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KREVA主催の“音楽の祭り”「908 FESTIVAL 2019」

KREVA | 2019.10.02

 『908 FESTIVAL 2019』が、9月26日・横浜アリーナで行われた。出演したのは主催者であるKREVAの他、三浦大知、DEAN FUJIOKA、BONNIE PINK、s**t kingz。各出演者のライブをオムニバス形式で展開するのではなく、KREVAとの共演を交えながらノンストップでひとつの空間を作り上げるのが、このイベントの大きな特徴だ。見どころが満載だったステージの模様をレポートする。

【KREVA】
 オープニングムービーが流れて、柿崎洋一郎(Key)、近田潔人(G)、熊井吾郎 (DJ・MPC)、白根佳尚(Dr)、大神田智彦(B)の演奏がスタート。レーザービームが飛び交う中、勇壮なサウンドが鳴り響いて、サングラスをしたKREVAが登場した。今年の908 FESTIVALの幕開けを飾ったのは「無煙狼煙」。切れ味抜群のラップの集中砲火を浴びて、観客は早くも激しい興奮状態となっていた。そして、「全員、俺のこと観に来たって感じ(笑)。そうじゃないって知ってるから、ここでみんなの力を借りて曲を完成させたい」というMCを挟んで、「One」も披露。昨年、このイベントでJQ(Nulbarich)が出演した際に制作されて、“feat. JQ”として届けられたこの曲だが、今年は予想外の形となった。ステージに現れたのは、なんと三浦大知! 二手に分かれて、センター席の外周を移動しながら歌った彼らに歓声を送りつつ、観客はますます大興奮。この曲に込められている“1+1で特大の1を作る”という意味が、鮮やかに具現化されていた。

【DEAN FUJIOKA】
 KREVAの呼び込みでステージに現れたDEAN FUJIOKAが最初に披露したのは、「History Maker "HITM ver"」。ハンドマイクで歌いながらステージ上を巡る彼を中心として、華やかな空間が広がっていく。待ちわびていたファンの歓声も、どんどん高まっていった。「みなさん、今晩は!この日を楽しみにしてました。最後まで一緒に盛り上がっていきましょう!」。挨拶の言葉を経て届けられた「Sakura」は、爽やかなメロディで観客をうっとりとさせていた。そして、3曲目の「Echo」では、素晴らしいコラボレーションが実現。KREVAがラップパートを書き下ろして、“feat. KREVA”のスペシャルバージョンとなったこの曲は、ふたりの歌声がドラマチックに交わされる様にワクワクさせられた。圧倒的に輝いていたふたりの姿は、あの場にいた全ての人の胸に鮮烈に焼き付いたはずだ。

【BONNIE PINK】
 DEAN FUJIOKAを送り出して、ステージに残ったKREVA。「またひとりになっちゃった……」と寂し気につぶやき、“ヒップホップため息”と名付けられていた「チキチハア~」というビートを利かせたため息で観客を笑わせていた。そんな和やかな場面を経て始まったヒューマンビートボックスにバンドの演奏が合流して「くればいいのに」がスタート。最初のサビで《逢いたいと思うその時には あなたがいない》と観客の歌声が響き渡った後、「今年はついにこの人が来てくれました!」と、KREVAが紹介したのはBONNIE PINK。彼女の歌声が加わって、色合いの深みを増したこの曲は、横浜アリーナ全体を心地よく震わせていた。「ずっとここにいたいけど……」と名残惜しそうにしていたKREVAにこの場を任された彼女は、「Tonight, the Night」と「A Perfect Sky」も披露。圧倒的な歌唱力、表現力で観客を魅了し続けていた。そして、再びステージに戻ってきたKREVAのリクエストでサザンオールスターズのカバー「真夏の果実」も届けられたのだが、三浦大知も加わった3人の共演は、とても素敵だった。BONNIE PINKに近づけまいと、三浦の椅子を離れたところに置きたがるKREVAの姿が観客を爆笑させた後、曲がスタートして美しいハーモニーが響き渡った瞬間、約1万2千人の観客が一気に引き込まれているのを感じた。

【s**t kingz】
 shoji、kazuki、NOPPO、Oguriによるダンスパフォーマンスチーム・s**t kingz。アメリカ最大級のダンスコンテスト『BODY ROCK』で2年連続優勝を果たし、海外からも注目されていて、三浦大知などとの共演でも幅広い層に知られている。NOPPOがプロとして初めてステージに立ったのは、2007年の『意味深ツアー』であり、KREVAとの関係性も非常に深い。この4人組のステージは、多彩なダンスで観客を魅了していた。何本もの真っ赤な火柱が上がるステージで、ハードロックサウンドに合わせてエネルギッシュに踊った「BLOW」。ロマンチックなムードを醸し出していた「P.Y.T」。爽やかな手拍子を誘った「太陽は罪な奴」――様々な場面やストーリーを観客に想像させるダンスパフォーマンスの連続であった。そして、ラストに披露されたのはオリジナル曲の「Popping!」。観客に踊ってもらう振付のレクチャーを経てスタートしたのだが、途中でKREVAもラップで加わり、DEAN FUJIOKAも合流。s**t kingzの4人と一緒にKREVAとDEANが抜群の切れ味で踊ると、観客から熱い歓声が上がった。

【三浦大知】
 「Be Myself」を歌い始めると、瞬く間に壮大な世界をステージ上に作り上げた三浦大知。途中でダンサーチームも加わり、共に踊りながら完璧に歌声を響かせる様に、とにかく息を呑まされた。観客の力強い手拍子を巻き起こした「(RE)PLAY」の後、KREVAがステージに登場。ふたりの共演で届けられたのは、過去に大阪で1回歌っただけなのだという「FEVER 勝手にリミックス feat. KREVA」。KREVAのリミックスが施されたこの曲で交わされた歌声とラップは、彼らが互いに抱いているリスペクト、共にステージに立てる喜びで満ち溢れていた。「毎年声をかけていただいて、毎年、来る度にたくさんの愛に包まれています。愛に溢れていて、今年も最高の愛のど真ん中に呼んでいただけて、本当に嬉しく思っております。ありがとうございます」と、感謝の想いを語った後に披露されたバラード「片隅」も、唯一無二の歌声を目一杯に体感させてくれた。そして、s**t kingzとの共演となった「飛行船」、ダイナミックなダンスと力強い歌声が、観客を総立ちにさせた「Blizzard」で締め括られたライブは、全篇が片時も目を離せない最高のエンタテインメントだった。

【KREVA】
 高速ラップを交えながら、観客を爆発的に盛り上げた「基準 ~2019 Ver.~」からスタートしたKREVAのライブ。シンガーの宏実と一緒にコーラスを務めていたSONOMIがステージの前方に出て、瑞々しい歌声を響かせた「ひとりじゃないのよ feat. SONOMI」。s**t kingzのダンスパフォーマンスが加わったことによって、この曲で表現されている感情が立体的に迫ってくるのを感じた「アイソレーター」。音楽を心から楽しんでいる人々が集まっていたあの空間が、まさしく表現されていた「敵がいない国」……多彩な曲が、観客を大いに盛り上げていた。「何回も言うと嘘っぽくなりそうだけど、溢れ出そう。楽しい!楽し過ぎる!楽しさの極み・オブ・ザ・イヤー(笑)」と笑顔を輝かせたKREVA。「今年、ソロデビュー15周年を迎えました。だけど、その15年間で1回もライブで披露できてない曲があります。それをこれからやろうと思います」と言い、BONNIE PINKをステージに招いて披露した「You are the NO.1(Hey DJ!) feat. BONNIE PINK」は、観客の身も心もときめかせているのを感じた。

 三浦大知とのコラボレーションによって生まれた全ての曲のノンストップミックスを経て、この10年間で毎年欠かさずふたりで披露してきた「Your Love feat. KREVA」へと繋げた展開は、とても感動的であり、『908 FESTIVAL』の象徴的な場面でもあった。出演者がリスペクトを交し合い、様々な魅力を煌めかせ合うこのイベントは、音楽に対する「好き!」という感情も加速してくれる。特定のアーティストを目当てにしていた観客も、ライブが進行するにしたがって、自ずとたくさんの音楽の魅力を発見してしまうのが『908 FESTIVAL』だ。「Your Love feat. KREVA」で響き渡った彼らの歌声とラップも、そのようなムードを高める輝きに満ちていた。そして、三浦を送り出した後、「音色 ~2019 Ver.~」「C’mon, Let’s go ~2019 Ver.~」「Na Na Na ~2019 Ver.~」も披露したKREVA。ファンの大合唱にリードされて、人々の歌声の輪がどんどん広がっていく様が、とても美しかった。

 「日々、いろんなところで、いろんなエンタテインメントが行われてます。俺も楽しんでる。でも、今日はこう言わせてください。きっと……いや、絶対、今日、ここが一番盛り上がってる。いや、パーティーしてると思うので」というKREVAの言葉が添えられて、アンコールの曲「パーティーはIZUKO?~2019 Ver.~」がスタート。《ねぇパーティはIZUKO?》とKREVAが歌う度に、手拍子をしている観客から《ここだ!》という声が返ってくる。途中でDEAN FUJIOKA、BONNIE PINK、s**t kingz、三浦大知も登場して、《ここだ!》という声はますます高まっていった。「今日、ここが一番盛り上がっている!パーティーしている!」と、心の底から実感することができたひと時であった。

 こうして、清々しい余韻と共に締め括られた『908 FESTIVAL 2019』。このイベントは2012年から開催され続けているが、毎回、あらゆる出演者の魅力をたくさん発見させてくれる。そして、「音楽って、やっぱり楽しいなあ!」という素直な喜びで胸一杯にさせてくれるところが、本当に素敵だ。未体験の人は、次の機会に会場に足を運ぶことをお勧めする。

【取材・文:田中 大】
【撮影:岸田哲平、中河原理英、本田裕二】

tag一覧 J-POP ライブ 男性ボーカル KREVA

リリース情報

AFTERMIXTAPE

AFTERMIXTAPE

2019年09月18日

ビクターエンタテインメント

01. MIX / TAPE
02. 敵がいない国
03. One feat. JQ from Nulbarich
04. S.O.S.が出る前に
05. アイソレーター
06. リアルドクター K
07. 人生
08. Don’t Stop Y’all, Rock Rock Y’all
09. もしかしない
10. 無煙狼煙
11. それとこれとは話がべつ! feat. 宇多丸, 小林賢太郎
12. 君の愛 Bring Me To Life

セットリスト

908 FESTIVAL 2019
2019.9.26@横浜アリーナ

    ■KREVA
  1. 01.無煙狼煙
  2. 02.One feat. 三浦大知
    ■DEAN FUJIOKA
  1. 01.History Maker "HITM ver"
  2. 02.Sakura
  3. 03.Echo feat. KREVA
    ■BONNIE PINK
  1. 01.くればいいのに feat. BONNIE PINK
  2. 02.Tonight, the Night
  3. 03.A Perfect Sky
  4. 04.真夏の果実
    ■s**t kingz
  1. 01.BLOW
  2. 02.P.Y.T
  3. 03.太陽は罪な奴
  4. 04.Popping!
    ■三浦大知
  1. 01.Be Myself
  2. 02.(RE)PLAY
  3. 03.FEVER 勝手にリミックス feat.KREVA
  4. 04.片隅
  5. 05.飛行船
  6. 06.Blizzard
    ■KREVA
  1. 01.基準 ~2019 Ver.~
  2. 02.ひとりじゃないのよ feat. SONOMI
  3. 03.アイソレーター
  4. 04.敵がいない国
  5. 05.You are the NO.1(Hey DJ!) feat. BONNIE PINK
  6. 06.Your Love feat. KREVA
  7. 07.音色 ~2019 Ver.~
  8. 08.C’mon, Let’s go ~2019 Ver.~
  9. 09.Na Na Na ~2019 Ver.~
  10. 【ENCORE】
  11. 01.パーティーはIZUKO?~2019 Ver.~

お知らせ

■ライブ情報

KREVA CONCERT TOUR 2019-2020
「敵がいない国」

12/13(金) [宮城]チームスマイル・仙台PIT
12/16(月) [愛知]ダイアモンドホール
12/17(火) [大阪]なんばHatch
12/19(木) [福岡]DRUM LOGOS
12/23(月) [東京]豊洲PIT

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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