Droogの2ndフルアルバム『ぶっとびぱなし』を引っ提げた全国ツアー「Droog やけっぱちTOUR 2013」ファイナル公演が渋谷チェルシーホテルにて開催された。

今ツアーでは全国各地のライヴハウスで、忘れらんねえよ、Wienners、SUPER BEAVER、SHIT HAPPENING、撃鉄、BYEE the ROUND、ザ50回転ズ、グッドモーニングアメリカ、キュウソネコカミ、Large House Satisfaction、THE NAMPA BOYS、爆弾ジョニー、DOES、黒猫チェルシー、THE BOHEMIANSといった猛者たちと対バンを繰り広げてきたDroogが、このファイナルのワンマン公演でどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、オーディエンスの期待が場内に満ち溢れていた。

場内が暗転しSEが鳴り響くと、ステージのセンターで「Droog」と記されたネオン菅が発光し、ステージを妖艶に照らす。メンバーがひとりづつステージに登場し、カタヤマヒロキ（Vo）の「こんばんは、Droogです。よろしく。Are You Ready?」という言葉を合図に熱狂のライブがスタート。オープニングは「Happy People‘s」。オーディエンスも最初から激しいタテのりで盛り上がっていく。そして、憧れのカルト・スターの名前を次々と連呼される「カルト・スターに憧れて」や、ロックンロールへの愛をぶちまけ吐き出している「ティーンエイジ・カルチャー」などが矢継ぎ早に披露されていく。

「セックスピストルズっていうバンドが教えてくれたのは、”やりたいこと”と”やるべきこと”どっちでもいいけど、自分の信じた道を進めってこと。海の向こうのジョニーと天国のヴィシャスに捧げます」と言ってから披露されたのは「Johnny&Vicious」。中学2年生の時にセックスピストルズを聴き、衝撃を受けてバンドを始めた彼らにはピッタリなナンバーだ。カタヤマは情感たっぷりに歌い上げ、荒金祐太朗（G）、多田拓斗（B）、右田智弘（Dr）の3人も想いのたけをぶつけるがごとく演奏している。続く、荒金の「ロマンチックな夜にしよう!」を合図に始まった「Neon Sign」ではステージからは大小さまざまな風船が投げ込まれる場面も見られた。

そして、「愛に餓えてんなら 骨にしゃぶりつけ」「健康優良不良少年」「いざさらば 書を捨てよ」「太陽の目を盗んで」と、新旧のナンバーを惜しげもなく披露。カタヤマが「ロックンロールが何なのかを探しながらツアーをまわったけど、まだよくわからないです。ひとつ言えるのはロックンロールって音楽や、ましてはジャンルのひとつとかそういう小さいことじゃなくて、オレは本当にロックンロールでいろんなことを変えられるし、ぶっ壊せると思っています。これがオレの最大級のロックンロールへの愛情表現です」と言い放つと、「ロックンロール以外は全部嘘」へ。たたみかけるように「眠たい奴ら」「LOVE SONG」が披露され、「最後にオレたちの歌を聴いてくれ！“Theme of Droog”」と叫び、最新アルバム「ぶっとびぱなし」のラストを飾っているナンバー「Theme of Droog」で本編を締めくくった。

アンコールの手拍子に導かれ、再びメンバーがステージに登場する。ここで、9月から3ヶ月連続で自主企画ライブを開催することが発表され、オーディエンスから歓声が沸き起こる。そして、「あとちょっとだけやって帰ります」と、ばちかぶりの「オンリーユー」のカバーを披露。「生きていれば悪いことのが多いけど、それもひとつひとつ意味があることだと願いを込めて歌います」というMCから、「からっぽの世界」へ。そして最後に全国20公演のラストを飾るナンバーとして「人類」が演奏され、熱狂のツアーファイナルの幕は閉じた。

【Photo by 青木カズロー】