と似てるけど違いますよね。 ナベちゃん(渡邊一丘/Dr)はテツとは逆で、「新しい宇宙」は一番最後に送られてきました。昔に書いた曲は、歌詞も支離滅裂だったりしたけど(笑)、今回は俺が言うのも偉そうだけど、曲のクオリティが上がってる感じ。昔は、あまりに支離滅裂で歌いにくいところは相談しながら書いたんですけど、今回はちゃんと宇宙っぽいテーマで最初から最後まで書いてくれました。コード進行も自分じゃ思いつかないようなものを持ってきたりするし。それは結構発見というか面白かったです。
EMTG:HISAYOさんの「Lemonade Talk」は佐々木さんが歌詞を書いてますね。
佐々木:姐さんは大人なんで、みんなに聴かせる前に、こっそり俺に送ってきて「どう思う?」って(笑)。姐さんは自分でやってるバンドでは曲を書いてるけど、a flood of circleでは書いてなくて。たぶん彼女の中で自分のバンドと分けてたんでしょうね。でも彼女も加入して来年で10年なんですけど、姐さんの人生の中でもa flood of circleが大事になってきたんじゃないかな。だから書いてくれたと思うし、姐さんの素の部分を見せてくれるようになったのかなと思って、俺は結構嬉しかったんですよ。歌詞も、前は歌詞については何も言わないってスタンスだったんだけど、俺が書いた歌詞に姐さんが「ここはもうちょっとこう」とか言ってくるんですよ。最初、夏の歌っぽく書いたんですけど、季節は限定しない方がいいっていうから、じゃあこうかなって書き換えて。そういう相談をしてたんで、ちょっと共作の部分もあります。最初は「Lemonade」ってタイトルだったんだけど、会話しながら作ったから、歌詞にQ&Aが入って、タイトルも「Lemonade Talk」にして。
EMTG:5曲目の「Stray Dogsのテーマ」は、3人が曲を書いてるんですね。
佐々木:これは、俺抜きで3人だけでセッションで作ったんです。スタジオに入る時に俺がいると、ついまとめちゃうんですよね。これは、まとめ役がいないから迷ってたみたいで(笑)、3人でスタジオで「うーん」って言いながら作ってたらしいです。それを見かねてじゃないけど、1回俺がスタジオ入っちゃったんですよ。曲を聴いたら聴いたでアイデア思いつくから言おうとしたんですけど、姐さんが「やめて、これは3人で作る」って。だから俺は歌詞を書いただけ。これが3人の素の部分なのかなと思います。
EMTG:シンガーとして、他の人が書いた曲を歌うのはどうですか?
佐々木:めっちゃ歌いにくい(笑)。自分の癖で歌えないから。でもそれすら楽しくて。例えば「新しい宇宙」はサビですごい高いファルセットに行っちゃうんですよ。ナベちゃんは自分が高いメロディ歌えるんでブッ込んでくるんですけど、俺歌えないよって。じゃあ裏声で行こうかとか、アイデアで乗り越えて行く。おかげで、新しい俺、サンキューみたいな。それが楽しいです。
EMTG:佐々木さん自身の「スーパーハッピーデイ」は、3人の曲を聴いてから書いたんですか?
佐々木:俺はずっと曲を作ってるんで。最初、ナベちゃんとテツがダークめな曲を書いてくると読んでて、俺は明るめの曲にしようと思って「スーパーハッピーデイ」があったから、いいかなと思ったんですけど、テツがもっと明るい「Lucky Lucky」書いてきて(笑)。 「スーパーハッピーデイ」は、ずっとハッピーとか今ハッピーというんじゃなくて、これが鳴ってる3分間とかライブやってる時間は、超ハッピーにしますよって気持ちの曲です。
スーパーハッピーデイ - a flood of circle
EMTG:テツさんが正式加入して、アルバム『CENTER OF THE EARTH』から始まった新生a flood of circleが着実に前進している手応えを感じさせます。
佐々木:そうですね。自分のソングライティングに自信がなくて、みんなに曲を書いてもらったわけじゃないから。いまならこういうチャレンジをしてもブレずに行けるだろうって。自信がなかったら、俺たちどこへ行くんだろうって不安になっちゃうと思うし。ライブでも、俺らが超自信があるから、どんな先輩や後輩が来ても負けないライブができてると思う。普通なら、バラバラであるのを見せちゃダメじゃないですか。ロックバンドは1枚岩であれよってイメージがあると思うんだけど、バラバラでオッケーって言えたら強いなと思う。
EMTG:その自信の表れが、ボーナストラックのライブ音源でしょうか。9月に新宿ロフトでやった初期2作の再現ライブからの音源10曲。あのライブの時にすぐに音源にすると言ってましたが、こうなるとは思いませんでした。
佐々木:新宿ロフトは初めてワンマンやったところなんで、10周年でやりたかったんですけど、チケットがすぐ売れて見れなかった人が多かったみたいだから、その人たちのためにもいいかなと思って。ディレクターが、これまでで一番いいライブ音源ができたと言ってたから、かなりクオリティがいいかと。あのアルバムを出した頃、メンバーの失踪とかもあったし、今みたいにツアーの本数も多くないから、単純にライブでやってない曲が多くて、あの時初めてライブでやった曲もあって、懐かしさより演奏できた嬉しさの方がありました。CDでは一番古い曲と新しい曲が同時に聴けるから、今のa flood of circleを知ってもらうにはいいんじゃないかな。
EMTG:アルバムのジャケットがビンゴゲームなのは?
佐々木:とにかく楽しいものにしようと思って。ビンゴって、俺のイメージでアメリカの50年代風のデザインというか、レトロなアートワークで良いし、CDゲットしてくれるなら、楽しみもないとって。俺ら握手券つけてもしょうがないから(笑)。11月11日のライブ配信でビンゴ大会やったんです。(註:ビンゴの番号はHPに掲載中。追加購入でもビンゴしていれば景品がプレゼントされます。詳しくはオフィシャルサイトをチェックしてください。)
EMTG:ツアーがすぐに始まりますね。
佐々木:リハやりながら新曲も作ってるんですよ。俺らリリース前にライブで新曲をやったことがないんで、音源になってない曲をライブでやるのいいねって。それも7割ぐらい出来てる状態で始めて、ツアー終わる頃に完成してたらいいねっていう。このアルバムも自分たちがドキドキするために作ったから、ライブもドキドキする仕掛けがあったらいいねって。来てくれる人にドキドキしてほしいですね。

【取材・文:今井 智子】


「HEART」ティザー - a flood of circle

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リリース情報

HEART

HEART

2019年11月06日

Imperial Records

1. スーパーハッピーデイ
2. Lucky Lucky
3. Lemonade Talk
4. 新しい宇宙
5. Stray Dogsのテーマ

-Live Bonus track-
6. シーガル
7. Buffalo Dance
8. エレクトリック ストーン
9. 僕を問う
10. ラバーソウル
11. 博士の異常な愛情
12. Paradox
13. アンドロメダ
14. 噂の火
15. 水の泡

お知らせ

■ライブ情報

a flood of circle
“Lucky Lucky Tour 2019-2020”

11/14(木)千葉LOOK※SOLD OUT
11/29(金)札幌BESSIE HALL
12/1(日)仙台MACANA
12/6(金)広島CAVE-BE
12/7(土)福岡CB
2020
1/11(土)大阪梅田CLUB QUATTRO
1/13(月祝)名古屋CLUB QUATTRO
1/17(金)渋谷CLUB QUATTRO
1/19(日)渋谷CLUB QUATTRO
※全公演ワンマンライブ
ticket ¥3,900(D代別)

AFOC x Shelter presents
"ROCK’N’ROLL NEW SCHOOL"

<’19-’20 Count Down Party!!! FINAL!>
12/31(火)下北沢SHELTER

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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