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ソロ活動15周年を迎えたJ、ツアーファイナルで完全燃焼!

J | 2012.09.20

 今年、ソロ活動15周年を迎えたJが、 全国ツアー「Add Fuel to The Fire」を開催。途中、ドラムのScott Garrettが体調を崩してしまい、一部公演を延期するというトラブルも あったのだが、その後、無事に回復。振替公演を含めた残りのスケジュールを走破し、迎えたツアーファイナルは9月2日新木場STUDIO COAST。彼の熱い音に飢えたロックキッズ達が会場に集結した。

 まず、ゲストバンドとして招かれたMY FIRST STORYとTHE MIRRAZが登場。“この 前の赤坂BLITZのライヴを見させてもらったんですけど、驚愕というか、本当に 凄くて(MYFIRST STORY・Hiro)”、“中学生の頃に見ていたバンドの方なので、すごく嬉しいです(THE MIRRAZ・畠山)”と、MCでそれぞれの想いを話 していた。どちらも旬で話題のバンドであることは間違いないのだが、「激情的なUSス クリーモサウンド」と「UKロック直系の狂騒的なサウンド」という異なった音楽性 である2組。そんな彼らの音楽を、フロアにひしめいている圧倒的多数なJのファンは、窺って見るのではなく、純粋に楽しんでいた。それは、この2組のライヴにおける力量はもちろんのこと、以前からJがジャンルを問わず、自分の好きなバンドを、ゲストとしてライヴに呼んでいることもある だろう。この日のMCでJが 話していた。

「音楽にジャンルなんて関係無いけど、こういう機会がないとなかなか巡り会えない仲間達がいて。で も、大好きなバンドと一緒にライブをするっていう、そういうピュアなパワーが大好きだから。今夜、こんなに素晴らしい時間をみんなで作れたことが、本当にハッピーです」

 18時42分。会場の電気が落ち、いよいよ主役の登場だ。大歓声が巻き起こる中、早足でステージに飛び込んできたJは、ベースを手に取り、大音量のフィードバックノイズが鳴り響く中、ゆっくりと人差し指を天に向けて高く掲げる。1曲目は「Bring the Light」。身体の中に秘めている熱をゆっくりと解放し、一気に爆発させるようなこの曲は、ゲストバンド達が高めたフロアの熱を更に上へとぶちあげ、フロアのあちこちでモッシュとクラウドサーフを巻き起こす。その後も「here we go」「RED SUN」「wild world」と、最新アルバム『ON FIRE』の収録曲を矢継ぎ早に発射していった。

 彼の曲を聴いていると、ギラギラと燃えたぎる太陽や、陽炎に揺れる荒野の地平線が目に浮かんでくる。要するに、とにかくワイルドで、ダイナミックであるということだ。そして、彼の鳴らすロックはとてもシンプルでもある。無駄が一切ない。ゆえに、とても熱い。装飾のないシンプルなサウンドだからこそ、その核=彼自身が持つ圧倒的な熱量にダイレクトに触れることが出来るし、伝わるし、動かされるのだ。彼のライヴ未経験の方は、とにかく一度会場に足を運んでほしい。ライヴがスタートした瞬間に、衝撃が身体を突き抜け、心を鷲掴みにされるヤバさにやられるだろう。

 中盤では、ゴリっとしたダーティーなベースの一音一音が、フロアを挑発するように放たれた「Fire」から、「who is」「another dream」といった、ゆったりとしたグルーヴでオーディエンスを魅了。その後、ダブステップなどのエレクトロサウンドを導入したScottの迫力満点なドラムソロを挟み、“いつ聴いても色あせない曲になってほしいと願いながら作った”という「baby baby」へ。先ほどまでの焚き付けるような爆発力とはひと味違った、包容力の溢れるサウンドが会場を優しく包み込んだ。

 終盤戦に入り、ライヴの熱は更に高まっていく。「break」、「Go Charge」とキラーチューンが続き、「PYROMANIA」ではオーディエンスがライターに火を灯す。“全部燃やし尽くせ!”──激しく身体をぶつけ合いながら音を楽しみ、倒れた人が居たら周りが率先して助ける。ライヴハウスでは当たり前の光景なのかもしれないが、それにプラス“暖かさ”や“逞しさ”のようなものを感じさせる。それは決してぬるいわけでも、身内だけで固まってよろしくやっているわけでもない。闘っているのだ。ステージとフロアが共闘して、現実に立ち向かうためのロックが生まれている。本当に素敵な光景だった。

 アンコールでは、まずJが1人でステージへ現われ、年末に再びライヴを行なうことを発表。そして、今回のツアーのことを話し始めた。「ライヴは、みんなに何かを届けたいと思いながらやってるけど、みんなにエネルギーをもらっちゃった感じがします。この熱はみんなの宝物だと思う。こういう熱がみんなの日常に満たされてるようなイメージでツアータイトルをつけたんだけど、訳した人いる?(フロアから“火に油をそそぐ!”と、声があがる)。そう。これからもみんなに油を注ぎ続けるように全速力で突っ走っていくから、これからもロックンロールな人生を一緒に歩んでいこうぜ!」

 そんな熱いMCで会場を昂らせ、バンドメンバーであるScott Garrett、Kazunori Mizoguchi(Gt.)、藤田タカシ(Gt.)をひとりずつステージに呼び込み、アットホームなMCを展開。そして、Jの15周年を祝うスペシャルゲストとして、かつて彼のバンドメンバーだった2代目ギタリストmasasucksを招き入れ「BUT YOU SAID I’M USELESS」と「So High」をプレイ。それだけで終わらず、初代ギタリストFranz Stahlも登場し「Feel Your Blaze」へ!Jのバンドメンバーはとにかく個性が強く、各々のパワーが相まって凄まじい爆発力を生み出すのだが、そんな強烈な6人の男達がステージ上を暴れ回るという圧巻の状況に、会場中が異様なまでの興奮に包まれていた。

 ラストナンバーは、彼がソロとしてのキャリアをスタートさせた曲である「BURN OUT」。“このツアーでひとつ歳をとったけど、なんか、幼児に退行しているような気がしていて”──少し笑いながらそう話していたJだが、キャリアを重ねるごとに増していく音楽に対してのピュアな衝動と、リスナーの心に火をつけ、それを燃え上がらせる使命感に満ちた熱いステージだった。「次に会うときまでの約束だ。お前ら何があってもくたばんな!」そう言い残し、ステージを去った彼に、一際大きい拍手と大歓声が送られていた。

【取材・文:山口哲生】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル J

リリース情報

ON FIRE

ON FIRE

2012年03月21日

cutting edge

ディスク:1
1. Bring the Light
2. here we go
3. Red Sun
4. fire
5. who is
6. storm rider
7. baby baby
8. wild world
9. another dream
10. Endless sky
ディスク:2
1. here we go -Video Clip-

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セットリスト

J LIVE 2012 summer tour -ON FIRE-
[ Add Fuel to The Fire ]
2012.9.2@新木場STUDIO COAST

  1. Bring the Light
  2. RECKLESS
  3. here we go
  4. RED SUN
  5. Wild World
  6. fire
  7. Who is
  8. Another Dream
  9. LIE-LIE-LIE
  10. DRUM SOLO
  11. Storm Rider
  12. Baby Baby
  13. break
  14. Go Charge
  15. PYROMANIA
  16. addiction
  17. Endless Sky
  18. ENCORE
  19. BUT YOU SAID I’M USELSS (with masasucks)
  20. So High (with masasucks)
  21. Feel Your Blaze (with masasucks and Franz Stahl)
  22. BURN OUT (with masasucks and Franz Stahl)

お知らせ

■ライブ情報

J LIVE 2012 summer tour
-ON FIRE- EXTRA《海外公演》

2012/09/14(金)香港E-Max Music Zone
2012/09/16(日)台湾THE WALL Taipei

J LIVE 2012 LAST SHOWS
- DOUBLE INFERNO -

2012/12/28(金)大阪BIG CAT

2012-2013
COUNT DOWN & NEW YEARS LIVE!!!

2012/12/31(月)原宿アストロホール[FanClub限定公演]
2013/01/01(火)原宿アストロホール[FanClub限定公演]

※その他ライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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