アルバム『RISE [＋SOLAR＆HOT]』で、待望の日本ソロデビューを飾ったBIGBANGのメインボーカリスト、SOL。ちなみにこのアルバム、オリコン週間アルバムランキングで初登場2位をマークし、音楽ファンからの厚い支持を証明した。そんな中、8月12日＆13日のグランキューブ大阪公演を皮切りに、初のジャパンソロツアー『SOL JAPAN TOUR“RISE”2014』がスタート！　ここでは、パシフィコ横浜国立大ホール2DAYS公演の2日目（18日）の模様をお伝えしよう。

　 　オープニングは背景のビジョンに、彼自身の象徴ともいえる太陽（日食の画像）が映し出されるところから始まる。続いてSOLが登場し、1曲目の「BODY」へ。上半身裸で飛び出した彼は、キレのあるダンスを交えて熱唱。BIGBANGの中でも、ダンススキルの高さには定評のあるSOL、随所でダンス・パフォーマンスを見せながらも、ボーカリストとしての聴かせどころをしっかりと作っていたのが印象的だった。4曲目のチルなムードの「YOU’RE MY」や「I NEED A GIRL」をはじめ、韓国ではシングルチャート1位となった「EYES,NOSE,LIPS」の日本語バージョンなど、R&B色の強いバラード曲で場内を酔わせていく。しかも「I NEED A GIRL」では、客席からファンをピックアップしてステージに上げ、甘い歌声をプレゼントするというパフォーマンスも披露。ため息を誘った。中盤にはアグレッシヴなHIPHOPナンバー「RINGA LINGA」で、再びステージに躍動感を与える。13曲目の「STAY WITH ME」では「僕の韓国の友達を紹介します」と発言。G-DRAGONの映像とコラボする演出で、“もしや本物がゲストに？”と想像した観客をドキドキさせた。

　ライブ終盤、SOLは「はやくツアーがやりたかった……この気持ちわかりますか！」と、ツアーが実現した喜びを熱く語りかけ、観客からも「待ってたよ~！」という声援を浴びる。そこからのMCタイムでは、オーディエンスから突発的に質問を受け付けるという流れに。たとえば“好きな女性のタイプは？”との質問には「自分の魅力を持っている人」と答えたり、“プロポーズの言葉は？”ときかれれば「あなたには言葉はいらない。表現できる言葉がないから」という粋な（？）回答も。さらに“どうしてムキムキなのか？”という質問には「バンドメンバーと、いつもプッシュアップ（＝腕立て伏せ）してるから」と、いきなりステージ上で腕立てを始めたり……と、ファンとのコミュニケーションを存分に楽しんでいた。今回のツアーがホール会場中心だったのも、SOL自身がこの距離感を大事にしたかったためなのかもしれない。本編は「LET GO」「LOVE YOU TO DEATH」の2曲で終了。アンコールの合図は、楽屋からステージに向かう彼の映像がリアルに映し出され、場内は大盛り上がり。そして、アンコールではBIGBANGのキラーチューン「BAD BOY」や「FANTASTIC BABY」が飛び出し、場内のテンションは急上昇。この大団円をもってライブは終わるのかと思いきや、開くはずのステージ出入り口が開かず、SOLはバックステージに戻れない!?　諦めてステージに戻ったSOL、「もう1曲やりましょう！」とライブ続行を宣言。そして、「2階の皆さん、聴きたい曲は？」とまさかの生リクエストを募集。不思議なことに、最初は聞き取れなかった声援が最終的には「RINGA LINGA」という曲名にまとまるというミラクル。このあとも客席からのリクエストをまとめ、「STAY WITH ME」、そして「EYES,NOSE,LIPS」の韓国語バージョンを届けてライブを締めくくった。このリクエストタイム、会場によっては違う内容になるようで、まさにその日の空気やノリが重視されるというもの。ファンとの関係や、ライブを支配できるパワーがなければ難しい演出だが、SOLは難なくその空間を支配。時おり見せるキュートな笑顔の内側には、実力派アーティストとしての確固たる自信がみなぎっているように感じられた。このツアーで得た刺激で、彼はまたひとまわり大きくなってくれるに違いない。

【取材・文：海江敦士】