WEAVERのニューアルバムは、希望と歓喜の歌の集大成!

WEAVER | 2011.08.22

8月24日にニューアルバム『ジュビレーション』をリリースするWEAVER。“歓喜”“祝祭”という意味のタイトル通り、美しいメロディーと生命力のある歌詞にあふれた作品だ。アルバムを象徴する「Shine」、ダウンロードシングルとしてもおなじみの「キミノトモダチ」、初の杉本雄治名義のボーナストラック「負けんな!」など、どの収録曲も出色の仕上がり。改めてバンドを見つめ直し、伝えたいことを考え抜いた作品について3人のメンバーに語ってもらった。

EMTG:『ジュビレーション』はいつ頃から制作していたんですか?
杉本雄治:前作のアルバム(『新世界創造記・前編』『新世界創造記・後編』)ができあがったあとにツアーがあったんですけど、その頃から曲は作り始めてました。
EMTG:曲作りは、かなり長いタームで行ってたんですね。ただ、歌詞の内容を考えていくと、すごく今の時代に呼応しているような気がするんですが。
杉本雄治:3月11日の東日本大震災があったことを受けて、僕ら自身が改めて音楽と向き合って作った「希望の灯」っていう曲も、このアルバムには入ってます。
奥野翔太:4月に大阪と東京でワンマンライブをやったんですが、こんな時期にライブをするのもどうかって僕らも迷いました。でも、当日ライブをさせていただいて、来てくれたお客さんの顔を見て――もちろん、お客さんの多くが被災した方ではなかったとしても、ライブから何かしらの希望を感じてくれたら、その希望は人に伝わるんじゃないかと感じて。
EMTG:そういった思いが、アルバムタイトルにも表れてますね。『ジュビレーション』という言葉を選んだ理由は何ですか?
杉本雄治:“ジュビレーション”という言葉自体には“歓喜”とか“祝祭”っていう意味があるんです。ただ、震災があったからというわけではなく、今までもWEAVERとして、どうしたら音楽で誰かのためになれるんだろうって考えていて。でも、一方で自己満足かもしれないとか悩んだりしたんですね。ただ、“誰かのために何かをする”ってことに罪はないと思うんですよ。それに、僕らがそう思うことで、何かが変わるんじゃないか、誰かが幸せでいてくれればいいなって思うだけで、何かが変わるかもしれない。例えば、花とか星を見た時、純粋に“きれいだな”って思う気持ちに何の疑問も持たないじゃないですか。なぜきれいなのかを考えるよりも、そこにそれがあるだけで癒されたりする。だから、音楽そのものも、そうであったらいいなと思って、このアルバム自身がタイトルにつながっているんです。聴いただけで嬉しくなったり、楽しくなったりするものであったらいいなと。そういう願いを込めて『ジュビレーション』っていうタイトルにしました。
ENTG:もともと、『ジュビレーション』というテーマありきで制作されたんですか?
杉本雄治:特にコンセプトはなかったんですが、前作のアルバムを作った時に、自分達が伝えたいことが固まってきたんですよ。その上で作った曲達なので、僕らの音楽を聴いてくれる人に希望を持ってもらえるようなものでありたいっていう思いはありました。
EMTG:あと、アルバム全体にキラキラした強い生命力も感じるんですが、1曲目の「Shine」には、特にその傾向が現れている気がします。敢えて1曲目だし、この曲にこめた思いも大きいんじゃないでしょうか?
河邉徹:ジャケットのデザインも、「Shine」の歌詞からデザイナーさんにインスピレーションを受けてもらったものなんです。
杉本雄治:この曲で歌っているように、太陽や月を見て純粋に心から感動できる感覚を、僕は音楽やファンの皆さんから気づかされてきたんです。だから、日常にある素晴らしいものに気付けなくなっている人がいたとしたら、ぜひこのアルバムを聴いて、まわりにある当たり前の感動や奇跡に気づいてもらえたら嬉しいですね。
EMTG:一方では「Letter」のように、かなりリアルに人間の弱い部分を表現した曲もありますよね。これは河邉さんが実際にいただいたお手紙がもとになったとのことですが。
河邉徹:はい。僕自身も、その手紙をくれた人と同じように生きることの意味について悩んだ時期があって。でも、そういう経験をしたからこそ、今、悩んでいる人に伝えられることができると思うし、その手紙をくれた人も、いつかきっと誰かを助けることができるんじゃないかと感じて歌にしました。
EMTG:そこも“生きる希望を与える”という思いにつながりますね。「希望の灯」は震災以降に作られたとのことですが、制作にあたって苦労されたことはありますか?
杉本雄治:やっぱりこの曲を作ろうって気持ちになるまでには、混乱している自分もいましたし、音楽に対する無力感も感じました。それまで、すごくいい状態で音楽と向き合っていられたつもりが、震災によってそれを否定されたような感覚になったんです。でも、やっぱり自分らが音楽をやっているからこそ、時代に残せるものが絶対あると思ったし、今感じていることを音楽にせず、何となく曲を作り続けたら、将来後悔するんじゃないかと感じて、それでこの曲を書く決心がつきました。
EMTG:あと、気になるのはボーナストラックですね。「負けんな!」という、初のソロ名義の曲を歌われてますが。
杉本雄治:知り合いを介してこの曲を作った加藤イサムさんと出会って、いろいろ音楽の話をさせていただく中で、この曲を聴いて。今まで触れてきた音楽とは違うけど、すごくいい曲だと思ったんです。で、何となく自分でピアノを弾いているうちに、WEAVERで歌ってきた世界観とは違うけど、この曲のメッセージに突き刺さるものがあって。スタッフにも聴いてもらったら“杉本の歌の新しい面を見せるものになるんじゃないか”って言ってもらったんです。震災もあったし、世の中が後ろ向きになっている中で、この曲を聴いた人には何かを感じてもらえるんじゃないかと思って、これを入れてみようかなと。
EMTG:ところで、初回ULTRA MEGAパッケージでは、4月に行ったC.C.LemonホールでのフルライブDVDもついているという。豪華すぎませんか?(笑)。
杉本雄治:CDに比べるとDVDを買う機会は少ないと思いますし、そういった意味ではもっといろんな方にライブを知ってもらういい機会になると思うんです。
河邉徹:今回、東京と大阪でしかライブをやっていないので、来れなかった方には少しでもその空気感を味わってもらいたいなと。
EMTG:では、最後にアルバムについてひと言!
杉本雄治:このアルバムを聴いて、こんな素敵な音楽があるなら、明日もまた素敵なことに出会えるかもって思ってもらえたら嬉しいですね。辛いこと、悲しいこともたくさんありますけど、純粋に感動できることが明日につながると思うんで、このアルバムが明日につながってくれたらいいなと思います。
奥野翔太:去年リリースした『新世界創造記』ではWEAVERの可能性を広げることができたと思うんですけど、『ジュビレーション』はライブやお客さんからいただいたものを糧にした上で、自分達が何を伝えていきたいのかを形にできたと思います。
河邉徹:新しい服を買って、それを次に着るまで家に置いてあるワクワクする感じを、このアルバムからも感じて欲しいです。ジャケットも、僕自身はすごく気に入っていて、持っているだけで嬉しくなるようになものになったと思うんですね。だから、このア ルバムを手に取ってくれた人にもそういう気持ちになってもらえたら嬉しいです!

【 取材・文:海江敦士 】

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リリース情報

ジュビレーション

ジュビレーション

2011年08月24日

A-Sketch

1. Shine
2. 春色グラフィティー(三菱東京UFJ銀行フレッシャーズキャンペーンソング)
3. キミノトモダチ(第89回全国高校サッカー選手権大会応援歌)
4. Letter
5. 『あ』『い』をあつめて
6. 希望の灯(「栄光ゼミナール」CMソング)
7. 負けんな!
8. Shine (Piano Instrumental version)
9. 春色グラフィティー (Piano Instrumental version)
10. キミノトモダチ(Piano Instrumental version)
11. Letter (Piano Instrumental version)
12. 『あ』『い』をあつめて(Piano Instrumental version)
13. 希望の灯(Piano Instrumental version)

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特にYouTubeで、うさぎとか可愛い動物の動画を見るのが好きで、癒されてます。
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麻婆ナス

最近、自炊をするので、作ったことのない料理を作るのが楽しいんですよ。それで麻婆ナスを1から作ろうと思って調べました。で、すっごく手間をかけて作った割には実家の味には遠く及ばずで。実家に帰った時に母親にきいたら、家の麻婆ナスは市販のもの を使っていたことがわかって(笑)。「ウチはナス切って入れてるだけやで」って言われました(笑)。
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