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BLUE ENCOUNT「ついてこいよこれからも」――確かな強い光となって未来を照らした「B.E. with YOU」ファイナル

BLUE ENCOUNT | 2019.11.28

 9月25日の千葉LOOK(独占レポはこちら)にはじまり、全国を回ってきたBLUE ENCOUNTのツアー「B.E. with YOU」。台風の影響で浜松公演が延期になったものの、このZepp Tokyo 2デイズが実質的なツアーファイナル。もちろんメンバーも観客も気合いが入っていた一夜は、ほとんど伝説的と言っていいものとなった。結成15周年。個人的なことを書くならば、そのうち半分くらいの歴史は知っているし、彼らのライブも数え切れないほど観てきたが、その中でもベストといっていいライブだった。今日にすべてを懸け、だからこそ未来が明るく照らし出されるような2時間。すばらしかった。以下のレポートで、その実感を少しでも伝えられたらと思う。

 今回のツアーは、セットリストはあえて固定せず、公演ごとに曲を入れ替えながら行われてきた。初日も観たが、この日はもちろんその時とはまったく違う構成。「あなたに会いに来ました、BLUE ENCOUNTです!」という田邊駿一(Vo・G)の言葉から1曲目「#YOLO」(という始まりかたも意外だった)に突入すると、いきなりフロアは沸騰状態だ。その興奮をさらに助長するように、曲の途中で高村佳秀(Dr)が叫ぶ。「お前ら、ぼさっとしてないでかかってこいよ!」――Zeppという大きなライブハウスでありながら、その距離感は千葉LOOKで観たときよりも近いとすら感じる。そのままアクセルを緩めることなく「LAST HERO」、そして江口雄也(G)のギターが炸裂する「アンバランス」へ。余裕綽々でフロアを煽る田邊、身体を激しく動かしながら弦を叩きまくる辻村勇太(B)……4人それぞれにライブのスキルが格段に上がっているのを実感する。「HALO」「JUST AWAKE」「NEVER ENDING STORY」と初期のキラーチューン連発に会場の熱気はとどまることなく上昇していく。

 金沢でライブハウスの建設に地元住民が反対しているというニュースを引き合いに出し、「ここからライブハウスはもっといい場所になる。一人ひとりのロックを鳴らしましょう」と堂々と意見表明する田邊。「俺は頑張って歌う。俺らの声を届ける。なぜなら、あなたの声が俺らを救ってくれるからです」。そんな言葉とともに放たれたのは、初期中の初期の楽曲「声」。さらに『SICK(S)』からの「幻聴」をはさんで、これまたレアな「夢花火」を歌い上げる。田邊が「東京で歌うことに意味がある」と語ったとおり、この曲には熊本から上京して、ボロボロになりながら這い上がってきたブルエンの物語がオーバーラップする。まるで総決算のように、田邊の歌はすべての過去を思い出として声にのせて放出していく。センチメンタルなメロディが、そこから1歩も2歩も先に進んでいる今のブルエンの姿とコントラストを描く。

 と、ここまで書いてきた内容だけ見ると徹底的にシリアスな感じもするが、もちろんブルエンはそれだけではない。途中、イヤーモニターが壊れたと言って田邊がステージから消えている間には、残ったメンバーで「15年の事件簿」について話す流れに。そこで高村はもっとも印象的な出来事として、レコーディングでもライブでもなく、敬愛する声優の釘宮理恵さんに会えたことを挙げる天然ぶりを発揮。戻ってきた田邊に「どれだけ好きかデシベルで表現して」と言われてドラムセットから立ち上がり「好きだー!」と絶叫する。

 事件といえば、と田邊が「今年、俺たちの中でいちばん悔しい事件がありました」と語ったのは、9月11日、新曲リリースの日に予定していたフリーライブが悪天候で中止になった出来事。「今日は全部が整った。あの日の雪辱晴らしていいですか?」という言葉に大歓声が巻き起こるなか、そこで披露するはずだった“新曲”「バッドパラドックス」をぶちかます。そしてここから、ライブの後半がまさに圧巻だった。「ハウリングダイバー」で大合唱を巻き起こすと、弦3人並んでの背面弾きも見せた「ONE」を挟んで「だいじょうぶ」へ。ここでもシンガロングが生まれ、田邊は「どうだ! 俺らの音楽かっこいいだろ?」と胸を張る。正直、この「だいじょうぶ」の刺さり方は意外だった。もちろんいい曲だとは思っていたが、これほどまでにバンドの姿勢を象徴する楽曲になるとは。それはこちらの受け取り方が変わったというよりも、バンドの包容力が大きくなったということなのだと思う。虚勢でもポーズでもなく、余裕で「だいじょうぶ」と言い切れるバンドに、ブルエンはなった。そのことを証明したのが、本編最後に演奏された「もっと光を」だった。いうまでもなくブルエン最強のアンセムは、文字通り光となってフロアを照らし出す。「まかせろ、俺たちがあんたを守るから。ついてこいよこれからも」――田邊はそう言ってフロアを見渡してみせた。

 アンコールでは恒例の物販隊長・高村によるグッズ紹介を経て、田邊がこの日のライブを生配信していたLINE LIVEの視聴者数が100万人を超えたと発表。どよめきが起こる中、さらに来年のホールツアー開催をアナウンスする。フロアから大きな拍手が巻き起こったのは言うまでもない。そして「もっと光を」の「光」をさらなる確信とともに歌った最新曲「ポラリス」、そしてバンドとファンの約束の歌「HANDS」を披露。この曲にかぎらず「守る」という言葉を幾度も使ってきたブルエンだが、その言葉がこの夜はこれまでとはまったく違う重みと強さをもって聞こえてきた。きっとBLUE ENCOUNTは、ファンにとって、ひいてはこの国のロックシーンにおいてもっともっと大事なバンドになる。ライブが終わったあとには、そんな手応えが確かに残った。

【取材・文:小川智宏】
【撮影:浜野カズシ】

tag一覧 J-POP ライブ 男性ボーカル BLUE ENCOUNT

リリース情報

ポラリス

ポラリス

2019年11月20日

Ki/oon Music

01.ポラリス
02.girl

セットリスト

BLUE ENCOUNT
TOUR2019「B.E. with YOU」
2019.11.21@Zepp Tokyo

  1. 01.#YOLO
  2. 02.LAST HERO
  3. 03.アンバランス
  4. 04.HALO
  5. 05.JUST AWAKE
  6. 06.DESTINATION
  7. 07.NEVER ENDING STORY
  8. 08.ロストジンクス
  9. 09.声
  10. 10.幻聴
  11. 11.夢花火
  12. 12.バッドパラドックス
  13. 13.Survivor
  14. 14.VS
  15. 15.ハウリングダイバー
  16. 16.ONE
  17. 17.だいじょうぶ
  18. 18.もっと光を
【ENCORE】
  1. 01.ポラリス
  2. 02.HANDS

お知らせ

■ライブ情報

BLUE ENCOUNT
TOUR2020 全国ホールツアー

05/13(水) [千葉]浦安市文化会館大ホール
05/24(日) [北海道]道新ホール
05/31(日) [宮城]仙台電力ホール
06/07(日) [愛知]愛知県芸術劇場大ホール
06/27(土) [福岡]福岡サンパレス
06/28(日) [広島]広島JMSアステールプラザ 大ホール
07/25(土) [高松]サンポートホール高松 大ホール
07/26(日) [兵庫]神戸国際会館
08/08(土) [新潟]新潟県民会館
09/01(火) [東京]LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
09/02(水) [東京]LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
09/21(月・祝) [大阪]オリックス劇場



C3AFA Singapore 2019
~I LOVE ANISONG~

11/29(金)/11/30(土)/12/1(日) Suntec Singapore Convention & Exhibition Centre(シンガポール)

METROCK ZERO 2019
12/07(土) EX TEHATER ROPPONGI

LACCO TOWER 2マンツアー2019
五人囃子の駆け落ち騒ぎ~終大阪~
「青き出会いにかりそめの終焉」

12/14(土) 梅田BananaHall

MERRY ROCK PARADE 2019
12/22(日) ポートメッセなごや1号館~3号館

FM802 30PARTY FM802 ROCK FESTIVAL
RADIO CRAZY 2019

12/26(木) インテックス大阪

COUNTDOWN JAPAN 19/20
12/31(火) 幕張メッセ国際展示場1~11ホール、イベントホール

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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