2月にJ-POPの名曲カバーを中心に収録したソロアルバム『D’scover』をリリースしたBIGBANGのD-LITE。アルバムを掲げ、東京と神戸の2ヶ所で“D-LITE D’scover Tour 2013 in Japan ?DLive?”をスタートさせ、東京公演は日本武道館2DAYSという堂々のスケールで行われた。現在では追加公演も発表され、5月1日の千葉から6月18日のファイナル、横浜アリーナまで、日本国内を細かくまわる予定となっている。

　ライブで実感できたのは、まずD-LITE自身のボーカリストとしての実力と存在感。ここでは武道館の初日、3月30日の模様を、簡潔にレポートしようと思う。

　セットリストはもちろん『D’scover』からの曲が中心。自らネットでさがしあて、すっかりお気に入りになったという「歌うたいのバラッド」やドリカムの名曲「未来予想図?」など、聴かせる曲も情感たっぷりに歌い上げてくれる。集まった満杯の観客は完全に魅了され、歌い出しには溜息がもれるほど。一方では「全力少年」や「じょいふる」、さらにはD-LITE名義のソロ曲「WINGS」など、アッパーなナンバーで場内を盛り上げ、エンターテイナーとしての一面も存分に発揮。MCでは、得意の日本語で「皆さんと、ソロとしてのスタートを切れることができてうれしいです。これからも皆さんのために歌い続けます！」と熱く宣言し、満員の観衆から大声援を受けた。カバーした楽曲についても、しっかりとその意味を把握し、たぐいまれな表現力で歌いきったのは見事だった。

　アンコールにもしっかりと応え、「皆さん、なんで帰らないんですか？（笑）。もしかしたら、力残ってますか？」と茶目っ気タップリに煽る。サポートバンドの面々も笹路正徳、マーティー・フリードマン等ベテランぞろいで、長くミュージックシーンを牽引してきた蒼々たるラインナップ。D-LITEは、その辣腕ミュージシャン達ともキッチリと渡り合ってみせた。5月からの追加公演では、さらなる成長をとげた歌を各地で聴かせてくれるに違いない。

【取材・文：海江敦士】